二人との出会い
俺は産まれてすぐに捨てられた……。
そんな俺を拾ったのは【
ただ一つ分かるのは、俺は生きている、死んではいない、それが…、いや『それだけが』確かな事だった。
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俺が拾われてから五年がたった。
俺には物心がついた頃から頭の中に映像が浮かび誰かに喋りかけられる様な事が多々有った。
最初は良く解らないままに答えていた、その為に周りからは気味悪がられ気付けば孤立し一人になっていた。
それから俺はずっと一人孤独の中で生きている。
そして今日もまた一人で公園にいた、他の皆が何をしているのかは知らないし、興味もない…
「ねぇ君、少し良いかな?」
そんな時いきなり知らない女の人に話し掛けられた。
「なんですか?」
「ちょっと道を聞きたいんだけど教えて貰えるかな?」
俺は少し警戒しながらもそう返すとその女の人は笑顔でそう言った、どうやら道を聞きたいだけの様でとりあえず怪しい人では無さそうだ。
「良いですよ、俺が知ってる場所ならどこでも教えますよ」
「本当!!ありがとう!!」
「それで…何処に行きたいんですか?」
俺は警戒を解いてそう返すと、その人はまたも良い笑顔でお礼を言ってきた。
そして改めて俺がそう聞くと、彼女はこう言った。
「えっとね~、【
「………」
「あれ?どうかした?もしかして知らなかったかな?」
その時俺は彼女の言葉につい黙ってしまった、そんな俺を心配してか目線を合わせて聞いてきた。
「いえ…すみません、知ってますよ……。と言うより俺はそこの人間ですから、院まで案内しますよ」
「そうなんだ!!それじゃあ案内お願いしても良いかな?」
「良いですよ」
俺がそう言うとその人は満面の笑みでそう言ってきたので、俺はそう返した。
「ありがとう、そう言えば自己紹介がまだだったね私は"セラフォルー"って言うの『セラ』って呼んでね」
「セラ…さん?」
セラ「う~ん、セラお姉ちゃんの方が良いけど…まあ良いや、それで君の名前は?何て言うの?」
彼女、セラさんはお礼を言った後に名乗ってくれた、それに対し迷いながらも返すと、セラさんは自分の唇に人差し指を置きそう言い、その後俺の名前を聞いてきた。
「俺は…レイです」
セラ「レイ…君?」
レイ「はい」
セラ「かっこいい名前だね」
レイ「そんな事無いですよ」
セラ「そうなの?どうして?」
俺が名乗るとセラさんは一度その名を呟いた、俺がそれに答えると、セラさんはそう言ってくれたが俺はそれを否定した。
するとセラさんに何故かと聞かれたので俺はこう答えた。
レイ「俺の名前は拾われた時に命以外は『0』何も無かったって事でつけられた名前ですから」
セラ「そうだったんだ…、ごめんね…」
俺はまるで何でも無いかの様にそう言ったのだが、セラさんは顔を曇らせながら謝ってきた。
レイ「別に、良いですよ今更気にしてませんから」
セラ「そっか…ありがとう」
レイ「はい、それじゃあ行きましょうか」
セラ「うん、お願いね」
俺がそう言うとセラさんは笑顔に戻った、そして俺がそう聞くと、満面の笑みでそう言った。
セラ「それにしても…レイ君、君はまだ子供なのに礼儀正しいね?」
レイ「敬語とかは余り好きじゃ無いけど…先生がうるさいから」
セラ「あははっ!!そうなんだ、大変だね」
レイ「うん」
歩き出してからセラさんがそう聞いてきた、その指摘が少し恥ずかしかった俺はふてくされながらも素直にそう返した。そんな俺の言葉にセラさんは笑いながらそう言った、俺はそれに短く頷き返した。
セラ「そうだ!私には普通に話して良いよ?」
レイ「本当に?怒らない?」
セラ「だいじょ~ぶ、怒らないから安心して、ね?」
レイ「うん!」
すると、セラさんがいきなりそんな提案をしてきた。
俺は驚きつつも良いのかと聞いてみた、するとセラさんは変わらず笑顔でそう言ってくれた、俺はその言葉に今度は笑顔で頷いた。
そして同時にこう思った…
レイ(笑ったのなんて…何時ぶりだろう……)
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セラside
今日私は半分は魔王の一人としてのお仕事で、もう半分はセラフォルー個人として人間界に来ていた。
セラ「さぁ~て、外交のお仕事以外で人間界に来たのは久しぶりだなぁ~」
目的は【
表向きは普通の孤児院だがもう一つ別の目的が有る、それは神器を所有してる子供達の保護だ。
ただ、勘違いしないでほしいのは、けして無理矢理転生悪魔にしたり、売ったりする為では無い。
天使や堕天使そして悪魔でさえも"神器持ちだから"と言う理由で罪の無い子供達を平然と拐ったり、中には殺す様な輩が存在する、私達魔王は皆で話し合い少しでもその被害を減らす為に、共同でその孤児院を作った。
そして、皆の持ち回りでたまに様子を見に来る事になっていて、それが今回は私の番、ただ普段は他の信頼出来る人に来て貰っていた。
今回自分で来たのは息抜きも兼ねてだ、だから私自身が行くのは6年ぶりくらいかな。
セラ「まあ、これも立派なお仕事では有るんだけどね…」
それから孤児院に向かおうとして、私は大事な事に気付いた。
セラ「そう言えば…孤児院って何処だったけ……」
そう、私は来るのが久しぶり過ぎて、孤児院の場所を忘れていたのだ。
だって仕方ないでしょ?6年ぶりだよ?6年ぶり!
