最初はもっと短く済ます予定だったのに⋯。
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レイ「さて⋯」
黒歌「行くのかにゃ?白音は君と⋯私はどうすれば良いのにゃ?」
傷だらけの黒歌に俺は持っていたフェニックスの涙での治療をしてから立ち上がると黒歌がそう言った。
レイ「ん?ああ、お前も俺と来て問題無いよ、幸い俺の家はもうあるしな」
黒歌「家まで持ってるのね⋯」
俺がそう言うと、黒歌は呆れた様にそう言った。
俺は今、一年前にアガレスから貰った家にヴァーリと他の眷属候補達と一緒に暮らしている、と言ってもセラフォルー様が「やだ!」と駄々を捏ねたので基本的に俺は今もシトリーの屋敷で寝泊まりをしている、どちらかと言えば、家はヴァーリと眷属候補達、そして俺個人が雇った執事とメイドが住んでる以外には、荷物置き場と化している。
でも、だからこそ黒歌を匿うには丁度良いだろう。
レイ「一応な⋯お前を殺したって証拠は⋯そうだな⋯何か持ってるか?」
黒歌「それなら⋯これでどうかにゃ?契約時にあの男から貰ったやつにゃ、売ればお金になると思って持ってたのにゃ」
俺がそう聞くと、黒歌はそう言いながら頭に付いてた簪を差し出した。
レイ「それなら、お前を追ってるあいつの従者達も知ってる筈だろうから⋯丁度良いかもな」
黒歌「うん⋯あいつは自分の所有物って証に最初だけは優しい振りをして渡すんだって⋯眷属になって少し経った頃に従者だった純血悪魔が言ってたにゃ⋯だから追っての連中は知ってる筈にゃ」
俺は黒歌から簪を受け取りそう言うと、黒歌は不愉快そうに言った。
レイ「全く⋯何処までもふざけた奴だな⋯だが、これで暫くは騙せるだろうからな、今回はその愚かさに感謝だな」
黒歌「⋯うん、そうだにゃ」
俺が笑いながら言うと、黒歌も頷いた。
白音「レイ君は凄いですね⋯」
レイ「ん?何がだ?」
白音「他の人達と違って色々考えてて、私達だけでは考えも付かない事を思い付いたりです、きっと私達だけだったら⋯何も出来ませんでした」
レイ「そうかな⋯?色々考えるのは立場上しなきゃならない事だったからな⋯俺にとっては当たり前なんだがな⋯」
白音「私にとっては凄い事です」
レイ「そうか⋯ありがとう、白音」
白音にそう言われ、俺は少し照れながらお礼を言った。
黒歌「じゃあ、もう行くのかにゃ?」
レイ「いや⋯一つ気になる事があるんだ」
黒歌「気になる事って?」
レイ「実はな⋯」
黒歌の言葉に俺はそう言って、ここに来る前に感じた、もう一つの気配について話した。
黒歌「もう一つの気配⋯?」
レイ「ああ、最初はお前達の協力者かと思ったんだが⋯」
黒歌「私達に協力してくれる人なんていないにゃ、それに私は感じないにゃ」
俺がそう言うと、黒歌はそれを否定した。
レイ「ああ⋯それは分かった、それに⋯感じた時は階段の下に居たから同じ場所の様に感じたんだが⋯ここに来て分かった事はその気配は⋯下にある、お前が気付かなかったのは、悪魔の気配に集中してたのもあるだろうし、神器の気配を知らないからだろう、それに⋯でかいと言っても集中して感じなきゃ分からないだろうし」
俺は床を見ながらそう言った。
黒歌「下?」
レイ「ああ⋯おそらくだが⋯誰か閉じ込められてるのかも知れないな⋯」
黒歌「でも⋯どうやって探すのにゃ?ここに来てからだいぶ経つけど、地下への道なんてなかったにゃよ?」
レイ「何処かに⋯隠し通路が有ると思うんだが⋯」
俺はそう言って床を足で叩いていく。
白音「あの⋯」
レイ「うん?どうかしたのか?」
床を調べていると、突然白音に袖を引っ張られた。
白音「あそこに⋯」
レイ「ん⋯あそこって⋯」
そう言って白音がさっきまで自分が隠れてた場所を指した。
白音「はい、鍵が掛かってましたけど⋯床に小さな扉がありました」
レイ「本当か?⋯あった⋯ありがとう白音」
白音「ふにゃあ~///」
白音に言われ中を確認すると確かに床扉があった、俺は白音にお礼を言って頭を撫でると、白音は気持ち良さそうにしていた。
レイ「鍵は⋯壊しても問題無いだろ、廃墟同然なんだし」
黒歌「本当に大丈夫なのかにゃ⋯」
レイ「もしやばくなったら、転移で逃げれば良いだろ、魔力を使えば真羅の連中にバレるけど、逃げる時なら問題無いだろ?⋯んじゃ、やるか⋯」
心配そうに言う黒歌に俺はそう言い、鍵を壊しに掛かった。
ガキンッ
レイ「良し、これで⋯やっぱりな」
黒歌「何かあったにゃ?」
レイ「ああ、予想通りと言うか⋯下への階段だ」
壊れた場所からはかなり深くまで続いている階段があった。
白音「降りるんですか⋯?」
レイ「そうだな、何があるのか気になるし」
白音「怖いです⋯」
レイ「大丈夫だ、いつでも逃げられる様に準備は出来てるから」
白音「⋯分かりました」
不安そうに言う白音に俺はそう言った。
レイ「そういえば⋯二人は猫又なんだったよな?」
黒歌「そうだにゃ」
白音「はい」
レイ「なら⋯猫の姿になれるか?」
黒歌&白音「もちろんにゃ(です)」
俺がそう聞くと、二人共に頷きそう言った。
