帝征のヒーローアカデミア   作:ハンバーグ男爵

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のらりくらりと投稿していくんで宜しく





26 ヒーローのおなまえなんてーの?

窓の外に見えるのは、白。

一面雪に覆われた田舎町。通り過ぎていく景色に目を奪われている私を隣で才サマが眺めてる。

 

『そんなに外の景色が珍しい?いつも車から見ているじゃない。』

 

『ーーーーーー。』

 

微笑む才サマに何を言ったか覚えていない、でも反対側の席にいたメイさんに半目で呆れられたのは印象に残ってた。それくらい下らない理由だ。

 

真冬の青森県、しんしん雪の降り積もる山中をローカル列車が進む。この時期は雪も深く、客も疎らでこの車両には私達と他に10人程度、家族連れが一組と女性の四人グループ(1人ガタイが良過ぎて本当に女なのか疑ったけど)が一組、ボックス席に座っていて、他は2人組のカップルだったり1人だったりが疎らに座ってる。取り敢えず怪しい人物は見受けられないかな。

 

『お前、護衛の役割を忘れているのではありませんか?』

 

『いいじゃない、今日くらい。

メイさんも手に持ったスタンガンをしまって、旅行を楽しみましょう?』

 

『……お嬢様がそう仰るなら。』

 

そうボヤいたメイさんが左手に持っていたスタンガンがスカートの中に消えていく。それ何処に押し付けるつもりだったの?私の方を向いていた様な気がしたけど、恐ろしくて聞けなかった。やっぱりメイさんはこわい。

 

今日は印照家の特別な日だ。例年通り贔屓にしている温泉旅館で休日を最低限の護衛と家族水入らずで旅行の予定だったのだけど、お二人とも急な取り引きが入ってしまったらしく、先に私達だけで向かっている。結構な山奥に位置する旅館で自家用車やヘリで行くことが出来ないため、こうして毎年ローカル線を使い現地に赴くようになった。

「偶には自家用車以外もいいじゃない」と才サマはノリノリだけど、身辺警護を任されたメイさんは毎年気が気でないみたい。私は才サマ専属の護衛だけど流れていく景色に興味の方が上回って、時々メイさんに怒られる始末だ。

 

 

『飾り付けに手間取ると思っていたし、丁度良かったわ。二人とも旅館に着いたら手伝ってね?』

 

 

ウキウキしながら鞄を抱きしめる才サマ、その中には前日に予め3人で作った手作りの部屋飾りが詰め込まれてる。パーティーモールにたくさんの風船、キラキラ光るラメ入りの折り紙で作ったちょうちょは私の自信作だ、向こうに着いたら一緒に飾ろうって約束した。

 

 

電車は白く染まった田んぼや農家を抜け、再び山を貫くトンネルに差し掛かかった。トンネルを抜ければ最寄りの駅まで目と鼻の先。

10回目の結婚記念日、雪降り積もる温泉宿で才サマにとっても御両親にとってもきっと、今日は素敵な1日になる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

……ハズだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

 

 

 

 

 

…………ど

 

…………か…ど

 

………………みかど

 

 

 

 

「帝ォッッ!!」

 

 

ずぽッ

 

ギュイイイインッ!!

 

 

「くぁwせdrftgyふじこlp!?!?!?!?」

 

頭に堪らん衝撃を感じて飛び起きた。

何!?敵襲!?総員戦闘配備!?

 

「敵の潜水艦はダメだぞ!」

 

「何言ってんだ龍征。」

 

顔を上げると斜め前の轟が不思議そうにこっちを見てた、私の耳に入ってたイヤホンがするする縮んで、ジト目の響香のところへ戻ってく。

あ、察した。寝てたわ、私。

響香のイヤホンで叩き起されてやんの。

 

体育祭終わりの三連休も明けて三日ぶりの学校だ。

周りを見ればクラスの皆は苦笑いしながらこっちを見てて、最近学校の計らいで止まり木を貰った翼竜共も気の毒そうにこっちを眺めてる。オイなんだその可哀想な子を見る目は。

えーっと、そういえばなんの授業してたっけか…えと…職場体験の説明受けて、なんか私の所に5000件くらいスカウト来てた所までは覚えてる。それからすっげーエロい格好のねーちゃんが入ってきてヒーローネームを……そうだ。ヒーローネームだ。

