俺は魔王の女王で魔王の妹は俺の女王で婚約者   作:黒幻

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新元号おめでとうございます。
令和もよろしくお願いします!!

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再開、そして…

レイ「…んっ……あれ……ここは?…」

 

俺は目が覚めると知らない場所に居た。

 

レイ「えっと…確か…怪物に…ッ…蒼那!えっ…」

 

俺は目覚める前の事を思いだし、ベッドから飛び出そうとしたのだが…

 

レイ「セラ…さん?」

 

椅子に座ってるセラさんが、俺の足にもたれる様にして眠っていた。

 

セラ「……んっ…んん…んふふ~…ソーナちゃん…レイくん…」

 

レイ「えっと…これは…何で…?」

 

気持ち良さそうに寝ているセラさんに、俺が戸惑っていると、扉が開き誰かが入って来た。

 

ソーナ「お姉様、そろそろお仕事の時間で……レイ…君…?」

 

レイ「蒼…那…」

 

入って来たのは蒼那だった、どうやらセラさんを起こしに来たらしいが、俺を見ると目を見開いて固まった。

 

ソーナ「レイ君!レイ君!!」

 

レイ「おっと…蒼那…」

 

蒼那はそう言いながら俺に抱き着いて来た、俺はそんな蒼那を優しく抱きとめた。

 

ソーナ「良かった…本当に…良かった…」

 

蒼那は泣きながらそう言った。

 

セラ「んんっ…ソーナちゃん…?」

 

するとセラさんが起きてしまった。

 

レイ「あっ…おはようございます。すみません…起こしてしまって」

 

セラ「うん、おはようレイ…君……レイ君!?」

 

俺は挨拶をして、起こした事を謝った。

セラさんも最初は普通に挨拶をしたが、俺を見た瞬間大声で叫んだ。

 

レイ「あっ…はい、そうです」

 

俺はついそんな事を言った。

 

セラ「レイ君…良かった…目が覚めたんだね…」

 

すると、いきなり目尻に涙を浮かべながらそう言った。

 

レイ「はい…えっと…それで…これはどういう…」

 

セラ「良かった…良かったよ~」

 

ソーナ「レイ君…レイ君…」

 

俺は良く分からずにそう聞くが、二人は共に俺に抱き着いて泣き止まない。

 

―――――――――――――――――――

 

レイ「もう大丈夫ですか?」

 

ソーナ「うん…ごめんね…」

 

セラ「うん…ありがとう…」

 

それから二十分程が立ち、俺がそう問い掛けると、二人はようやく泣き止みそれぞれそう言った。

 

レイ「良かった…それで…ここは一体…それに…」

 

セラ「うん、レイ君の言いたい事は解ってるよ、でも説明はちょっとだけ待ってね?今回の件で呼ばなきゃいけない人がいるから」

 

俺は言葉が上手く纏まらずにいると、セラさんがそう言った。

 

レイ「……分かりました…」

 

本当は今すぐにでも知りたかったがセラさんがそう言うなら、待った方が良いのだろうと思い、そう返した。

 

セラ「うん!じゃあ今から呼ぶから、ソーナちゃんと一緒に少しだけ待っててね♪」

 

レイ「はい」

 

セラさんの言葉に俺がそう返すと、セラさんは部屋を出ていった。

 

ソーナ「レイ君…」

 

レイ「蒼那…良かった…怪我は無さそうだね」

 

蒼那の声に俺は改めて蒼那を見て、そう言った。

 

ソーナ「うん…レイ君が…守ってくれたから…」

 

レイ「そっか…それなら良かったよ…本当に…」

 

蒼那の言葉に俺は心から安堵した。

 

ソーナ「レイ君…ごめんね…私…私…」

 

すると蒼那はいきなり泣き出し、俺に謝って来た。

 

レイ「蒼那…?どうした?何で泣くんだ?」

 

俺は訳が分からず、戸惑ってしまった。

 

ソーナ「だって…私のせいで…レイ君が…」

 

蒼那は泣きながらもそう答える。

 

レイ「蒼那、それは違うよ…あれは俺が勝手にやった事だから、俺の方こそ…恐い思いさせてごめんね?」

 

俺は蒼那の頭を撫でながらそう言った。

 

ソーナ「そんな事無い!!レイ君は私を守ってくれた…でも…私は何も出来なかった…」

 

蒼那は大きな声でそう言うと、また俯いてしまった。

 

レイ「蒼那…」

 

