俺の親友は前世は男だったけど、今は幼女になった 作:ボルメテウスさん
一年に一回の頻度とも言える作品になりましたが、幼女戦記二期が放送されまでには少しでも進めていきたいと考えています。
「それにしても、噂で聞いた時は半信半疑であったが、まさかここまでとは」
そう言いながら、ティゲンホーフを指揮していた人物ヨトーク・ホーフェン少佐は、その光景を見ながら、思わず目を見開く。
救援要請を行ってから数日。
要請を行い、既に諦めかけていた彼らを助けたピクシー大隊の動きは素早かった。
攻撃においては、ピクシー大隊を率いるターニャによる指揮と共に、周囲にいた敵を瞬時に押し返した。
同時に、手が足りなかったはずの医療班による治療もまた、たった一人で全てが完了した。
これまで劣勢だったのが嘘のような、瞬きとも言える時間で終えた。
「それにしても、凄まじいな。
あの殲滅力もそうだが、まさかここまで問題していた治療状況も一気に解決するとは」
「なに、私の旦那が行えば、それ程難しい話ではない」
そうヨトークの言葉に笑みを浮かべるように、ターニャはまるで自慢するように言う。
「まさか貴殿が噂の神の医者だとは、思いませんでした」
同時に、思わず目を向けてしまうのは、彼のアスクに対しても目を向ける。
これまで噂程度で、信憑性も薄いとされた話。
だが、実際に、彼1人でここまでの怪我人を治した。
もしも、その技術が再び敵側に渡れば、脅威になる。
それは既にここまで助けて貰ったヨトークも理解している。
そして、そんな彼を逃さない為の首輪のような役割がターニャである事も同時に理解した。
そんな思いと共に、その日の夜は賑やかであり、ターニャはアスクと共に寝ていた。
いや、寝ていたというよりも、ターニャに拘束されるように抱き締められる形でアスクは寝ていた。
アスクの妹であるメアリーとの再会からなのか。
ターニャは、決してアスクを手放さないように、抱き締め、寝ている。
そんな時だった。
「起きて下さい!」
「なんだぁ」
聞こえた声。
それは、既にターニャにとっては馴染みのあるヴィーシャの声だった。
彼女の声に起きながら、ターニャは抱き枕代わりのアスクを離す手を緩めない。
「敵軍からの進軍です」
「なにっ!」
同時に、そのまま起き上がる。
「敵の規模は」
「およそ8個師団だと」
「大規模過ぎるぞ!
敵は、こちらの動きに既に気づいていたのか!」
そう言いながらも、ゆっくりと既に起きているアスクはそのまま座り、そのまま自然とターニャは椅子代わりに座る。
「まさか、既にここの重要性に気づいたというのか?」
そんな疑問を思いながら、背中を預けるアスクに対して思考が巡る。
「まさかな」
それは、アスクを奪還する為の戦力か。
そんな馬鹿げた事を考えながらも、背筋を襲う冷たい感覚。
それは、まるでターニャを狙うような何かを感じた。
そのような可能性はないと考えている。
だが、しかし。
「良いだろう」
ターニャは、その怒りを隠すように手で覆う。
アスクを奪うのが、敵の狙いなのか。
それは、分からない。
だが、その可能性が。
僅かでもあると言うならば。
「やってやろうではないか。
徹底的に」
同時に脳裏に浮かぶ上がったのは、ターニャにとって、アスクを奪い取る為に行動するだろう狂人。
妹と名乗るその存在が、来訪する。
「取らせるか。
こいつは、私の物だ」