レイ「じゃあ、二人共猫になって俺の肩にでも乗ってれば良いよ、それならいざって時に転移しても一緒に転移されるだろ?」
黒歌「分かったにゃ」
白音「分かりました」
俺がそう言うと、二人は猫の姿に変わった。
黒歌「これで良いかにゃ?」
レイ「ああ、黒歌が黒猫で白音は白猫か、どっちも可愛いな」
白音「ありがとうございます⋯///」
黒歌「当たり前にゃ」
二人にそう言うと、白音は恥ずかしそうに、黒歌は自信満々にそう言った。
レイ「それじゃ行くか」
黒歌&白音『にゃ!?』
そう言って二人を抱き上げると、二人は驚いた様な声を上げた。
レイ「どうした?」
黒歌「いきなり抱き上げるじゃ無いにゃ!」
白音「びっくりしました⋯」
レイ「何でだよ⋯」
二人の抗議の理由が俺には解らなかったが。
黒歌「私達だって女の子にゃ」
白音「ひとこと言ってからにして欲しいです」
黒歌と白音に言われてようやく理解出来た。
レイ「ああ⋯悪かったよ、それじゃあ⋯良いか?」
黒歌「良いにゃよ」
白音「はい」
レイ(女の子って面倒だな⋯)
そんな二人を見ながら俺はそう思った。
―――――――――――――――――――――――――――――
レイ「ようやく下まで降りてきたが⋯」
一番下まで降りると、そこには上と同様の部屋が一つあった。
黒歌「中に誰か居るにゃ」
レイ「ああ、上で感じたのと同じ気配だ、だが⋯」
白音「これは⋯?」
黒歌の言葉にそう返すと、白音が何かに気付いた。
レイ「結界⋯だな⋯それもかなり上位のやつみたいだな、でも⋯なんでこんな所に張ってるんだ?このレベルの結界なら普通は外に張るだろ」
黒歌「何かお宝でも隠してるんじゃ無いかにゃ?中の人間はそれを守ってるんじゃ無い?」
俺がそう言うと、黒歌は身を乗り出しそう言った。
レイ「まあ、その可能性もあるかもな」
黒歌「お宝だったら持って帰るにゃ!」
レイ「無茶言うな⋯もし宝が置いてあるなら、中に居るのは絶対に真羅の人間って事だろ⋯」
興奮気味に言う黒歌に俺はそう言った。
黒歌「君なら大丈夫でしょ?」
レイ「だと良いけど⋯なッ!!」
バキンッ
白音「きゃあっ!?」
黒歌「にゃあっ!?」
黒歌の言葉に返しながら、俺は足に力を込めて結界に蹴りを撃ち込んだ。
レイ「っと⋯ん?どうしたんだ?二人共」
黒歌「どうした?じゃ無いにゃ!!」
白音「何も言わずにいきなりやらないで下さい!!私も姉様も凄くびっくりしました⋯」
何故か驚いた二人にそう聞くと、二人は肩からずり落ちそうになりながらそう言った。
黒歌「そうにゃ!力技で壊すなんて予想外にゃ!?普通はもっと時間を掛けて解除するものでしょ?」
レイ「そうなのか?今までこのやり方以外で結界を破った事が無いからな⋯分からん」
黒歌「ええ⋯マジかにゃ⋯」
レイ「うん」
白音「ダイナミックですね⋯」
黒歌の言葉に俺がそう言った、事実俺は今までこの方法以外で結界を壊した事は無い。
レイ「普通だろ、何にせよ⋯さっさと中を暴いて帰るぞ、どっちにしろ今ので気付いた奴も居るだろうしな⋯」
黒歌「そりゃあ⋯こんな事すれば、どんな馬鹿でも気付くにゃよ⋯」
白音「ですね⋯」
俺がそう言うと、二人は若干顔を引き攣らせながらそう言った。
レイ「開けるぞ?」
黒歌「うん」
白音「はい⋯」
レイ「それじゃ⋯鬼が出るか蛇が出るか」
俺はそう言って、二人の返事を聞き扉を開け放った―――
「だ⋯だれ⋯ですか⋯?」
レイ「えっと⋯子供⋯か?」
黒歌「そう⋯」
白音「ですね⋯」
中を見て俺達は驚いた、中には少女が一人居ただけだったからだ、それ以外は普通の部屋だった。
「あなた方はいったい⋯どうやってここに⋯?」
レイ「えっと⋯仕事でここに来たら、偶々強い気配を見付けたから?」
「そう⋯ですか⋯」
レイ「うん」
黒歌「絶対に解ってないと思うにゃよ⋯」
俺と少女のやり取りを見た黒歌はそう言った。
レイ「それより、君は⋯?何でこんな所に居るんだ?」
「あっ⋯えっと⋯私は真羅⋯椿姫です⋯」
レイ「真羅⋯だと?」
黒歌「にゃにゃ!?!?」
白音「レイ君、逃げましょう!?」
レイ「⋯⋯⋯」
少女の名前を聞いて二人は一気に警戒を強めた。
しかし⋯俺は違和感を感じていた、ここが宝やら何やらを隠して有る場所ならば、真羅の人間が居るのは理解できる。
だが⋯これはどうだ?最低限生活に必要な物しか無い程に殺風景な部屋の中に少女⋯真羅椿姫は一人だ、一応周りの気配を探って見たが、それらしい反応は感じられない、これではまるで⋯監禁でもされてる見たいだ⋯。
黒歌「レイ!!聞いてるのかにゃ!!!」
白音「レイ君⋯?」
何も言わない俺に黒歌は叫び、白音は怯えている。
当然だ⋯例え相手が子供とは言え、相手は真羅の人間、それ程に
真羅の一族とは異種族にとって恐怖の対象でしかない。
レイ「聞こえてるよ、て言うかお前ら一応は日本の妖怪だろ?」
黒歌「それとこれとは話しが別にゃ!聞いた話しだけど⋯昔は例え日本の妖怪だろうと容赦無かったって⋯」
白音「らしいです⋯私もここに来る時に姉様から聞きました⋯」
