体育祭エピローグ、長くなったので2話に分けるよ
がりがり…がりがり…
がりがり…がりがり…がりがり…
がりがりがりがりがりがりがりがりがりがり
暗く狭い部屋で、首を掻き毟る男が一人。テレビの前に佇んでいた。
『観察するんだ弔、雄英高校体育祭を。
将来君の敵となるヒーローの姿を見定めろ。』
(先生はそう言ってたが、まるで見る価値もない。イライラする…
ああ、全部壊してやりてえなあ…)
画面の向こうでは少年少女達が汗を流して青春を謳歌している姿が映っているが、彼にとってそんな事はどうでも良かった。
内容など殆ど頭に入っていないまま、迎えた決勝戦。対戦相手はどちらも死柄木がUSJ襲撃の時に居合わせた雄英生徒だった。
(黒霧を抑えた爆発頭のガキと…ッ!?
チッ…脳無の腕を焼き切った女か。)
首を掻く頻度が一層早くなる。
どちらもあの時自分を邪魔した生徒、しかも片方にはオールマイト殺害の切り札を目の前で潰された。
「イライラすんなァ…」
衝動のあまりテレビを壊してやろうかとも考えたが、大事な『先生』の教えなのだ。
そこは彼も理性で我慢して、何とか決勝戦を観戦した。
…………
『…どうだい弔、気付く事はあったかい?
僕は
「………」
『…?弔?』
「なんだよ…アレ。
化け物じゃねえか!」
『ほう。』
「すげぇよ先生…ありゃ正真正銘の化け物だ!ヴィランもヒーローも関係無ェ、力だけで人類を蹂躙するモンスター…!
ははっ!アレが街で暴れたらどんだけ人が死ぬんだ?どんだけ世界に傷を残せるんだ?あんな個性でよくヒーロー目指そうなんて思ったよなあ?」
決勝戦を見る死柄木は先程とは違い、子供のようにはしゃいでいる。画面にはリングを埋め尽くさんばかりに翼を広げる黒と金の龍が映し出されていた。
『楽しそうだねぇ弔、そんなに良い駒を見つけたのかな?』
「ああ、先生。
使えそうなのがチラホラ居た、きっとあいつらはこっち寄りだ。」
『ふむ…まあ及第点かな。
それと、黒霧がヒーロー殺しと接触したようだ。今度連れて来るそうだよ。』
「どうでもいいな…役に立つなら会うけどさ。」
『大丈夫さ、きっと彼は我々にとって良い足掛かりとなる。』
光届かぬ所で悪意と欲望は牙を研ぎ、来るべき日に備えて闇に潜み力を蓄え続ける。
その悪意が解き放たれるのは…もう少し先の話
◆
表彰式だよ全員集合!
あの後駆け寄ってきたミッドナイトに連れられて1番近い控え室で体操服に着替えた私。その場で待機する事10分、ガチャリと扉を開けて入って来たのは茨ちゃんだった。
「御姉様、こちらにいらっしゃったのですね。
準優勝おめでとうございます。」
「おー、茨も3位入賞おめでとー。」
「ああっ…ありがとうございます!
轟さん、大丈夫です。ちゃんと体操着を着ていらっしゃいますよ。」
「そうか、悪い。」
なんか大袈裟に喜ぶ茨ちゃんの後ろから轟がひょっこり顔を出す。2人は3位入賞だから一緒に表彰台に並ぶよって事かな?
「おう轟、もう身体大丈夫なの?」
「ああ、心配かけた。
お前こそ大丈夫か…その……裸が…」
ちょっと顔赤くして目を逸らす轟。茨ちゃんも気まずそうにしてる。
「大丈夫じゃね?」
「そんな訳ありません!御姉様の裸体があわや全国放送だなんて…なんて辱めを…!」
声大きくない?何故私より悲痛な表情なのだ茨ちゃん。
あれ?表彰式だから皆此処に集められたんだよね、爆豪は?
