活動報告に落ち着いたと書いたのに大幅に遅れまして⋯。
今度はコロナの影響で仕事が前倒しになったり、仕事量が増えたりと、悪い事が続きまして⋯。
現在大変な事になってますが、皆様もコロナには十分に気を付けて下さいませ。
この章に入る時に一話で一つの話しを、と考えていたのですが、今回遅くなってしまったので短いですが切りが良い所で出します。
4/30 本文編集
???side
俺には生まれつき本来あるはずの魔力と言うものが一切無かった、そのせいで⋯俺は"無能"と呼ばれ、あまつさえ俺にとって何よりも大切で、大好きな母に迷惑を掛けてしまった。
そして、その母は今は病に倒れてしまった、俺はこのままでは父が母を殺しに来ると思った、本来なら父親に対してその様な事は思わないのだろうが、母と俺を自領の僻地へと迫害したあの男ならばやりかねないと直感で理解した。
だから、俺は強くならなければいけない、強くなって俺を認めたくない父も弟もそして周りも⋯全てを黙らせると。
俺はそう決めて、そうする為の努力を続けてきた、幸い母はサーゼクス様の助けもあり今はシトリー領で保護して貰っているから問題ない。
俺も周囲から変わらず"無能"と呼ばれようと、修行している俺を純血悪魔の恥さらしと言われようと、俺は強くなる為に出来ることは何でもやっていたし出来ていた。
だが―――
「はぁはぁ、まだ⋯まだだ⋯こんなんじゃ足りない⋯」
最近はどれだけ修行を重ねても全くと言っていい程に自分自身で成長を実感出来ないでいた。
少し前まではそれらの実感や感触が有ったのに、ここ数ヶ月はそれらが全く感じられないのだ。
「何故だ、一体⋯何が足りないと言うのだ⋯!」
俺は自分でも知らないうちに血が出る程に拳を握っていた。
「⋯!、そう言えば⋯サーゼクス様からも言われていたな」
俺はサーゼクス様が母の事で助けてくれた時に言われた言葉を思い出した。
サーゼクス『君は何でも一人でやらなければいけないと思ってるだろうが、そんな事は無いんだ、誰かに頼ったり助けてもらう事は決して恥ずべき事では無い。
だから、これからも何かあればグレモリーや周りを頼っていいんだ、まあ⋯いくら君と私が親戚とはいえ、私個人は立場上直接手を貸すのはなかなか出来ないが、そう言う人物を紹介する事は出来る、今回の様にね。
だから、何かあれば君が信用出来る大人に相談してみると良い、もちろん私の元に来てくれても良い、未来ある若者からの相談を受けると言う事だけに目くじらを立てる者など居ないだろうから』
俺は次期当主として、一人の男として、何でも一人で出来なければいけないと思っていた。
そんな時にまるで見透かしているかの様にサーゼクス様はそう言ってくれた。
「折角サーゼクス様がああ言ってくれたんだ、行ってみるのも良いかも知れないな。
それに⋯もしかしたら、あの方を紹介してもらえるかも知れないしな」
そうして、俺はサーゼクス様の元に向かった。
???sideout
―――――――――――――――――――――――――――――
セラ「レイ君」
レイ「セラフォルー様?どうしたんですか?」
俺は仕事を終え報告を済ませて、ヴァーリに修行を付けて欲しいと言われていたので、家に帰ろうとしていると、セラフォルー様に呼び止められた。
セラ「あのね?実はレイ君にお話しがあるって子が来てるんだけど、会って貰えないかな?」
レイ「子⋯ですか?またどっかの貴族の馬鹿息子か娘が下らない話しでも持ってきたんですか?」