 

「おはよう龍征さん。よく眠れたかしら?」

 

「おはようございます。

相変わらず凄い格好ですねミッドナイト先生、お腹冷えないんですか?」

 

「お気遣いありがとう、でも居眠りは感心しないわね。

私、個性使ってないんだけど。」

 

眠気まなこで顔を上げれば、大胆なヒーローコスチュームに身を包むナイスバディのお…ねえさん。18禁ヒーロー『ミッドナイト』が私の横に仁王立ちしていた。

ミッドナイトの個性は相手を眠らせるフェロモン出すんだっけ?

 

「無自覚、とか…」

 

「あらあらうふふ。」

 

「おほほほ…」

 

先生、目が笑ってないですよ?

 

「じゃあ次龍征さん発表ね。

残りはやり直しになった爆豪君と寝てた貴女だけよ。

ち・な・み・に、授業終了までにヒーローネームを完成出来なかったら居残りだから宜しく♡」

 

ふぁ!?居残り!?

ヤバいじゃないですか!

今日は放課後予定があるのにそんな理由で居残りになって堪るかぁ!

 

「さ、3分間待って「40秒で支度なさい♡」イエスマムッ!!

 

知恵を絞り出せ私いいいい!!

 

 

 

 

 

 

………………

 

 

 

 

 

「じゃあ発表!

龍征さん宜しく!」

 

「うへぇ〜い…」

 

ほんとに40秒しか待ってくれなかったミッドナイトに急かされながら教卓に登壇、持っていたフリップを机に立てる。

 

「……」

 

「………?」

 

「『グァンゾルム』…?」

 

「随分と変わった名前ですね。」

 

そう、私が40秒で考えたヒーローネーム。

我が灰色の脳細胞に有り余る知識を総動員した結果生まれた、他のヒーローに無い、かつ斬新で皆の記憶に残るであろう名前。

…というのは建前で、名前と聞いてポンと頭に浮かんだのがこれ。何故か分からないが、何となくこの名前を付けておけば間違いない気がするだけだ。

ポイントは濁点を多く使ってる所と、5文字発音な所。5文字って人間の印象に残りやすいんだってさ。

 

「力強い名だ。」

 

「龍の姿を見た後だと、その名前は何故かしっくりくるな。」

 

「でも『グァ』とか読みづらくね?書く時苦労しそうじゃん。」

 

「そんなの上鳴だけでしょ。」

 

「ンだとぉ!?」

 

クラスからは色んなご感想が漏れているが、肝心の先生の判定は…?

 

「ん〜〜……アリね。

名前のインパクト!龍征さんの個性と相まって一度覚えたら忘れらないヒーローネームになると思うわ!採用!」

 

どうやらお気に召して頂けたようだ。

その後爆豪が「爆殺卿」やら「豪爆神」やらぶっ飛んだ名前を考えて居残りが確定し、終了を告げるチャイムが鳴った。

ミッドナイト先生が笑顔で出ていって、さっきまで寝てた寝袋姿の相澤先生が徐に起き上がり締めくくるみたい。

 

 

「では爆豪はこの後ミッドナイトの所へ行くように。

それから、先程伝えた職場体験の候補を各自渡していく。さっきもグラフを見せたが、残念ながら指名の無かった生徒にもこちらで選んだ候補を渡す。

先ずは…青山。」

 

「ハァイ☆」

 

そう言って生徒の名前を呼んでいく相澤先生、黒板に映し出されたグラフの通り、スカウト先の多い常闇や飯田がノートみたいな厚みになったリストを持って帰ってくるのを眺めながら眠気で意識を飛ばさないように頑張っていると、遂に私の出番が来たようだ。

 

「…アレ、端末?」

 

「そうだ。

例年はもっとバラけるハズだったんだがな。今回のドラフト、お前と轟と爆豪に集中し過ぎてるのはさっき言っただろ。

特にお前は5000件以上のスカウトが来てる、流石に紙束で出力するのは骨だからな。候補が1000件を超えた生徒はタブレット端末にデータを纏めた奴を渡す。

ヒーロー公安委員会からのサービスだとさ。」

 

おお、なんという合理的配慮。

流石に5000件分の紙束持って帰るのは嫌だったのよね。

 

「ありがとうございます、相澤先生。」

 

早速貰った端末を確認…チッ、ネットには繋がってないか。でもWiFi繋げばなんとか…

 

「因みに、情報漏洩を防ぐ為にその端末には特殊な処置が施されてる。市販のWiFiなどのネット環境には絶対に繋がらんようになってるからそこんとこ宜しく。職場体験終わったら返却しろよ、以上。」

 

ガッデム!

