俺の親友は前世は男だったけど、今は幼女になった 作:ボルメテウスさん
基地からルーシー連邦で会戦に向けた動きが見られるため強行偵察の任務を言い渡され、向かった先。
連邦軍の部隊が展開されていることを確認し、司令部に報告しようとすると配備されていた列車砲が突如発砲。
同時に司令部より連邦が帝国に宣戦布告したことが伝わりすぐさま、戦闘を開始する大隊は周囲の敵を撃滅を行った。
「お前はこの状況でも命を救うか?」
「目の前に患者がいたらな。
けど」
「あぁ、私がさせない。
分かっているはずだ、お前が助ける人間は限らせて貰う」
それと共にターニャを手を握っている事でなんとか空を浮かんでいたアスク。
そんな彼はターニャに対して
「お前は戦争は好きか?」
「馬鹿馬鹿しい。
そんな答え決まっている。
非生産的で、何もかも無駄な戦争がなぜ好きだと思えるんだ」
そうアスクとターニャは話し続ける。
「だが、これも残念ながら仕事だ。
全く、本音を言えば、後方でお前の支援でも行いながら仕事をしたいのだがな」
「あぁ、それが一番かもしれないな」
そう会話を行っていく内に、戦いは終わり、次の目的地について話していた。
連邦の首都、モスコー。
それがターニャ達の次の目的地だった。
そう、周りが目的地での作戦行動を話している間、ヴィーシャがアスクに近づいた。
「確か、モスコーに対帝国のため各国から召集された魔導師部隊、多国籍義勇兵がいると噂で聞いていましたが、そのアスクさんの家族は」
「いや、いないだろ。
父さんも多分あの怪我では前線には出れないし、俺以外は妹と母さん、それに婆さんだけだ。
妹も戦場に行くような性格じゃないからな」
「そうでしたか、それでしたら、少し安心です」
「あぁ」
俺もそれに頷く。
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場所は変わり、連邦の首都、モスコー。
そこには多国籍義勇兵の若者達が宿舎で話していた。
そんな中で褐色の少女が一緒に歩いていた少女と話していた。
「それで、確かメアリーのお兄さんって、確か帝国に捕まっているんだっけ」
そう、メアリー・スーは胸に手を置きながら言う。
「あぁ、それ、俺も知っている!
確か、腕前は神に近くて、彼のおかげで100万人の命が助かったとか?」
「本当、メアリーの魔力もそうだけど、お前ら兄妹はどうなっているんだ?」
「そうでもないよ。
私なんて、まだまだだよ。
兄さんは、今も帝国で捕まっているけど、きっと沢山の人を助ける為に頑張っているはずだから」
「けど、お前の兄さんって、確か」
「うん」
そう言いながら、メアリーが思い浮かべるのは父が病院での姿だった。
戦いの中で敵に渡された僅かな食料で生き残り、筋肉質な身体はすっかりと痩せていた。
そんな父から聞いた話、それは
『私のせいで、息子は帝国に捕らわれた』
その一言だった。
それが信じられなかったメアリー達だったが、父が嘘をついているとは思えず、家族は涙を流していた。
そして
『私がっ助けてみせるっ』
それがメアリーの誓い。
その日から、彼女は帝国から、兄を取り戻す為に歩き始る。
そうして、アスクの親友であり今は恋人であるターニャと、アスクの妹であるメアリーの因縁が始まりであり、そして、その開拓はそう遠くない。