レイ「それ程なのかよ⋯真羅ってのは⋯」
俺は黒歌の話しに驚いた、今でこそ見た感じは良好な日本の勢力として協力している妖怪と真羅が戦争していたなんて、どうやら真羅の異種族、異形、異能嫌いは昔からの様だ。
黒歌「だから、早く逃げるにゃ!」
レイ「お前さっき俺なら大丈夫とか言って無かったっけ?」
黒歌「言って無いにゃ!?」
レイ「いや⋯言ってた、なぁ?白音」
白音「はい、言ってました」
黒歌「だとしても!真羅は駄目にゃ⋯何でかは分からないけど⋯とにかく駄目なのにゃ!!」
軽くパニックになってる黒歌を見て俺と白音は逆に冷静なれた。
レイ「なあ⋯えっと、椿姫⋯で良いか?」
椿姫「はい⋯」
レイ「お前⋯何でこんな所に居るんだ?」
椿姫「それは⋯」
レイ「お前の神器に関係してるのか?」
椿姫「っ⋯!何故それを!?」
椿姫は何も言わずに俯いたが、俺が神器の話しをすると同時に椿姫は勢いよく顔を上げそう言った。
レイ「やっぱりか⋯」
白音「どういう事ですか?」
一人納得していると、白音が俺の裾を引っ張ってそう聞いてきた。
レイ「真羅が悪魔やら何やらの人間以外を嫌ってるのはさっきの話しでも解るよな?」
白音「はい」
レイ「他にも真羅は強力すぎる異能を持った人間を嫌ってる⋯人間の害になるって理由でな、つまり⋯だ」
黒歌「この子はそれに当てはまってるって事かにゃ?」
レイ「多分な⋯お帰り黒歌」
白音に説明していると、落ち着いたのか黒歌が入って来た。
椿姫「その通りです⋯私は神器を持ってます、大人の人達はそれを《
俺達をただの人では無いと理解したのか、椿姫は少しずつ話し始めた。
レイ「その結果、お前はここで監禁されてるって訳か⋯」
椿姫「⋯はい、私の意思とは関係無く鏡を通じて異形の化け物を呼び寄せてしまって⋯それから、周りの人達は私を化け物と呼びました、そしてここに無理矢理連れて来られて⋯それ以来、私はここから出る事を許されてません⋯ここに誰かが来たのも久しぶりの事です」
椿姫は着ていた巫女装束の裾を強く握り、声を徐々にかすらせながらそう言って。
レイ「お前の⋯親は⋯?」
椿姫「⋯母様と父様も⋯私を見る目は⋯周りの人達と同じでした⋯それでも⋯私は助けて欲しいと、私は化け物じゃ無いと言いました、でも⋯二人共⋯私を助けてはくれませんでした⋯」
レイ「⋯⋯⋯そうか」(またか⋯また⋯どうして⋯何で⋯)
ヴァーリの時と同じだった、椿姫の話しを聞いて、彼奴と出会った時と同じ事を、俺は感じていた。
捨てるくらいなら⋯殺そうとするくらいなら⋯見捨てるくらいなら―――最初から⋯産まなきゃ良いのに⋯と。
椿姫「あなた方が誰なのかは分かりませんが⋯少なくとも、私に力が有ると知りながらもここに来た、そして⋯私とこうして話しをしてくれた、だから⋯今私は⋯嬉しいです⋯」
椿姫は目元に涙を浮かべながらも、笑顔でそう言った。
レイ「なあ⋯椿姫⋯」
椿姫「はい⋯何でしょう?」
周りの大人に、そして親に裏切られ、幽閉され、迫害されて育ったという過去を持つ少女。
そんな少女を親に捨てられたレイが。
親に殺され掛け、逃げ出した少年に自分を重ね助けたレイが。
レイ「お前⋯俺と一緒に来ないか?」
このまま、見捨てられる筈は無いのだ。
椿姫「えっ⋯」
黒歌「ちょ⋯本気なのかにゃ!?」
レイ「ああ」
俺の言葉に、椿姫は唖然とし、黒歌は信じられないと言った様子でそう言った。
椿姫「一緒に⋯とは?貴方は一体⋯」
レイ「俺は悪魔だ」
椿姫「あく⋯ま⋯」
レイ「そうだ、お前の一族が大嫌いな」
椿姫の当然の質問に、俺は素直に答えた。
椿姫「そう⋯でしたか⋯」
レイ「ああ、だから⋯俺と来るとすれば、お前は真羅と縁を切る事になるだろうし、真羅からも縁を切られ、最悪⋯裏切り者と呼ばれるだろう」
椿姫「それは⋯」
俺の言葉に椿姫は俯いた。
レイ「だが⋯お前の命と自由は、俺が必ず守ってやる」
椿姫「貴方が⋯?」
レイ「ああ」
そんな椿姫に俺はそう言った。
椿姫「どうして⋯ですか」
レイ「何がだ?」
椿姫「どうして⋯私を助けてくれるのですか?先程貴方が言った通り、真羅は悪魔にとって忌まわしい存在の筈⋯なのに、どうして助けてくれるのですか?」
黒歌「そうにゃ!何でレイは助けるのにゃ!?」
椿姫や黒歌がそう聞くのも当然の事だ、真羅の家に産まれ、まず教えられるのは自分達の敵についてだろし、悪魔も真羅への敵対は勿論、近付く事すら無いから。
レイ「そうだな⋯理由は二つだ、一つは俺とお前が同じだからだ」
椿姫「同じ⋯?」
レイ「ああ、俺は⋯産まれて直ぐに親に捨てられたんだ⋯」
だから俺は、そんな椿姫と黒歌に対し本音で話しをする事にした。
椿姫&黒歌「えっ⋯」
レイ「経緯は違えど、俺もお前も⋯親に裏切られたんだ、同じだろう?」
黒歌「そうだったのね⋯」
椿姫「そう⋯でしたか⋯それで⋯二つめは?」
黒歌は納得した様に言い、椿姫は驚きながらも、もう一つの方を聞いてきた。
レイ「お前の神器だ」
椿姫「私の⋯神器⋯ですか?」
当然、俺はこっちの理由でも嘘を付く事はしない。
