帝征のヒーローアカデミア   作:ハンバーグ男爵

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サクサク進めよう、書きたいところ忘れそうだ。







16 battle! battle! battle!

『ヒエー…すっげー鈍い音したぞ…

上鳴をリングに沈め、龍征1回戦突破だァ!』

 

 

「やったね帝、2回戦進出おめでとう。」

 

「お見事です帝さん!」

 

「いえーいぴーすぴーす。」

 

A組観戦席に戻った私は響香と百に迎えられ、二人の間に腰掛ける。上鳴は私のヘッドバット受けて気絶したので医務室で療養中だ、暫く起きてくる事は無いだろう。

 

「ヘッドバット一撃とか、恐ろしい奴だぜ龍征…」

 

「胸ぐら掴み上げる所とか妙に手慣れてたもんな、これが生徒会長の力か…」

 

「お、オイラもやられんのかアレ…」

 

はい切島と瀬呂、余計なこと言わないの。そっちでブルブル震えてるブドウも私の目を見てちゃんと話して、お願いだから怖がらないで。

 

「帝ちゃんの戦い方、荒っぽいものね。」

 

ぐっは…!相変わらず痛い所を突いてくるな梅雨ちゃん!

 

「次は芦戸ちゃんとB組の子の戦いかあ…

帝ちゃんはどう思う?」

 

「茨は強いよ。三奈も考えて戦わないと負けるかも…」

 

茨ちゃんの蔓は日光と水分さえあれば幾らでも伸びてくる、防御力と耐久性もあり、持久戦に持ち込むのは不利だ。幸い本体である茨ちゃんの身体能力はそうでもないので、私だったら速攻で近寄って何もさせずに倒すかな。そもそも茨の蔓に炎は天敵だから負けないわ。

 

そんな事考えてる内に、ゴングと共に始まった第5回戦。

茨ちゃんを中心に輪を描くように展開され、地を這いながら迫り来る蔓から必死に逃げ回る三奈。所々酸で溶かしながら道を開いて近寄ろうとするも、隙無く張り巡らされた蔓の包囲網を破る事は出来ず、最後に脚を絡め取られた三奈は宙ぶらりんに拘束されて戦闘不能。終始茨ちゃん優勢のまま第5回戦は幕を閉じた。

 

三奈、もっと近寄れば良かったのに。慎重になり過ぎて距離を取ったのが不味かったね。

 

『芦戸は慎重になり過ぎだ、塩崎の個性は持久戦になればなるほど布陣が完成されていく。

懐に飛び込む覚悟が足りなかったな。』

 

相澤先生の解説に言いたいこと言われた。

 

あ、リングを降りる茨ちゃんと目が合った。軽く手を振ると彼女も顔赤くしながら振り返してくれたよ、やさしみ…

 

「きっキマシぶへッ!?」

 

「それはもう良いわ峰田ちゃん。」

 

ブドウが梅雨ちゃんに潰されてる、なんだこいつは。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「うわあ負けたぁ!塩崎さん強かったよお~!」

 

「よしよし、ご苦労さま三奈。」

 

悔しさの余り胸に飛び込んでくる三奈を抱きとめて、頭を撫でてやる。「やらかーい!」そうでしょうとも、胸だもん。

 

「騎馬戦で幾らか見てたから、対策したつもりだったんだけど。警戒し過ぎたかな~…」

 

「帝曰く速攻で決めちゃえば勝機はあったらしいよ?」

 

などと、百を除く女子達で姦しくお喋りしていた時、梅雨ちゃんが観客席である事に気付いた。

 

「…けろ?何かしら。西側の観客席、妙な人達が居るわ。」

 

「え、ドコドコ?

