俺は魔王の女王で魔王の妹は俺の女王で婚約者   作:黒幻

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今回は少しだけレイの考えと言うか思想と言うか行動理念なんかが分かって貰えると幸いです。

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11/11 本文改定


【10歳】レイという少年

今日は、四年に一度開かれる貴族会議の日、この会議は言うなればそれぞれの領地で起きた事などの報告⋯という名の自慢をする場で、結局は名目を変えただけでただのパーティーと変わらない。

当然シトリー家は自慢やらなんやらそんな事には興味など無いのだが、参加しなければ周りの貴族達に睨まれる為、毎年仕方なく参加している。

俺はセラフォルー様に頼まれてシトリーの護衛として来ていた。

 

レイ「全く⋯どうして貴族って言うのは一部を除いて、こうも派手なパーティーが好きなんだか⋯にしても相変わらず人が多いな⋯」

 

ソーナ「そうだね、でも仕方ないよ…お姉様から聞いたんだけど、みんな自分が一番だって見せびらかしたいらしいよ?

それに自慢するのが大好きなんだってさ」

 

俺がつい文句を口にすると、ソーナがセラフォルー様から聞いたと言う事を教えてくれた。

 

レイ「そうなんだ⋯本当に貴族の考える事は分からないな⋯」

 

ソーナ「大丈夫だよ?私も分からないから」

 

俺の言葉にソーナが不安そうに俺の袖を掴みそう言った。

ちなみにソーナは昔から俺の袖を良く掴むのだが、ソーナに何故かと聞いてみたら「レイ君が傍に居るんだなって安心出来るの」と可愛らしい笑顔で言われた。

 

リアス「ソーちゃん、レイ、やっぱり二人も来てたのね」

 

ソーナ「リーアちゃん、うんお父様が私もそろそろこういう場も知った方が良いって」

 

リアス「私も⋯お父様はまだ早いって言ってたけど、お母様がね」

 

今回のこの集まりにソーナ(おそらくリアスも)が連れてこられたのは初めてだ。

基本的には、大まかに分けて二種類の貴族がいる、一つはソーナの説明に有った様な派手好きで自慢好きな上に常識すら危うい貴族、そしてもう一つはシトリー家の様に前者とは真逆の貴族だ。

ちなみにグレモリー家は派手好きでは有るが自慢好きでは無いし全うな常識も持っている。

本来この集まりには当主と妻の二人だけが来れば良いのだが、その大半は自分の子供を連れてきている、だがその目的はさっきの話しの前者と後者で大分違う、前者は当然の事ながら子供自慢やその子供に自分達がしている様な謂わば駄目な振る舞いを教える為で、後者は貴族の中にはこの様な愚か者も多いから気を付けろ、こうはなるな、と言う事を分からせる為で、当然ソーナ(多分リアスも)は後者の意味で連れて来られていた。

だが、それでも唯一二つの中で共通しているのは将来の婿や嫁を探すと言う事だ、この会議には何も問題が起こらない限りほぼ全ての貴族が出席するからだ。

故に今回俺がセラフォルー様に与えられた任務は前者の貴族達からソーナを守る事だった。

 

レイ「二人共大変だな」

 

ソーナ「もう、他人事だと思って⋯レイ君も連れて来られたって事は私の護衛をお姉様に言われてるんでしょ?ちゃんと守ってね?」

 

俺が笑いながらそう言うと、ソーナは頬を膨らませそう言った。

 

レイ「その辺は安心して良いよ、ソーナの事は死んでも守るから」

 

ソーナ「あっ⋯//うん⋯ありがとう⋯⋯///」

 

ソーナの目を見て俺がそう言うと、ソーナは顔を真っ赤にしながらお礼を言った。

 

リアス「むぅ⋯レイ、私は?私の事も守ってくれる?」

 

レイ「うん?まあ⋯ソーナや俺の近くに居るならお前守ってやるよ?」

 

何故か今度はリアスが頬を膨らませそう言って来たので、俺は何を今更と思いながらもそう言った。

 

リアス「本当ね?約束よ?」

 

レイ「?⋯ああ」

 

すると、リアスは何故か詰め寄ってそう言ったので、俺は不思議に思いつつも頷いた。

 

―――――――――――――――――――――――――――――

 

自慢だけの会議がようやく終わり、今度はパーティーが始まった 。

 

レイ「ようやく無駄な時間が終わったな⋯」

 

ソーナ「そうだね⋯」

 

リアス「相変わらずストレートに言うわね⋯レイは⋯」

 

俺がそう呟くと、ソーナは疲れた顔をしながら、リアスは苦笑いをしながらそう言った。

 

グレイフィア「お疲れ様です皆様」

 

レイ「ああ、グレイフィアさんもお疲れ様です」

 

三人で話しているとグレイフィアさんが俺達の元に来た。

 

グレイフィア「はい、グレイフィアです。

レイ様、お嬢様の相手までしていただきありがとうございます、サーゼクス様に代わりお礼申し上げます」

 

レイ「構いませんよ、別に何かした訳じゃ無いですし」

 

グレイフィア「いいえ、そんな事はありませんよ?サーゼクス様も「レイ君の元に居るなら心配は無いね」っと仰っていましたから」

 

レイ「そうですか⋯それなら良かったです」

 

