関ヶ原円舞   作:紅夜猫

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さて、久々に投稿ですね

タイトルの通り三成さん√

舞台の設定に悩んだ話です。

今回の方は資料が少ないので殆ど私の創作ですが御許しください。

それでは関ヶ原円舞 第9話始まりです。


一の家臣 三成の場合

「ここか……。」

 

私は一軒の茅葺きの小屋の前に立ち、眺めた。

 

ここは近江国高島郡。

 

私は侍女たちが噂していたあることを聞いてここを訪ねていた。

 

それは半月前。

 

「ねぇ、聞いたかしら?」

 

「何をかしら?」

 

仕事を抱え、部屋に戻ろうとしていた私の耳に話し声が舞い込んできた。

 

「新之丞殿の噂よ。」

 

「あー……高島の噂ね。聞いたわ。何でも、20000石の話を蹴ったそうじゃない。」

 

ふむ……20000石か……。それだけあれば羽柴家の家老に名を連ねられるはずなのにどうしてだろうか……

 

「何でも新之丞殿はこう言ったらしいわ。『先々の不安な者に付いていくほど私は愚か者ではありませぬ。』ってね。」

 

「偉いことを言ったわね……。それで羽柴様はどうしたのかしら?」

 

「何でも、顔を蒼くした後、『ハッハッハ、愉快愉快!!』と言ったそうよ?」

 

秀吉様も懐が大きいのか……それともバカなのか未だに測りかねる。

 

普通なら新之丞殿は首を跳ねられても可笑しくはないのだ。

 

それなのに……あの方は許して咎めることをしなかった。

 

しかし、それ以来仕官の話を持ち掛けることはなくなった……

 

そこで私は1つの答えに至った。

 

「(もしかして……野垂れ死ぬならそれで良いと婉曲的に言っているのではないか……?)」

 

でなければ仕官の話を持ち掛けないようにすることなんてありえないはずだ。

 

私はそこに立ち止まり暫し考えていた。

 

「あら、これは石田さま。」

 

「このような所で油を売ってて良いのですか?」

 

いつの間にか侍女たちが目の前に来ていた。

 

私は驚き、目を丸くしたがすぐに冷静さを取り戻し二人に訊ねた。

 

「もし、お主らは新之丞殿の邸を知っておるのか?」

 

すると、片方の侍女が

 

「ええ、知っていますよ。彼の方は豪傑として名高く隠棲後すぐの話は少しの間ですが世間で話されていましたから。」

 

「なら、教えてくれないか?」

 

侍女は考えた後、こう言った。

 

「なら、私のお願いを呑んで頂けますか?」

 

「良いだろう。」

 

その時、私はそう難しい物は来ないだろうと踏んでいた。

 

しかし、出されたものは酷く辛いものだった。

 

「吉継様に私の事を紹介してください。」

 

私は聞き間違いだと思った。

 

しかし、彼女の目を見て知ってしまった。

 

この目は本気だ。私は堪忍して了承した。

 

すると侍女は話してくれた。

 

「新之丞殿は、近江国の高島郡に居ますよ。」

 

侍女は声を弾ませながら言ったのであった。

 

そして、時は今へと繋がる。私は戸を叩いた。

 

「ごめん、渡辺新之丞殿は御在宅だろうか?」

 

「あぁ、居るよ。少し待ちな。」

 

中から、高くも低くもない声が響いた。

 

そして、戸が開けられた。

 

「私が渡辺新之丞だ。」

 

表れた新之丞殿は身長六尺(約180cm)の亜麻色の髪をした女性だった。

 

私は驚いて声が出なかった。

 

「何だい?人の顔をじっと見て・・・」

 

言うなれば私は見惚れていた。光を反射する髪。均整の整った体つき。

 

私にはなく、私が追い求めていたものを目の前の人物は持っていた。

 

気が付くと私は地に額を擦り付けていた。

 

「新之丞殿!私の家臣になってくだされ!」

 

「・・・仕官の話は御断り何だがなぁ」

 

新之丞殿は心底疲れたと言いたげであった。しかし、私は気にしない。

 

「貴女を見たときに確信しました。私には貴女が必要だと。」

 

「・・・・・・・・」

 

彼女は黙っていたが、口を開き

 

「話を聞くよ。上がりな。」

 

そう言ってくれた。私は言葉に甘えて小屋の中に上がった。

 

「それで、貴方は何をしてくれるって言うんだい?」

 

彼女が口を開き、訊ねた。私は・・・

 

「私の俸禄400石を貴女に与える。そして、100万石になったときには10万石を与える。」

 

と言った。

 

新之丞殿は目を丸くし、唖然としていたが慌てて

 

「それじゃあ、貴方の住む家はどうするんだい!?」

 

聞いてきたが私は

 

「それは・・・貴女の屋敷で居候をする。」

 

と答えた。すると、彼女は大笑いをして

 

「アッハッハ!!貴方は豪快だ!仕えるなら貴方しか居ない!!」

 

と言った。そして、私は名を告げることを忘れていたことに気付き

 

「新之丞殿、私は石田三成だ。よろしく頼む。」

 

と伝えた。そして、新之丞殿は

 

「あぁ、よろしく頼むよ石田の姐さん♪」

 

と笑顔で告げた。

 

こうして、私は一人の豪傑を連れて長浜に帰り、吉継に侍女の事を話して新之丞殿の長浜の

 

屋敷へと帰った。

 

また、吉継に話した侍女が思いを告げたらしいが玉砕したのはまた別の話である。




新之丞さんの容姿は実は書いてる途中で決めました。

当初は男性でしたが、清楚な三成さんに傷だらけの野郎が居ると

違和感を感じたので姉御肌のイイ姉さんに仕上がりました。

次回はお虎√です。

お虎の一の家臣は二人なので順序をつけようと思いましたが難しくて諦めました。

それと、少し報告をまもなく一周年を迎えるに当たって1つの短いミステリーを書くことに

しましたのでそちらもどうぞよろしくおねがいします。
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