セラ「ちゃんと場所を確認してから来るんだったよぉ~」
そう思ってももう遅い、誰かに聞こうと思い辺りを見渡すが…人が居ない…
セラ「この辺りだと思うんだけどなぁ、仕方ないまずは知ってる人を探そう!」
私は気持ちを切り替えて、人を探し始めた。
セラ「うーん…誰か居ないか…居た!けど一人で何してるんだろう?」
少し歩いて見つけた公園のベンチに一人で座っている子供を見つけた、見た感じはソーナちゃんと同じくらいの子かな?
セラ「とりあえずあの子に聞いてみよう!」
私はその子に孤児院の場所を聞こうと話し掛けた
セラ「ねぇ君、少し良いかな?」
「なんですか?」
私が話し掛けるとその子はそう返してくれた、あれ…もしかして私…警戒されてる?
「ちょっと道を聞きたいんだけど教えて貰えるかな?」
「良いですよ、俺が知ってる場所ならどこでも教えますよ」
「本当!!ありがとう!!」
私がそう言うと、その子はそう返してくれたのでお礼を言うと、その子から警戒してる感じが消えた、私何で警戒されたんだろう…まさか変質者に間違われたのかな……だったら嫌だなぁ…
その後場所を聞かれたから【
確かに少し集中してみると、この子からは微かに神器の気配が感じれる。
あれ?じゃあ何で黙っちゃったんだろう?
それから案内してくれると言うので連れてって貰う事にした。
セラ「ありがとう、そう言えば自己紹介がまだだったね私は"セラフォルー"って言うの『セラ』って呼んでね」私はお礼を言って、自己紹介をしてからその子の名前を聞いた。
「俺は…レイです」
どうやらこの子はレイ君と言うらしい、私が彼の名前を復唱するとそうだと返してくれた。その後レイ君にかっこいい名前だと言ってみたら否定され、理由を説明してくれた。
レイ「俺の名前は拾われた時に命以外は『0』何も無かったって事でつけられた名前ですから」
まさかそんな理由だったなんて…。私無神経な事言っちゃったなぁ、そう思い謝ると。
レイ「別に、良いですよ今更気にしてませんから」
セラ「そっか…ありがとう」
レイ君はそう言ってくれた、無神経な事を言った上に気まで使わせちゃった…私はこれ以上何もしないように、気を付けようと思いながら笑顔でお礼を言った。
歩きながらレイ君が敬語で話しているので、気になって聞いてみたら。
レイ「敬語とかは余り好きじゃ無いけど…先生がうるさいから」
セラ「あははっ!!そうなんだ、大変だね」
レイ「うん」
レイ君は少し恥ずかしがりながらそう言った、私はその子供らしい返しに笑いながら聞いたら、少しふてくされながらも答えてくれた。
そこで私は一つの提案をしてみる事にした。
セラ「そうだ!私には普通に話して良いよ?」
レイ「本当に?怒らない?」
セラ「だいじょ~ぶ、怒らないから安心して、ね?」
レイ「うん!」
そう提案してみたら驚きながらそう聞いてきたので笑顔でそう返すと、今度はレイ君も笑顔で頷いてくれた。
会話をしながら、私は初めて笑ってくれた事が少し嬉しくて、孤児院に着くまでレイ君と色々なお話しをしながら歩いて行った。
セラsideout
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セラさんと出逢ってから暫く経ったある日。
セラ「レイく~ん」
レイ「セラさん、こんにちは」
セラ「はい、こんにちは!でもそろそろセラお姉ちゃんって呼んで欲しいなぁ~」
今日もセラさんはやって来た。
俺は相変わらず元気だなぁと思いながらも挨拶をした、するとセラさんも挨拶を返してその後にそう言ってきた。
レイ「まだ会ってそんなに経って無いですよ」
セラ「別にい~の、私がそう呼んで欲しいんだもん」
「あのっ!お姉様…」
俺がそう返すと、セラさんは子供の様な口調でそう言ってきた。
そんな風に二人で喋っていると、セラさんの後ろから恥ずかしそうに顔を出した小さな女の子が見えた。
レイ「それよりも、後ろの子は誰ですか?」
セラ「それよりって…レイ君最近私に冷たくない?」
俺はその子が気になりセラさんに聞いてみたが、どうやら俺の自分に対する扱いに不満があったようで、まるで子供の様に頬を膨らませてそう言ってきた。
レイ「そんな事無いですよ、それで?その子は?」