グレイフィア「はい」

 

グレイフィアさんにそんな風に言われた、どうやら俺は随分と信頼されているらしい。

 

レイ「それにしても、また言うんですね」

 

グレイフィア「はい⋯私がグレイフィアだと一目で分かって頂けるのは、やはり嬉しいですから」

 

レイ「そうですか」

 

グレイフィア「⋯はい///」

 

俺の言う「また」とはグレイフィアさんが言った、「はい、グレイフィアです」の事だ。

俺がグレイフィアさんの事を呼ぶと、グレイフィアさんは必ずと言って良い程、笑顔でそう言うのだ。

 

レイ「グレイフィアさん⋯すいませんが少し二人をお願い出来ますか?」

 

グレイフィア「構いませんが、どうしたのですか?」

 

レイ「セラフォルー様の所に行こうかと思って」

 

グレイフィア「そうですか、分かりましたお二人は私が見ていますよ」

 

レイ「ありがとうございます、では行ってきますね」

 

俺はそう言ってセラフォルー様の元に向かった。

 

「そう言えばご存知ですかな?最近とある貴族が没落したそうですぞ?」

 

「そうなのですか?それは愉快な話しですな」

 

セラフォルー様の所に向かう途中そんな声が聞こえてきた。

 

レイ(全く不愉快な話しで盛り上がっているな)

 

そう思いながらも俺はセラフォルー様の元へ急いだ

 

コンコン

 

俺がノックすると中から「は~い」と声が聞こえたので、俺は扉を開け中に入った。

 

レイ「失礼します」

 

セラフォルー「あっ!レイく~ん☆」

 

レイ「セラフォルー様⋯お疲れ様です、サーゼクスさんも」

 

中に入ると机に突っ伏しているセラフォルー様と明らかに疲れた顔をしているサーゼクスさんが居たので、俺はそう言って二人を労った。

 

セラフォルー「本当だよ~もうやだ~この会議⋯」

 

サーゼクス「そうだね⋯今回ばかりはセラフォルーと同じ意見だよ⋯」

 

普段なら俺もリーシアさんも嗜めるのだが、今はそんな事はしない、何故なら二人を含めた四人の魔王達には、どうにかして魔王と繋がりを作りたいと言う者達が、四人に対してこの会議では全く必要の無い事まで話しているのを知っていたからだ。

 

レイ「あれ?リーシアさんも居ないんですね?」

 

サーゼクス「ああ、リーシアなら父上と母上の様子を見に行くと言って、グレイフィアと共に出て行ったよ」

 

レイ「そうですか」

 

おそらくリーシアとグレイフィアさんも自分達が居てはサーゼクスさんが気を抜けないと思い、リーシアさんは義親の所に、グレイフィアさんは俺達の所に来たのだろう。

 

レイ「紅茶いれますね」

 

セラフォルー「ありがと~レイ君☆」

 

サーゼクス「ありがとう」

 

そう言って俺は紅茶を淹れて二人に出した。

 

セラフォルー「ふぅ~やっと落ち着いたぁ~」

 

サーゼクス「そうだね、それにしても⋯レイ君はなんでも出来るんだね、とても美味しいよ」

 

レイ「そんな事はありませんよ?紅茶は母上が好きなので自然とですよ」

 

三人で紅茶を飲みながら話していると、俺はふとさっき聞いた話しを二人に聞いてみた。

 

レイ「そう言えばさっきどっかの貴族が没落したって話しを聞いたんですけど⋯」

 

セラフォルー「そうなの?サーゼクスちゃん」

 

俺が聞くとセラフォルー様はサーゼクスさんの方を向きそう言った。

セラフォルー様は外交担当なのでその辺の話しは余り詳しくないからだ。

 

サーゼクス「いや⋯そんな話しは聞いていないが⋯」

 

レイ「そうなんですか?」

 

サーゼクス「ああ」

 

レイ(サーゼクスさんに伝わってないって事は⋯嘘って事か?)

 

サーゼクスさんの話しを聞いて俺はそう思った、何故ならその手の話しがサーゼクスさんの元に入らない訳が無い筈だからだ。

 

セラフォルー「そう言えばレイ君」

 

レイ「どうしました?セラフォルー様」

 

セラフォルー「ソーナちゃんの様子はどう?」

 

レイ「疲れてましたね⋯今はリアスとグレイフィアさんと一緒に居ますよ」

 

セラフォルー「あ~やっぱりね~」

 

セラフォルー様に先程までのソーナの様子を話すと。

 

サーゼクス「そうだった、リアスの面倒まで見てくれてありがとうレイ君、君と一緒なら僕も両親も安心出来るからね」

 

レイ「ありがとうございます、でもお礼ならさっきグレイフィアさんにも言われましたから気にしないで下さい」

 

サーゼクス「そうかい?それでもやっぱりね⋯リアスに関してはだいぶ君にはお世話になっているからね」

 

レイ「そんな事は無いと思いますけど⋯」

 

サーゼクス「まあ、そう言ってくれるならこれ以上は止めておこうか」

 

レイ「そうしてくれると助かります」(これ以上の厄介事は正直言って俺も面倒臭いし⋯)

 

