本当は次の話しを書いていたのですが、書こうかな…?って思ってしまったので書きました。
ただ走り書きなので、余り期待はしないでくれると助かります。
「……く…お…て……い…ん…き…」
寝ていると誰かの声が聞こえた。
レイ「んっ…んん…何…?」
俺は目を開けると―――
「あっ!起きた?」
レイ「……ソーナ…?」
目の前にソーナの顔があった。
ソーナ「おはよう!レイ君」
レイ「おはよう…何してるの?」
ソーナの挨拶に俺も挨拶を返し、とりあえずそう聞いた。
何故なら―――
ソーナ「うん?レイ君を起こしに来たんだよ?」
レイ「いや…そうじゃなくて…何で上に乗ってるの」
ソーナは俺の上に馬乗りになっていたからだ。
ソーナ「だってレイ君、全然起きないんだもん…もう10時だよ?今日は一日一緒に遊ぶって約束したのに…」
ソーナは頬を膨らませ拗ねた様にそう言った。
レイ「あー…そうだった…ごめんソーナすぐに起きるよ、ソーナは出掛ける準備しておいで?」
俺は昨日ヴァーリを連れ帰った時の約束を思い出しソーナにそう言って、重い身体を起こした。
ソーナ「うん!じゃあ準備して玄関で待ってるね」
レイ「分かった、俺も準備したらすぐに行くよ」
ソーナが出ていったのを確認して、俺は着替え始める。
レイ(あれ?そういえば…ヴァーリは何処行った)
部屋を見回すがヴァーリの姿が無い。
レイ「まあいいか…」
俺はそう呟き、洗面所に向かい顔を洗って歯を磨いてから、玄関に向かっていた。
「おや…レイ君、随分とお早いですね?」
玄関に向かう途中、俺は教育係りの人に話し掛けられた。
レイ「おはようございます、ついさっき昨日の約束の件でソーナに起こされまして…」
「なるほど、それは大変ですね…昨日は帰ってきてから夜遅くまでお仕事をしていたというのに…」
その人は俺の説明を聞き、笑いながらそう言った。
そう、俺は昨日ヴァーリを連れ帰った後、先に帰っていたセラフォルー様が、実はまだ仕事を終わらせていなかった事が分かり、「仕事したくないよぉ~」と駄々を捏ねるセラフォルー様の腕を引っ張ってすぐに仕事場に戻った。
仕事が終わったのは夜中で、眠りに就く頃には4時を回っていたのだった。
レイ「すいませんがソーナを待たせてるので…あっ、そうだヴァーリ知りませんか?起きたら部屋に居なくて…」
俺は玄関に向かおうとして、起きた時に思った事を思い出し聞いてみた。
「レイ君が連れて来た子ならば、奥様が先程連れて行かれましたよ?何でも将来の事とはいえ、レイ君の…魔王セラフォルー様の女王の眷属になるのなら教えなければいけない事があるとかで」
レイ「ああ…あれ…ですか…」
「ええ、あれ…ですね」
その言葉に俺はシトリー家に来た日の事を思い出しそう言った。
レイ「ヴァーリ…頑張れよ…」
俺は何処に居るかも分からないヴァーリに向かってそう言った。
何故そんな事を言うのかと言うと俺も同じ事をやらされたからだ。
正式にシトリー家にお世話になる事が決まった日、俺は母上が呼んでいるとの事でセラフォルー様に連れられて母上の所に行った。
挨拶もそこそこに母上はいきなり「まずはセラフォルーの眷属として何処に出しても恥ずかしくないように、礼節と正しい振る舞いを覚えさせます」と言われ、一日掛けて礼儀作法などをみっちり仕込まれたのだ。
おそらくヴァーリにも同じ様にしているのだろう…。
「そういえばソーナ様を待たせているのでは?」
レイ「そうだった、失礼します」
俺はそう言って玄関に向かって走り出した。
ソーナ「もう!遅いよレイ君!!」
遅れたせいで部屋を出る時には笑顔だったソーナはまたも頬を膨らませてそう言った。
