俺は魔王の女王で魔王の妹は俺の女王で婚約者   作:黒幻

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【8歳】一人の私として

リアスside

 

いつだって私を私として見てくれる人はいなかった。

誰もが私を魔王の妹として見る、私はそれが嫌で仕方なかった。

だからと言って、お兄様の事が嫌いな訳じゃない、兄としても魔王としても、もちろん尊敬している。

それでも…将来私の夫になる人にだけは、私を魔王の妹としてではなく、リアス・グレモリーとして、一人の女の子として見て欲しい。

そう思うのは…我が儘なんだろうか…。

 

リアス「これで終わりっと」

 

グレイフィア「お疲れ様でした、お嬢様」

 

今日私は、朝からグレイフィアと勉強をしていた。

 

リアス「そう言えば、今日のパーティーにはソーちゃんとレイも来るのよね?」

 

グレイフィア「はい、お昼過ぎにはいらっしゃるかと」

 

私がそう聞くと、グレイフィアはいつもの様にそう返す。

 

リアス「そう、楽しみね♪」

 

グレイフィア「その前に、もう一つ勉強があります」

 

リアス「分かってるわよ…」

 

私が楽しみにしてそう言うと、それにグレイフィアが水を差す、私は不貞腐れながらもそう返事した。

 

―――――――――――――――――――

 

レイ「家もでかいけど、ここもでかいなぁ~」

 

ソーナ「そうだね」

 

今日はソーナと共に、グレモリーが主催のパーティーに来ていた。

ちなみにヴァーリは―――。

 

レイ(流石に連れて来れないよな…)

 

ヴァーリの事を知らない人がいないとは限らないので、勉強と言う名目で留守番だ。

 

リアス「ソーちゃん、レイ、いらっしゃい」

 

ソーナ「リーアちゃん」

 

レイ「リアス」

 

中に入ると、リアスが出迎えてくれた。

ちなみにセラフォルー様は着いてすぐに、グレイフィアさんに連れられて行った為、今はいない。

 

リアス「良く来てくれたわね、二人共」

 

ソーナ「うん」

 

レイ「俺まで良かったのか?」

 

ソーナは笑顔で頷き、俺はそう聞くと。

 

リアス「当たり前でしょ?レイはセラフォルーさんの女王なんだから」

 

ソーナ「そうだよ!」

 

レイ「なら良いんだけど」

 

リアスは何いってるの?とでも言いたげな顔でそう言い、ソーナにも一緒になって言われた。

 

リアス「それに…レイがいないと私とソーちゃんに色んな人が近寄って来るもの、嫌なのよ…あれ」

 

レイ「貴族のパーティーってそんな物じゃ無いの?」

 

リアスの言葉に俺がそう聞くと。

 

ソーナ「私達はお姉様達…魔王様の妹だから」

 

レイ「ああ、成る程ね…仕事以外でパーティーなんて呼ばれたのは初めてだから、よく分からなかったよ」

 

リアスの代わりにソーナが答え、それを聞き納得した。

 

リアス「とりあえず、会場に行きましょう」

 

ソーナ「そうだね」

 

レイ「ああ」

 

俺達はリアスに案内され、会場に入った。

 

「リアス様だ」

 

「ソーナ様も居るわ」

 

会場に入った途端、二人に視線が集まった。

 

リアス「はぁ…ほんと嫌になるわ」

 

ソーナ「うん…」

 

レイ「大変だな…二人共」

 

二人は明らかにテンションが下がった。

 

リアス「とりあえず、何か食べましょう?」

 

ソーナ「そうだね」

 

リアスがそう言うと、ソーナが頷いた。

 

リアス「レイは私達の護衛だからね」

 

レイ「分かったよ」

 

ソーナ「ありがとう、レイ君」

 

俺にはそう言って来たので、そう言うと、ソーナはお礼を言いながら何故か手を繋いできた。

 

レイ「どうしたの?ソーナ」

 

ソーナ「こうしてれば誰も近寄って来ないかなって思って…駄目…?」

 

俺がそう聞くと、ソーナは上目遣いでそう言った。

 

リアス「ずるいわ、私も」

 

すると、リアスも反対の手を繋いできた。

 

レイ「両手を繋がれたら何も出来ないんだが…」

 

俺はそう言うが、二人はもう食べ始めており聞いてない。

それでも、不愉快な視線は向けられるが、誰も近寄っては来ないので。

 