 

私の企みを看破していたのか、呆れてこっちを見てくる相澤先生を軽く恨んでから席に戻る。言った通り轟と爆豪にも同じ端末が渡されてるみたい、そのまま流れで帰りのHRは終了した。

途端にクラスが騒がしくなってくる。話題の種は勿論、職場体験だ。

 

「しっかし改めてグラフで見るとすげえな上位3人。これが格差か…」

 

「轟君、爆豪君、帝ちゃんのスリートップだよねぇ…

トーナメントでアレだけ強さ見せつけられたら差も出るよ。

でも私だって、決勝戦がかくれんぼだったら優勝できる自信あるもん!」

 

「限りなく地味だなその決勝!?」

 

隠密なら透の右に出る奴はいないもんね、NINJAとか向いてるんじゃない?

 

「イヤーッ!!」

 

ノリのいい透はえいやーっとカラテっぽい動きで上鳴に向けて徒手空拳を繰り出した。透は可愛いなあ。

 

「アイエエエ!?ニンジャナンデ!?」

 

 

 

 

 

 

「百は何処の事務所志望するんだ?」

 

「私は…今の所『ウワバミ』の事務所にしようと思っています。

俗世に近いヒーローですし、学べる事があるかと思いまして。帝さんは…」

 

そう言って気の毒そうな…でも羨ましそうな眼差しを向ける百。

そう、私に来ているのは5000件のヒーロー事務所。全部見るのも一苦労…というか全部見れるのか?やばくないか?

いや、紙媒体と違って五十音順にソートできるからまだなんとか…一応ソート欄に『人気順』とか『ヒーローランキング順』もあったし、用途に合わせて調べやすい様にはなってるのかな?『ヴィランに見えるヒーロー順』とか謎の機能も付いてたケド。選択肢が多過ぎるのも困りますよ、通形先輩…

 

「試しにソート使ってみたら?」

 

後から響香も加わって、3人で端末とにらめっこ。

取り敢えず五十音順にソートして、上からつらつらスクロールしていこう。

 

 

 

………

 

 

 

「うわぁ…エンデヴァー、エッジショット、ベストジーニスト、ミルコまであるよ。ヒーローランキング上位総なめじゃん。」

 

「あれ程活躍されれば納得の結果ですけれど…悔しいですね。」

 

「いいじゃん別に、大事なのは行った先で現場の空気を感じて、生のプロを見て何を盗んでこれるかって事でしょ。

そういう体験をして来いって意味で相澤先生は『ドラフト』って言ってんだと思うし。」

 

盗む、って言い方はアレだけどね。

現場の雰囲気とか、実際に行うヒーロー活動は見る側と当事者とでは大違いだ。ヒーローは基本ヴィランを無傷で捕えないといけないし、現場では何が起こるかわからない。何が起こるかわからないからこそ、ひよっこどころか卵状態の私達が学べる事は多いはず。

 

「そう考えると、プロヒーローの知識が多い奴に相談すればいいアドバイス貰えるかも?」

 

「だねえ、この中でヒーローに詳しい奴ってーと…」

 

ぐるりとクラスを見渡してみる。

放課後なので教室は賑やかだ、職員室で居残りの爆豪を除く20人全員がまだ残ってる。

…飯田、鬼気迫る表情でプリント睨んでるけど大丈夫かあいつ。

結局打ち上げにも来なかったしなあ、その後インゲニウムの入院報道聞いて不参加の理由は察したけど…心配だ。

まあその話は置いといて、今はヒーローに詳しい奴にアドバイスを貰うべし。

 

「緑谷、君に決めた。」

 

「何がッ!?」

 

という訳で、轟と話していた緑谷をご指名入りまぁす。

 