俺はそれを聞いて、露骨に顔を歪めた。
セラ「ん~下らないかどうかはレイ君次第なんだけど⋯私としては力になってあげて欲しいかな⋯」
レイ「珍しいですね?セラフォルー様が口添えするなんて」
セラ「うん、今回はちょっと私も頭に来てるからね」
何かを思い出したのか、セラフォルー様が珍しく少し怒りながらそう言った。
レイ「セラフォルー様が⋯」
セラ「うん⋯あの子があのまま潰れちゃうのは正直勿体ないかなとも思うし」
レイ「⋯分かりました、セラフォルー様がそこまで言うなら、取り敢えず会うだけは会いますよ」
セラ「本当?ありがとう、レイ君☆」
俺がそう言うとセラフォルー様は俺に抱き付いて来た。
レイ「それで?そいつは何処に?」
セラ「応接室に居るよ☆それと⋯レイ君のお客様だから対応は彼に任せたって言ってたから、いつも通りの筈だよ」
レイ「分かりました、じゃあ⋯とりあえず行ってみますよ」
セラ「うん☆よろしくね☆」
俺はそう言って歩きだすと、セラフォルー様は手をぶんぶんと振っていた。
レイ「はぁ⋯今日は良い日になると思ったんだがな」
今日は仕事が終わり次第ヴァーリの修行相手をする予定だっただけに、俺は一気に機嫌が悪くなった。
セラフォルー様と別れ、応接室に向かっていると。
「お疲れ様です、レイ様」
レイ「ああ、お前もなセバス、1日運転を頼んだうえに⋯面倒な事を任せて悪いな」
セバス「お気になさる事はありません、レイ様の⋯支黒家の執事長として当然の事ですので」
レイ「だとしてもだ」
セバス「はい、ありがとうございます」
途中で俺の家、支黒家で執事長をしているセバスと合流した。
普段は送迎など不要と言って居るのだが、今日は色々と出先に行かなければいけなかったので、セバスに運転手を任せていた。
そこに、シトリー家の方にその客が来た為に、セバスはシトリーの使用人達に代わり対応をしたのだろう。
レイ「それで?お前の見た感じ、今回のはどうだ?また馬鹿か?」
セバス「いえ、今回はまともな様です、いつも通りレイ様に言われている対応をしましたが⋯何も言わず座っておりますので」
レイ「へぇ⋯それは珍しいな⋯一切のもてなしが無い事に喚かないか」
セバス「はい」
セバスの言ういつも通りの対応とは、一切のもてなしをしない事だ。
下らんご機嫌取りもしなければ、粗茶の一つも出さない。
本来こんなことは無いのだが、俺はさっきのセラフォルー様との会話にあった様に貴族が依頼に来る事が増えた。
だが、9割9分上から目線で命令口調な為、最近は適当に流して居る。
もちろん、そんな連中にも最初はもてなしをしていたのだが⋯次第にどうせ依頼は受けないし、最終的に暴言吐いて帰って行くんだから必要無いんじゃね?と思う様になってからは一部(グレモリーやフェニックス等の親しい人)を除いて何もしなくて良いと言ってあった。
セバスから客の事を聞きながら歩いて行き。
レイ「ここか?」
「支黒レイ様ですか?」
部屋の前に着くと、一人の男に話し掛けられた。
レイ「ん?ああ、そうだが⋯あんたは?」
「失礼しました、私はバアル家の執事でございます」
俺がそう聞くと、男は丁寧に頭を下げ言った。
レイ「バアル?そこは確かリアスとサーゼクスさんの⋯」
「はい、お二人はご親戚にございます」
確か母親がバアルの生まれの為、リアスとサーゼクスさんは滅びの力が有ると言ってたのを思い出した。
レイ「って事は、またサーゼクスさんからの厄介事か?」