…ホントだ、みんな同じ服で髪型もすっごい派手。」

 

梅雨ちゃんと透の見つめる先は観客席、ちょうど西側ゲート横の立見席だ。

10人くらいの男達…皆同じ色のツナギを着て、モヒカンやらリーゼントやら 特徴的な髪型で異質な雰囲気を放つ連中が…

 

 

待って

 

 

「あ、目が合っちゃった…」

 

「此方に向けて全員凄い勢いで手を振っているわ、少し怖いわね。」

 

 

 

待って待って

 

 

「て、手を振ってるって事は、この中に知り合いが居るって事だよね…」

 

「見た感じ社会人っぽいけど、かなりガラ悪いぞ?よく警備に止められなかったな。」

 

「む…選手の集中を乱す為の妨害行為なら先生がたに報告しなくてはいけないな。」

 

さっきまでノートに何かを書きなぐりながらブツブツ呟いてた緑谷が気付いたのを皮切りに、砂藤、飯田もそれに続く。だんだん騒ぎが大きくなってきた。

 

 

 

だがしかし、もしかすると人違いって可能性もある。私達は集団幻覚を見ているのかもしれないし、そう考えて私に向かってちぎれんばかりに手を振り続ける彼等を私は必死に見ないようにした。

 

 

「あのさ、もしかしてあの人達帝のしr」

 

「あーッ!響香、私ちょっとお花摘みに行ってくるねぇー!!」

 

「おぅ!?

う、うん…行ってらっしゃい…」

 

 

真実に辿り着いてしまったか響香!ならば私はこの場に居てはならないだろう。

急に立ち上がったので、みんなの注目を集めてしまったが仕方ない。そそくさと私は奴らの居る西側入口へダッシュで向かった。

 

 

 

 

 

 

 

 

「一体どうしたんだ龍征の奴…」

 

「随分焦っていたみたいだけど…もしかしてあの人達と知り合いなのかしら?」

 

「ああー、餓鬼道繋がり…」

 

「あ、帝ちゃんだ。」

 

「龍征君、彼等の所へ向かっていたのか。」

 

「先頭にいるリーゼントの人と話してるみたいだね…あ、龍征さん、リーゼントの人を物陰に連れ込んだ。

後ろの人たちもそれに付いて行ってる…」

 

「つか見たかよ。

龍征見た途端、先頭のリーゼントの奴最敬礼してたぞ。」

 

「なんて見事なお辞儀なんだ…

後ろの奴等も、まるでヤ〇ザの出迎えだったな…」

 

 

 

『餓鬼道って一体…』

 

 

 

1年A組の疑問は絶えない

 

 

 

 

 

 

 

 

「…で、なんで此処に居るんですか先輩方。」

 

スタジアム西側入口付近、陰になって見えない一角で、先輩方を正座させながら睨み付けた。

彼等の着ているツナギの左肩には『印照重工』と金色の文字が刺繍されている。お気づきの方も多いだろうが、この人達は餓鬼道の卒業生だ。印照財閥のトップ…つまり才子先輩のお父様は餓鬼道出身故に、中卒で職に困った餓鬼道生を引き取って、従業員として雇っている。餓鬼道に在籍していたという理由だけで落選させる企業は残念ながら少なくない、将来的に不利になる彼等を放っておけないのもあるんだろう。

この人達は私の一個上の先輩方…経済的な問題で全員高校にも進学できず、餓鬼道出身故に就職活動にも失敗した所をご当主様に拾われた。

因みに、在学中は当たり前のように跳ねっ返り連中だったので巌先輩と同様生徒会長として〝お話〟していた訳なのだけど…

 

「そんな!わざわざ敬語なんて使って下さらなくてもタメ口で大丈夫なんで!

朝1番に叔父貴が『自分は急な取引で行けなくなったからお前等が代わりに帝の勇姿を目に焼き付けてこい』って仰って、10人分の観戦チケットを俺達に下さったんです。

今日は午前上がりなんで仕事終わりに直接来ました!」

 

「雄英高校に進学された姐御の御姿、見逃す訳にはいかないんで!」

 

「姐御、雄英の体操服姿もお美しいっス!」

 

この通り、何をどう間違えたのか変な拗らせ方をしてる。私の事を『姐御』と呼び、才子先輩を『お嬢』、当主様は『叔父貴』だ。まるで何処かの任侠映画みたい。

 

いきなり叔父貴っていうの止めなさいよ、変な勘違いされちゃうじゃない。既にここを通り掛かった親子連れが私達見た途端凄い勢いで逃げていった後だけど…

 

