戦闘訓練その後とちょっとしたオリ展開
捏造設定ありの地獄へようこそ
なおオチはない模様
「怖かった…本っっっ当に怖かったァ…」
「帝、ちょっとそこ正座。」
戦闘訓練2回戦、響香と見事なチームワークによって完勝した私はオールマイト先生と解説の百ちゃんからお褒めの言葉を頂き、喜びを分かち合おうとルンルン気分で響香に話しかけてみれば、神妙な面持ちの彼女に控え室の隅で正座させられていた。
「解せぬ。」
「解せぬじゃないわ!私があの後どうなったか教えてやる!
ザッハトルテにぶん投げられて核の部屋に放り込まれたよ。んで尾白は戦闘になったガナッシュ達に尻尾燃やされながら外に放り投げられたんだよ!?」
「それで尾白の尻尾黒くなってんのか…」
「ぐすっ…」
尻尾の先に着いていた金色の毛は見るも無残なチリチリに焦がされていた、火傷にはなっていないようなので幸いか。
「私はガナッシュに敵を五階からフリーフォールさせろなんて命令出してない、だってその時私は轟と戦闘中だった。」
翼竜達は半自立型のドローンみたいなものだ、翼竜の見たものや伝えたい事は私に直接入ってくるが基本はスタンドアローン。
今回は「戦闘をしろ」という曖昧な命令を出した為、最適解として尾白君を五階から放り投げるという選択をしたらしい。
「まあ、無事で何より…」
「あんたはガナッシュ達にもっとしっかり命令できるように訓練した方がいいね。
そうしないと、将来レスキューの時困るでしょ。」
「ぐふっ…!!」
おっふ…痛い所を容赦なくクるな響香。
まあそこは私の今後の課題だ、あの翼竜共に適切な命令を下して制御しなきゃいけない。
……才子先輩の付き人やってた時は判断基準が『敵』か『味方』の二択しか無かったもんなあ…中学には翼竜を連れていかなかったし、統制はしてても制御の精度がイマイチらしい。
もっと優しくなれ私。そんなんじゃヒーローになれないぞ。
というか尾白君には悪い事しちゃったなあ…あ、そうだ。
「なんかすまんかった尾白、そうだなんかお詫びを…
そうだ!
「え…なに…ちょっと怖いんだけど…」
響香からやっと解放された私は怖がる尾白君の手を引いて、誰も居ない控え室外の廊下へと連れ出した。
ジャケットのボタンを外し、ワイシャツ姿になる。
「…んっ、はい。」
胸を突き出す
「……は?」
「…?どうぞ、揉みなよ。」
「……………………………?」
なんだこいつ、フリーズしてる?
いつまで経っても揉んでこないのでもう面倒くさくなった、尾白君の両手首を掴んで私の胸に押し当てる。
「これで元気出たか?」
「ふぉあああああああああッッッ!?!!?」
おおっ!元気出たな!
世間ではE~Fカップと呼ばれる位にはある胸の私、普段は肩が凝って邪魔なだけどこういう時に役に立つ。
いやーこれ中学の時、同期からどーーしても元気が足りないから補給させてくれって土下座されてから何度かしてたんだけどさあ、効果抜群なのよ。大体5秒くらい触ってればどんな奴も元気になる!顔を埋めさせれば更に倍率ドン!どんな鬱野郎でも一発で飛び起きる万能薬よぉ!
「元気になった、良かった良かった。」
「ちょっ…おまっ…胸っ……!?」
「元気がない時、こうすれば昂るって中学の同期がな…って、これアイツ以外にしちゃいけないんだっけ?まあいいか、時効時効。」
「くぁwせdrftgyふじこlp」
口から謎の言語を発する機械と成り果てた尾白君、大丈夫?まだもの足りなかった?もしかしてシャツ越しじゃなく直の方が良かったかな…流石にそこまで重症には見えないんだけど。
「ねえちょっと!なんか尾白の悲鳴が聞こえたんだけど何があっ…た…」
尾白君の首がブリキ人形みたいにギギギって動いて、半目になってる響香と視線が交差した。
「ち、違うんだ耳郎!俺は龍征に無理矢理…待って!手が離れない!
尋常じゃない力で固定されててビクともしない!?離せ龍征!このままだと変な誤解生むから!」
「おう響香、早速反省して実践してるぞ!
取り敢えず尾白君を励まそうと思って私の胸を貸」
「お前らちょっとそこになおれえええっ!!」
廊下に正座させられた、解せぬ。
その後、訓練の反省会とは別に私と響香の反省会は2度目の出番が来るまで続いた。
顔真っ赤になった響香の説教は凄まじく、あのオールマイトが注意しようとしても
「先生は黙っていて下さい」
の一言で追い払い、それ以降追及する事ができなかった。後に彼は「耳郎少女、怒ると怖いね…」と引き攣った表情で語る。
この日以降、尾白君と目が合うと露骨に逸らされる様になった。解せぬ(10行ぶり3度目)
え?もう1戦あったろって?