レイ「そっ、お前のその力で、支えて欲しい奴が居るんだ」
椿姫「私に⋯支えて欲しい⋯?」
レイ「そうだ、俺の大切な人だ」
椿姫「でも⋯私は⋯」
俺がそう言うと、椿姫は言葉を詰まらせた、その理由は分かっている。
レイ「力が暴走するのが怖いんだろう?」
椿姫「⋯はい」
やはりな⋯でも、俺にとってはなんて事の無い話しだ。
レイ「大丈夫だ、それなら俺がどうにかしてやれる」
椿姫「えっ!?本当⋯ですか⋯?」
レイ「本当だ、それに⋯俺の元にはお前よりもヤバい神器を持つ奴が居るからな、それに比べればお前の神器なんて可愛いもんだ」
俺は手の掛かる
事実、彼奴の神器に比べれば、大抵の神器など玩具に等しい、現に制御の特訓の際は俺が居なければ間違いなく特訓の度に大規模な被害が出ている事だろう。
彼奴には才能や素質は十二分にある、それでもなかなか制御出来てないのは、それ程までに強力な神器だと言う証だ。
それに、今感じてる限りでは、椿姫の神器は確かに強力な部類に入るだろう、でも⋯ヴァーリに比べれば格段にレベルが下がる。
椿姫「そうなんですか?」
レイ「ああ、だから真羅にとっては脅威となるお前の神器も、俺には脅威どころか暇潰しにもならない」
椿姫「そう⋯なんだ⋯」
俺がそう断言すると椿姫は絶句した、それも当然だろう、自分の周りの大人達は皆が制御は無理と諦め、挙げ句に監禁された原因を、俺は簡単に解決出来ると言ったのだから。
レイ「真羅はそれらの類いを殺し、壊し、滅する事は得意だろうが、逆に制御したりするのは、それらを嫌ってきたが故に不得手なのだろう」
黒歌「ねぇ⋯レイ、それってさ⋯」
俺が推測でそう言うと、黒歌も感付いた様に言った。
レイ「お前の思ってる通りだよ、もしも真羅がさっき言った対処以外の対処方法を学んでいれば⋯未来で椿姫が真羅最強と呼ばれる可能性も有っただろうよ、でも⋯」
黒歌「真羅は異物の受け入れを拒んだ⋯かにゃ?」
レイ「⋯そう言う事だな」
黒歌「そしてその危険が自分の一族に現れても⋯」
レイ「容赦無く対処するって事だな」
俺の言葉に黒歌は苦虫を噛み潰したかの様に顔を歪めた。
黒歌「でも、だったら何でこの子は殺されて無いのにゃ?」
レイ「俺の憶測だから定かでは無いけど⋯理由が有るとすれば一つかな」
黒歌「それは?」
俺は憶測なのを前提として黒歌に話し始めた。
レイ「おそらくだが⋯単純に殺した後に神器が暴走する可能性を危惧してるんだろう、制御出来てなければ神器だろうと魔力だろうと死に際に暴走して周りにとてつもない被害を与えるなんて、良くある話しだ」
黒歌「成程にゃ⋯」
俺の説明に黒歌は納得した様に言った。
レイ「だから、最低限の処置として監禁を選んだ、でも⋯これも推測だが⋯それも制御出来るまでだろうな⋯」
黒歌「どういう事?制御出来たらどうするの?」
レイ「殺すだろうな」
真羅なら間違いなくそうするだろう、制御さえ出来てれば暴走の確率は殆んど無くなるからだ。
でも⋯。
黒歌「何でにゃ!?折角制御出来たなら⋯」
当然黒歌は納得しない。
レイ「言ったろ?真羅はそう言うのが嫌いなんだよ⋯何処までもな⋯」
黒歌「だからって⋯」
レイ「少しでも、自分達に脅威が残るなら徹底的に排除する、例え一族の者であろうと⋯それが⋯真羅って一族らしいな⋯」
黒歌「らしいなって⋯レイは詳しいんじゃ無いの?」
レイ「いや⋯俺だって知識でしか知らなかった⋯でも、まさかここまでとは思ってなかった⋯
でも、ほぼ確実にそうなんだろうな⋯それに、よく言うだろ?火のない所に煙は立たないって」
黒歌「そうね⋯正直、悪魔だからとか関係無く真羅が嫌いになる様な話しね⋯」
椿姫が真羅と知った時はあれだけ嫌悪感を出した黒歌も、話しを聞いて流石に同情していた。
黒歌もまた、唯一の家族である妹を守る為に命を掛けていたのだから当然と言えば当然だ。
レイ「それで?椿姫⋯お前はどうしたい?」
椿姫「⋯⋯⋯」
レイ「こればかりはお前が自分自身で決める事だ、どんな理由があろうと、これは俺がお前に強要出来る事じゃ無いからな」
椿姫「私は⋯」
レイ「⋯無理に来る必要は無い、どれだけ酷い扱いをされようと、お前にとって家族が⋯一族が大切ならば俺にはもう何も出来ない」
そう、結局決めるのは自分だ⋯ヴァーリの時だってそうだった、本人が嫌だと言うのなら、俺は連れて帰ったりはしなかっただろう⋯。
レイ「どうする?」
椿姫「私は⋯このまま⋯こんな所には居たく無い!死にたくありません!!」
再度問いかけると、椿姫は目に一杯の涙を浮かべながらそう叫んだ。
レイ「良し!じゃあ決まりだ、俺と共に行こう!椿姫」
椿姫「はい⋯」
椿姫の慟哭を聞いた俺は椿姫に手を差し伸べ、笑いながらそう言った。
椿姫も泣きながら俺の手を取りそう言った。
レイ「良し、それじゃあこんな所からはさっさと⋯ん?ちっ、思ったより早かったな⋯」
黒歌「どうしたのにゃ?レイ」
逃げようとした時、俺は嫌な気配を感じとった、それに黒歌が気付き俺の隣に来て聞いてきた。
レイ「どうやら真羅の連中が嗅ぎ付けた様だ」