いくら妹の為だろうと魔王の名を冠してるサーゼクスさんに頭を下げられるのは俺も困る、何故なら裏で一部の馬鹿共が「魔王に対する点数稼ぎだ」と噂しているのを俺は知っていたからだ。

 

サーゼクス「出来ればこれからもリアスの事をよろしくたのむよ」

 

レイ「まあ⋯俺に出来る事であれば⋯」

 

サーゼクス「ありがとう」

 

サーゼクスさんにそう言われて俺はそう返した。

 

―――――――――――――――――――――――――――――

 

あれからも色々な話しをして暫くが経った頃。

 

レイ「それじゃあ俺はそろそろ戻りますね?」

 

俺がそう言って立ち上がると

 

セラフォルー「そう言えば結構ここでゆっくりしちゃってたね」

 

サーゼクス「そうだね、僕達もまだやらなきゃいけないことがあるからね⋯」

 

セラフォルー「だね⋯面倒だなぁ⋯」

 

二人は先程までと違ってまた俺が入って来た時の様な顔になった。

 

レイ「二人共大変でしょうけど、残りも頑張って下さいね」

 

セラフォルー「うん、ありがとうレイ君」

 

サーゼクス「ああ、レイ君も周りがうるさいだろうけど頑張って」

 

レイ「はい、では失礼します」

 

俺はそう言って部屋を出てソーナの元に向かった。

 

レイ(二人共いつも大変そうだけど今日はいつにもまして疲れてたな⋯)

 

そんな事を思いながら三人が居る会場までの長い廊下を歩いていると。

 

レイ(ん⋯?なんだあれは)

 

ふと窓の外を見ると。

 

レイ(本当になんだ⋯?誰かが何かを運んでるのか?)

 

そこには何かを肩に抱えている男が居た。

 

レイ(暗くて見えないな⋯ちょっと行ってみるか⋯)

 

そこは建物の裏で明かりが無いので、俺は確認する為に窓から飛び降りた。

 

レイ(何処だ?荷物運びにしては随分と動きが早いな)

 

どうやら飛び下りてる一瞬で何処かに行った様で見失った。

 

レイ(明らかにおかしい⋯セラフォルー様に報告に戻るか?でも⋯俺の見間違いかも知れないしな⋯もう少し探してみるか⋯)

 

俺はそう思い森の中に入っていった。

 

レイ(何処に行った⋯ん?いた⋯)

 

先程の荷物を抱えた大男を見つけた、側には別の男も居た。

 

「これで全部か?」

 

「はい⋯本当ならシトリーとグレモリーも欲しかったですがあの二人には厄介なのがついてまして」

 

「そうか⋯なら仕方ないな、気付かれたら台無しだ」

 

「そうですね」

 

「よし⋯さっさと行くぞ」

 

「はい」

 

「これが上手く行けば俺は再起出来るんだ⋯」

 

レイ(シトリーとグレモリーも⋯?何の話しだ?)

 

覗き見ながら二人の男の会話を聞き不思議に思って居ると、二人の男は馬車に乗った。

その際に大男が馬車に荷物を置く際に中身が見えた。

 

レイ(おい、ちょっと待て⋯あれは⋯人か?)

 

見えたのは足だった。

 

レイ(まさか⋯あの荷物全部がそうなのか?って⋯不味い)

 

俺がそう思っていると馬車が走り出してしまったので、俺は直ぐに後を追った。

 

―――――――――――――――――――――――――――――

 

レイ「はぁ⋯はぁ⋯やっと⋯止まった⋯ふぅ⋯何とか見失わずにすんだな⋯」

 

あれから俺は走り続ける馬車を追って随分と会場から遠くに来た。

 

レイ「さて⋯それで⋯あいつらは何者⋯っ!マジかよ⋯」

 

一度息を整え相手の様子を確認しようと見ると。

 

レイ「あれって確か⋯フェニックス家の⋯それにあっちはアガレス⋯だったけ?他にも会場で見た顔ばっかじゃねぇか」

 

そこに居たのはあの会議の場に連れて来られていた貴族の少女達だった。

 

レイ「まさか⋯誘拐か?あんなでかい会議なのに?警備がザルすぎんだろ⋯」

 

俺は頭を抱えながらそう呟いた。

すると、先程の大男と一緒に居た男が出て来た。

 

「これで⋯後はあの娘達を売り払えば⋯私はもう一度貴族に戻れるんだ」

 

レイ(まさか⋯あいつは⋯あの時の話しの⋯没落したって言う貴族か!?⋯成程な⋯そう言う事か)

 

俺は会場で聞きセラフォルー様達に話した事を思い出し、そして気付いた、魔王ですら知らない話しを何故たかが一貴族が知っていたのかを。

 

レイ(つまり、自慢気に話してた奴がこいつを嵌めたって所か⋯)

 

「もう少しで準備が整います」

 

そう考えている所に大男がやって来てそう言った。

 

「そうか!!」

 

「はい、終わり次第いつでも出発出来ます」

 

レイ(不味いな⋯)

 

二人の会話を聞き、俺は少し焦った。

 

レイ(どうするか⋯セラフォルー様の女王として見逃すわけにはいかない、セラフォルー様やグレイフィアさんに連絡を入れたとしても⋯間に合わないよな⋯)

 