上鳴君と切島君はガッツはあるが特筆すべきことも無く二人とも腹パンして戦闘不能(上鳴君は個性の使い過ぎで自爆)にしたよ。私がヘマしないか監視してる響香の視線が怖かった!
男子更衣室
切島「かあー疲れた!俺全ッ然駄目だった…」
上鳴「位置は全部耳郎に割られてて、龍征にボッコボコだったもんな俺ら…」
切島「クソォ〜次は負けねえぞ龍征…んで、さっきから尾白どうした?」
瀬呂「おーい尾白?尾白くーん?どうしたんだ一体…」
切島「訓練終わった後からずっと上の空になってんな、なんかあったのか?」
障子「分からない…だか尾白の様相に既視感を覚えている俺がいる。…まさかな。」
常闇「幻惑か?」
女を知った尾白猿尾「……柔らかかった。」
「「「「「何が!?」」」」」
峰田「(なんだろう…オイラすっげえ損した気がする。戦闘訓練やってる間に、何か大事なワンシーンを見落としたような…心に刻み付けなきゃならねえ光景を見逃した様な…そんな虚無感…)」
上鳴「峰田!?オマエ今すんげー顔になってんぞどうした?」
ラッキースケベ猿尾「でかいマシュマロ…」
砂糖「尾白がうわ言呟きながらわなわなし始めたぞ!?」
瀬呂「めっちゃ尻尾振ってる…いやホント何があった?」
轟「(龍征帝、次は必ず俺が勝つ…!!)」
緑谷「(授業の終わり際、オールマイトがかつてないほど張り詰めた表情だったのはなんでだろう…?それにかっちゃん、大丈夫かな…)」
女子更衣室
「帝はもっと恥じらいを覚えな、勘違いする奴絶対いるから。
そんなんでよく治安の悪い餓鬼道中に居られたよね。」
「餓鬼道の時は私より強い奴がいなかったから、襲われるとかは無かったぞ。」
さっきのアレは女子の入れ知恵だ。ああすると元気が出るって会計の子が言ってた。
「男にやったのはアレが初めてだわ。」
「尚更悪いわ!餓鬼道の風紀どうなってんの!?」
「男女交際はキスまでならセーフ。」
「「「禁止じゃないんだ!?」」」
そういや私と付き合いたいって言ってきた男は何人かいたな、才子先輩に相談したら翌日そいつ等は謎の失踪を遂げてたけど。
なんつーか、私って羞恥心が薄いんだろうか?付き人してた時も才子先輩によく怒られてたな、私の倫理観や恥じらいは一般人のそれとはズレているようだ。
さっきだって私は善意で尾白君を元気づけてあげようとだね…
「駄目だ、力の縦社会で生きてるから余計そういうのに鈍い…」
「帝ちゃん、餓鬼道出身だったの!?」
「そうだよ、生徒会長だった。」
「餓鬼道といえばドラマの題材にされるくらい不良生徒が多い事で有名な学校ね。」
そういえばそうだね、過去にゴールデン番組で高視聴率を記録した学園ドラマ『ごくティー(極道ティーチャー)』はウチの学校の空き教室で撮影されたんだっけ。大人数のシーンで出てくるエキストラは大体ウチの腐ったミカンだ。
学校の意識改革の一環で、印照家のコネを使って餓鬼道でドラマ作ろうって企画が持ち上がったんだ。
あいつ等普段不登校やら授業放棄で舐め腐っとる癖にテレビが来ると分かった途端出席率跳ね上がるんだよ、ミーハーかよ…
「ごくティー、ウチも見てた!