レイ(まあ…これで役に立ってるなら、別にいいか)

 

俺はそう思い、二人の好きにさせた。

 

―――――――――――――――――――

 

時間が立ち、パーティーもようやく終わった。

 

セラ「ごめんね…?レイ君、いきなり呼び出しちゃって、それもあんな役目で」

 

レイ「構いませんよ、それがセラフォルー様の女王しての役目ですから」

 

セラ「うん…ありがとう、レイ君」

 

俺は途中からセラフォルー様に呼ばれ、挨拶回りに付き添った。

その理由は、女王としてと言うのもあるが、それ以上に相手が余計な話しをし始めた時に、会話を切る為だった。

当然、俺に対して嫌な顔をする奴もいたが、少し殺気を放ち威圧すれば簡単に引き下がった。

 

レイ「それよりも…ソーナとリアスは大丈夫かな」

 

セラ「ああ…確かに、絶対に声掛けられちゃってるよね…」

 

俺達が二人の心配をしていると…。

 

ソーナ「お姉様!レイ君!」

 

ソーナが走って俺達の元にやって来た。

 

レイ「どうしたの?そんなに焦って」

 

セラ「ソーナちゃん、何か有ったの?」

 

俺達は揃ってソーナに聞くと。

 

ソーナ「リーアちゃんがいなくなっちゃったの!」

 

セラ「えぇっ!?」

 

レイ「もしかして、俺が居なくなってから何かあった?」

 

ソーナの言葉にセラフォルー様は驚く、俺はまさかと思いそう聞くと。

 

ソーナ「うん…レイ君が居なくなった途端に色んな人に話し掛けられて…」

 

ソーナの説明を聞いて、俺は二人に申し訳なくなった。

ダンスを一緒にどうだとか。

今度、食事にいかないかとか。

そんな様な事が続くも、二人は綺麗に流していたらしいのだが…。

その中に一人、余りにもしつこい奴が居て、リアスは嫌になり会場を飛び出したらしい。

 

レイ「それは…悪かったな…側に居てやれなくて、でも…何で俺が居る時は来ないんだ?」

 

セラ「それはね、皆レイ君の事を怖がってるからだよ?」

 

俺は不思議に思いそう言うと、セラフォルー様は少し笑いながらそう言った。

 

レイ「えっ…何でですか?」

 

俺は本当に意味が分からずそう聞くと。

 

セラ「この数年間、自分が何したかを考えてみてごらん?それも特にこの数ヶ月間の事を」

 

レイ「数ヶ月…?何もしてませんよ?変わらず普通に勉強と修行して、セラフォルー様の仕事に付き添って、ソーナやリアスとも一緒に居るだけで…」

 

俺はセラフォルー様に言われ、色々と思い出すも、全く心当たりが浮かばない。

 

セラ「はぁ~…確かにその通りだけど…それだけじゃないでしょ?」

 

レイ「………?」

 

そう言われても分からない物は分からない。

 

セラ「レイ君は確かに、私の仕事に付き添ったり、二人と遊んでるけど…私や二人に危害が及んだり及びそうな時、レイ君は何をした?」

 

レイ「何って…セラフォルー様や二人に対して無礼な奴ら相手に、手を出さない奴には軽く殺気を浴びせて、手を出してくる奴は半殺しにして…それくらいですよ?まあ…何人かは殺しかけもしましたが…」

 

セラフォルー様にそう言われて、俺は自分がしてきた事を口にする。

だがそれは、あくまでも礼儀に欠けた相手に対してのみだから、問題はない筈だ―――。

 

セラ「いやいや、それが原因だよ!?皆それを知ってるから、レイ君が居る時は二人に…特にソーナちゃんや私には近寄らないんだよ?」

 

セラフォルー様はそう言うが。

 

レイ「そうなんだ…でも、そうしろって言ったのはサーゼクスさんですよ?」

 

―――だって、何せ俺にソーナやリアスに手を出す奴にはそうしろと教えたのは、サーゼクスさんなのだから。

 

セラ「サーゼクスちゃんが!?」

 

セラフォルー様の説明に、俺がそう言うと、セラフォルー様は驚いていた。

 

レイ「はい、前にサーゼクスさんから」

 

サーゼクス『良いかい?レイ君、リアスやソーナ君にちょっかいを出す奴等は痛い目に会わせても問題無いからね?但し…手は相手が出すまでは、レイ君から出しちゃ駄目だよ?』

 

レイ「って、言われましたから」

 

俺はサーゼクスさんとの会話を思いだし、セラフォルー様に言うと。

 

セラ「なんて事を教えちゃったの、サーゼクスちゃんは!?