「…じゃあタメで話すけど。

アンタ達、大人しく観戦してなさいよ。印照重工の紋が入った作業着を着てるんだから、問題を起こせば会社に迷惑が掛かるんだからね。」

 

『ウス!分かりました姐御ォ!』

 

なんでこいつらこんなに息ピッタリなんだ…あと声大きい、静かにしなさい。

 

 

 

「伝えられた場所に来てみれば…なんだこれは。」

 

威厳のある重苦しい声、振り返ってみればそこに居たのはフレイムヒーロー『エンデヴァー』。

どうやらさっき逃げていった家族連れのお母さんがエンデヴァーに通報したらしい。

 

「フレイムヒーローエンデヴァー…」

 

No.2ヒーローエンデヴァー。オールマイトが不動の1位を占める中、ずっと2位の地位に立ち続ける実力派。炎の個性〝ヘルフレイム〟でヴィランを焼き尽くすバトルヒーローだっけ。そんで彼の苗字は『轟』、アイツの父親か。

 

「君は…騎馬戦で焦凍に一泡吹かせた女子か、何故物陰で()()()連中とつるんでいる。」

 

ちらりと先輩達を眺める彼の目には明らかに侮蔑と嘲笑が混じってた。『こんな』ね…まあ全員髪型世紀末だもんね、一目でロクな連中じゃないと見抜いたんでしょ。よく昔からこんな目で周りから見られてたから慣れたわ。

 

「彼等は私の先輩方です、仕事終わりにわざわざ着ていただいたので挨拶するのは当然でしょう?少し見た目はアレですけど、問題は起こさないよう言い聞かせたので大丈夫ですよ。」

 

「…ほう、そうか。通報があった為不審者として追い出しておこうと思ったが…まあいい。お前達、くれぐれも妙な真似はするな。」

 

『ウス!エンデヴァーさん!』

 

だからなんでこいつら息ピッタリなん?

 

「それから君。

障害物競走と騎馬戦を見たのだが、炎の個性を使うのか?」

 

「はい、そうです。

エンデヴァーさんと違って口からしか吐けませんが。」

 

「ふむ…素晴らしい個性だ、炎を制御する鍛錬も積んでいるな。是非焦凍と戦って、打ち負かしてやって欲しい。

そうすれば無駄な反抗期も終わるかもしれん。」

 

「反抗期、ですか…」

 

轟は緑谷と話していた時、「父親が憎い」と言っていた。

爆豪みたいに常に反抗期のやんちゃ坊主ならともかく、轟はそういうタイプじゃない。もっとこう…内に秘める感じの憎悪をあの時彼から感じた。餓鬼道にもそういう家庭環境の奴は居たけど、轟もかなり苦労してるらしい。

 

「わざわざ言われなくても、轟には負けません。宣戦布告も受けましたから。」

 

「フッ、一丁前に生意気な息子だ。」

 

満足そうに鼻を鳴らして、エンデヴァーは去っていった。そのあと少しして、私も再度先輩達に問題を起こさないよう念を押してから、皆のところへ戻った。去り際に「屋台で美味そうなもん買っといたんで、皆さんで召し上がって下さい!」と沢山お土産を渡されて、全員斜め90度の完璧なお辞儀で送り出された時の複雑な気持ちよ。両腕にレジ袋抱えてA組の観戦席に戻った時の皆のなんとも言えない表情ったらもう…

 

 

「帝おかえり、長かったね。何その荷物…」

 

「タコ焼きとか焼きそばとか、差し入れで先輩達から貰った。とりあえず連中には大人しく観戦しろって伝えてるから問題は起こさない…ハズ。」

 

「やっぱ知り合いだったのね、皆心配してたんだよ。」

 

「危うく通報されてエンデヴァーに全員連れてかれる所だった…そんで、なんで百は凹んでんの。」

 

「6回戦見てなかったの?常闇の黒影に速攻掛けられて押し出されちゃった。」

 

「ふぐぅっ…!?情けないです…」

 

「…百、タコ焼き食べるか?」

 