黒歌「にゃ!?この子は⋯別にもう良いけど、やっぱり真羅は嫌だにゃ!さっさと行くにゃよレイ、ほら白音も」
白音「はい、姉様」
俺がそう言うと、黒歌と白音は猫の姿で、それぞれ俺の肩に飛び乗った。
レイ「待て待てお前ら、逃げるのは当然だが、まだやるべき事が残ってる」
黒歌「やるべき事?なんにゃそれは!?」
そんな二人に俺がそう言うと、黒歌は焦りながらもそう聞いてきた。
レイ「ああ、色々言ったが⋯椿姫はここで死んだ事にするのが一番だ」
俺は黒歌の時と同様にそう言った。
黒歌「確かに⋯どうするのにゃ?」
レイ「椿姫の神器が暴走し、怪物が出て来て椿姫を食い殺した、怪物達は椿姫が死んだ事で消えた、シナリオはこんな所か。
必要な物は⋯取り敢えず、髪の毛と服、それと血が少しあれば良いだろう⋯多分」
俺の言葉にどうするのか聞く黒歌に俺はそう答えた。
黒歌「そう⋯ね⋯少しならそれで誤魔化せるだろうけど⋯でも⋯」
レイ「分かってるよ、バレるのは時間の問題だろうが⋯それでも数年は掛かる筈だ、それだけあれば俺の手札も充分に揃う筈だ」
黒歌の心配は最もだ、でも⋯手懸かりは無し、もしかしたら死んだのかもしれない、なんて酷く曖昧で稚拙な作戦だ、だが⋯そのかもしれないと言う可能性がある限り真羅が悪魔に手を出す事は無い。
もしも「連れ去った」っと、言った後にそれが事実で無ければ真羅は日本の勢力内で立場が弱まるだろうからだ。
話しによれば現時点でも平和を願う傾向にある勢力が殆んどを締める日本の陣営の中で数少ない好戦派である事から、ただでさえ勢力内での立場は低くなりつつあるらしい。
そんな時に他勢力に言い掛かりを付けた⋯等と言う事になればそれこそ真羅は立ち行かなくなるだろう
でも、だからこそこんな作戦でも今回は実行に移せる。
黒歌「レイがそう言うなら信じるにゃよ、だからさっさとやることやるにゃ!」
レイ「分かってる、椿姫そう言う事なんだが⋯良いか?」
半ば自棄になりながら言う黒歌にそう言い、俺は椿姫に向かってそう言った。
椿姫「はい、構いません」
レイ「良し!なら早速やるぞ、黒歌、お前は部屋を荒らせ」
黒歌「私がかにゃ!?」
俺がそう言うと、黒歌は驚いた顔で言った。
レイ「一応、怪物が来たって事になるからな、獣が暴れたみたいに派手にやって良いぞ」
黒歌「にゃぁぁぁぁ~もう!良いにゃ!!やってやるにゃ!!!白音も手伝って!!!!」
白音「は⋯はい」
黒歌は叫びながら、白音は戸惑いながらも部屋中で暴れまわり始めた。
2分後⋯
レイ「こんなもんで良いかな?」
俺は椿姫の髪を少し切り、服は黒歌に切り刻んで貰い、椿姫の腕を少し斬り、そこから出た血を適当に
黒歌「レイ、こっちもこんな感じで良いかにゃ?」
レイ「ん⋯?ああ、充分だろ、ありがとう黒歌、白音」
部屋を見ると黒歌と白音が良い感じに荒らしてくれていた。
白音「良かったです⋯」
黒歌「なら、早いとこ帰ろうにゃ!もう、私でも解るくらい近いのにゃ!?」
レイ「分かってるよ、ほら⋯椿姫も行くぞ」
黒歌に急かされながら、俺は改めて椿姫に手を差し出した。
椿姫「はい⋯レイ様⋯///」
椿姫は何故か顔を赤くしながら、俺の手を取った。
レイ「それじゃ、行くぞ?黒歌、白音、椿姫」
三人「分かったにゃ!/はい」
俺は三人の返事を確認してから、三人を連れて転移で真羅の縄張りから脱出した。
―――――――――――――――――――――――――――――
セラside
セラ「サーゼクスちゃん!!」
サーゼクス「やあ、セラフォルー」
セラ「やあ、じゃないよ!何なのあの任務は!!」
私は今、サーゼクスちゃんの所に来ていた。
理由は勿論、レイ君に来た任務についてだ、私はあの任務をサーゼクスちゃんから緊急だと言われたから、最低限だけ目を通してレイ君にお願いした。
でも、あの後に冷静に目を通せば、明らかにおかしな点が幾つもあったのだ。
サーゼクス「と、言う事は君も気付いたんだね?セラフォルー」
セラ「むしろ気付かない方がおかしいでしょ!特に黒歌の動きなんか、明らかにはぐれ悪魔の取る行動じゃ無いでしょ!」
サーゼクス「そうだね」
セラ「だからこそレイ君に任せたってのは分かるけど、何で最初に私に言ってくれなかったの?」
これは明らかに面倒な案件だ、そしてレイ君は必ずサーゼクスちゃんの考えに思い至る筈だ、そしてレイ君が取るであろう行動も大体想像がつく、でも⋯それはレイ君がまた面倒を背負う事になると言う事だ。
サーゼクス「最初に話したら、君は絶対に断っただろう?」
セラ「当然でしょ!ただでさえレイ君は色々な物を背負ってるのに!!これ以上危険な目に合わせるなんて⋯」
サーゼクス「セラフォルー⋯黙っていた事は済まないと思っている、だが⋯僕の意を汲んでこの件を片付けてくれるのは、レイ君しか思い付かなかったんだ、本当に済まない⋯」
サーゼクスちゃんは本当に申し訳無さそうに私に頭を下げた。
セラ「それは⋯私もレイ君以外思い付かないけど⋯でも⋯」
サーゼクス「セラフォルー、もしも何か起きた時の全責任は僕が持つ、決してレイ君に背負わせたりはしない、それだけは約束する」