そんな蒼那に俺は何を言えば良いのか分からなかったので蒼那を思い切り抱きしめた。

 

ソーナ「っ…レイ君…!?」

 

すると蒼那は顔を赤くしながら、こちらを見た。

 

レイ「………」

 

しばらく俺が何も言わずにいると、蒼那も俺の背中に腕を回して来た、俺は更に強く抱きしめ返した。

 

レイ「蒼那…本当に無事で良かった…」

 

ソーナ「うん…レイ君も…無事で良かった…」

 

少ししてから俺は蒼那を見てそう言うと、蒼那もこちらを見てそう言った。

 

二人「ふっ…あははっ」

 

目が合って少しすると、俺たちは二人して笑った。

 

―――――――――――――――――――

 

セラさんが部屋を出ていってから一時間程が経ち、俺と蒼那が仲良く話をしていると。

 

セラ「ごめんね~二人共、少し遅くなっちゃった」

 

セラさんがそう言いながら部屋に入ってくる、その後ろには知らない人が二人居た。

 

ソーナ「お姉様、お帰りなさい」

 

レイ「お帰りなさいセラさん…後ろの人達は…?」

 

俺達はそう返し、その後に俺がセラさんにそう聞くと。

 

セラ「うん、紹介するね、男性の方がサーゼクスちゃんで、二人の女性の方がリーシアちゃんとグレイフィアちゃん」

 

セラさんの言葉の後に三人が前に出た。

 

サーゼクス「やあ、初めましてだねレイ君、僕がサーゼクスだ、よろしくね」

 

リーシア「初めまして、私がリーシアです、よろしくお願いします、レイ様」

 

グレイフィア「初めまして、私がグレイフィアです、よろしくお願い致します、レイ様」

 

レイ「あっ、はい…えっと…レイです、よろしくお願いします…」

 

二人の挨拶に戸惑いながらも、俺はそう言った。

 

サーゼクス「さて…そう言えばセラフォルー、彼にはもう話したのかい?」

 

セラ「ううん、二人を呼んでからって言ったから、まだ何も」

 

サーゼクス「そうか、では…レイ君」

 

レイ「はい、何か?」

 

二人で何かを話していたと思ったら、サーゼクスさんが真剣な表情で俺に話し掛けて来た。

 

サーゼクス「君は…目を覚ます前の事をどの位覚えているかな?」

 

レイ「えっと…蒼那と一緒に院に帰ったら、そこに怪物がいて…」

 

サーゼクスさんの質問に、俺は最初の事から気を失う寸前の事までを話した。

 

サーゼクス「そうか…うん、ソーナ君の報告と同じだね」

 

グレイフィア「はい、しっかり覚えてる事から見ても、記憶障害なども無さそうです」

 

サーゼクスさんがそう言うと、グレイフィアさんはそう言った。

 

サーゼクス「それで、君はその怪物をどうやって倒したんだい?」

 

レイ「えっと…神器?とか言うのを使って…あっ、後ギルが戦いかたを教えてくれて」

 

サーゼクスさんの質問に、俺はありの儘に答えた。

 

セラ「ギル…って言うのは?」

 

レイ「俺の神器の中?にいた人です」

 

セラさんが聞いて来たので俺は素直に答えた。

 

サーゼクス「そうか…ありがとう、君の神器についてはまた今度聞くとしよう、それより今日は…」

 

セラ「うん…そうだね…」

 

サーゼクスさんが再び真剣な顔でそう言うと、セラさんは元気が無くなり、俯いてしまった。

 

レイ「セラさん?どうしたの?」

 

俺がそう聞くと、セラさんがいきなり抱き着いて来てこう言った。

 

セラ「レイ君…よく聞いてね?」

 

レイ「はい」

 

セラさんの言葉に俺は頷いた。

 

セラ「あのね…レイ君は…一度死んでるの…」

 

レイ「えっ…でも…生きてますよ?」

 

セラさんの言葉に驚きながらもそう返すと。

 

サーゼクス「まずは僕達の事から話そうか」

 

セラ「うん…実はねレイ君、私達は人間じゃ無いの」

 

レイ「えっ…」

 

セラさんがそう言うと五人の背中から翼が出てきた、それを見て俺は驚く事しか出来なかった。

 

セラ「私達は悪魔なの、それでね…私達の技術に悪魔の駒って言う物が有るの」

 

レイ「悪魔の駒?」

 

セラ「うん、それを使うと人を悪魔に転生させる事が出来るの…それでね私は一度死んじゃったレイ君をそれを使って生き返らせたの…転生悪魔として…」

 