「そういや爆豪何処行った?」
「爆豪なら念の為リカバリーガールの治療を受けてから来るらしい。
ただまあ、かなり荒れてたが…」
「荒れてた?」
「本当に野蛮な方です、納得いかないからといってあそこまで暴れるなんて…」
「…それだけ勝負に拘ってるのかもな。」
二人ともかつてないほど深刻そうな顔をしながら爆豪の安否を語ってる、どういうこっちゃ。
『よっしゃあ!
色々あったが気を取り直して、表彰式やるゾォ!!表彰選手以外の生徒はスタジアム中央に整列しろォー!』
プレゼントマイクの元気な声が控え室のスピーカーから響いたのを合図に、扉をノックする音が。入って来たのはセメントス先生だ。
「マイク先生の放送が聞こえましたね?
皆さんはこちらです。さ、移動しますよ。」
「はーい、センセーもお疲れ様でした。
主に私のやらかした後始末とか…後始末とか…」
「自覚があるなら宜しい。
元気なのはいい事です、君が立派なヒーローになるのを楽しみにしていますよ。」
ひらべったい顔で聖人の如くニッコリ笑う先生には頭が上がらんとですよ…
それはそうと、長かった体育祭もこれで終わりだ。終わりよければすべてよし、祭りの〆くらいちゃんとしよう。才子先輩や店長の見てる前だし、もしかしたらテレビ越しにちー君も壊理ちゃんと見てるかもしれん。
2人に格好つかないのは恥ずかしいよね(公開全裸は棚に上げる)
雄英高校体育祭表彰式、他の生徒達が整列する中表彰台に立つのは、3位入賞の轟と茨ちゃん。そして1段高い場所に立つ私、そして…
『■■!!!■■■■■■〜ッ!!』
全身を対ヴィラン用拘束具で固められ、口には猿ぐつわ、オマケにセメントス先生特製強化コンクリートの柱に鎖で縛り付けられたうえで竜化した私の咆哮と同じフォントで唸り声を上げる優勝者、爆豪勝己その人である。猛獣かな?
「爆豪がどえらい事になってんぞ?」
「リカバリーガールに治されてから暴れ回ったんだとよ…締まらねえ1位だなァ。」
「鎖が切れたら今にも龍征を襲いそうじゃん…」
瀬呂達がボソボソ言ってるのが聞こえた。
ガシャガシャ鎖の揺れる音が耳障りだ。それに私に向かってなんか喋ってるようにも見えるし、なんなんだコイツは。
「本当に野蛮な人…」
「元気な奴だな。」
茨ちゃんは心底呆れたように呟いて、轟は不思議そうに
『さあ、表彰式を始めちゃうわよ!
今年メダルを授与してくれるのは…』
勿体ぶって溜めるミッドナイト先生の向こう、スタジアムの屋根の上に誰かいる。
「ハーっハッハッハッ!!」
次いで聞こえるいつもの笑い声。
鳥だ!猫だ!いや、筋肉だ!
『「我たしがヒーダルをもっマイ来たト!!」』
あぁん?なんだって?
『被った…ゴメン!』
「……」
申し訳なさそうに笑うミッドナイトと何とも言えない複雑な笑顔で互いに見つめ合うオールマイト。うん、打ち合わせはちゃんとしよう。
気を取り直して、オールマイトによるメダルの授与式が執り行われた。
先ずは3位の轟と茨ちゃんから。
「轟少年、おめでとう!
準決勝、熱い戦いだった。私も思わず胸が高鳴なったよ!」
「ありがとうございます。」
「ウム!いい顔になった。
多くは語るまいよ。今の君なら大丈夫、成すべきことを為せるはずさ!」
「ッ!!はい…!」
「続いて塩崎少女、おめでとう!
優勝者相手にあの奮闘、強い子だな君は!」
「ありがとうございます。
ですが私などまだ未熟者…更に精進しなくては。」
「いい向上心だ、この大会で目標を見つけたようだね。」
「…はい。遠く高く、そして尊い目標ですが、いつの日か…あの方の隣に居ても恥じぬ様なヒーローに。」
「HAHAHA!!素晴らしい!