サーゼクスちゃんは真っ直ぐに私の目を見てそう言った。
セラ「本当だね?約束だよ」
サーゼクス「勿論だ」
私達がそんな話しをしていると。
セラ「!」
コンコンッ
サーゼクス「どうぞ」
ノックされサーゼクスちゃんがそう言うと同時に、私は扉に向かって駆け始めた。
レイ「失礼しま⋯「レイ君!」セラフォルー様?」
セラ「お帰り~、大丈夫?怪我してない?無茶してないよね?」
予想通り部屋に入って来たのはレイ君だった、私はすぐさまレイ君に抱き付いてそう聞いた。
レイ「取り敢えず落ち着いて下さい、セラフォルー様」
セラ「でもでも!」
レイ君にそう言われるも落ち着くなんて無理だよ⋯万が一にもレイ君に何かあったら⋯。
レイ「大丈夫だから⋯ね?」
そう言って、レイ君は私を優しく抱きしめてくれた。
セラ「!うん☆」
自分でも単純だとは思う、でも⋯やっぱりレイ君に女王としてじゃない言い方で言われて、その上抱きしめられたら嬉しくなっちゃうから⋯仕方ないよね☆。
サーゼクス「お疲れ様レイ君、早速で悪いが任務の報告を聞いても良いかな?」
レイ「はい、まずは⋯はぐれ悪魔の黒歌ですが―――」
そんな私達を苦笑いしながら見てたサーゼクスちゃんがそう言うと、レイ君は私から離れて報告を始めた。
むぅ~、もう少しあのままが良かったのに~。
レイ「取り敢えずは以上です」
サーゼクス「ご苦労様、ところで⋯黒歌は殺したって事で良いんだね?」
レイ君からの報告を聞いたサーゼクスちゃんはレイ君に改めてそう聞いた。
レイ「はい、その簪が証拠になるでしょう?少なくとも⋯連中には⋯」
サーゼクス「そうだね⋯分かった、ありがとう」
この時点で私は確信した、おそらくサーゼクスちゃんもそうだろう。
レイ君は黒歌を殺してないと、殺した事にしたのだと。
レイ「それと⋯白音、入っておいで」
白音「は⋯はい⋯」
一通り報告を終えると、レイ君は扉に向かってそう言った、すると小さな女の子が一人入って来た。
セラ「レイ君、その子が?」
レイ「はい、この子が黒歌の妹の白音です」
サーゼクス「そうか、ありがとうレイ君」
私が聞くと、レイ君はその子を私達に紹介してくれた、白音ちゃんって言うんだね、サーゼクスちゃんも白音ちゃんを見ながらそう言った。
当たり前だけど白音ちゃんは少し怯えていた、入って来て直ぐにレイ君の元に行ったし、今もレイ君の服の裾を掴んでいる、まあついさっきまで命を狙われてた訳だから仕方無いと言えば仕方無いのだけど⋯。
でも⋯でもさ?二人は今日、さっき、始めて会った筈だよね?
なのに⋯何で白音ちゃんはこんなにレイ君に懐いてるのかな!?
おかしくない!?
いくら自分達の命を救って貰ったとは言え、いくら何でも懐きすぎじゃない!?
レイ君もレイ君だよ!そんな笑顔で頭なんか撫でちゃってさ!!
白音ちゃんもさっきまで怯えてたとは思えない位、気持ち良さそうにしてるし⋯。
白音「にゃぁ///」
ううぅ⋯ずるいよぉ~私の事は最近全然撫でてくれないのに~私も撫でられたいよぉ~。
私は顔だけは笑顔のまま二人を見ながらそんな事を思っていると
レイ「ところで⋯サーゼクスさん」
サーゼクス「何かな?」
レイ「白音の処遇なんですが、リアスの眷属にするつもりですよね?」
レイ君は撫でるのを止めて、サーゼクスちゃんにそう聞くと。
サーゼクス「うん、彼女の保護の観点からしてもそれが最良だと思っているよ」
サーゼクスちゃんはそう言った、私もそれが一番良い方法だと思う。
レイ「そうですね、俺もそれには賛成です、ただ⋯」
サーゼクス「ただ?」
レイ「勝手で申し訳ありませんが、その場合いくつかの条件を守って頂きたいのです」
レイ君がいきなりそんな事を言った。
サーゼクス「条件かい?その言い方から察するに、君からと言う訳では無さそうだね」
レイ「はい、これは黒歌からの、そして白音本人からの条件です」
成程ね☆条件付きって事で二人との取引をした訳なのね。
サーゼクス「内容は?」
レイ「はい。
1.白音の扱いは丁重に、決して物の様に扱ったりはしないこと。
2.戦いなどの白音が嫌がる事を強要しないこと。
3.これは白音からの要望ですが⋯暫くの間、白音は俺の元で暮らします。
以上が守られなかったり、白音が眷属を辞めたいと言った場合は俺が白音を引き取ります。
これが二人からの条件です」
サーゼクスちゃんが聞くと、レイ君は台詞を用意していたかの様に淡々と話し初めた、まあ⋯実際用意はしてたんだろうけどね。
サーゼクス「ふむ⋯分かった、それで構わないよ、リアスには僕から話しておくよ」
レイ「ありがとうございます、俺もリアスならこれ等の条件については心配はしてません、だからこそこの条件で白音を連れてきました」
サーゼクス「そうかい?ありがとう」
サーゼクスちゃんは少し思案した後に笑顔で快諾すると、レイ君も笑顔でそう言った。
レイ「それと、お二人にもう一つお話しがあります」
セラ「ん?私にも?」
レイ「はい」
サーゼクス「何かな?」
任務を任せたサーゼクスちゃんはともかく⋯私にも話しって何だろう?