正直に言えば俺には彼女達を助ける理由は無いしメリットも殆んど無い、はっきり言ってしまえば彼女達の事などどうでも良い。

だがそれを見付けてしまった以上見捨てる事は出来ない、見捨てた事が知られればそれはセラフォルー様やシトリー家の評価が下がる事になるからだ。

 

レイ(となると⋯だ、一人でやるしか無いか⋯)

 

俺はそう決断して立ち上がり奴等に見付からない様に動き出した。

 

レイ(良し⋯ここなら全てを見渡せるな、まず敵の数は⋯2.3.5.8人⋯だな、これなら余裕だな、それに⋯幸い人質は輸送の為に馬車に一纏めにされてるし⋯)

 

「準備が完了しました」

 

「良し、では行くぞお前達!さっさと持ち場に付け!!」

 

「はっ!!」

 

貴族の男の声に部下達が動き出そうとした時⋯。

 

レイ「それは無理だな」

 

俺はそう言いながら貴族の男に斬りかかった。

 

「なっ!なんだ貴様⋯ぐわっ」

 

レイ「ちっ⋯浅いか⋯」

 

「お、お前達こいつを殺せ!」

 

『はっ!!』

 

貴族の男の叫び声と共に周りの連中が一斉に襲い掛かって来た。

 

レイ「遅ぇよ、雑魚が!!」

 

俺はそう叫びながら周りの敵を薙ぎ払った。

 

「ぐっ⋯っ貴様は!」

 

「なんだ!こいつを知っているのか!?」

 

貴族の男と大男以外は既に全員殺した、大男も斬られ膝を付くとそう言った、どうやら俺の正体に気付いたらしい、貴族の男は俺を知らないのか大男にそう聞いた。

 

「はい、こいつは魔王レヴィアタンの女王です」

 

「なんだと!?ではこいつが⋯シトリー家の守護者(ガーディアン)か!」

 

大男の言葉に貴族の男は顔色を変えそう言った。

 

レイ「そう言えばそんな風に言われてるんだっけ⋯本当だったんだ⋯まあ良いや、とりあえず全員ここで死ね!!」

 

俺は一年前にセラフォルー様に言われた事を思い出して呆れた、しかし今はそんな事に構ってられる訳も無い為すぐに気を取り直しそう叫んだ。

 

「ま、待て、取引をしないか?」

 

すると貴族の男がそう言った。

 

レイ「あっ?なんだいきなり⋯取引だと?」

 

「そうだ、ここで見逃せば私が貴族に戻った時に全面的にお前の後ろ楯になってやろう、シトリーと私の二つの家がお前に付けばお前はもっと上に行けるぞ」

 

俺の言葉に貴族の男はそう言った。

 

レイ「確かにそうかもな」

 

「だろう?ならば「けど」な、なんだ⋯」

 

俺が話しに乗ったと思ったのか立ち上がり俺に話しながら近寄って来る貴族の男の言葉を遮り。

 

レイ「聞いてたぜ?お前⋯ソーナも標的に入れてただろ」

 

「そ、それは⋯」

 

俺は自分でも分かるくらいに声のトーンが自然と下がっていた、その言葉を聞き貴族の男は明らかに動揺し始めた。

 

レイ「誰を標的にしようとお前達の自由だ、だがな⋯ソーナを標的にしたのは間違いだったな、あいつを狙う奴は誰だろうと⋯」

 

俺はそう言い殺気を最大に纏いながらゆっくりと二人に近付き―――

 

「お逃げ下さ―――」

 

貴族の男を庇い前に出た大男の首を跳ね。

 

レイ「確実に⋯殺す」

 

「ひっ⋯た、助け―――」

 

自分でも驚く位の酷く冷たい声でそう言い、今ので腰が抜けたのか動けない貴族の男の首を容赦なく跳ね飛ばした。

 

レイ「馬鹿が⋯ソーナを標的にして俺がただで済ませる訳無いだろうが」

 

俺は周りから色々な噂をされている、「魔王様に取り入ってる」だの「危険に陥った者や可哀想な者は守ってくれる」だの、しかしそれらは全て間違いだ。

そもそもそんな噂が立ったのは2年前にリアスを助けてからだ、それ以来そんなありもしない噂が広まった、俺がリアスを助けたのは[知り合い以上の仲の良い]そして[女の子]だったからだ。

俺は昔、教育係りの上級悪魔から「君は何の為に戦うのですか?」と聞かれ、俺は「セラフォルー様やソーナ、そしてシトリーの為、それ以外はどうでも良い」とそう答えた、その時に「そうですか⋯その気持ちは大変結構、ですがそれだけでは足りません、それ以外にも⋯そうですね⋯ヴァーリ君などの⋯自分の手の中にいる仲の良い者達、そして例え自分の手の中には無くともせめてグレモリー家のリアス殿の様な仲の良い女の子くらいは守って見せなさい、その程度も出来ない様ではセラフォルー様はおろかソーナ様すら守れませんよ?」と言われた。

だからあの日俺はリアスを守った、仲が良く無ければあの時もわざわざあんな遠くまで探しになど行かなかっただろう、それを勘違いした連中が噂を立てた、それが沢山の噂の正体だった。

そして今回助けたのもあくまでもセラフォルー様やシトリーの為に他ならない。

 

また、レイが普段から周囲に対して(セラフォルーやソーナに何かしない限り)丁寧に接しているのもその為である。

 

