俺の親友は前世は男だったけど、今は幼女になった   作:ボルメテウスさん

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親友と妹の開拓

モスコーへと辿り着いたターニャ達はそのまま発砲し政府機関や軍関係の施設を次々と破壊し始める。

 

その中でターニャは周りの光景を見ながら、その光景を撮影を行い始めている。

 

「そういえば、奴とはデートもなしでそのまま結婚したな」

 

戦場では危険だという理由で、アスクとの結婚の証とも言える結婚指輪をネックレスのように制服の中に入れながら呟く。

 

施設を破壊している間、途中で回収が行える地点でアスクの方へと自然と目を向ける。

 

「ここであいつが見つかれば、確実に回収されるな」

 

アスクの医療知識、そしてその腕は帝国だけではなく向こうも確実に取り戻す。

 

そして、目の前に死にかけの命があれば、迷い無く助ける。

 

それは彼の美点であり、確実に無尽蔵の敵を作り出す要因でもある。

 

「さて、そろそろ来たか」

 

そう言い、重要な施設をある程度破壊すると共に、ターニャ達に抵抗するように部隊が次々と現れる。

 

「目的は果たした。

あとはアスクを回収して、戻るとするか」

 

その言葉と共に既に陽動の役割を終えた為、部隊の撤退を命令する。

 

だが

 

「お前はあああぁ!!」

 

「ちっ」

 

聞こえてきた声、それと共にターニャはそのまま銃を構え、そのまま迎撃を行う。

 

だが、異常な速さで他の隊員ではなく、真っ直ぐとターニャに向かっていた。

 

「こいつは一体」

 

疑問に思いながらも、目の前にいる敵に対して舌打ちを行いながら、それに対抗する。

 

「お前がっ兄さんを奪った奴っ!!

 

「私が奪っただと」

 

その言葉を聞いた瞬間、ターニャは一瞬で思考を巡らせ、同時に呆れた。

 

「何を言うかと思ったら、馬鹿馬鹿しい」

 

それと共に見せた笑み、それは獣を思わせる笑みであり、そのままメアリーの耳元へと近づく。

 

「お前は勘違いしている。

私は奪っていない、奴から私の元へと来た」

 

「何を戯れ言をっ」

 

「まぁ、貴様に何を言っても関係ないがな」

 

それを言い終えると主にターニャはそのままメアリーの胴体を蹴り、そのまま地上へと叩き落とす。

 

「兄さんをっ返せっ!!」

 

そう叫びながら、メアリーはそのままターニャに手を伸ばす。

 

だが、それに対してターニャは冷たく睨みながら

 

(ただの血の繋がり程度で甘やかす小娘に渡すか)

 

そう見下ろしながら、そのままターニャがその場から離れた。

 

「にぃさぁんっにいさんっ」

 

メアリーはそのまま全身に襲い掛かる痛みと共に去って行くターニャに必死に手を伸ばす。

 

だが、既に身体の自由はなく、必要以上に痛め付けられ、奇跡的に地上に叩きつけられる程度に済んだ。

 

だが、全身から流れる血の量は明らかに致死量、そのままだったら、彼女の死ぬ運命だった。

 

「・・・なんでだろうな、この場にいるはずないのに」

 

「ぃっ」

 

聞こえてきた声、それは冷たく聞こえながらもメアリーにとっては探していたはずの人物だった。

 

白いコートを身に纏っていた男はそのまま感情が読み取れない目でメアリーを見つめながら、男が懐から取り出したのは帝国が彼の治療に合わせて作られた医療道具の数々だった。

 

「痛むが我慢しろ。

本当だったら、やってはいけないからな」

 

「っ!!」

 

同時に破れた箇所を引き千切り、そのまま男は治療を行った。

 

切り裂かれる痛み、繋がれる痛み、そんな戦いで負った負傷に追い打ちをかけるように行われた部分にさらなる痛みがメアリーを襲い掛かる。

 

「終わった」

 

だが、それはただの5分で終わった。

 

何が起きたのか分からなかったメアリーだったが

 

「メアリーっ!!」

 

聞こえてきた声、それはメアリーにとって、共に帝国と戦う為に訓練を共にしてきた友人の声だった。

 

その声を聞いた男は驚いたように一瞬、目を見開いたが

 

「お前がまさかこんな所にいるとはな」

 

「にぃさぁん」

 

既に体力の限界だった。

 

だが、取り返すと決めていた兄が、アスクが目の前にいる。

 

その事に嬉しくなり、すぐに手を伸ばす。

 

だが、その手は空を切り、アスクはその場から離れた。

 

「待てっぐっ」

 

友人達はすぐにアスクを追うとしたが、それを邪魔するようにターニャの部下であるケーニッヒがそれを阻止する。

 

「ちょっと、街の中であんまり動かないでくださいよ。

こっちが隊長に殺されてしまいますよ」

 

「悪い。

さっきまで隠れていた場所がやばかったからな。

とりあえず合流しようと歩いていた」

 

「まぁ別に良いですけど」

 

その言葉と共に隊員の肩を借りて、アスクはその場から離れていった。

 

「メアリーっ大丈夫っ」

 

「これは」

 

それと共にメアリーの元へと辿り着いた友人と彼女の上官であるウィリアム・ドレイクは彼女を見つめる。

 

「何が起きているんだっ、まさか、ここで、こんな短時間でここまで正確な応急処置が行える奴など」

 

それは数々の戦場を経験したウィリアムだからこそ分かる。

 

同時に先程、離れた男の正体を理解できた。

 

「まさか、ここまで因縁が来るのかっ」

 

そう言いながら、急に起きた頭痛に頭を押さえる。


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