 

 

 

 

〜少女説明中〜

 

 

 

 

「す、凄いな龍征さん。5000件って聞いた時はびっくりしたけどここまでとは…」

 

タブレットを物凄い勢いでスクロールしながらブツブツ呟く緑谷はいつもの3倍くらいオタクっぽい。

 

「龍征は何処か行きたい事務所あんのか?」

 

「大雑把には。

取り敢えずレスキューヒーローの所が第1候補かな、駄目だった時の保険はエンデヴァー事務所で考えてる。」

 

ぼんやりとだけどね。

レスキュー中心に活躍してるヒーローがいいな。戦闘だけならパトロンの水族館と連携してるギャングオルカや、動物園でチャリティー活動やってるミルコの事務所も魅力的だけど。

エンデヴァー事務所は同じ炎を使う個性だから、学べる事があるかもしれないと思って第2候補に選んだ。

使えない人には分からないだろうが、炎熱系の個性って扱いが難しいのだ。派手で目立つが炎だから燃え移る危険だってあるし、制御を間違えれば周りに甚大な被害が出る。ヒーローとして戦って、要救助者を火傷させたなんて笑えないし。

その点エンデヴァーの炎の扱いは群を抜いてる、さすがはナンバー2。

 

頭の中にぼんやりとしか行きたい所がイメージ出来ないので、ヒーローに詳しい緑谷なら悩める私に適切なアドバイスをくれるはず。アイツの分析には一目置いているからね。

 

「ナンバー2の事務所が保険扱い…」

 

「保険くらいで丁度いいだろ。」

 

引きつった笑みを浮かべる響香と吐き捨てるように呟く轟。体育祭で吹っ切れてもやっぱり「クソ親父」なのね…でも以前より言い方に棘がないから少しは改善されたのか?

 

「あ、ありがとう龍征さん。端末返すよ。」

 

少しして、緑谷が端末を返してきた。ちょっと興奮してるのか鼻息が荒い、どうどう…

 

「はいよ。で、緑谷的にはどう思う?

レスキューヒーロー中心に選ぼうとは思ってるんだけど…」

 

「うん、僕のおすすめはワイプシか13号、バックドラフトの事務所かなあ…

ワイプシは10年以上レスキュー活動を続けてる山岳救助中心のヒーローで安定感があるし、13号先生は若手だけど扱いが難しい個性を上手く使って人命救助に役立てるヒーローだ。同じように強個性でレスキューヒーローを目指す龍征さんも学べる事は多いと思うよ。」

 

やっぱりメジャーなその辺に絞られるかあ。

ド安定のワイプシか、授業で慣れてる13号先生。

バックドラフトはどうしてだろ?

 

「それとバックドラフトだけど、彼は主に火事の際に出動するヒーローなんだ。現地の消防隊と協力して消火活動や避難誘導が主な活動になる。それにバックドラフトは元消防隊員…多分だけど彼は本当の『炎の怖さ』を知ってて、その上で龍征さんを指名したんじゃないかな。」

 

「あー…体育祭であんだけ炎撒き散らしてたらそりゃ危険視されるわ。」

 

「で、でも龍征さんが炎の操作を上手く出来てるって事は体育祭で理解されてると思うし、ネガティブなイメージは持たれてないと思うよ。」

 

「……んー、そか。」

 

だといいんだけどなあ。

 

「サンキュー緑谷、参考になったよ。

因みに緑谷は何処に行くつもりなの?」

 

「えっと…僕は「緑谷少年ッ!いるかな!」ホワイッッ !?!?」

 

いきなり教卓側の扉が勢いよく開いて、なんかガリガリのおっさんがA組に飛び込んできた。

なんか凄い急いでるみたいだけど、こんな人先生に居たっけ?

 

「ど、どちら様!?」

 

一番近くにいたお茶子が驚いて声を上げるが、それ以上に緑谷がかなり狼狽えている模様。口が餌食ってる金魚みたいにパクパクしてる、そんな驚く事?