レイ「ふぅ、とりあえず終わったな⋯ん?」

 

そう呟くと同時に念話が来た。

 

レイ「はい、どうしました?グレイフィアさん」

 

グレイフィア「レイ様!今何処に居ますか?」

 

念話越しのグレイフィアさんは珍しく焦っていた。

 

レイ「今ですか?外に居ますが⋯」

 

グレイフィア「直ぐに戻って来て下さい!こちらは大変な事になってるんです!!」

 

グレイフィアさんの余りの焦りように俺は今更?と思いつつも、捕らえられた少女達を見ながら聞いてみた。

 

レイ「もしかして貴族の娘の何人かが見当たらないとかですかね?」

 

グレイフィア「どうしてそれを!?」

 

どうやらその通りだったらしい。

 

レイ「あー実はですね⋯⋯⋯」

 

俺はグレイフィアさんに怪しい奴を見付けて追った事から少女達が誘拐されていた事、それは没落した貴族の犯行だった事、そして誘拐犯はもう殺し少女達は助けた事、全てを話した。

 

グレイフィア「⋯そうでしたか、相変わらず凄いですね貴方は⋯」

 

レイ「そうでも無いですよ?とりあえず全員を馬車に乗せてそちらに戻りますね?死体の処理やらなんやらはお任せしますので後でどうにかして下さい」

 

グレイフィア「分かりました、私は直ぐに皆様にそうお伝えします」

 

レイ「よろしくお願いします、では⋯」

 

俺はそう言って念話を切ろうとしたら。

 

グレイフィア「レイ君」

 

レイ「なんですか?」

 

グレイフィアさんに声を掛けられた、しかも君呼びで、一体何かと思ったら。

 

グレイフィア「お疲れ様でした、そして⋯ありがとうございました、もしも手遅れだったならば⋯サーゼクス様⋯ひいては姉が責められていたでしょう」

 

レイ「あーそうですね⋯確か警備は人間界で言う所の警察みたいな物がやってた訳ですからね、非難は魔王の⋯それもそういう事を取り仕切ってるサーゼクスさんとその女王であるリーシアさんに行きますね⋯」

 

セラフォルー様が外交担当の様に四人の魔王は各々担当を持っている、セラフォルー様以外の事は良く知らないがサーゼクスさんがこういう物を担当していると言う事は微かに覚えていた。

 

グレイフィア「はい、ですので本当にありがとうございました」

 

レイ「構いませんよ、ただ警備がザルだった事に関しては庇えませんが」

 

グレイフィア「それについては私から二人にお説教しておきますのでお気になさらずに」

 

レイ「そうですか⋯まあ程々にしてあげて下さいね?今回の会議の準備何かで大変だったんでしょうし⋯」

 

俺はセラフォルー様の手伝いで準備に関わった為大変だった事は知っていたので、最低限のフォローだけでもと思いそう言った。

 

グレイフィア「だとしてもですよ?レイ君が気付かなければこの程度では済まなかったでしょうから」

 

レイ「あはは⋯そう⋯ですか⋯」

 

グレイフィア「はい、当然です」

 

グレイフィアさんの言葉に俺はそれ以上何も言えなかった。

 

レイ「ま、まあ⋯とりあえず俺は皆を連れて急いで戻りますね」

 

グレイフィア「そうでしたね⋯改めてよろしくお願いします」

 

レイ「はい、では⋯」

 

そう言って今度は念話を切り馬車に向かった。

 

―――――――――――――――――――――――――――――

 

俺は馬車で会場に戻って来た、貴族の娘達は起きなかったのでグレイフィアさんに見てもらうと、どうやら薬で眠らされていたらしい。

そしてその後、一部の貴族(馬鹿)からのある言葉に軽くキレて、その内の一人を黙らせるも、不機嫌になった俺はと言うと⋯。

 

セラフォルー「レイ君!!」

 

レイ「セラフォルー様⋯うわぁ!?」

 

いきなりセラフォルー様に抱き締められた。

 

セラフォルー「もう!また危ない事して!!自分を大切にしてって言ったでしょ!!!約束したよね?」

 

レイ「はい⋯すみません⋯」

 

セラフォルー様の言葉に確かにそうだと思い素直に謝った。

 

セラフォルー「でも⋯良くやったね☆偉いよレイ君☆」

 

レイ「⋯はい!」

 

セラフォルー様はそう言って更に強く抱きしめてくれた。

 

「失礼しますセラフォルー様、少しよろしいですか?」

 

そこに誰かが話し掛けてきた。

 

セラフォルー「ん~?ああ、うん良いよ☆レイ君」

 

レイ「はい?」

 

「君がレイ君だね?」

 

レイ「えっと⋯はい」

 

そこには何人かの貴族と思われる人が立っていた。

 

「突然失礼する、少し良いかな?」

 

レイ「はい⋯えっと⋯」

 

セラフォルー「この人はフェニックス家の現当主とその奥さんだよ☆で、隣にいるのが同じく大公アガレス家の現当主とその奥さんだよ☆」

 

俺が戸惑っているとセラフォルー様が説明してくれた。

 

レイ「そうですか、それで⋯何か?」

 