リアスちゃんが心配な気持ちは分かるよ?

私もソーナちゃんが心配だから分かるけどさ…だからって、何もレイ君に教えなくても…」

 

セラフォルー様は一部同意しながらも、そう言った。

ちなみにその時のサーゼクスさんは、顔は笑顔だったが全身から殺気混じりのオーラを放っていた。

当時の俺は、少し前にリアスから「パーティーがあるの」と言われていたので、おそらくそこで何かあったのだろうと理解した。

 

ソーナ「レイ君はずっと私達を守ってくれてたんだね、ありがとう」

 

レイ「そんな、お礼を言われる様な事じゃ無いよ」

 

ソーナは俺の袖を掴み笑顔でそう言った、俺はソーナにそう返すと。

 

ソーナ「そんな事ないよ?レイ君が傍に居てくれると、安心出来るもん」

 

ソーナはそう言ってくれた。

 

レイ「そう?ありがとう」

 

ソーナ「うん」

 

俺がソーナの言葉にお礼を言うと、ソーナは笑顔で頷いた。

 

セラ「まあ、そのお蔭でソーナちゃんもリアスちゃんも普段は危険が無い訳だけど…」

 

レイ「何か有ってからじゃ遅いですし」

 

セラ「そう…だね、なら別にいっか☆」

 

最終的にはセラフォルー様も納得してくれた。

相変わらずソーナの事になるとサーゼクスさんの様になる。

 

レイ「でも、リアスは何処に行ったんだろう?」

 

ソーナ「分からない…探したんだけど、見つからなかったから」

 

レイ「そっか…」

 

ソーナとそんな話しをしていると。

 

サーゼクス「セラフォルー、それにソーナ君とレイ君も」

 

レイ「サーゼクスさん?それにリーシアさんとグレイフィアさんも…どうしたんですか?」

 

サーゼクスさんが慌てた様子で話し掛けて来た。

 

サーゼクス「それが…リーアたんが…」

 

レイ「少し落ち着いて下さい」

 

とても慌ててるサーゼクスさんに俺がそう言うと。

 

グレイフィア「申し訳ありませんレイ様、実はリアスお嬢様が何処にも居ないのですが…何か知りませんか?」

 

グレイフィアさんが代わりにそう聞いた。

 

レイ「リアスなら…」

 

俺はさっきソーナから聞いた事を話すと。

 

サーゼクス「なんだって!?一体何処に…」

 

リーシア「落ち着いて下さいサーゼクス様、とりあえず私達はもう一度、屋敷の中を探しましょう」

 

俺の話しを聞いて、また慌て出したサーゼクスさんをリーシアさんが窘め、そう言った。

 

ソーナ「私も捜します」

 

セラ「そうだね、手伝うよ」

 

リーシア「ありがとうございます」

 

二人がそう言うと、リーシアさんは二人にお礼を言った。

 

レイ「じゃあ俺は、念の為に外を見てきます、皆は屋敷の中を」

 

グレイフィア「分かりました、お願いしますレイ様」

 

レイ「はい」

 

俺がそう言うと、グレイフィアさんは頭を下げそう言った、俺は強く頷き外に出ていった。

 

―――――――――――――――――――

 

リアスside

 

リアス「何なのよ!皆して…」

 

私はそう言いながら走っていた。

会場を飛び出したのは一人の男が原因だ。

レイがセラフォルーさんに呼ばれ、居なくなった途端に周りの人達が話し掛けて来て、ダンスや食事に誘われた。

けれど、別にそれはいつもの事だから私もソーナもいつも通りに対応した。

でも…あの男には我慢出来なかった、私を食事に誘ってる様で、必ず最後には「よろしければ魔王様もご一緒に…」と、露骨に言ってきた。

 

つまりそれは、お前と食事に行きたい訳じゃなく、魔王様との繋がりが欲しいだけ。

私はそう言われている様で、我慢出来ずに飛び出して来たのだ。

 

