俺の親友は前世は男だったけど、今は幼女になった 作:ボルメテウスさん
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これからも、これらを励みに頑張っていきたいです。
メアリーSide
「お兄様ぁ」
その日も、私はお兄様と一緒にお花畑で遊んでいた。
お兄様はいつもは本を読んでいたけど、時々こうして私と一緒に遊んでくれる。
いつも片手に持っているジャック・オ・ランタンが手に持っている鎌でピクニック用に持ってきたパイを分けながら、遊んでいた。
とても、とても幸せな時間だ。
「メアリー」
「どうしたの、お兄様?」
その時も一緒にパイを食べながら笑みを浮かべていると、そこに立っていたのは黒いコートを来て、巨大な鞄を持ったお兄様がいた。
「俺は行かなきゃいけない」
「えっどこに、お兄様!!」
お兄様は突然、何かを告げると共に立ち上がり、どこかへ歩き出す。
何が起きているのか分からず、私は走り出す。
だけど、お兄様が通った道は突然消えてしまい、先程まで広がっていたはずの花畑には崖ができており、その先でお兄様が歩いていた。
「待って、行かないで!!」
そう叫び、手を伸ばすもお兄様は歩みを止めない。
いや、止めないんじゃない。
お兄様に巨大な手が迫り、その手がお兄様を掴むとそのまま私から遠ざける。
「誰なのっ、辞めてっ!!」
そう言うも、手は止まる事なく、目に見えたのは、奴隷に繋がれるような鎖でお兄様を引き摺っている悪魔の姿だった。
悪魔は見た目は幼女で可愛らしいかったが、その笑みは悪魔を思わせる顔を浮かべていた。
「辞めろっ、それ以上、お兄様を傷つけるなぁ」
必死な叫びも聞かず、お兄様を掴むと、悪魔はそのままお兄様を連れて、どこかへと飛ぶ。
「おっお兄様あぁ!!」
「めっメアリーっ!!」
「あっ」
眼を覚めると、そこは自室だった。
突然の大きな声で驚いて、お母様が訪れており、それに合わせるようにお父様も来てくれた。
「どうしたんだ、メアリー!?」
突然の大声で、お父様は心配そうに見つめてくれる。
「ごめんなさい。
私、怖い夢を見て」
「怖い夢?」
「お兄様がっ、ラインの悪魔に攫われる夢を」
「メアリー」
家族の皆が知っている。
街に住んでいる人も多くがお兄様を慕っていたので、あのニュースから一週間が経っても未だに信じられなかった。
「大丈夫だ。
しろがねは強い男だ、私が選べなかった、人を救う事を選んだ強い男だ」
「でもっラインの悪魔は恐ろしいですよね」
「・・あぁ、私も間近で見たから、分かる。
奴は幼女の皮を被った、化け物だ」
「っ」
「あなた」
「すまない、だがメアリー。
大丈夫だ、お前も知っているはずだ、しろがねは化け物なんかに負けない強さを持っている」
「はいっ」
お兄様はいつでも誰かを助ける為にその身体を使っていました。
例え弱くても自身ができる事を最大限に使ったからこそ、これまで誰にも成し遂げられなかった数々の偉業を達した男だ。
「・・・お父様、私っ決めました」
「決めたって、何を」
「軍人になります」
「なっ」
「何を言っているの、メアリー」
その言葉を聞き、二人共困惑していた。
「私も誰かを助けたい。
その為には軍人が一番だと、考えています」
「そんな事はない。
しろがねのように、戦わずとも人を救える。
お前は、軍人なんかよりも、多くの選択肢があるんだ」
「確かにそうかもしれません。
ですが、私は祖国の為にも、そして何よりも悪魔の手に捕らわれているお兄様を助ける為にも立ち向かいたいんです」
「メアリー」
その言葉を真っ直ぐと私は二人に重ねる。
「・・・決意は固いか」
「あなたっ!!」
私の言葉を聞き、厳しい目で見つめるお父様に対して、私は真っ直ぐと答える。
「そうか、だが、お前はまだ軍人になれる年ではない。
15歳までゆっくりとで良い、他の道がないか考えて欲しい、それが私も母さんも、そしてしろがねも望むはずだ」
「・・・はい」
それが正しい事は分かっている。
でも
「この思いを決して無駄にしたくない」
ターニャSide
「そういえば、お前はどんな食事を行っているんだ?」
「えっ?
俺は、主にこれだが?」
そう言い、あいつが取り出したのは餅だった。
「餅?