セラさんは顔を俯かせ申し訳なさそうに説明してくれた。

 

レイ「そうなんだ…だから俺は…生きてるんだ…」

 

セラ「うん…今まで黙っててごめんね…」

 

俺の呟きにセラさんはそう言った。

 

レイ「どうして謝るんですか?」

 

セラ「えっ…」

 

俺がそう言うとセラさんは驚きの声を上げた。

 

レイ「だってセラさんは俺を生き返らせてくれたんですよね?」

 

セラ「うん⋯」

 

更に続けた俺の言葉にセラさんは頷く。

 

レイ「だったら!セラさんには感謝しかないですよ」

 

セラ「レイ君…」

 

俺がそう言うと、セラさんの目に涙を浮かばせる。

 

レイ「俺は…今までずっと一人で…生きてても何も思わなかったんです。

でも…意識を失う寸前に思ったんです。死にたく無いって、生きたいって、初めて…そう思ったんです」

 

ソーナ「っ…レイ君!レイ君は一人じゃないよ!私もお姉様もいるよ!!」

 

セラ「そうだよ!レイ君はもう一人じゃないよ?」

 

俺がそう言うと、蒼那が俺に抱きつき、そう言ってくれた。

 

レイ「うん、俺がそう思えたのは二人のお陰だよ、二人が居てくれたから…俺はそう思える様になったんだ…」

 

ソーナ「本当に…?」

 

レイ「うん」

 

俺が思いを伝えると、蒼那に聞かれたので俺は笑顔で頷いた。

 

セラ「レイ君…ありがとう」

 

レイ「俺の方こそ、ありがとうセラさん」

 

セラ「うん」

 

俺はセラさんの言葉にそう返すと、セラさんも笑顔で頷いてくれた。

 

ソーナ「じゃあ…私の事…怖くない?」

 

レイ「なんで蒼那を怖がるの?」

 

蒼那が俺から離れ、いきなりそんな事を聞いてきたのでそう言うと。

 

ソーナ「だって…悪魔だから…」

 

レイ「そんなの…蒼那は蒼那だろ?怖くないよ、それどころか俺は蒼那もセラさんも大好きだよ?それに話を聞く限り、俺ももう悪魔なんだろ?一緒だな!だから泣くなよ、蒼那」

 

ソーナ「うん…うん…!」

 

蒼那の言葉に俺がそう言うと、蒼那は泣きながらも嬉しそうにしながらまた抱き着いて来た、他の三人も笑っていた。

あれ…俺なんか変な事言ったかな…

 

―――――――――――――――――――

 

それからも話は続いた、俺は四人から色々な事を教えてもらった。

転生悪魔とは何か、眷属とは何か、そして孤児院を経営していたのが悪魔だと言う事、そしてそれは保護を目的としていた事。

 

サーゼクス「と、言う事なんだが、何か質問は有るかな?」

 

レイ「えっと…じゃあ…孤児院の人達で生きてたのは俺だけですか?」

 

サーゼクスさんの言葉に俺は気になっていた事を聞いた。

 

サーゼクス「うん…他は皆…」

 

レイ「そうですか…」

 

セラ「………」

 

俺はサーゼクスさんにそう言った、セラさんもまた俯いてしまった。

俺には別に仲の良い子がいたわけじゃ無い、だから…悲しいかと聞かれても正直解らない。それでも…知ってる人が死んだと言うのは、何か…嫌だった。

 

レイ「それで…あの怪物は何ですか?」

 

サーゼクス「あれは…悪魔だよ」

 

レイ「えっ!?」

 

俺はサーゼクスさんの言葉に驚いた。

 

サーゼクス「ただ、あれは…はぐれ悪魔と言ってね、人間で言うところの犯罪者って感じかな。何より…あのはぐれ悪魔は力に溺れてしまった…」

 

レイ「力に…?」

 

サーゼクス「うん、でも安心して良い。主との関係がちゃんとしていればそんな事にはまずならないからね」

 

サーゼクスさんの言葉に俺はそんな事が有るのかと驚いていると、サーゼクスはそう言ってくれた。

 

レイ「分かりました、もう一つだけ良いですか?」

 

サーゼクス「構わないよ、何かな?」

 

レイ「セラさんとサーゼクスさん、二人は一体…何者なんですか?」

 

俺は最後に一番聞きたかった事を聞いた。

だってさっきから飲み物を持って来たりした人達は敬語で話してるし、凄く偉そうなお爺さんも頭を下げてたし…

 