頑張れよ、塩崎少女!」
「はいっ!」
静かに、力強く頷く茨ちゃん。轟は相変わらず無表情だけど、もう憑き物は落ちたしこれでいいのだ。
表彰台を上がり、ガチムチ筋肉が私の前に立つ。
「さァ次だ!
準優勝おめでとう、龍征少女!」
「あざーっす。」
「HAHAHA!こんな時までマイペースかよ君は!
最後はまあ…色々あったが、幸い撮影機器の不調で全国配信は免れたようだ。危なかったね(ボソッ)。」
「明日の一面を飾らずに済みましたね。」
「ナゼ他人事!?
まあ、それは置いといて…おめでとう!
強いなぁ君は!卓越された炎と熱の操作、自分の個性をよく理解している証拠さ。見事だった!」
「理解、ですか…」
「?」
理解、理解ねえ…
「いやなんでも。
オールマイト先生、この際なんで聞いときます。」
「む?何でも言ってくれ!」
「決勝戦、私を見て、なんて思いました?」
「…ッッ!」
「別に嫌味とかじゃないんですよ、多分アレ見た人は皆そう思うでしょうし。
ねえ先生。
「ッ勿論さ!優しい君なら立派なレスキューヒーローになれる、自信を持つといい!」
笑顔が一瞬揺らいだな…まあいいや。
取り敢えず頭は下げておこう。
きっと彼も、あの時の私を見て一瞬でも『危険』だと感じたんだ。それがヒーローとして正しい反応だ。
「やっぱり先生はヒーローですね、どうしようもないくらいに。」
「?」
「大丈夫ですよ、先生が一瞬でも考えた事は起きませんし、起こさせません。私が残ってる限りはね。」
「……ッ済まない龍征少女、私は…」
「でも万が一、億が一…明日から突然峰田が品行方正な好青年になるくらいの確率でそうなってしまったら、介錯は貴方にして欲しい。NO.1に倒されるなら本望だしい?」
「…………」
いかん、冗談のつもりだったのにオールマイトはこの世の終わりみたいな顔してる!
駄目やん!この男のジョークが通じない感じなんなの?ワイドショーじゃ鬱陶しいくらいお茶の間を笑いの渦に巻き込んでたじゃない!
「な〜んつって。
ンな事ある訳ねーでしょうが。ホラ早く爆豪のトコいったげて、いつまでも喋ってると贔屓してると思われますよぉ?」
「う、ウム…分かった…済まない…」
「あとその
「酷いっ!?」
まだちょっとだけ引き摺ってるらしいオールマイトはそのまま更に1段上の拘束された爆豪の前へと立った。
「さあ優勝者…っと、コレは流石に酷いな。」
苦笑いでそう言って、爆豪の顔に着いた○ャギ様のヘルメットみたいな拘束具をがぽっと外すと案の定…
「■■■■■■■■ッ!!■■■■■■〜ッ!!!!!」
えっ、この声素だったの?
「すげぇ顔…!?
と、とにかく!伏線回収おめでとう、爆豪少年!龍征少女との大決戦、見事だったね!」
「ンな勝負認められるかッ!!
メダルも要らねえ!他の誰に認められようと…俺が認めてなきゃゴミなんだよ!
テメェもだ龍征ぇっ!!」
「んー?」
突然わたしに食ってかかる爆豪。
私はそろそろ表情筋がぴくぴくし始めた、今日は外行きの顔をし過ぎてそろそろ限界なのだ。顔が痛い。
…多分明日は顔面筋肉痛だ。
「あんな結末認めねエ…もっかい勝負しろオラァ!」
「やだよ面倒臭いし。あ、スマ○ラでならやってやらんことも無い。」
「小学生かおのれはァーッ!!」
ギャーギャー近づく爆豪が煩い
「でも良かったじゃん五体満足でさ、触診した時も大した怪我無かったし。」
「その話は出すんじゃねぇクソ痴女がァ……ッーーッ!!」
なんだ私見て顔赤くしたと思ったら急に大人しくなって、情緒不安定なの?