帝国もそうだが、この周辺では米などなかったはずだが?」
「芋餅だよ」
「あぁ芋餅。
なんか聞いたことがあるな」
確か北海道の名物の一つだと聞いたことがある。
最近では普通に居酒屋に出ているとも聞いたことがあるが
「なぜ芋餅?」
「いや、ここの食事が糞まずいのは知っているだろ」
「あぁ、はっきり言うと食えた物じゃない」
「あぁだが、幸いこれだけは覚えていたからな。
下手なパンよりも作りやすいが、保存はできないがな」
「あぁ確かに」
ここの食事は糞不味いが、保存はしやすいから、そういう心配はない。
「一応聞くが、作り方はどんな感じだ。
私も知っておけば、色々と便利そうだ」
「まぁ確かにそうだけど、俺達だけでいけるか?」
「・・・」
そう言われて見て、あらためて確認する。
しろがねの手は手錠をしているので料理をするのは不向きだ、というかできるのか?
だけど、あの芋餅はどこから出したんだという疑問はあるが
反対に私は料理を作るのは苦手だ。
生前もほとんどは店で済ませたり、しろがねの所で厄介になる事が多いから
「・・・あっ、一人、心当たりがある」
「んっ?」
この状況で多少マシになるアイディアを思いつく。
「そっそれで、私はなんで呼ばれたんでしょう」
すぐに私はヴィーシャ中尉を呼び出した。
なにやら震えている様子だが
「なに、しろがねの家庭料理を食べてみたいと思ってな。
私は料理は苦手で、しろがねは両手を拘束されているから料理できないから、頼みたいと思ってな」
「あっそういう事だったんですか。
でも、どういう料理なんですか?」
「まぁ芋餅という料理だ」
「芋餅ですか?
それは一体どのような料理なんですか?」
「それを兼ねてだ。
しろがね、材料はあるか?」
「あぁ、むしろなかったら困る物ばかりだ」
そう言い、しろがねが取り出したのはじゃがいも、砂糖、塩、片栗粉、水だけだった。
「えっこれだけですか?」
「まぁとりあえずは指示通りに頼む」
「わっ分かりました」
「それじゃあ、始めるよ。
まずはじゃがいもの皮をむいて、茹でて柔らかくする」
「えっと、こうですね?」
そう言うと、なかなか器用に次々とじゃがいもの皮を剥いている。
こういうのは、やはり女性スキルとしては当たり前なのか?
「次に茹でたじゃがいもを潰して、そこに砂糖、塩を加えて混ぜる」
「結構簡単なんですね」
これは案外私でもできそうなぐらいお手軽だな。
芋餅って、こんな感じだったんだ。
「次に小麦粉を3回ぐらいに分けて加えて、すり混ぜる。
ある程度混ざったら、食べやすいサイズに分けて、油を引いておいたフライパンに入れて焼く」
「それで、この後どうするんですか?」
「焼き上がったら、完成だ」
「えっ、すごくお手軽じゃないですか!!
それにこれって、ポテトパンケーキみたいですね!!」
「まぁ材料はほとんど同じだからな。
違うのはこちらの方が少しお手軽だから、その分味は落ちる程度だけど」
思わず驚きの眼で見開いているが
「実際はどうなんだ?」
「本当は醤油が欲しかったけど、ここにそんなのがあるか?」
「あぁそうだった」
そもそも醤油は日本では当たり前だけど、ここは帝国しかも外国だから、そんなのは手に入らない!!
「そう思うと、今でも食べたい!!
刺身!味噌汁!!日本の古きよき料理達!!」
まさかここに来て日本の味を思ってしまうとは
「少佐殿!!
これ、すっごく美味しいですよ。
じゃがいもとは思わないぐらいに」
「あぁそうだな」
とりあえずはヴィーシャ中尉が喜んだので良しとしよう。
「しろがねさんって、こういう料理を知っているんですか?」
「まぁな。
といっても知識だけで、大半は作れないがな」
正確には、材料がなくて作れないだ。
しろがねはこう見えて、器用な奴だ、大抵の料理はできる。
「・・・ふむ」
ふと、思ったのだが、これは
「使える」
「少佐殿?」
「あっ始まった」
そうだ、食事の改善を行う方法を行うにはそれよりも良い方法を提案すれば良かっただけではないか。
現在の食事が不味いから問題とされている。
そこでしろがねの知識があれば、美味いのを作れる。
普通の料理でも、ここの糞不味い数々の料理よりはずっと良い!!
「これは、今後が楽しみだなぁ」
「ついでに芋餅は蜂蜜などを混ぜたり、焼く以外にも色々とあるぞ」
「わぁ!!」
後ろで私を置き去りにしてなにか話をしているが、今はこの糞不味い料理の方が先決だ!!