サーゼクス「ああ、僕らは…」

 

セラ「よくぞ聞いてくれたね☆レイ君!」

 

レイ「セラさん?どうしたの?」

 

サーゼクスさんを遮って何故かテンションの上がったセラさんが話し出した。

 

セラ「レイ君…私達はね、魔王なんだよ☆」

 

レイ「魔…王?」

 

セラ「そう魔王、つまり一番偉いのよ☆」

 

セラさんは自慢気にそう言った。

 

レイ「そうなんだ…あれ?じゃあ俺は…」

 

セラ「そう!魔王の眷属それも女王になったんだよ☆」

 

レイ「セラさん…今更だけど良かったの…?俺なんかにそんな大事な物を使って」

 

セラさんが自慢気に続ける中、俺が申し訳なさそうにそう言うと。

 

セラ「当たり前だよ、レイ君はソーナちゃんを命懸けで守ってくれたんだから、女王の駒なんて安い物だよ」

 

レイ「セラさん…」

 

セラさんは急に真面目な顔になる。

 

セラ「でもね…一つだけ約束して」

 

レイ「約束?」

 

セラ「そう、もう二度とあんな無茶はしないって。私にとってソーナちゃんは凄い大事だけど…今はそこにレイ君も入ってるんだよ?」

 

レイ「俺も?」

 

セラさんの言葉に疑問で返すと、俺の両肩に手を置いて言った―――そして。

 

セラ「レイ君はもう、私の大事な女王であると同時に、ソーナちゃんと同じくらい大切な弟でも有るんだからね!」

 

レイ「そっか…ありがとう、セラさん」

 

ソーナ「レイ君…泣いてるの?」

 

レイ「えっ?あれ…何でかな、止まらないや…」

 

俺はセラさんの言葉を聞いて、気付いたら泣いていた。

 

セラ「レイ君、私は君の主でお姉ちゃんなんだよ?だから好きなだけ甘えて良いんだよ」

 

それを見たセラさんがそう言いながら抱きしめてくれた。

 

ソーナ「私も…レイ君のお姉さんです、私にだって甘えても良いんですよ?」

 

蒼那も少しだけお姉さん感を出して、同じ様に抱きしめてくれた。

 

レイ「ははっ…蒼那はお姉ちゃんって感じしないかな」

 

ソーナ「なっ…レイ君酷いです!」

 

俺がそう言うと、蒼那は少し拗ねた様に言った。

 

レイ「でも…これからもよろしくね?蒼那」

 

ソーナ「うん」

 

そんな蒼那の頭を撫でながら俺がそう言うと、いつもの蒼那に戻った。

 

ソーナ「そうだ、あのね?レイ君…私は本当はソーナ・シトリーって言うの、支取蒼那って言うのは人間界での名前なの、今まで言えなくてごめんね?」

 

レイ「そうなんだ、それじゃあ改めてよろしくね、ソーナ」

 

ソーナ「うん」

 

そして俺とソーナは改めて挨拶を交わした。

 

セラ「それじゃあ私も、私はセラフォルー・シトリー、今は魔王の名前を継いでセラフォルー・レヴィアタンだよ、よろしくね☆」

 

レイ「よろしくお願いします、えっと…セラフォルー様」

 

セラさんの自己紹介に俺がそう言うと。

 

セラ「うん!でも…公式の場じゃ無い時は、セラお姉ちゃんって呼んで欲しいなぁ~後敬語も使わなくて良いよ」

 

レイ「分かったよ、よろしくねセラお姉ちゃん」

 

セラ「レイ君が…レイ君が遂にお姉ちゃんって呼んでくれたぁ~」

 

セラさんに言われ、そう呼んでみたら、凄く嬉しそうに抱きしめてきた。

 

サーゼクス「では僕達も改めて、僕はサーゼクス・グレモリー、今はセラフォルーと同じく魔王の名を継いでサーゼクス・ルシファーと言うんだ、よろしくねレイ君」

 

リーシア「私はリーシア・ルキフグスです、よろしくお願いします」

 

グレイフィア「私はグレイフィア・ルキフグスです、よろしくお願いします、レイ様」

 

レイ「俺はレイです、よろしくお願いします、サーゼクスさん、リーシアさん、グレイフィアさん。

ところで…リーシアさんとグレイフィアさんはサーゼクスさんのメイドなんですか?」

 

二人とも改めて自己紹介をし、俺は気になって聞いてみた。

 