レイ「実はもう一人、黒歌や白音とは無関係の人間を保護しまして」
セラ「人間を?」
レイ「はい、かなり強力な神器を持って居たので、連れて来たんです」
レイ君が眷属候補を連れて来るのは今に始まった事じゃないし、今ではレイ君自身も個人で家を持ってるから何も問題は無いんだけど⋯。
なんだろう⋯すっごく嫌な予感がするのは私の気のせいかな⋯?。
サーゼクス「そうなのかい?でも、君の眷属候補だろう?セラフォルーはともかく、そこに私の許可は必要無いと思うのだが⋯」
レイ「はい、本来なら必要無いんですけどね⋯今回は連れて来た奴がちょっとばかり特殊と言うか何と言うか⋯」
セラ&サーゼクス「特殊?」
いつもと違い、少し緊張しながら言うレイ君を不思議に思っていると。
レイ「はい、何て言うか⋯見て貰った方が早いですね、椿姫、入って良いぞ」
椿姫「失礼します」
レイ君がそう言うと、椿姫ちゃんと呼ばれた女の子が入って来て、礼儀正しく頭を下げそう言った。
セラ「ん⋯?この子が特殊な子?普通の女の子に見えるけど⋯」
サーゼクス「そうだね⋯確かに力は強いけどレイ君程じゃ無いし⋯」
レイ君が特殊と言うから、少し身構えてたけど⋯至って普通の子に見える、強いて言えば普通の子よりちょっと可愛いってくらいかな?
レイ「⋯取り敢えず⋯椿姫、自己紹介してくれるか?」
椿姫「はい、初めまして魔王様、私は真羅椿姫と申します」
セラ&サーゼクス『⋯⋯⋯え⋯?』
レイ君に促された椿姫ちゃんの自己紹介を聞いて、私達は絶句した。
レイ「椿姫が特殊ってのは、理解してくれましたか?」
セラ「えっと⋯特殊って言うか⋯ええぇぇぇ!?!?」
サーゼクス「しん⋯ら⋯?真羅って言ったかい?今!」
レイ「はい、椿姫は真羅一族の人間です」
混乱してる私達にレイ君は冷静にそう告げた。
セラ「レ⋯レイ君?どうして真羅の一族の子なんて連れて来ちゃったの!?真羅との関係性はレイ君も解ってるよね?」
レイ「はい、でも⋯それでも⋯」
私はレイ君にそう言うと、レイ君はなぜ椿姫ちゃんを連れて来たのかを話し始めた。
セラ「そう⋯真羅が⋯」
レイ「すいませんセラフォルー様、勝手な事をしたのは謝罪します、責任も取ります、でも⋯俺は椿姫を助けます、誰が何と言おうと、そう約束しましたから」
レイ君から真羅の話しを聞いて、真羅の相変わらずの行動に少しだけ嫌な気持ちになった。
そんな私に、レイ君は頭を下げ謝り出し、その後頭を上げたレイ君は真っ直ぐに私の目を見てそう言った。
そうだよね⋯ヴァーリ君の時もそうだったね、あの時は勢いでOKしちゃったけど⋯後から聞いた話しは酷い物だった。
ヴァーリ君や椿姫ちゃんの様な子、それは⋯普段どんな状況だろうと他人に対して興味を示さないレイ君が、唯一手を差し出す存在。
自分の立場を解っていてもなお⋯救ってしまうレイ君の優しさ⋯。
だったら―――
セラ「レイ君⋯そっか⋯分かった、良いよ☆」
レイ「本当ですか?」
セラ「うん☆お姉ちゃんに任せて☆」
レイ君がその子達を守るなら、レイ君の事は私が守るしか無いよね☆
それに⋯
レイ「ありがとうございます、セラフォルー様」
ああ⋯レイ君が⋯私に向かって笑ってるよぉ~。
これだよこれぇ!!最近のレイ君は頼もしくなりすぎちゃったから、全然私を頼ってくれなくなっちゃったし⋯こんなに無邪気で満面の笑みを向けられたのは久しぶりだよぉ~。
勿論、頼りになるに越した事は無いんだけど⋯頼りになりすぎちゃうのも主として、何よりもお姉ちゃんとしては寂しい物だからね☆
セラ「良いのよ?私はレイ君の主でお姉ちゃんなんだから、どんどん頼ってくれて良いんだから☆」
レイ「うん⋯ありがとう、セラお姉ちゃん」
レイ君が⋯レイ君が久しぶりに私をお姉ちゃんって!!やっぱり嬉しいなぁ~☆
セラsideout
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セラ「それに、今回は当てが有るからね☆」
レイ「当て⋯ですか?」
俺は何だろうと思っていると。
セラ「うん☆サーゼクスちゃん?」
サーゼクス「何かな⋯セラフォルー」
セラフォルー様はそう言って、サーゼクスさんに話し掛ると、サーゼクスさんは何かに気付いた様に、少し顔を引きつらせながら言った。
セラ「全責任はサーゼクスちゃんがとってくれるんだよね?」
サーゼクス「ああ⋯確かにそう言ったが⋯」
セラフォルー様が笑顔でそう言うと、「やっぱりか」とでも言いたそうな顔で答えた。
セラ「サーゼクスちゃん?」
歯切れの悪いサーゼクスさんにセラフォルー様が圧を掛けて言うと。
サーゼクス「はい⋯」(まさか真羅の人間を連れて来るとは⋯流石に予想してなかったな⋯)
サーゼクスさんは観念したかの様に、一言だけそう言った。
レイ「良いんですか?これは俺の独断ですよ⋯?」
セラ「良いのよ?そもそも詳しい事を話さずにレイ君に任務を与えたのはサーゼクスちゃんなんだから☆
いくらレイ君が優秀でも、詳しい説明が無きゃイレギュラーが起こるのは仕方の無い事なんだから☆
