俺の親友は前世は男だったけど、今は幼女になった   作:ボルメテウスさん

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最大の敵は仲間

「この前は酷い目にあった」

 

貴重な休暇という事もあり、しろがねとのデートという事もあり詳しくないおしゃれをして出かけたのだが、その先では憲兵に連れられ、強制的に帰宅させられた。

 

確かにこの見た目なので、憲兵に対して恨み言を言うのは無礼であるのは重々承知しているが、その後のしろがねはセレブリャコーフ少尉と共に食事をしたと聞いていたが

 

「ふむ、しかし、セレブリャコーフ少尉」

 

ふと、彼女との関係を思い出しながら、私は自身の背筋を凍るような感覚に襲われた。

 

「なんという事だ!!」

 

まさか、ここまで戦ってきた戦友でもあり、信頼できる部下が、今、まさに私の最大障害になる可能性だという事に気づいてしまう。

 

「よく考えれば当たり前の事だ。

彼女の性格をよく知る私だからこそ言える」

 

彼女は優秀すぎる部下という事もあって、様々な所で優秀な所があり、さらには男を誘惑するには十分すぎる程にグラマラスなスタイルを持っている。

 

前世ではなかなかにいない女性であり、彼女がもしもいたならば、私は間違いなくしろがねに相応しいと思って勧める。

 

「あれ、よく考えれば、戦力差がやばい」

 

あらためて自己診断してみても、私は未だに子供という年齢もあって、小柄なボディで胸はそれ程出ていない。

 

容姿も今は幼女という事もあり、可愛らしいイメージがあり、将来に期待しても良い。

 

だが、それで奴を誘惑できるのかというと疑問に思える。

 

向こうはこちらを同性の親友のように接しているので、誘惑しても効かない可能性がある。

 

「身長も伸びていない。

このままではセレブリャコーフ少尉にしろがねを盗られてしまう!!」

 

彼女の性格からして、そのような可能性は低いが、しろがねの天然な魅力にやられてしまえば、墜ちるのも時間の問題!

 

「急な成長は無理だが、地道な所で成長を促すしかない」

 

その為にもまずは専門的な知識が必要。

 

そこで私が向かったのは参謀軍務医務室。

 

「あら、大尉、どこがお加減が?」

 

私を出迎えると先生はこちらを迎えてくれ、その隣には丁度、他の者が入っていた。

 

「いやそういう訳ではないが、少し先生に相談があるのです」

 

「あら、医者ならば、あなたの傍に一緒にいるしろがね先生の方が優秀だと思いますよ?」

 

「いや、その。

しろがねには相談しにくい内容でして」

 

私の身体の成長について、聞ける訳がない。

 

それも、「お前好みになる為だ」なんて、言える訳がないっ!!

 

「なるほど」

 

そこで納得すると、すぐに先生は他の者に命令して、部屋から出ていってもらった。

 

軍務の最中で、個人的な事で止めてしまって申し訳ないが、時間が1秒でも惜しい私にとっては誠に申し訳ない。

 

「何か話しにくい内容でしょう?

私しかいないから、遠慮はいらないわ、デグレチャフ大尉」

 

「これはかたじけない」

 

私はそこでゆっくりと息を吸いながら、改めて相談内容を言う事にする。

 

「先生、私は同世代と比較しても自身の身体の成長が遅れているのではないでしょうか」

 

「大尉はまだ11歳でしたね。

そこまで気にする必要はないと思いますが」

 

「ですが」

 

確かに先生の言葉にも納得できるが、少しでも成長をしたい私にとっては問題があるのだ。

 

「大尉は孤児でしたから、幼児期に取るべき栄養が十分ではなかったのでしょう。

同世代に比べて、成長が遅いのは仕方ない事だわ」

 

確かにそうなのだが

 

「それに、元々軍事訓練は基本的に少年少女を想定していないから、食生活や睡眠時間の乱れがホルモンバランスを崩しているのかもしれないわ」

 

なるほどつまりはあの孤児になってしまったのも、このような戦場でしか出世できないような世界に転生させた存在Xが悪い訳か。

 

なるほどなるほど、先生のおかげで奴に対する復讐の理由がまた一つ解明された。

 

先生には感謝しておかなければな。

 

いかん、つい怒りに我を失いそうになった。

 

「確かに屈強な部下達に囲まれていると、思う所はあります。

ですが、仕方ない事だと分かっていても」

 

そう言い、私は自身の身体を見つめる。

 

(あらあら、まぁまぁ!!

そういう事だったのね、確かに新聞では大々的に報道されて、婚約者となっているとはいえ、自身の身体に自信を求めないのは仕方ないわ。

それに、彼女は孤児、しろがね先生に恋愛と父性の両方を求めていても、可笑しくないわ!!)

 

私は自身の身体について疑問に思っていると、ふと先生が私を抱きしめてくれる。

 

「心配しないで大尉。

個人差はあるけれど、女ならば誰しもが通る道だから」

 

「はっはい?」

 

「あなたは十分に魅力的な方ですわ。

軍務に差し障らない範囲で適切な生活を心がければ、大丈夫です。

一応、ビタミン剤を出しておきますね」

 

「あっありがとうございます」

 

私はそれだけ薬を受け取った。

 

薬を受け取り、自身の中にある葛藤に気づきながら、ため息をつく。

 

前世においての性別である男として行きたい自身もあるが、同時に前世では敵わなかった恋を成功させる為に必要な女として自身。

 

「それもこれも、存在Xのせいだぁ!!」

 

その場で叫びたくなったが、その衝動をギリギリまで抑え込むように、持っていた薬を窓の外へと思いっきり投げてしまった。

 

「どうしたんだ、ターニャ?」

 

「しっしろがね、いやなんでもない」

 

「そうか、でもなんか投げたような」

 

「ゴミが落ちてしまってな。

最近、憲兵に連れていかれたストレスでついな」

 

「そうなのか?

そうだ、この前のお詫びもあってアップルパイはどうだ?

手錠であんまりできなかったけど、パイ生地は事前に作ってあるから、焼けばすぐに食べられるぞ」

 

「そうか、ならば頂こう。

勿論コーヒーを忘れるなよ」

 

「あぁ分かっているよ」

 

あぁ危なかったぁ、もしもあの中身を見たら、しろがねだったら一発でアウトだったぞ。

 

冷や汗をかいてしまったが、危機は脱せたようだ。

 

(頑張って大尉、私は応援しているわ)

 

何やら後ろで誰かの視線が見えるが、気のせいだと思っておこう、そうしておこう。

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