フェニックス卿「ああ、君にどうしてもお礼が言いたくてね⋯娘を助けてくれて本当にありがとう」

 

アガレス卿「私も同じです、本当にありがとうございます。

そして、先程は申し訳ありませんでした、同じ貴族として謝罪させて下さい」

 

レイ「⋯えっと⋯はい」

 

二人の当主にそう言われ俺は更に戸惑った、さっきの事もあり、まさかお礼や謝罪を言いに来る貴族が居るとは思わなかったから。

 

フェニックス卿「どうかしたか?」

 

レイ「ああ⋯いえ⋯その⋯お礼を、ましてや謝罪なんてされるとは思っていなかったので⋯」

 

アガレス卿「そうですか⋯確かに貴方の立場からしてみればそう思われるのも仕方無いでしょう」

 

レイ「ええ⋯だから正直驚いてますよ?てっきり皆さん、自分の一族の⋯娘の命よりも、くだらないプライドの方が大事なのかと思ってましたから」

 

俺は思ってた事を素直に言うと。

 

フェニックス卿「はははっ、まあ⋯そう思われても仕方無いか⋯現に私達以外は誰も来てない様だしな」

 

アガレス卿「そうですね、ですが私達にとっては何よりも大切な物ですから、私の頭一つで助かるのならいくらでも下げますよ」

 

フェニックス卿「同感だ、レイヴェルは私の宝だからな、何せ上のは男ばかりでようやく産まれた女の子だ」

 

二人は笑いながらそう言って見せた。

 

レイ「まあ、別にお礼を言われたくてやった訳でも無いですから⋯とにかくご無事で何よりでした」

 

フェニックス卿「ああ、本当にありがとう、ちゃんとしたお礼は後日させて頂く」

 

アガレス卿「はい、私もそうさせて頂きます、本当にありがとうございました」

 

レイ「お気になさらずに⋯」

 

二人からそう言われて俺はまた面倒の種が増えた⋯と思った。

 

ソーナ「レイ君!」

 

リアス「レイ!」

 

レイ「二人共、ごめんな⋯一緒に居て守るって言ったのに⋯」

 

ソーナ「そんな事はどうでも良いの!レイ君⋯怪我とかしてない?」

 

レイ「大丈夫だよそれほど強い奴じゃ無かったし」

 

リアス「それでもよ!!何か有ったらどうするのよ!!!」

 

ソーナもリアスも涙目でそう言った。

 

レイ「二人共⋯ごめん⋯心配してくれてありがとう」

 

そんな二人に俺は笑顔でお礼を言った。

 

そして、誘拐騒動が有った物のその後は何事も無く終わった。

 

―――――――――――――――――――――――――――――

 

フェニックスside

 

「んんっ⋯ここは⋯?」

 

フェニックス卿「おお!起きたかレイヴェル!!」

 

レイヴェル「おとう⋯さま⋯?」

 

目が覚めるとお父様が私の手を握っていた。

 

フェニックス卿「そうだ、大丈夫か?」

 

レイヴェル「はい⋯少しぼーっとしますが」

 

フェニックス卿「そうか、良かった⋯本当に」

 

お父様は本当に安心したようにそう言った。

 

「グレイフィア様が見てくれたのですから、そんなに心配する事ありませんよ」

 

フェニックス卿「しかし!」

 

レイヴェル「お母様まで⋯何か有ったのですか?」

 

反対側にはお母様までいた。

 

フェニックス卿夫人「ええ、実はね⋯」

 

お母様は何があったのかを説明してくれた。

 

レイヴェル「そんな事が!?」

 

フェニックス卿「ああ⋯気付いてやれずに本当にすまなかったレイヴェル」

 

フェニックス卿夫人「本当にごめんなさいね、レイヴェル」

 

レイヴェル「お父様とお母様が謝る必要などありませんわ、それよりも⋯」

 

二人に謝られた事に驚いて、私はすぐにそう言った、それに聞きたい事もある。

 

フェニックス卿夫人「どうしたの?レイヴェル」

 

レイヴェル「私を助けてくれてのは⋯セラフォルー様の女王の方と言うのは本当ですか?」

 

魔王様の⋯それもセラフォルー様の女王の事を私は知らなかった。

 

フェニックス卿「確かだ、私もお礼を言いに行ったからな」

 

レイヴェル「その方のお名前は⋯?」

 

フェニックス卿夫人「そう言えば貴女は知らないわよね、セラフォルー様の女王の名前はレイ君よ」

 

レイヴェル「レイ⋯様⋯//」

 

彼の名前を口にした瞬間、顔が熱くなったのが自分でも分かった。

 

フェニックス卿「ああ、歳は確かレイヴェルの一つ上だったな」

 

レイヴェル「一つ!?そんな⋯私と変わらないのに⋯」

 

お父様からそう言われ、私は驚いた当たり前だが私に同じ事など決して出来ないだろう。

 

フェニックス卿夫人「それだけ優れた方と言う事よ、そう言えば貴方?」

 

フェニックス卿「どうした?」

 

フェニックス卿夫人「そのレイ君へのお礼はどうするおつもりですか?」

 

フェニックス卿「ああそれなら⋯」

 

お父様とお母様は何か二人で話しを始めてしまった。

 

レイヴェル「レイ様⋯」

 

私はそんな二人を横目にベッドに戻り、その方の名前を呟いた。

 

