渡界者が行く(ちょっと再開)   作:完全怠惰宣言

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平成最後の投稿になるのかな?


渡界者と黒腕

時間はあっという間に過ぎ約束の15分後となった。

砂浜にはゼファー、スモーカー、ヒナ、ドレイク、ロシナンテの5人が立っていた。

 

「大将黒熊(くろぐま)、準備整いました」

 

生真面目なドレイクが声をかけた。

すでに任務地に降り立っているという心構えからだろうか、ゼファーが大将の地位に就いた際に贈られた「黒熊」の名を呼んでいる。

 

「おう、それじゃ案内役を待とうか」

 

そういって砂浜から見える森林を見続けるゼファー。

他の4人といえばどこか落ち着かない表情を浮かべてゼファーの後ろに立っていた。

すると、草木をかき分ける音が仕出し、その音が徐々に近づいてきているのに全員が気が付いた。

 

「誰か来るな」

「えぇ、案内役かしら」

 

育った環境故に気配に敏感なコラソンとヒナがいち早く気が付いたようであった。

 

「スモーカー、分かっているだろうが」

「あぁ、こっちから(・・・・・)は手を出さねえよ」

 

先ほどのこともあり互いに牽制しあっているドレイクとスモーカー。

そんな部下たちの成長を心では喜びながら向かってきている者に対していつでも戦闘が行えるように身構えるゼファー。

彼らの緊張が高まり、誰かが唾を飲み込んだその瞬間だった。

 

「・・・・・・がぅ」

 

愛らしいトラのぬいぐるみが姿を現したのは。

恐ろしく達筆な字で『案内役』と書かれたプラカードをぶら下げて。

 

「「「はぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ」」」

「あら、可愛い」

 

ゼファーの背後から男3人の驚きに満ちた声と女性の朗らかな感想が聞こえたのは同時だった。

 

 

「船長、トトラが砂浜についたよ」

 

やっと泣き止んだペローナの能力により案内役となった彼女のトラのぬいぐるみが目標地点に到着したのを確認した。

 

「そうか、そうしたらペローナ悪いけど遠回りのルートを通らしてくれ。ゼファー以外で”覇気”使いがいるかどうかブランチに調べさせる」

「解った」

「それはえぇねんけど、お嬢はいつまで船長の胡坐の上におる気なんや」

 

泣き止んだといってもまだ怖いらしくお気に入りの場所から離れようとしないペローナを揶揄するブランチ。

周囲からもほっこりとした視線を送られて、いつもなら癇癪を起こすペローナもそれを無視してリヒターを独占している。

当のリヒターも背中をロビンの背もたれにされ、右腕をオルビアに抱き着かれ、左腕を鎌足に抱き着かれてハーレム状態になっている。

下っ端のクルーで羨ましそうに見ている奴らもいるにはいるが、毎回起きている大惨事を知っている面子からすれば船長が苦労して、自分たちの平穏が保たれるならば、後で船長による八つ当たりという名の地獄のしごきが待っていようと我関せずを貫くのが得策であった。

 

「お前ら後で覚えてろよ・・・・・・・。ブランチ悪いが”感電知”でわかる範囲丸裸にしてくれ」

「・・・・ほな、いきますか」

 

 

 

「(・・・・・・・見られている、イヤ感知されているな”こいつら”)」

 

異変を感じ覇気を展開し、ブランチの感知網に部下たちが引っかかっていることにゼファーは気が付いた。

 

「せんせ・・・黒熊大将どうかされましたか」

 

育った環境故に気配に敏感なロシナンテが違和感を感じていたからか、ゼファーの異変に気が付いたロシナンテにゼファーは声をかけられた。

 

「いや、なんでもない(敵意を感じないということは”こいつら”が覇気使いかどうかを確認している、てとこだろ)」

 

ゼファーがそのことを教えるかどうか悩んでいると案内役のトラのぬいぐるみが急に止まった。

数秒立ち止まると腕をより深い森林へと向けた。

 

「・・・こっちに行けということかしら」

 

ヒナの声が聞こえたのか首をものすごい速さで縦に振るぬいぐるみ。

 

「罠じゃないのか」

「・・・であっても行くしかないがな」

 

気性に似合わず作戦行動中は慎重な対応をするスモーカーと任務であれば進んで危ない橋を渡ってしまうドレイクのコンビを横目にゼファーは考える。

 

「(ここまでの道中あきらかに遠回りさせられていた。

  それは4人の情報を得るためだろう。

  気配が消えてだいぶ経つが攻撃の気配すら感じない)」

 

ゼファーとて”彼”に対する恩義さえなければ多少の無茶を通すことを考えたが、ここまでの経緯を考慮すると自分たちが攻撃される可能性は低いと考えてた。

何より、今回連れてきた4人は自分の部下の中でも特に成長率が高いメンバーだった。

 

「お前ら、行くぞ」

 

故に彼は決断したのだった。

 

 

 

「・・・・・・なんだ、ここは」

 

誰が呟いたのか、もしくは皆がそう想ったのか。

そこには想像していた光景とは別の姿があった。

泉の畔に野営として作られたであろう複数の天幕。

真っ白なそれらは周囲に咲く花々の中にあって、より神秘そうに見えてしまう。

時おり漏れてくる女性達の声も合間って此処が海賊達が寝蔵としているキャラバンには到底思えなかった。

しかし、そこから聞こえてくる柄の悪そうな男達の声が海賊の象徴のように木霊し、不思議と安堵してしまった。

 

「船長達は奥の天幕でお待ちです、ご案内させていただきます」

 

クルーと思わしき女性に声をかけられたことでゼファーを含めた5人は意識を浮上させた。

女性の案内にしたがい、最も奥に位置する天幕へと足を進めた。

 

「ようこそ、“海軍大将”殿」

 

天幕の下、思い思いの場所に座る幹部と目されている存在達の一番奥に目的の人物は座っていた。

ハンモックチェアに腰掛けて、こちらを値踏みするような視線を向けるこの男こそ、今回の目標だった。

 

「はじめまして、“緋影”殿」

 

 

 




キャラクターシート

ペローネ・ペローナ

異名:ゴーストプリンセス 所属:アーベン海賊団 立場:アイドル(自称)
懸賞金:200万べりー
外見モデル:ペローナ(出典:ONE PIECE)
好きなもの:おにぎり(船長から初めて貰った食べ物) 得意料理:おにぎらず、クッキー

備考
原作に登場しているペローナ本人。
リヒターヒロイン。
ただし、モリアではなくリヒターに拾われたことで運命が激変した。
可愛らしい容姿をした少女だが、勝気でワガママ、かつ男勝りなお転婆娘。
一方、子供扱いされることを極端に嫌う。
ゴスロリ衣装を好んでまとっており、女性には好んで着せようとする(主な犠牲者は歳が近いロビン)。
リヒターとの出会いで最も影響を受けており、原作時間軸前にも関わらず能力が別物に進化している。
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