面白かったよね!若い俳優さんもいっぱい使ってて、最後に先生が大体暴力で解決するの!」
「たしかスネークヒーローウワバミも保健室の先生役で出てたはず!」
「ドラマだからね、現実はもっと…うん。」
「帝ちゃんが戦場から帰ってきた兵士のような顔に!?」
「けろっ…大変だったのね、生徒会長。」
分かってくれるか梅雨ちゃん…私の苦労を。
「スケジュール管理、撮影陣への配慮、騒ぐ馬鹿どもの鎮圧…ふふ…あの頃は休む間もなくて…
因みに、生徒会長龍道寺のモデルは私。」
「ええっ!ほんと!?」
「マジマジ。」
ドラマ内にて、主人公が担任をする不良共を集めたクラスを取り潰して全員退学にさせようと画策する女生徒会長。柔道五段空手八段、憎まれ役の生徒会長が物語にいたのだが、そのモデルは私だ。馬鹿どもを鎮圧する様子を見た監督が急遽脚本に加えたらしい。
「凄い話聞いちゃったかも…」
「私、あのドラマの大ファンでしたの!是非舞台の裏話などお聞かせください!」
百ちゃん食いつきが半端ないぞおい、お嬢様に見えて意外と俗っぽいな。
感心する女子達を見ていると、やっぱテレビの効果って凄いんだなとしみじみ思う。
餓鬼道の印象を良くする為の印象操作、焼け石に水程度の成果だったけどやらないよりはマシだった。先生のやる気も凄かったしね。
「まあ実際の不良校は1クラスだけとか生易しいものじゃないし、アテにならないけどな。」
「そこはドラマだもんね。」
話の種になるのなら、やって損はなかったのかな?
「話はズレちゃったけど、要は易々と肌を見せるな!胸を貸すな!
兎に角アンタは男どもの目に悪い身体してんだから!」
なんか私怨篭ってない?
「分・か・っ・た?」
「アッハイ」
放課後
皆はこれから反省会と称して集まるらしい、私はバイトだ。集まるんなら今日休みにしておけば良かった。
「雄英ってバイト大丈夫だっけ…?」
「バイトっつっても、世話になってる叔父の手伝いみたいなものだから。学校側に許可は貰ってるよ。」
勿論、そっちにかまけて成績が落ちた場合は相応の合理的処分が下されると相澤先生から仰せつかってますがね。
「なんのバイトをされてますの?」
「喫茶店…軽食屋…?そんな感じ。」
夜にはバーもやってるそうだが基本は義父の気まぐれだ。
「個性把握テストの時も相澤先生が言っていたけど、これからプロヒーローになるために雄英に通う上でバイトしている余裕があるのかしら…?」
「その辺は折り合いつけてやるつもり。既に3年世話になってるからね、私なりの恩返しなのさ。」
5歳の時預けられてから実に10年間、印照財閥には相応の恩がある。手伝いはやってて嫌じゃないし、できる限り続けたい。
あと金!足りないの!新作のゲーム買いたいし課金したいの!
「そっか…今度私達も遊びに行っていーい!?」
「うん、今日貰ったアドレスに場所と店名送っとくからいつでも遊びに来な。」
「わーいやたーっ!」
葉隠透ちゃん、嬉しそう。凄いキャピキャピした子だ、顔見えないけど。
プロヒーローを目指し、毎日が鍛錬と非日常で彩られる雄英高校ヒーロー科でも、羽を伸ばしたい時だってある。マックで談笑は諦めろ?甘いな、年頃の女子高生パワー舐めんな。遊ぶ時は遊んでこその青春、華の高校生だ。
帰りのHRも終わり、私の雄英高校1日目はこれにて終了した。背中のリュックには名前を付けられた翼竜達、片手には鞄を持って、雄英の巨大な門を潜る。神妙な面持ちの爆発頭とすれ違ったけど何があった?
A組女子のアドレスは全員分貰ったし、かなり仲良くなれた。これは高校デビュー大成功なんじゃなかろうか?
とある寂れた商店街。
行き交う人はまばら、昼間でもシャッターのしまった店の方が多い此処の街並みは、如何にも不良の溜まり場って感じだ。実際の所3年前までは、通りには煙草の吸殻がゴロゴロしていたし、ヤンキー座りのツッパリ共で溢れかえったかなり宜しくない景観の商店街だった。
これでも少しはマシになった方なのだ、シャッター街なのは大手スーパーに客を取られて廃業したり、高齢化による店じまいなのもある。
そんな商店街の一角、この街で唯一、私行きつけの古ぼけたゲームセンターがある向かいに、『オールドスパイダー』はある。
「ただいま店長。」
「やァおかえり帝チャン。入学初日はどうだった?」
聞き慣れた鈴の音の鳴る木の扉を開けると、寂れた商店街とは正反対のシックで落ち着きのある空間が広がる。
『オールドスパイダー』、才子先輩の叔父にあたる人物で私の義父、守屋ジェームズが経営する喫茶店兼軽食屋兼バー。彼は無個性だが、それを補えるほど多彩な才能と頭のキレで印照財閥を陰で支えている財閥影のブレーン(本人談)らしい。
「不良校出身だから避けられるかなって思ってたけど、そうでも無かった。」
「そりゃあ全国から集められたヒーローの卵が通う学校だもの、出身校だけで判断するような矮小な人間は居ないだろうサ。
早速だけど着替えたらあちらのお客サマに特製メイプルパンケーキを二つ、お願いできるかい?」
「んー、すぐ作る。」
カウンターの扉から入って裏に回り、鞄とリュックを降ろして翼竜達を解放。そんでいつもの場所に掛けてある制服に着替えて髪を上げ、厨房へ向かう。
この店は当たり前ながら個人経営だ、従業員も私と店長ともう1人のバイトの3人だけ。ドリンクは店長、料理は私達がやる。
そんな感じでゆるゆると回しており、客の入りは平日15人超えたら多い方、殆どが商店街の常連と向かいのゲーセンで遊んだ後のヤンキー共。採算取れるかって話だけど、私に給料出せる位には儲かってるんだろう。金勘定は店長の仕事だから分からない。元々趣味でやってるような店だし多少はね?