リアス「私を私として見てくれる人なんていないんだわ…」

 

私はそう呟きながら、溢れてくる涙を手の甲で拭う。

 

リアス「そういえば、ここ…どこかしら…」

 

私は逃げる事に精一杯で、気付けば暗い森の中に居た。

 

リアス「どうしよう…空から確認しようにも…まだそんなに長くは飛べないし…」

 

ずっと走っていたから足も痛み、私はその場に座り込んだ。

 

リアス「恐いよ…誰か…」

 

私はそう呟くと。

 

ガサガサッ

 

草むらから音がした。

 

リアス「なに…」

 

私は音がした方を向くと―――。

 

「グアァァァ」

 

そこには、私の三倍位の大きさの魔獣がいた。

 

リアス「ひっ…いやっ…やだよ…来ないで…」

 

「グルゥゥ」

 

魔獣は唸りながら私に近付いてくる、私は恐くて全く動けずにいた。

 

リアス「いや…助けて…誰か…お兄様…レイ…」

 

「グワァァァ」

 

私がそう言うと同時に、魔獣が襲い掛かってきた。

 

リアス(助けて…レイ!)

 

私は殺される…そう思い、目を瞑り心の中でそう叫んだ。

 

リアス「あ…れ…」

 

いつまで経っても何も起きない事に、私は怯えながらも目を開けると―――。

 

「全く…こんな所でなにやってるんだ、リアス」

 

そこには…私が心の中で助けてと願った人…レイが居た。

 

リアスsideout

 

―――――――――――――――――――

 

レイ「本当にどこに行ったんだ?リアスの奴」

 

あれから30分程捜しているが、リアスは見つからない、それは屋敷の中を捜している皆も同じの様で、どんどん捜索の人数が増えていっている。

 

レイ「う~ん、流石にこんな遠くまでは来てないだろうし…」

 

俺は気付けば屋敷から大分離れた場所まで来ていた。

 

レイ「とりあえず…一旦戻るか」

 

俺はそう呟き屋敷に戻ろうとした、その時―――

 

「グアァァァ」

 

森の方から獣の唸り声が聞こえた。

 

レイ「まさか…」

 

俺はそう思いつつも、声の方に向かうと。

 

レイ「いた!リアス!」

 

「グワァァァ」

 

俺はリアスを見つけるも、今にも魔獣に襲われる所だった。

 

レイ「ヤベェ、《天の鎖(エルキドゥ)》…セーフ…」

 

俺はすぐに魔獣を鎖で縛り、そう呟き―――。

 

レイ「全く…こんな所でなにやってるんだ、リアス」

 

リアスにそう声を掛けた。

 

リアス「あっ…レイ…レイ!!」

 

レイ「おっと…大丈夫か?」

 

涙を流し抱き付いてくるリアスを優しく受け止め、そう聞いた。

 

リアス「うん…恐かったけど…大丈夫」

 

レイ「そっか、なら良かったよ」

 

リアスの言葉に安心して、俺はそう言ってリアスの頭を撫でた。

 

リアス「レイ…レイ…」

 

レイ「リアス…」

 

リアスはそれでも泣き止まないでいる、俺は何も言わずにいるが…しかし―――。

 

「グゥルルル」

 

レイ(こいつを早くどうにかしないといけないんだけどな…)

 

俺は鎖で縛った魔獣を見ながらそう思った。

 

―――――――――――――――――――

 

あれから10分程経って、ようやく泣き止んだリアスを少しだけ離して、魔獣はなんとか仕留めた。

 

レイ「はい、無事です、すぐに連れて帰ります」

 

そして今、俺は念話でセラフォルー様にリアスを見つけたので、今から連れて帰ると連絡をしていた。

 

レイ「さて…リアス?」

 

リアス「うん…ごめん…なさい…」

 

リアスは俺が怒っていると勘違いした様で、いきなり謝って来た。

正直に言えば、確かに怒ってはいる、しかし…今はそれ以上に。

 

レイ「心配したんだぞ?全く…」

 

リアス「レイ…」

 

俺がそう言うと、リアスは俯いてた顔を上げた。

 

レイ「皆も心配してるから、早く帰るぞ」

 

俺はそう言ってリアスの手を引くが…。

 

リアス「………」

 

レイ「リアス?」

 

リアスはその場から動こうとしない。

 

リアス「…どうして?」

 