サーゼクス「いや、リーシアは僕の女王で、同時に妻でもあるんだよ。

グレイフィアはグレモリー家のメイドで、今は僕の補佐と妹の教育係をしてくれているんだ」

 

レイ「妻ってことは…夫婦なんですか?」

 

サーゼクス「うん、その通りだよ」

 

リーシア「はい」

 

レイ「そうなんだ⋯」

 

サーゼクスさんとリーシアさんの関係には素直に驚いた。

 

セラ「ちなみに、見て解ると思うけど、リーシアちゃんとグレイフィアちゃんは双子なのよ。

たまにどっちか分からなくなっちゃうくらい似てるんだよね☆」

 

グレイフィア「はい、私達を見分けられる方は余り居ません」

 

リーシア「グレモリー家でも、サーゼクス様くらいでしょうか?」

 

それは一目で分かったけど、仕えてる家でも間違えられるんだ⋯

 

セラ「そりゃあ、サーゼクスちゃんとリーシアちゃんは夫婦なんだから見分けられて当たり前でしょ☆」

 

グレイフィア「そうですね、私と姉を間違えられる様なら、少なくとも私はサーゼクス様の元には居ないでしょう」

 

セラお姉ちゃんの言葉にグレイフィアさんはそう言った。

まるで、間違えたら許さないとでも言う様に、まあ⋯夫婦なら間違わないよね。

 

レイ「そうですよね、でも⋯」

 

セラ「でも?」

 

レイ「リーシアさんとグレイフィアさんて、全然違いますよ?」

 

グレイフィア「えっ⋯」

 

リーシア「それは⋯本当ですか?」

 

俺がそう言うと、グレイフィアさんは目を見開いて、リーシアさんも驚きながらそう言った。

 

レイ「はい、言葉では上手く言えないですけど⋯なんとなく分かりますよ」

 

セラ「そうなの?う~ん、!じゃあレイ君、目を瞑ってくれる?」

 

レイ「?こうですか?」

 

セラお姉ちゃんに言われ、俺は目を瞑った。

 

セラ「うん☆少しそのままにしててね?リーシアちゃん、グレイフィアちゃん、こっちに来て☆

 

 

良し、目を開けて良いよレイ君☆」

 

レイ「はい」

 

少しして、セラお姉ちゃんに言われて目を開けると。

 

セラ「それじゃあレイ君に問題です、どっちがグレイフィアちゃんでしょうか☆」

 

「あの⋯これは⋯」

 

「流石に⋯」

 

そこには、服装はもちろん、髪型、立ち方、表情、全てが同一人物と言っても過言では無い二人の女性が立っていた。

 

サーゼクス「これは⋯正直に言って、知っていなければ僕でも解らないかも知れないな⋯」

 

セラ「さあレイ君?ど~っちだ?」

 

レイ「右です」

 

『えっ⋯』

 

セラ「嘘⋯」

 

サーゼクス「凄いな⋯」

 

ギル(!こいつ⋯そうか、なるほどな⋯()()にも目覚めていたか。

まだ自覚が無いからか、力が弱いからか、どちらにせよ今はこの程度。

だが⋯使いこなせれば⋯)

 

俺が即答すると全員が固まった。

 

レイ「あれ⋯違いました?」

 

グレイフィア「いいえ⋯正解です、私がグレイフィアです」

 

間違えたのかと思いそう言うと、右に立っていた女性がそう言った。

 

セラ「も、もう一回!レイ君、目を瞑って?」

 

レイ「はい」

 

セラお姉ちゃんは少し興奮気味に言った。

 

セラ「じゃあ⋯今度は⋯

 

「良し⋯レイ君良いよ☆二人とも、喋るのも駄目だからね?」

 

レイ「はい」

 

目を開けると、さっきと同じ光景が目に入る、違う所があるとすれば、今度は髪を下ろしてる事くらいだ。

 

セラ「さあレイ君?今度は見た目でしか判断出来ないよ?ど~っちだ☆」

 

レイ「また右ですよね」

 

全員『⋯⋯⋯』

 

俺はさっきと同じ様に即答すると、今度は全員が言葉を失った。

 

レイ「えっ⋯と」

 

ソーナ「すっ~ご~~い」

 

レイ「ソーナ?」

 

誰も何も言ってくれない中で、ソーナが大声でそう言った。

 

ソーナ「凄い!正解だよ、レイ君!」

 

レイ「良かった、合ってたんだ」

 