「店長、今の子は?」
「我が城のお姫様だヨ。今日から雄英に通うヒーローの卵サ。
そして喜ぶといい。彼女が出勤するならさっきお断りした当店特製パンケーキは解禁だ、少しお待ちを。」
「やったー!
この時間に来て良かったー!」
「パトロールの合間にサボりなど…」
「たまの息抜きも大事なお仕事でしょ!
そーいえばシンリンカムイは雄英出身よね、後輩よ後輩!」
「…うむ。」
パンケーキを焼いてると、表から店長の話声が漏れてきた。…お姫様て。
つーか奥の席に居た客ヒーローだったのか。
Mt.レディとシンリンカムイ、どっちも実力派の若手ヒーローだ。パトロールの
ま、ずっと張り詰めてても良いことないし、誰も責められないでしょ。
……っと、パンケーキはこれでOK。焦げ目も無いし上々な出来栄え。あとは皿に盛って〜…ホイップクリームとメイプルシロップを良い感じにぶっかけて、アクセントに苺をちょこんと載せれば完成。喫茶オールドスパイダー特製メイプルパンケーキ(税込750円)だ。因みにこれ、私が出勤してる時以外は販売していない。店長はパンケーキを焦がす(無慈悲)。
「特製メイプルパンケーキ2つ、珈琲とメロンソーダお待ちどうさま。追加のシロップも置いておきますので、ご自由にどうぞ。」
トレイに載せたパンケーキを2人の席まで運ぶ。
「キャーキタコレ!美味しそう!インスタ映え必至!」
「…甘そうだな。」
「要らないなら私が食べてあげるけどぉ?
ここはシンリンカムイの奢りだしー。」
「なっ…そういう話だったか!?我は一言も…」
「あーキコエナイキコエナイ、パンケーキ美味しー!」
確かMt.レディは巨大化する個性で、敵を圧倒できるけど街の修理費で天引きされるから金が無い…ってのを特集で言われてたな。
「して、君が今年の雄英ヒーロー科1年生か。」
「はい、そうです。」
「ヒーローとは決して楽な仕事ではない。かといって、なくてはならない存在だ。君がどんなヒーローになりたいのか、じっくり考えながら三年間雄英で学んで欲しい。」
シンリンカムイ先輩の有難い激励のお言葉に無言で頷く。急に雄英の後輩とか言われても困るだろうに、優しい人だ。
その向かいでパンケーキを頬張る緊張感皆無のMt.レディ。
「当面の目標は雄英体育祭ねー、テレビやスカウトの目にも留まる晴れ舞台だし。目立てば一気に注目の的!
あ、苺もーらいっ。」
「Mt.レディ貴様、我の苺を!!」
正直知名度とかはどうでもいいんですがね、取り敢えずは外部でも個性を使っていいヒーロー免許と、雄英卒業の実績が貰えればそれでいいなあ。いちいちリュックに翼竜を詰めるのは面倒だ。箔なんてあっていいことないし(過去の自分を振り返る)。
餓鬼道の女帝…不良会長…うっ頭が…
なんか緊張感もクソも無くなったので適当に挨拶して私は厨房に引っ込んだ。可哀想だから苺はシンリンカムイにもうひとつオマケしてあげよう。
「ご馳走様でしたあ!
いやーいいお店見つけちゃった、今度はデステゴロも連れてこようね。」
「今度は自分の金で食え…
騒がせてすまない。パンケーキ、とても美味かった。」
「ありがとうございました。」
「またおいでネ〜。」
お客様をお見送りした後、喫茶店の閉店時間である20時まで勤務したが来客は殆ど無かったので、店内のテレビでゴールデンのヒーロー特集を眺めてた。
…あ、英語の課題やらなきゃなあ。
ヒーロー科、明日はどんな事するんだろ?
喫茶パートはちょくちょく原作キャラを来店させる予定、もう1人のバイトもそのうち出す。ちょいキャラだけどね、仕方ないね。