俺は、機嫌が悪いのも相まって皮肉混じりに聞くと。
「いえ、サーゼクス様にはレイ様を紹介していただいたと、我が主は申しておりました」
レイ「紹介⋯ね、で?中に居るのか?」
「はい、ございます」
レイ「まあいいや、入るぞ?」
「はい」
ガチャ
俺は執事の了承を得て扉を開け中に入ると、中に居たのは純血悪魔には、それも貴族には似つかわしく無い程にごつい体格の男が居た。
レイ「待たせたな」
「いえ、突然来たのはこちらですので」
俺がそう言うと、男は立ち上がり丁寧な口調でそう言った。
レイ「⋯そうか⋯それで?お前がバアル家の?」
「はい、サイラオーグ・バアルと申します」
俺は貴族でしかも純血の悪魔がそんな口調で来るとは思ってなかった為、少し驚きながらそう聞くと、その男は自己紹介をした。
レイ「サイラオーグ⋯ね、それで?俺に何の用だ?表に居た執事から聞いたが、サーゼクスさんに言われて来たって?」
サイラオーグ「はい、サーゼクス様から貴方を紹介され、ここに来ました」
レイ「一体何の用だ?」
俺は相も変わらず不機嫌なまま言うが、サイラオーグは気にも止めて居ない。
別に、俺が不機嫌なのはこいつがどうと言う訳では無い、純血のそれも貴族の悪魔が俺に「頼みがある」と言って来る時の用件は二つだからだ。
一つ目は何でも屋の要領で頼み事をしてくる。
二つ目はセラフォルー様やサーゼクスさんと、自分を繋げと言ってくるかのどちらかしか無いからだ。
そして、それを断れば罵詈雑言を浴びせ帰って行くのだ、俺は悪魔になってからそういう手合いが死ぬ程嫌いになった、だから当然機嫌が悪くならない訳がない。
さっきはセラフォルー様の手前、俺も多少不機嫌な程度に抑えたが、内心では貴族の純血悪魔が来たと言う時点でかなり機嫌が悪くなっていた。
そして今回はサーゼクスさんからと言う事もあり、後者では無く前者だと思っていた。
サイラオーグ「実は、貴方に⋯レイ殿にお願いがあって来ました」
レイ「お願いね⋯」(やっぱりな⋯今度は何だ?くだらない会議の護衛か?それとも親族のお守りか?ふざけんな)
俺はもう不機嫌なのを隠す事をやめた、恐らく俺の顔にはデカデカと面倒臭いと描いてあるだろう。
サイラオーグ「はい」
レイ「言ってみろよ?言うだけならタダだ」(護衛だろうが子守りだろうがやらんがな)
サイラオーグ「俺を⋯鍛えて欲しいのです」
レイ「⋯⋯⋯はぁ?」
予想だにしなかった言葉に、俺は変な声を出していた。
サイラオーグ「お願いします」
レイ(⋯何を言ってるんだコイツは?鍛えて欲しい?純血のそれも貴族の悪魔が?俺に?
しかも⋯いくら俺がセラフォルー様の女王とは言え、頭を下げているだと?)
今まで頼みに来た奴等は皆上から目線で「やらせてやる」と言う態度の者ばかりだった。
それなのに⋯サイラオーグは俺に頭を下げて来た。
サイラオーグ「⋯?レイ殿⋯?」
レイ「⋯⋯⋯ああ⋯聞いている⋯少し待て」
俺は少し動揺しているとサイラオーグは不思議そうに言った。
そんなサイラオーグに俺はなんとかそう言い、なんとか考えを纏め始める。
レイ(何が目的だ⋯?あっ!思い出した、確かコイツはバアル家の出来損ないとか呼ばれてた奴か!確か純血の悪魔なのに魔力を一切持たないとかで"無能"とかって言われてたっけか⋯。
なるほどね、だから純血のくせにこんなに良い体格をしてるのか⋯だとしても、ただ鍛えて欲しいってだけで俺に頭まで下げてるのか?)