レイ「なにが?」

 

リアスの言葉に訳が解らずそう聞くと。

 

リアス「どうして…危険を侵してまで…助けてくれたの?」

 

レイ「そんなの決まってるだろ…」

 

リアスにそう聞かれ、答えようすると。

 

リアス「貴族の娘だから?魔王の妹だから?それともソーナの友達だから?」

 

俺の言葉を遮り、リアスは食いぎみにそう言った。

 

レイ「リアス」

 

リアス「私は…そんな関係…望んでない!!」

 

俺は呼び掛けるも、聞こえてないのかリアスはそう叫ぶ。

 

レイ「リアス!」

 

リアス「私は…私は…」

 

完全に負の思考に支配されているリアス。

 

レイ「リアス!!!」

 

リアス「ッ…!?」

 

そんなリアスに俺はこれまで以上に大声で呼ぶと、リアスはようやく反応し、恐る恐ると言った様に震えながら俺の方を向いた。

 

レイ「リアス…俺が君を守るのは、リアス…君が女の子だからだよ、貴族とかソーナの友達とかサーゼクスさんの妹とか関係無く、君が女の子だから守るんだよ」

 

俺はそんなリアスに対して、出来るだけ優しい声でそう言うと。

 

リアス「ホン…ドニ…?」

 

レイ「うん、本当に」

 

リアスは涙と鼻水で顔をぐちゃぐちゃにしながらそう言ったので、俺もそう言ってリアスを優しく抱きしめた。

 

リアス「うわぁぁぁ~~ん」

 

レイ「おいおい…」

 

今までは恐らく泣いてはいても我慢していたのだろう、今まで以上に泣き出し思い切り抱き付いて来た、そんなリアスに俺は驚きはしたが、離すことはしない。

 

リアス「ぐす…ありがとう…レイ…そんな風に言ってくれたのは、レイが初めてよ」

 

レイ「そうか…なら、これから先も助けが必要なら何時でも言え、必ず助けるから」

 

リアス「うん」

 

リアスのそんな言葉に俺がそう言うと、リアスは小さく頷いた。

 

レイ「とりあえず帰ろう、皆待ってるから、な?」

 

リアス「うん」

 

俺はそう言ってリアスを立たせた。

 

その後、屋敷までリアスの手を引き、屋敷に着くとすぐにサーゼクスさん達が飛んできて、リアスを抱きしめたり、お説教が始まったりした。

俺はセラフォルー様になにが有ったのかを説明すると「良く頑張ったね☆」と頭を撫でられた。

その後、リアスとサーゼクスさんとリーシアさんとグレイフィアさん、そしてグレモリー夫妻に使用人など、グレモリー家総出でお礼を言われてから家に帰ったのだが…その時にセラフォルー様とソーナに「リアス(リーア)ちゃんとは繋いでたでしょ?」と言われ、家に着くまでずっと二人と手を繋いでいたのだった。

 

―――――――――――――――――――

 

リアスside

 

あれから、レイに手を引かれ屋敷に帰ると、お兄様には「無事で良かった…」と抱きしめられて、リーシアには「全く、心配をかけて…」と怒られ、グレイフィアにも「教育をしなおさなければなりませんね」と笑顔で言われ、ソーナには「守ってあげられなくてごめんね」と泣かれてしまった。

その後、皆に「心配を掛けてごめんなさい」と謝罪をしてから、私は部屋に戻ってきた。

 

リアス「疲れた…」

 

私は部屋に戻りすぐにベッドに倒れこんで、あの時の事を思い出していた。

 

レイ『君が女の子だから守るんだよ』

 

レイは貴族とか魔王の妹とか関係ないと言った、そんな風に言われたのは初めてだった…それに…。

 

レイ『これから先も助けが必要なら何時でも言え、必ず助けるから』

 

こんな事も言ってくれたのだ。

 

リアス(私が好きになる人は…私を私として見てくれる人は…絶対に自分で見つけるつもりだったのに…)

 

私は幼いながらにそう決めていた、絶対に政略結婚や家の為の結婚はしないと、そう決めていたのに…。

自分で見つける前に…現れてしまった…私を一人のリアスとして見てくれる人が、守ってくれると…言ってくれた人が。

 

リアス「…レイ」

 

私はその人の名を呟きながら…眠りに付いた。

 

リアスsideout

 


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