レイ「ごめん少し準備に手間取っちゃって」
ソーナ「もう…仕方無いんだから」
素直に謝ると機嫌を直してくれたのか、笑いながらそう言った。
レイ「ソーナ、今日は随分と可愛い格好だね?」
俺は真っ白なワンピースを着て、頭には青いリボンを着けているソーナを見て、そう言った。
ソーナ「本当に?良かった…レイ君と二人で遊ぶのは久しぶりだったから…///」
ソーナは顔を赤くしながらそう言った。
レイ「俺の為に?」
ソーナ「…うん//////」
俺がそう聞くとソーナは顔を更に真っ赤にしながら頷いた。
レイ「そっか…嬉しいよ…ありがとうソーナ」
ソーナ「うん」
俺がそう言うとソーナは満面の笑顔で頷いた。
レイ「そろそろ行こうか?ソーナ」
ソーナ「そうだった!今日はい~っぱい遊ぼうね、レイ君」
俺が言うとソーナは目的を思い出したのか、そう言った。
レイ「そうだな、じゃあ行こう」
俺はそう言ってソーナの手を握ると。
ソーナ「あっ…」
レイ「ん?ああごめん…嫌だった?」
ソーナの反応にそう言い手を離そうとすると―――
ソーナ「そんなこと無い!むしろ…嬉しい…///」
ソーナは大きな声でそう言い、またも顔を赤くしながら手を握り返してきた。
レイ「そ…そっか…///…とりあえず行こう」
ソーナ「う…うん///」
今度は二人して顔を赤くしながらも、しっかりと手を繋いで外に出ていった。
セラ「二人共…顔真っ赤にしちゃって…可愛いなぁ~」
ずっと陰で俺達のやり取りを最初から最後までセラフォルー様が見ていた事にも気付かずに…。
―――――――――――――――――――
レイ「久しぶりにいっぱい遊んだな」
ソーナ「そうだね!今日はすっごく楽しかった」
あれから―――俺達は二人っきりで色々な所に行って遊んだ。
そして夕方になり家に帰って来た。
レイ「晩御飯の前にちゃんと着替えないとね」
ソーナ「うん、じゃあまた後でね?レイ君」
レイ「うん、また後で」
俺達は帰って来ると「お帰りなさいませお二人共、もうすぐお食事の時間です」とシトリー家のメイドに言われたので、とりあえず自室に向かう事にした。
ヴァーリ「兄さ~ん」
レイ「あ…ヴァーリ…」
部屋に向かって歩いていると、俺を見つけたヴァーリが涙目でこちらに向かって走ってきた。
ヴァーリ「ううっ…兄さん…」
レイ「よしよし、辛かったなヴァーリ」
俺は、俺に抱きついて泣くヴァーリの頭を撫でながらそう言った。
ヴァーリ「恐かった~」
レイ「だろうな…俺もそうだったよ…」
そう言うヴァーリに俺は昔の事を思い出しそう言った。
ちなみに、当時の俺はセラフォルー様に泣きついた。
その後ヴァーリを慰めてから、二人で大広間に行き皆で晩御飯を食べ、ヴァーリと一緒にお風呂に入り寝ようとすると―――
ソーナ「レイ君!一緒に寝よ?」
ソーナが枕を持って部屋に入ってきた。
レイ「…別に良いけど…どうした?」
少し驚きながらも俺がそう聞くと。
ソーナ「今日はずっと一緒って言ったでしょ」
そう言いながらソーナはベッドの中に入ってきた。
結果、俺を真ん中にして右にヴァーリ、左にソーナの順に並んで三人で寝ようとした時…。
セラ「皆だけずる~い!私も一緒に寝る~☆」
ソーナ「お姉様!」
レイ「セラフォルー様まで…」
ヴァーリ「zzz.....」
そう言ってセラフォルー様はソーナの隣に潜り込んだ。
ソーナは嬉しそうに、俺はまたも少し驚きながらセラフォルー様を迎えた、ヴァーリは余程疲れたのだろう、ソーナが来た時には既にぐっすり眠っていた。
レイ「おやすみソーナ、セラフォルー様」
ソーナ「おやすみなさい…レイ君」
セラ「おやすみ~☆」
そうして俺達は四人で仲良く寝たのだった。