当然サイラオーグには他の思惑など一切無く、純粋にレイに鍛えて欲しい⋯ただそれだけの為にここに来て、頭を下げてるのだが⋯。
レイがただ相手の言葉を鵜呑みにする事は無い、どんな言葉だろうと必ず裏があると疑いながら、見て、聞いている。
だが、レイがそうなるのも仕方の無い事だった、レイに話し掛けてくる者、特にレイに対して敬称を着けたりして下手に出てくる者は皆、何かしらの思惑を持って来ていたから。
だから、他に何の思惑も無い真っ直ぐな想いにも、レイはここまで考え、疑い、探ってしまう。
相手が何かしらの企みを持っていれば、何時だって正面から論破し、実力行使に出たものは切り伏せてきた。
そんなレイにとってサイラオーグは完全にイレギュラー。
何の思惑もなければ、裏で何かを企んでる訳でも無い。
更には、付き合いの長いソーナやリアス達グレモリー、グレモリー程ではないが親しいフェニックスやアガレスの感じともどこか違う。
レイにとって⋯そんな相手は始めてだった。
だから―――
レイ(ああ!!分からねぇ!?何なんだこれは!?コイツからは嘘をつかれてる感じもしない、本当にそれだけなのか!?)
レイがこうなるのも仕方の無い事だった。
サイラオーグ「あの⋯大丈夫ですか?先程から、その⋯表情が優れない様ですが⋯」
レイ「あ⋯?ああ⋯大丈夫」
そうサイラオーグに言われて、俺は自分が動揺し、それが顔に出ている事に初めて気付いた。
俺はなんとかそう言い、軽く深呼吸をして落ち着いた。
サイラオーグ「そうですか、なら良かったです」
俺の言葉にサイラオーグはホッとした様にそう言って、ソファに座り直した。
レイ「それで⋯だ」
サイラオーグ「はい」
レイ「⋯⋯⋯ああ!もう面倒臭ぇ!!おい、サイラオーグ!!」
サイラオーグ「は、はい⋯何でしょうか?」
話しを再開しようにも、頭の中に次々と色々な考えが出て来てしまう、どんなに考えても分からない。
気付けば俺は、それを大声で口に出し、サイラオーグに対して⋯
レイ「一体、お前は何が目的なんだ!?」
直接聞いていた。
サイラオーグ「ですから、貴方に俺を鍛えて欲しいのです」
レイ「だから!それは表面上の話しだろ?俺が聞いてるのは⋯何を企んでるかって事だよ!!」
サイラオーグ「企み⋯ですか?その様な物は何も⋯」
変わらず鍛えて欲しいと言うサイラオーグにおれがそう言うと、サイラオーグは何の話しだ?とでも言う様に首を傾げた。
レイ「何も⋯無いって?ただ純粋に鍛えて欲しい、本当に⋯ただそれだけなのか?」
サイラオーグ「はい、そうです!」
改めて俺がそう聞けば、真っ直ぐな眼でそう答えた。
レイ「それだけの為に⋯お前は⋯頭まで下げたのか⋯?純血悪魔のお前が⋯人間の転生悪魔風情の俺に?」
俺は、頼みに来た連中を断った時に必ず言われる『人間の転生悪魔風情が』と言うその言葉を敢えて使いサイラオーグにそう聞くと。
サイラオーグ「フフフッ、ハハハハッ」
レイ「⋯何が可笑しい?」
突然笑いだしたサイラオーグに、俺は殺気を込めてそう言うと。
サイラオーグ「ああ⋯申し訳ない、余りにもサーゼクス様から言われた通りだった物で」
レイ「サーゼクスさんから?何を言われたって?」
サイラオーグは謝罪と共にそう言った、その言葉に俺は嫌な感じがしたのでそう聞くと。
サイラオーグ「先程も言った様にサーゼクス様に相談に行って、貴方を紹介していただいた、その時に言われたのです」
サイラオーグはそう言って、ここに来る前の事を話し出した。
セバスはオーバーロードのセバス・チャンです。
作者の好きな執事キャラ一位なので、支黒家の執事長はセバスにお任せです。