 

「ああいきなり済まない…

私は雄英の新人教師だよ、実はオールマイト先生から伝言を頼まれていてね。

緑谷しょう…君。直ぐに職員室横の休憩室まで来るように頼むよ。」

 

「は、はい。分かりました…」

 

ガリガリの先生はそれだけ伝えて去っていった。

なんだろ、どっかで見たような顔なんだけど…誰だっけ?つーか咳するたびに吐血してんだけどあの人色々と大丈夫か。

 

「ごめん龍征さん、僕呼ばれちゃったから行かなきゃ…」

 

「おー、No.1先生のご指名じゃ仕方ない。アドバイスさんきゅーな。」

 

「なんか言い方がいかがわしい!?

いやいや、僕ごときのアドバイスで申し訳ない…です。」

 

謙遜の激しい緑谷はいそいそと教室を出て行った。あの性格どうにかならんもんかねー。

 

まあまだ時間あるし、体験先はしっかり考えながら選べばいっか。

今日はこれから予定があるのだ。

 

「よし、じゃあ私達も行こっか轟。

申請しに職員室行かないとね。」

 

「!…ああ、悪いな。」

 

「…?お二人も何処か行かれますの?」

 

「個性の特訓、前に轟と約束してたの。

炎の制御をちょっとね。」

 

そう、体育祭も終わり職場体験まで1週間と少しの間時間がある。

この期間を利用して、使う様になったばかりの轟の炎を面倒見てあげようと思う。

 

あ、一応サポート科にも寄ってかないと。

翼竜に付ける通信機どうにかしたいのよね。休みの間にご当主様と話して色々と条件を提示されたけど、乗ってくれる子がいるかどうか…体育祭出てたあの子とかどうだろう。

 

「あ、そうだ響香。

今週の土曜日に新しいの録ろ、今度は『バイ〇5』COOPなんてどうよ?」

 

「絶っっっ対ヤダ!ホラーはやんないから!」

 

「いけずぅ。」

 

5はホラーの皮かぶったアクションゲームだから大丈夫だって、言っても分かってくれないだろうなあ。つーかホラー駄目なら予め言ってよね。

響香とはちょくちょくゲームを一緒に実況して、プレイ動画をニヨ動に投稿してる。親睦を深める為に提案したんだけど、響香のパパさんが「遂にウチの娘も世界に羽ばたく時が来たか!」とノリノリでスタジオを貸してくれたり録画に協力してくれたりで色々と助かった。

 

「『PSYCHOBR〇AK』初見実況は悪かったって、許せ許せ。」

 

「許すかぁ!アレのせいで昔何かの間違いで見ちゃった貞〇思い出したじゃない、ずっと忘れてたかったのに!

思い出したらまた怖くなってきた…」

 

怒ったり怖がったり青ざめたり忙しい響香。

収録やった時、悲鳴だけでMAD動画作れるくらいには叫んでたもんな…初ホラゲーがアレは悪かったと思ってるけど、後半はそんなに怖くなかったよ?どっちかっていうとグロとサイコスリラーがメインだったし。

 

「演出は良かったじゃん、血の表現とか女の叫び声とか…」

 

「あああああああああ煩い煩い!私は何も覚えてない!

つかなんでアンタはあの状況で演出までしっかり観察してんの!?評論家か!」

 

「他のホラゲーのオマージュとか結構使われてて、過去作品をリスペクトした良作だと思うけどなあ。とくにアルティメット貞…」

 

「止めろそれ以上喋るなあッッ!!」

 

「「?」」

 

慌てて私の口元を抑えに掛かる響香にきょとんとする轟と百。

一緒にゲーム、楽しいよ?今度2人も誘ってみようかな、4人プレイできるやつ探しとこう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「轟ィ……ナチュラルに女子の会話に交じりやがって、美男子君がよォ…爆発しやがれェ……!!」

 

「お前がどうしてヒーロー科に合格したのか偶に分からなくなってくるよ、峰田…」

 

 

 










~誰も得しないオリキャラ紹介コーナー~

蜂 鉄美(フォン・ティエメイ)
年齢:27歳
身長:168cm
個性:『四次元スカート』
腰から下、スカートに隠れた部分の内側が異次元になる個性。人間以外ならなんでも収容可能。空間内には酸素があり、動物も呼吸できる。自分の脚でないと個性が反応しない為、偽足となった今では個性の影響する範囲が膝から上に限定されてしまっている。