「そんな目で見ないで下さい帝さん!…あ、タコ焼きは頂きます。」

 

常闇、百に勝つとは意外とやるね。ノーマークだったよ。

ちゃっかりしてる百にタコ焼きを渡し、ちらっと轟の方を見ると、直ぐに目を逸らされた。さっきまで間違いなくこっち睨んでたね、私がエンデヴァーの話した辺りから。

 

 

 

 

 

7回戦切島VS鉄哲。

お互い似たような個性で殴り合い、双方同時にノックアウト。回復するのを待って腕相撲で決着を付けることになった。

 

7回戦が保留に終わり、最後の8回戦目。

お茶子VS爆豪。

 

お茶子が懸命にアタックを仕掛けるも、尽く爆破して打ち払う爆豪。傍から見るとリンチにも見える光景に観客席からブーイングが殺到した。

 

「いや、ヒーローがブーイングは駄目でしょ。」

 

「でもさ…お茶子さっきからボロボロだし、爆豪もやろうと思えば一瞬で終わらせられるんじゃ…」

 

「お茶子はヤケになってるわけじゃない、上見てみ。」

 

「上…?ッ!?」

 

「まさか麗日さん、最初からこれを狙って…?」

 

 

 

 

 

『…さっきブーイング飛ばした奴、就職活動し直してこい。ヒーロー向いてねぇから。』

 

段々大きくなるブーイングを相澤先生が底冷えする様な冷たい一言で黙らせた。アンタら相澤先生が担任じゃなくて良かったな、全員除籍処分だぞ。

 

スタジアムの上空、リングの中からだと顔を上げないと見えない位の位置に、大小様々な大きさの砕けた瓦礫がふわふわと浮いている。爆豪の爆発に紛れ、砕けた奴を能力で気付かれないように浮かせていたんだろう。しかもあの量、お茶子はかなり無茶をしてる。確かあの子の個性は許容量超えると酔うんじゃなかったか?気合で我慢してるのかな。

 

お茶子が能力を解除して、無音で瓦礫の山が爆豪に向かって降り注ぐ。

これが決まれば一気に形勢逆転!…かと思ったんだけど、すんでの所で気付いた爆豪が放った特大火力の爆破によって瓦礫は木っ端微塵に消し飛ばされた。

 

「爆豪の奴、なんつー威力してるの。絶対ヒーローより解体屋の方が向いてるでしょ。」

 

「あっ、麗日が…」

 

最後の策が不発に終わったのを見たお茶子はまだ攻勢を掛けようとするも、身体が限界に達してしまったらしい。前のめりに倒れてしまった。

 

『麗日さん気絶、爆豪君の勝利!』

 

『あぁ~麗日ぁ…あ、爆豪2回戦進出~、お疲れ。』

 

『テンションの上げ下げおかしいだろ…』

 

残念ながら8回戦は麗日の負け、でもあの爆豪を翻弄したんだから大金星だろう。

 

 

 

 

 

 

そんで、切島と鉄哲の勝負の結果はというと…

 

 

「フヌウウウウウウ……ッッ!!」

 

「オアアアアアアアアッッッ!!」

 

 

ガァン!

 

 

『勝負あり!鉄哲君の勝利!』

 

「よっしゃあああああああッッッ!!!」

 

「クッソォ~!硬さで一歩及ばなかったァッ!」

 

腕相撲対決の結果、僅差で鉄哲が勝ち上がった。お互い硬化した腕にヒビが入るまで頑張っていたようだ。

 

「イイ勝負だったぜ切島…」

 

「鉄哲オマエ…!漢らしいじゃねえか…ッ」

 

お互いに熱い握手を交わし、会場は2人の健闘を讃えてる。昨日の敵は今日の友…男の友情って奴ね。

 

 

 

 

 

そんな訳でトーナメント1回戦は全て終了、私の次の相手は飯田だ。

心配なのは初っ端の緑谷と轟なんだけど…大丈夫かなあ…







GODZILLA新作最高やったで、みんなも観ような。
個人的にはキングギドラの右の首が好き、かわいい。


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