フェニックスsideout

 

―――――――――――――――――――――――――――――

 

アガレスside

 

「んっ⋯あれ⋯?」

 

「目覚めましたか?おはよう、シーグヴァイラ」

 

シーグヴァイラ「お父様⋯一体何が⋯?会議は⋯?」

 

目覚めると私はベッドの中にいた、確か会議に出席していた筈だけど⋯。

 

アガレス卿「そうですね、話しておきましょうか⋯」

 

するとお父様が話してくれた。

 

シーグヴァイラ「そんな⋯ことが⋯」

 

アガレス卿「ええ、彼が⋯レイ君がいなければ今頃大変な事になっていたでしょう」

 

シーグヴァイラ「あの⋯」

 

アガレス卿「どうしましたか?」

 

お父様の話しを聞いて、私は驚くと共に気になる事が有った。

 

シーグヴァイラ「私を助けてくれたと言う、レイ⋯君と言うのは⋯本当に私より一つ年下なのですか⋯?」

 

アガレス卿「そうですよ、お礼を言った際に会いましたから」

 

シーグヴァイラ「そうですか⋯」

 

アガレス卿「どうしました?」

 

私はそれが信じられなかった、そんな私にお父様が心配そうに聞いてくる。

 

シーグヴァイラ「いえ⋯ただ⋯私は何も出来ませんでした⋯」

 

私は悔しくてそう言うと。

 

アガレス卿「シーグヴァイラ⋯自分と彼を同じにしてはいけませんよ?」

 

シーグヴァイラ「お父様⋯?」

 

お父様は真剣な顔でそう言った。

 

アガレス卿「レイ君はセラフォルー様の為に常人には到底無理な程の鍛練をこなしていると聞いてます、最初は私も大袈裟に言っているのかと思っていましたが⋯そんな事はありませんでした。

一目見れば大抵は底が見える物なのですが⋯残念ながら私には彼の実力は測りきれませんでした」

 

シーグヴァイラ「お父様でもですか!?そんなにも⋯」

 

お父様の言葉に私はさっき以上に驚いた。

 

アガレス卿「ですから、良いですか?シーグヴァイラ、彼に追い付きたいと思うのは構いませんが決して同じ様になれるなどと思ってはいけません、おそらくですが彼はきっと⋯」

 

シーグヴァイラ「お父様?」

 

何かを言い掛けたお父様に呼び掛けるが。

 

アガレス卿「いいえ、何でもありませんよ、今日はもうこのままお眠りなさい」

 

シーグヴァイラ「はい⋯お休みなさい⋯お父様」

 

お父様はそう言って立ち上がった、私はお父様にそう言ってベッドの中に戻った。

 

アガレス卿「お休みなさいシーグヴァイラ」

 

お父様は最後にそう言って部屋を出ていった。

 

アガレス卿「そう言えば⋯レイ君へのお礼はどうしましょうかね、レイ君⋯ですか⋯シーグヴァイラには言いませんでしたが、彼はきっと近い未来《超越者》と呼ばれるかも知れませんね⋯」

 

お父様がそう考えていた事を私には知る由もなかった。

 

アガレスsideout

 

―――――――――――――――――――――――――――――

 

後日。

 

俺はセラフォルー様を含めた四人の魔王達に呼ばれていた。

 

コンコン

 

レイ「失礼します」

 

セラフォルー「いらっしゃ~いレイ君☆」

 

サーゼクス「やあ、待ってたよ」

 

レイ「あれ?二人しか居ないんですか?」

 

四人の魔王からの呼び出しと聞いてたのに、中に居たのはセラフォルー様とサーゼクスさんの二人だけだった。

 

サーゼクス「ああ、今回の呼び出しは理由が理由なだけにあくまでも名目上そうしただけだ」

 

セラフォルー「そ~なのよ☆今回は少し特殊な話しなのよ☆」

 

レイ「特殊?」

 

二人の言葉に俺は首を傾げた。

 

サーゼクス「ああ、早速だが本題に入ろう」

 

セラフォルー「そうだね」

 

サーゼクス「レイ君」

 

レイ「はい」

 

二人が真面目な顔になり俺は何か任務かと思い、気を引き締めて返事をした。

 

サーゼクス「今日を持って君は上級悪魔に昇格だ、おめでとう」

 

セラフォルー「おめでとう☆レイ君☆」

 

レイ「⋯はい?昇格?何でですか?」

 

俺は一瞬何を言われたのか解らなかった。

 

サーゼクス「ははっ、そうだね驚くよね」

 

サーゼクスさんは笑いながらそう言った。

 

レイ「本当に何でなんですか!?俺は1年前に中級悪魔に昇格したばかりですよ!?」

 

サーゼクス「実はね⋯君を昇格させるべきだって手紙が送られて来たんだ、それも2通ね」

 

レイ「そんなの⋯一体誰が?自慢じゃ無いですけど、そんな事が出来る人達には嫌われてしかいませんよ?」

 

サーゼクスさんの言葉に俺はそう言った。

 

セラフォルー「それを送って来たのはね⋯フェニックスとアガレスなの☆」

 

レイ「えっ⋯」

 

セラフォルー「多分だけど、お礼に来た時に二人共ちゃんとしたお礼は後日って言ってたでしょ?これがそうなんじゃ無いかな?」

 

