俺の親友は前世は男だったけど、今は幼女になった 作:ボルメテウスさん
原作通りの話に苦戦しながらも、なんとか書かせてもらいました。
これからも、よろしくお願いします。
その日、ターニャ率いる隊は作戦を終え、基地へと戻ってきた。
「少佐殿、無事ですか?」
「なに、今回の戦いを考えれば、まだ軽傷だ」
そう言いながら、ターニャは部下であるヴィーシャの肩を借りながら、ゆっくりと基地へと戻る。
既にあの戦いから一ヶ月以上が過ぎている。
それからターニャとアレクの間には微妙ではあるが溝ができている。
ようやく手に入れる事ができたはずなのに、その彼から逃げるようにターニャは任務に没頭している。
(なぜだ、なぜだ?
なぜ、私はこれまでのようにあいつと一緒にいられないんだ?)
「あっアレクっ!?」
そんな考えを戦場から戻ってきたターニャを出迎えたアレクの表情はこれまでにない顔をしており、普段は強気な態度のはずのターニャも言葉を詰まらせる。
そうしている間にも、アレクはターニャに近づくと共に彼女を抱きかかえた。
「なっ何を「お前の戦場での行動を聞いた」それがどうした」
まさか、今頃になって、仇を、そう思っていたがターニャの思惑とは別にアレクは彼女の纏っていた衣服を脱ぎ捨てた。
「アレクっ、何を「・・・身体の各部に酷い火傷、それにこちらの出血も酷い」それは」
「ここまで無茶をしなければ、勝てなかった戦場だったのか」
そう言いながら、アレクは持ってきていた鞄から次々と医療器具を取り出し、治療していった。
これまでも一緒に寝泊まりをしており、裸を見られたぐらいでは動揺しなかったターニャだったが、彼が治療の為に行っていると分かっていながらも、顔を赤くするのが止められなかった。
(なっなにを恥ずかしがっているんだ?!
私達は夫婦、そう夫婦なんだ、世間一般では可笑しくない事だ!!
だけどもっ!!)
ターニャは身体の痛みと共に、アレクが丁寧に治療を行われている事に興奮を覚えていた。
これまでは抱かれながら寝る事を行っており、軽く怪我をした時にも治療を行ってもらったのは記憶に新しい。
それでも、全身を隅々までに治療された事はなく、治療を行っている時に感じる体温は心地良かった。
(はぁ、これは不幸中の幸い。
存在Xによって、この世界に来てからの幸福はこの時にある)
そう言いながら、ふと、自身を治療しているアレクを見つめる。
(これまで、ここまでアレクの視線を獲得した事があったか!!
いや、ない!!)
そう言いながらも、幸せの絶頂を迎えていた。
「怪我の治療は終わった。
これから、戦闘予定は」
「あっあぁ。
しばらくはない予定だ」
「だったら、しばらくは治療に専念しろ。
はぁ、しばらくは休むしかないな」
「えっ?」
その言葉に素で驚きを隠せなかった。
「俺も、一応は捕虜扱いだ。
ここでの仕事も難解な奴ばかりとお前の隊の奴らの怪我ぐらいしか仕事はないからな。
しばらくはお前の看病でもする」
そう言いながら、アレクはその場にある医療器具を片付けながら呟く。
「お前は、俺にとってはただ一人の友達なんだ。
だからこそ、お前を絶対に殺してでも生かしてやる」
「っ!!」
その言葉を受け止めた瞬間、ターニャは笑みを浮かべる。
(あぁ、そうだ。
皮肉にもこの世界は私が望んでいた物が手に入った)
ただ一人の男の心、それがターニャがこの世界に生まれ変わる前から望んでいた事だった。
その思いと共に、ゆっくりと意識を闇の中へと沈んでいく。