セラ「もぉ~仕方無いなぁ、この子はソーナちゃんだよ、私の可愛い妹なの」
そんなセラさんの言葉を否定し、改めて女の子について聞いてみた。すると、ため息をつきながらも笑顔で妹だと紹介してくれた。
セラ「ほら、ソーナちゃん挨拶してごらん」
ソーナ「あっ…えっと…」
レイ「…えっと…初めまして俺はレイって言うんだけど…」
ソーナ「は…初めまして、私は…ソー…支取…蒼那です…」
セラさんがそう言うと人見知りなのか戸惑っていたので、俺から自己紹介をする事にした、するとその子も自己紹介をしてくれた、どうやら女の子の名前は蒼那と言うらしい。
レイ「えっと…蒼那ちゃん?」
ソーナ「………うん」
俺がそう聞くと、少し間を置いた後に頷いてくれた。
レイ「そっか、よろしくね蒼那ちゃん」
ソーナ「うん……よろしくね…レイ君」
俺がそう言うと、彼女も笑顔でそう言ってくれた。
セラ「二人共良く出来ました」
レイ「………///」
ソーナ「あっ……///」
二人『ふふっ///』
するとセラさんはそう言いながら、俺達の頭を撫でてくれた、撫でられた俺達は揃って顔を真っ赤にしながらも笑った。
それが俺と彼女との出逢いだった。
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ソーナside
その日私はお姉様に連れられて人間界にやって来た。
セラ「ソーナちゃん、今日はお姉ちゃんとお出かけしない?」
ソーナ「お出かけですか?今日はお仕事じゃないんですか」
セラ「大丈夫だよ、お仕事って言っても様子を見たり、安全確認するだけだから」
ソーナ「そうなんですか?」
お姉様はいきなりそう聞いてきた、今日は人間界でお仕事だと言ってた気がしたので聞いてみたら、そう言われたので少し安心した。
セラ「うん!この前人間界に行った時にソーナちゃんと同い年くらいの子と仲良くなってね、ソーナちゃんも一緒に行かない?」
ソーナ「でも…私……初めて会う人とは…」
セラ「大丈夫!その子はと~っても優しい子だから!!ね?」
ソーナ「分かりました…行きます…」
どうやら人間界で知り合った子がいて、お姉様はその子と私を友達にしたいみたい…
私は人見知りだから初めて会う人とは緊張して上手く話せないのだが
お姉様がそう言うなら、きっと大丈夫だろうと思い行く事にした。
セラ「レイく~ん」
レイ「セラさん、こんにちは」
セラ「はい、こんにちは!でもそろそろセラお姉ちゃんって呼んで欲しいなぁ~」
お姉様と手を繋いで歩いていた、公園に着くといきなりお姉様は誰かを見つけた様で名前を呼んだ。
すると一人の男の子がお姉様の元にやって来て挨拶をしてきた、お姉様も挨拶を返し、そんな事を言っていた。
それからお姉様はその子と仲良く話していたので。
ソーナ「あのっ!お姉様…」
たまらず私がそう言うと、お姉様より先に男の子が気付いてくれた、男の子は私の事をお姉様に聞いたが、お姉様は自分の扱いに文句を言っていた。
レイ「そんな事無いですよ、それで?その子は?」
セラ「もぉ~仕方無いなぁ、この子はソーナちゃんだよ、私の可愛い妹なの」
男の子はそれを否定して、もう一度聞いてくれた、するとお姉様は私を抱き寄せながらそう言った。
セラ「ほら、ソーナちゃん挨拶してごらん」
ソーナ「あっ…えっと…」
そしてお姉様は私にそう言ったが、私はいきなりで上手く話せなかった、すると男の子は自分から自己紹介をしてくれた。
ソーナ「は…初めまして、私は…ソー…支取…蒼那です…」
私は一度深呼吸してから自己紹介をした、最初本当の名前を言いそうになったが何とかできた。
何故かは分からないけどお母様に人間界ではそう名乗る事と言われていたのを思い出した。
そして、男の子…レイ君に一度名前で呼ばれ頷いたら。
レイ「そっか、よろしくね蒼那ちゃん」
ソーナ「うん……よろしくね…レイ君」
レイ君にそう言われ、私も同様に名前を呼んで返した。
セラ「二人共良く出来ました」
そうしたら、お姉様がそう言いながら私達二人の頭を撫でてくれた、少し恥ずかしかったけど嬉しかった。
二人『ふふっ///』
ふとレイ君の方を見てみたらレイ君も恥ずかしがりながら私の方を見ていた、私達はお互いに顔を赤くしながら笑った。
それが私と彼の出会いだった。
ソーナsideout