レイ「マジですか⋯」

 

セラフォルー様の言葉を聞いて、俺はそれしか言えなかった。

 

サーゼクス「おそらくそうだろう、それもだが⋯特に今回の君の功績を無視する事は出来ないからね、それとフェニックス家からはもう一つ贈り物が届いているよ、「お礼と昇格祝いを兼ねて渡して欲しい」と手紙に書いて有ったよ」

 

サーゼクスさんはそう言って小包を出して渡してくれた。

俺はそれを受け取り中を開けると。

 

レイ「これって⋯」

 

サーゼクス「ほう⋯フェニックス家も随分と奮発したね」

 

セラフォルー「そうだね~」

 

中に入っていたのは。

 

レイ「フェニックスの涙じゃないですか!?それもこんなに!?いくらなんでも⋯」

 

本来一個手に入れるのも大変らしいフェニックス家の特産品で収入源でも有るフェニックス涙が入っていた、それも結構な数。

 

セラフォルー「ちなみにアガレス家からも有るんだよ?」

 

レイ「これは⋯鍵ですか?」

 

今度はセラフォルー様から鍵を渡された。

 

セラフォルー「うん、屋敷だってさ☆」

 

レイ「⋯⋯⋯はあっ!?!?!?」

 

今度こそ俺は絶句した。

 

セラフォルー「いや~この間アガレスがシトリー領の大きな屋敷を一軒買ったって言うから何でかなって思ってたけど、そう言う事だったんだねぇ~」

 

サーゼクス「はははっ、アガレスも負けじと随分な物をくれたね」

 

レイ「いやいや⋯流石にこれは⋯」

 

俺はそう言って断ろうとしたが。

 

サーゼクス「まあ、良いんじゃないかな?折角の好意だ」

 

セラフォルー「そうだね☆ありがたく貰っておくと良いよ☆」

 

二人は笑顔でそう言った。

 

レイ「いや⋯でも⋯」

 

セラフォルー「レイ君」

 

レイ「は⋯はい」

 

セラフォルー「大丈夫だよ☆フェニックスもアガレスも何か企む様な一族じゃ無いから」

 

サーゼクス「そうだね、あの二家からなら問題は無いだろう」

 

二人は随分とフェニックスとアガレスを信頼している様だった。

 

レイ「⋯本当に良いんですか?」

 

二人「構わないよ☆(構わないさ)」

 

レイ「お二人がそう言うなら⋯」

 

信頼する二人に言われ俺は素直に貰う事にした。

 

サーゼクス「とにかくだ、今日から君は上級悪魔だ、改めておめでとう、これからも頑張ってくれ」

 

セラフォルー「おめでとうレイ君☆これからもよろしくね☆」

 

レイ「はい、セラフォルー様、サーゼクスさん」

 

二人から祝いの言葉を言われた俺は気を取り直してそう返事をした。

 

サーゼクス「そうだ、忘れる所だったよ」

 

レイ「えっと⋯まだ何か⋯?」

 

俺は流石に疲れて来ていた。

 

サーゼクス「安心してくれ、これで最後だ、悪魔の駒の事なんだけどね⋯」

 

レイ「そう言えば、確か⋯上級悪魔になれば貰えるんでしたっけ?」

 

サーゼクス「うん、ただ⋯」

 

レイ「解ってますよ、まだ渡せないんですよね?俺に渡したり何かしたら、また馬鹿な奴等が騒ぎますからね」

 

サーゼクスさんの言いたい事は解っていた、いくらセラフォルー様の女王とは言え、本来まだ貴族の子供にすら渡さない年齢の、それも転生悪魔の俺に渡したりすれば⋯どうなるかなんて簡単に想像出来る。

 

サーゼクス「ああ⋯すまないね⋯」

 

レイ「構いませんよ」

 

サーゼクス「そう言ってくれると助かるよ⋯本当に⋯」

 

サーゼクスさんは本当に申し訳無さそうにそう言った。

 

レイ(そう⋯今はまだ⋯ね)

 

サーゼクス「?どうかしたかい?」

 

レイ「いいえ、何も」

 

サーゼクスさんは何かに気付いたらしいが、俺はいつも通りに返した。

 

セラフォルー「でもでも~リアスちゃんやソーナちゃんが貰った後なら大丈夫だよね☆」

 

サーゼクス「そうだね、二人が貰った後ならそんな問題も無くなるだろう、すまないがそれまで待ってて欲しい」

 

レイ「はい」

 

セラフォルー様の言葉にサーゼクスさんが頷きそう言った。

 

その後、いつもの様に仕事をこなした後、何故かサーゼクスさんも一緒に家に来ることになり三人で帰ると、シトリーとグレモリーの両家が揃っており昇格記念のパーティーが開かれたのだった。

 

レイ(正直パーティーはもう良いんだけどな⋯)

 

パーティーの時には高確率で何かが起こっている為、若干パーティーが嫌いになっていたレイだった。




今回は一応レイヴェルとシーグヴァイラ二人とのフラグって事で。
レイヴェルはヒロインですが、シーグヴァイラはこれから先次第です。
フェニックス卿とアガレス卿の口調は想像です、レイヴェルの母親の名前が知りたい。
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