ねぇ?サーゼクスちゃん?」
俺は流石に申し訳ないと思いセラフォルー様にそう言うと、セラフォルー様はサーゼクスさんに満面の笑顔でそう言った。
サーゼクス「あ⋯ああ⋯そうだね⋯イレギュラーが起こっても⋯仕方無いね⋯うん⋯レイ君⋯僕に任せて貰って良いよ⋯」
レイ「そう⋯ですか⋯ありがとうございます⋯」
俺が帰って来る前にどんな話しをしてたのかは知らないが、ここまでセラフォルー様に押されてるサーゼクスさんは久しぶりに見たな⋯。
そんな訳で、椿姫を連れてきた事の後始末はサーゼクスさんがしてくれる事になった。
―――――――――――――――――――――――――――――
任務の報告と白音、椿姫の報告を終えた俺は白音と椿姫を連れて、セラフォルー様と共に帰路についていた。
椿姫「あの⋯レイ様?」
レイ「ん?どうした?椿姫」
椿姫「あの時言ってた、私に支えて欲しい人って⋯誰なのですか?」
椿姫は俺にそう聞いてきた。
レイ「ああ、それはな俺の幼馴染みで、セラフォルー様の妹でもある、ソーナ・シトリーだ」
椿姫「ソーナ・シトリー⋯レイ様にとって⋯その方はそんなにも大切なのですか?」
ソーナの事を教えると、椿姫は俺の正面に来てそう言った。
レイ「うん?そうだな、少なくとも命掛けで守りたいと思う位にはな」
椿姫「そうですか⋯」
俺がそう言うと、椿姫は少し拗ねた様にそう言った。
レイ「まあ、それでも椿姫を眷属にするかはソーナ次第だけどな、もしソーナが断ったら⋯その時は俺の眷属になってくれると嬉しいよ」
椿姫「レイ様の⋯ですか?」
勿論ソーナが受けるとも限らないので、俺はもしもの時の話しも椿姫にしておいた。
レイ「そう、正直言うと普通に欲しいよ?でも⋯今はソーナが先だ、来年からソーナとリアスは人間界の学校に行くらしいからな、椿姫には将来のゲーム以外にも、人間界の害虫からソーナを守って貰いたいし」
椿姫「害虫⋯ああ、男性の事ですか?」
人間界に居るのは当然、普通の人間で貴族の様な連中など殆んど居ないだろうが、準備をしておくに越した事は無いだろう。
レイ「まあ⋯な、それに⋯ソーナと椿姫、美人が常に二人で行動してれば近付こうなんて奴は、重度のナルシストかそれ以上の馬鹿かのどちらかだ」
椿姫「そうですか」(美人⋯まだ私にも可能性はあるのでしょうか⋯)
俺がそう言うと、椿姫は少し顔を赤くしながら言った。
レイ「?その時は頼めるか⋯?」
椿姫「はい⋯貴方がそれを望むのならば」
レイ「ありがとう、椿姫」
俺がそう聞くと、椿姫は頭を下げてそう言った。
セラ「なぁに?何の話し?」
すると、セラフォルー様が後ろから俺に抱き付いて来た。
レイ「おっ⋯と⋯実は、椿姫をソーナの眷属にどうかと思ってまして」
セラ「ソーナちゃんの?」
俺がそう言うと不思議そうに首を傾げるセラフォルー様。
レイ「はい、暫定とは言えリアスの眷属も増える訳ですし。
ソーナは頭が良いから、知略を重点を置く戦いが向いているでしょうから、それを存分にこなせる力の強い眷属が居れば戦略は幾重にも広がるかと思って。
それに戦略の組み立ても現時点で充分に出来てますし、後はそれに見合う人材だけですから。
後は来年からは人間界の学校に行くことですし、ソーナと椿姫、互いの虫除けも兼ねて」
そんなセラフォルー様に俺は素直にそう言った。
セラ「そうだね☆でも⋯そっかぁ~☆ありがとうね、レイ君は何時でもソーナちゃんの事を考えてくれてるんだね☆」
レイ「まあ⋯大切な人の一人ですからね⋯」
セラフォルー様にそう言われ、俺は少し恥ずかしくなりながらもそう返した。
セラ「うんうん☆でもぉ~私の事も忘れちゃ嫌だからね?」
レイ「!!もちろんですよ⋯」
俺はセラフォルー様に耳元でそう囁かれ、少しドキッとしたが。
セラ「ふふっ、ありがとうレイ君☆」
レイ「当然の事ですよ⋯」
セラフォルー様には何とか気付かれずに済んだようだ。
それから、一度シトリー家に行き、ソーナと椿姫を引き合わせたのだが、その際、俺は母上に頼まれて買ってきた物を渡しに行き、戻って来た時にはソーナから椿姫を眷属にする事にしたと言われた。
何でそんなに早く話しが纏まったのかと聞いたら、二人からは何故か『内緒です!』と言われて、セラフォルー様からも、「レイ君は知らなくても良いの☆」と言われた。
そしてその後、俺は白音と椿姫、そしてずっと俺の服の中に隠れていた黒歌の三人を連れて家に戻り、皆と互いに紹介を済ませた後、俺はシトリー家に戻ってセラフォルー様とソーナの相手をして。
俺の長い1日はようやく終わったのだった。
アンケートを初めて使います。
良かったらお答え下さい。
一誠のヒロインはどっちが良いか。ヒロインによって原作の入りを変えようと思ってます。
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レイナーレ(ディアボロス~)
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アーシア(フェニックス~)