「…思い出しましたね。」
「多分な。」
「ハハッ!若いな爆豪少年!」
「……ッセェよオールマイトォッ!!あと外野!ぶっ殺すぞ!」
「このご時世、不変の価値観を持つことは素晴らしい事だ。でも今回のコレは受け取っときな、『傷』として。それがまた君を強くする!」
「要らねえって言ってんだろがああああああッッ!!」
首で必死に抵抗する爆豪だったけど、最後は口に咥える形でメダルを授与された。
「さァ御観覧の皆様、今回の勝者は彼等だった!
だが此処に居る誰もが表彰台に登るチャンスがある。新たなる時代の芽は着実に芽吹いているのだから!」
そんでオールマイト観客に向けてパフォーマンス。流石平和の象徴、こういうのは慣れてるな。実績もそうだけど、彼の人柄や雰囲気は傍に居るだけで人を安心させる。エンデヴァー見てるか?見習って?
…居たわ、北側の観客席。ビデオカメラ持ってハシャいでる先輩達の横でじっと私を見つめてる。目が合ったわ、怖ッ。何故ぇ…?
「そんな訳でぇ…そろそろ〆にしようと思う。最後は皆さんご唱和ください!」
ああ、いつものね。ハイハイいつもの。
「みんな、いつものよいつもの。」
「ええ、あの方と言われれば…」
「アレしかないよな。」
「チィッ!!言われんでも分かっとるわ!」
よし、体育祭の締め括りだ。ビシッと決めようぜぇ。
せーのっ
『Plus ultra!!』
「お疲れ様でした!」
…は?(威圧)
とどろきせんせーい、今空気読まずに「お疲れ様」とか言っちゃったNo.1ヒーローがいまーす!
「それ1人に絞られるよな?あと俺は先生じゃねえ。」
「細かい事は気にすんな。」
案の定観客から大ブーイングを浴びるオールマイト、流石平和の象徴はエンターテインメント精神を忘れな…ああ、素でしたか。
こうして私達の体育祭は締まらないながらも幕を閉じた。
………………
「体育祭御苦労だった。
今日の結果を含め、職業体験の行先を集計し後日発表するから楽しみにしとけ。
それと明日から振替休日含め三連休に入るが、しっかりと身体を休めておくように。馬鹿なハメの外し方はするなよ。」
体育祭は無事終了、教室に戻った私達は着替えてHRのお時間。
相澤先生の説明を聞くに今日の体育祭の結果で、後日行う職場体験の行き先を募集するらしい。プロヒーローからの将来に対する期待、要は野球のドラフト指名のようなものだ。
一通り説明した後、「じゃ、そういう事で。」と、相澤先生は教室を出て行った。途端に教室内が騒がしくなる。
「ああ〜つっかれたあ!」
「でも楽しかったね体育祭!」
「プロヒーローからスカウトかぁ…決勝進出できた連中はどんくらい来るんだろな?」
砂藤がぼやく、それにつられて三奈や透もウンウンと頷いた。
「特に爆豪、轟、帝ちゃんなんかはスカウト凄そうだよねえ。」
「3人とも大活躍だったもんねー。」
しょーじき私が見てもらいたかったのはレスキュー要素なんですがね…体育祭のルール的に戦闘面を評価してるんだろか?