備考:印照家召使い、元軍人。本国では個性を使い犯罪の抑止や、異分子を排除する特殊部隊に所属していた。
日本とは違い平和の象徴がおらず、個性による犯罪率が15%を超える大陸本土で、時の首相が出した案は『個性によって個性を罰する特殊部隊』の設立。個性による犯罪者には殺害も厭わない非人道的な組織だった。
個性の都合上、暗殺や支援の得意だった蜂は若くしてその部隊に半ば強制的に徴兵され、訓練を積んだ後大義の為に多くのヴィランを手に掛けていく。しかし次第に首相に反乱を企てる議員の暗殺や、自由を訴えるデモ隊への強襲など、権力者に都合の良い仕事ばかりやらされるようになり嫌気の指した蜂は部隊を脱退、その後追ってくる刺客達をちぎっては投げちぎっては投げ、ジョン〇ィックも真っ青の逃走劇を繰り広げながら本国を脱出、その後は使い捨て部隊(エクスペンダブルズ)として世界中の紛争地帯を渡り歩く様になる。
印照家に仕えだしたのは19歳の頃。「やっぱり終身雇用と安定した収入が1番ですよね、歩合制とかやってられません。」と訪日、律儀に日本語を学び温泉や観光で荒んだ心を癒した後、エントリーシートと履歴書を用意して面接を受けに行き、見事合格し現在に至る。
年頃の娘は将来にシビアだった。

※外見の参考、何も調べずに作ったらまんまドル〇ロのキャラと被ってて草も生えない。感想で指摘してくれた兄貴有難うな…




~おまけ~
改変された死穢八斎會の人達まとめ

組長…健康体で存命、治崎がマトモに育ってくれてニコニコ。最近健康の為に組の者に隠れてヨガ教室に通い始め、奥様方の密かな人気者になりつつある。入れ知恵したのは帝。


治崎…原作ほど潔癖症を拗らせてないし原作ほど性格も歪んでない。壊理ちゃんには洗脳の代わりに格ゲーの英才教育を施す事にした、行きつけのゲーセンでは少女に10割コンボを教え込む若頭の様子が目撃されている。偶に帝も混ざる。次期組長として仕事の引き継ぎなど割と忙しい身で、オーバーホールというよりオーバーワークになりそうなのが最近の悩み。その過程で帝を壊理の後見人に仕立てあげ、そのまま死穢八斎會に迎え入れようと画策している。印照才子の語る『帝に近づく不穏分子ランキング(非公開)』堂々の第一位。


壊理…原作のように治崎に洗脳を受けておらず、帝も加えてのびのびと育った結果、立派な格ゲーマーが誕生しつつある。個性の制御もまずまず、怪我をして帰ってきた組員の傷を負傷前に戻せるようになるまでには成長した。帝と治崎は仲の良いお姉ちゃんとお兄ちゃん。ずっと一緒に居たいけどどうしたら良いんだろう…?そうだ!2人に結婚して貰えばずっと一緒にいられるよね!(10歳児並の感想)「お兄ちゃんはいつみー姉ちゃんと結婚するの?(無邪気)」治崎は飲んでいたコーヒーを吹いた。


玄野…死穢八斎會の苦労人、治崎のサポート役であるが仕事の間壊理の世話を押し付けられる半ば家政婦みたいな存在になっている。本人の学歴が割りと高い事もあり帝と共に壊理に勉強を教える。しかし近頃は色恋沙汰もなく、次期組長として奔走する治崎を見てこのままでは彼が婚期を逃してしまうのではないかと心配している様子。もはやオカン。


入中…キレやすいのは牛乳を飲んでいないからだと帝に諭され、毎朝欠かさず飲むようになった。他にもリラクゼーション効果のある音楽やセラピーを取り入れ、短気は改善されつつある模様。ぬいぐるみに入り込んで擬態できる個性から壊理に気に入られており、治崎不在の折は玄野と共に壊理のお守りを担当している。壊理の希望により最近は包帯ぐるぐる巻きの妙な熊のぬいぐるみに擬態して、演技と共に「やってやるぜぇ~」とか叫んでいる。もはや任侠者の威厳もクソもないが帝や壊理が楽しんでいるので本人は満更でもない模様




改変された八斎衆の解説も要る?要らない…?


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