渡界者が行く(ちょっと再開)   作:完全怠惰宣言

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EPISODE GOLD

「皆様、ようこそ”グラン・テゾーロ”へ。当カジノ都市の運営を任されております副支配人の”ギルド・ステラ”と申します」

 

珍しくルフィが率先してドレスコードを整え、オレ達全員が下船し麦わらの一味が全員集合した。

その時、オレの前に”女神”が現れた。

 

シックな黒いパーティードレスを夜空と例えるなら彼女の映える明るい黄金の髪はまるで天の川。

 

淡雪を思い起こさせる真っ白で汚れない白磁の陶器や真珠を思わせるきめ細やかな肌。

 

この世の全ての海(オール・ブルー)から写し取ったと言われても謙遜無い煌めく青色、アクアマリンの煌びやかな瞳。

 

この世の全ての美を詰め込んだと言われても納得してしまいそうな”女神”が”オレ”に微笑みかけてくれていた。

 

「初めまして、マドマーゼル。あなたのような素敵なレディに出会えるなんてなんて素晴らしい日でしょう。

 私、麦わらの一味にてコックをしております”黒足”のサンジともうします」

 

気が付いたらオレは”女神”にバラの花束を献上していた。

 

「あら、素敵な騎士(ナイト)様。バラをありがとうございます」

 

そう言って女神はオレの献上した花束を受け取ってくれた。

これはつまりイケル(・・・)気がする。

 

「サンジ、ステラ”さん”は止めとけ。あとお前の後ろも見てみろ」

 

ルフィが何か言っているが、知ったことか恋はいつでもハリケーンなんだよ。

 

「おい、小僧」

 

そう言われて肩を思いっきりつかまれたオレは、女神との合瀬を邪魔する大罪人に文句を言ってやろうと思いっきり蹴りを叩きこんでしまった。

しかし、オレの蹴りは黄金の籠手で覆われた左腕に阻まれその糞野郎と対峙する形になった。

 

「当カジノ都市の運営を任されております支配人の”ギルド・テゾーロ”と申します。オレの女(うちの家内)に何か御用でしょうか」

 

 

凪の帯(カームベルト)

 

「偉大なる航路」の両脇に沿って存在している大型海王類の巣でもある無風海域を一艘の海賊船が蛇に牽かれて爆走していた。

 

「なぁ、“ハンコック”よぉ。今から行っても間に合わないから諦めろよ」

「黙れ、貴様がオルビア達の“夫”で妾に“男のいろは”を教える者でなければ今すぐ石にしてやるところなのだぞ」

「だーかーらー、お前の”能力”オレに効かねえし。それに、“此処”から“グラン・テゾーロ”までどんなに急いでも1週間かかるから。絶対に長居しないからルフィは」

「あぁぁぁぁぁぁんルフィ、そなたの愛妻が今行くぞ」

「聞いちゃいねぇし、この恋愛処女帝」

「何をモタモタしておる。早う進まぬか」

 

そんな船首には一組の男女が悠然と立っていた。

夜空よりも黒い艶やかな黒髪、青空に浮かぶ雲が嫉妬するほどに白い肌、百花繚乱の花があまりの麗しさに一目ぼれしてしまうと言われるほどに艶やかな唇。

世界中にとどろく美貌と戦闘力、薔薇のような女性と誰かが例えた美の化身。

 

”海賊女帝 ボア・ハンコック”

 

風に棚引く自身を象徴させる紅の髪、その髪から覗く翡翠の瞳、そして隣にいる恋愛処女帝(ボア・ハンコック)の暴走に頭痛を覚える長身の男性。

女性の相棒ともいえる蛇のサロメに肩を叩かれ窘められるその姿に九蛇海賊団の船員からも憐みの視線を一身に受ける七武海の苦労人

 

”緋影絶刀 アーベン・D・リヒター”

 

二人の七武海を乗せた九蛇海賊団の海賊船は現在、グラン・テゾーロに向けて全速力で”偉大なる航路”を逆走していた。

 

「リヒター、そなたのナワバリなのだから少しは気を利かせてルフィを引き留めるなど手伝ったらどうなんじゃ」

「いや、ルフィが”ゴールデン・ポース”を起動させたの感知したテゾーロから連絡入れたのに取り次がなかったの自分じゃん」

「ウルサイ、そうしたら其方が妾に直接言いにくれば良いではないか」

「会いに行っても門前払いだったんだろうが、文句は受け付けん」

 

ムキャー、フシャーという擬音が聞こえてきそうな言い争いをBGMに船員たちは船を最大稼働最速全力で船を動かしていた。

 

 

「いやはや、よく来たなルフィ。ここまで成長するとは流石に船長が太鼓判を押した男だ」

 

ピンクのスーツにいたるところに黄金の装飾が施された大柄の男性”ギルド・テゾーロ”。

 

「本当ね、ルフィの成長ぶりは船長だけが一人勝ち状態だったものね」

 

ステラが昔を思い出し、腕白小僧のルフィの印象が抜けきっていないのか笑いながらも目の前に現れた青年に微笑んでいる。

 

「ホロホロホロホロホロ、今や”最悪の世代”の代表格になっちまったしネームバリューも相当だしな」

 

ペローナはこの中でただ一人、2年前にルフィと再会していたためか逆にこの2年間の成長ぶりに驚かされていた。

 

「おう、テゾーロさんお久しぶりです」

「テゾーロで構わんよ。それで、ウチに来たと言うことは」

「いや~、今後の資金が底つきそうでな。此処で一攫千金ってことになってな」

 

朗らかに進む会話を外から眺める麦わら一味。

前々から船長の異常な交友関係に度々驚かされてきたが、今回は更にぶっ飛んでいた。

 

「掛け金は以前、君が預けた海賊バンクに有るから後で“バカラ”と一緒に確認に行けばいい」

「おう、解った」

「では、“麦わらの一味”の皆さん。存分に楽しんでいってください」

 

テゾーロがそう宣言するように笑顔で締めた。

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