私的にはバックドラフトとかワイプシからスカウト掛かってると嬉しいなぁ。
バックドラフトは火事場の得意なレスキューヒーローだし、ワイプシは山岳救助を中心に活躍するヒーローだ。あとラグドール可愛い。すこなのよね。
「つーかよ、こんだけ頑張ったんだから打ち上げとかやりてーよな!」
「お!いいねーそれ!」
お祭り大好き上鳴に三奈が乗っかって、クラスは大盛り上がり。
いいんでない?そういうの高校生っぽくて好きよ。
「ええねええね!」
「打ち上げ…
なんか百がぷりぷりし始めたぞ。
「会場とかどうする?カラオケにしても予約とか必要だし…」
「あ、じゃあウチ使う?」
「「へ?」」
「私の家、店長に連絡して許可貰えば明日辺り貸し切りにできるかも。20人程度なら店に入るし、外に行くよりお金掛からないよ。」
中学生時代よく生徒会の連中と打ち上げとかやってたし、場所の提供は慣れっこだ。
そう言いながら私は店長のスマホにメッセージを飛ばし確認を取ってみる。
ミカド▶お義父さん、明日友達呼んで体育祭の打ち上げしたいから店貸し切りとかできない?
ほい送信っと…返事が返ってくるまでちょっと待t
ピロリン♪
…早いな。
アラフィフ▶いいネ!(・∀・)b明日は夜しか開ける気無かったし、昼間は自由に使って構わないヨ。
体育祭御苦労サマ!( ^ω^ )
「……ん、許可取った。
準備しなきゃいけないから、明日の昼からでいいか?。」
「帝ちゃんすごっ!!」
「龍征マジで!?手ぇ早すぎんだろ!
よっしゃじゃあ龍征んトコで決まりな!
お菓子とか持ち寄ろうぜ!参加者は〜…」
トントン拍子で話が進んでく。
「…チッ、下らねえ。」
「あ…おい爆豪!」
そんな中、舌打ちした爆豪はさっさと帰ってく。そんな彼を追う切島にこっそりアイコンタクトを送っておいた。
私の考えを察してくれたようで、切島はニッと笑って爆豪を追い掛けてく。ま、切島なら大丈夫でしょ。
「じゃあ明日の昼、龍征ん家に集合な!
詳しいこたぁクラスのグループトークで連絡頼む!」
「轟はどうする?」
「…明日は行く所がある、昼過ぎからなら合流できるかもしれない。」
「そっか、待ってる。いっぱいお母さんと話してきなよ。」
「ああ。」
「それと、番号交換しようぜ。もしもの時の連絡用に。」
「……?そうか、ケータイか。
悪い、使わねえからやり方分からねえんだ。」
まじで?このご時世、ケータイの使い方分からない高校生とか轟くらいじゃないのかな?
しょうがないから轟のケータイを貸してもらった。
うわ、ホントに手ぇ付けてない。ホーム画面もアイコンも初期画像のままじゃん。保護シール貼ったままだし新品同然じゃない。
「SNSも入ってないのか…こっちで入れてもいい?」
「好きにしてくれ、龍征のと同じ奴を入れてくれればいい。」
「はいよっと。」
手頃なアプリを落としておいて轟にアドレスやら名前やらを登録させた後、私のアドレスとクラスのグループトークを記録させておいた。
「つーか今までクラスのグループトークに轟が居なかったのって、機械音痴だったから?」
「悪い、特に興味も無かったからな。」
「花の高校生がそれはマズイでしょ…最近の映画やゲームの話題とか、知ってれば話のネタになるし楽しいよ?」
「そうなのか…?」
「そうなのだよ。試しに緑谷にオススメの映画とか聞いてみなよ、ついでにアドレスも聞いてさ。やり方はさっき教えたでしょ。」
「分かった。」
そのまま席を立ち上がった轟は緑谷の方へ歩いて行って、話し始めた。チラっとこっちを見てきた緑谷に無言で親指を立てておいて、私も席を立つ。
「もうお帰りになられますの?」
「んー、明日の準備あるし。
それにちょっと疲れちゃったから、今日はさっさと帰って寝る。百もお疲れ様。」
「お疲れ様でした。
明日、宜しければ早めにそちらに行ってお手伝いしましょうか?」
「そういう話ならウチも手伝うよ。」
「まじ?助かる〜、じゃあ来る時連絡してね。」
おお、持つべきものは心の友よ…
…そういえば、体育祭の途中から飯田の姿が見えなくなってたけどどうしたんだろう。連絡した方が良いのかな?