「1度別れよう。」
男は確かにそう言った、彼女は困惑していた、私何かした?と聞いてきた。
もちろん彼女は何もしてなかった、ただ男に自信がなかっただけだった。
男は彼女に何もしてあげれてない、彼女がこの男を必要としてるかすらわからない。
このままだと彼女が不幸になる可能性もある。
別に彼女がこの男を必要としてないなら、いると邪魔になると男は思った。
別れを告げたのは、春の桜がほとんど咲いていない時期の、夕方のことだった。
男は話があると彼女を呼び出し、散歩をして、帰りに告げた。
そして男は1人家に帰った。
彼女との出会いは、中学生の時のことだ。
男は学校でも知らない人が居ないほどの不良だった。
男は一匹狼で、ほかの不良達からよく絡まれてた。
彼女はいじめられていて、不良達からひどい扱いをされていた。
男は助けることはしなかった、男は一匹狼で、仲間などいなかった、生徒達からも、不良たちからも嫌われていた。
1人で不良達を相手するのは無理だし、俺は放置してた。
もちろんその子を助ける人は、一人もいない、助けた人はターゲットにされて不登校になった。
みんな、助けた人がどんな酷いことをされたかを知ってるから、助けない。
近づくだけで、ターゲットになる。
学年が変わり、そのいじめられてる人と同じクラスになった。
もちろん話しかける人などいない、男も話しかけることはしなかった。
ただそのいじめられてる人が話しかけてきた、男が不良と理解してるのかと、男は思った。
ただ男は不良を気取ってるだけであって、根は優しい性格をしてた。
だから話しかける奴がいたら、ちゃんと話す。
相手がいじめられっ子でもだ。
それから毎日、その子に話しかけられた。
ほかの不良達からターゲットにされるし、めんどくさかった。
元々不良達から目を付けられていたため、特に問題はなかった。
いじめられっ子は、どうでもいいことで話しかけてきた、話す相手が男しかいなかったのもあるが。
男はその女から子供扱いをされていた、悲しいことに不良を気取ってるが見た目が幼いため、子供扱いをされた。
だけど作業系の授業とかの時は、いじめられっ子は男を頼ってくる。
これぐらい出来るだろって所もだ、作業を教えたり、代わりにやってるため、男の作業が進まなかった。
まぁ、男が近くに着いてからいじめは少なくなった。
いじめられっ子の近くに不良達がいたら、男が前に出て気を紛らわしてたからだ。
男はただ中学校生活中不良達から、いじめられっ子を守っていた。
これが、彼女と男の出会いだ。
不良といじめられっ子という、謎な関係だ。
もう彼女が男を必要としないなら別れよう、彼女がまだ男を必要としてるなら、また会おう。
それまではさよならだ。