ソーナはハイテンションて俺の手を掴んで、振り回しそう言った。

 

リーシア「あの⋯」

 

レイ「はい?」

 

リーシア「何故⋯その⋯⋯なぜ⋯解るのですか?先程は口では説明出来ないと言っていましたが⋯」

 

レイ「そう言われても⋯なんと無く、としか⋯」

 

リーシア「そう⋯ですか⋯」

 

リーシアさんにそう聞かれるも、正直俺もよく分からない、本当になんと無く分かるくらいだ。

 

グレイフィア「⋯⋯⋯///」

 

レイ「どうしました⋯?グレイフィアさん⋯」

 

俺は黙ってしまったグレイフィアに声を掛けた。

もしかして、こんな実験みたいにされて怒っちゃったのかな⋯顔も少し赤いし⋯

 

グレイフィア「い、いえ⋯驚いているだけです⋯先程サーゼクス様も仰っていましたが、私達が服装や髪型や表情を同じにした場合、サーゼクス様すら見分けられない時があります。

なのに⋯貴方にとっては今日初めて会った私達を見分けられるとは思わなかった物でして⋯」

 

リーシア「そうね⋯」

 

グレイフィアさんがそう言うと、リーシアさんも同意する様に言った。

 

サーゼクス「本当に驚いたね⋯」

 

セラ「うん、私も解るとは思わなかったよ⋯」

 

ソーナ「凄い凄い!!」

 

そして、セラお姉ちゃんとサーゼクスさんがそう言う中、ソーナだけは俺の手を取ってはしゃいでいた。

 

 

 

サーゼクス「おっと、もうこんな時間か…セラフォルー、僕達はそろそろ失礼するよ」

 

セラ「そうなの?」

 

サーゼクス「ああ、まだ仕事も残ってるからね」

 

セラ「分かった、今日はありがとうね☆三人共」

 

サーゼクス「構わないよ、それじゃあねセラフォルー、ソーナ君、レイ君、行こうかリーシア、グレイフィア」

 

グレイフィア「はい、サーゼクス様」

 

リーシア「では⋯失礼致します」

 

セラ「うん、またね☆」

 

ソーナ「はい」

 

レイ「はい、ありがとうございました」

 

そう言ってサーゼクスさんとリーシアさんとグレイフィアさんは帰っていった⋯と思ったら、グレイフィアさんが入り口で立ち止まり。

 

グレイフィア「⋯レイ様」

 

レイ「はい?」

 

俺に声を掛けた来た、何かと思い首を傾げると。

グレイフィアさんは俺の元に近寄って来て。

 

グレイフィア「姉と私、見分けて頂き⋯とても嬉しかったです、ありがとうございました」

 

俺の耳元で、小声でそう言った。

 

レイ「い、いえいえ!こちらこそ、実験みたいにしちゃってすいませんでした」

 

グレイフィア「いいえ⋯そんな事ありません、殆どの方が私を姉と間違えるのに⋯貴方は間違う事なく私を選んでくれました。

本当に⋯本当に、嬉しかったです」

 

俺がそう言うと、グレイフィアさんは小さく首を振り笑顔でそう言った。

 

レイ「そ、そうですか、なら⋯良かったです」

 

グレイフィア「はい///では⋯失礼しますね」

 

そして、グレイフィアさんも部屋を出ていった。

 

 

 

レイ「あれ…」

 

ソーナ「レイ君!?どうしたの」

 

セラ「疲れちゃったんだね…病み上がりだったのにごめんね?レイ君」

 

俺は三人が出ていってすぐにベッドの上に倒れてしまった。

 

レイ「いえ…大丈夫です」

 

セラ「今日はゆっくり休んでね、私達も行こう?ソーナちゃん」

 

ソーナ「はい…レイ君…また明日ね?」

 

二人が俺を気遣い出ていこうとするが。

 

レイ「待って…二人共…」

 

そんな二人を引き止め、辛いのを我慢して身体を起こす。

 

ソーナ「レイ君!?」

 

セラ「無理しちゃ駄目だよ!」

 

二人は心配してくれるけど、俺はどうしても二人に伝えたい事があった。

 

レイ「セラフォルー様そしてソーナ、俺を孤独から救ってくれてありがとうございました。

俺はこれから魔王セラフォルー・レヴィアタン様の女王としてセラフォルー様の為に命を懸けて働き、忠誠を尽くします。

そして、どんなことがあってもセラフォルー様とソーナを必ず守っていきます、だから…これからも…よろしくお願いします」

 

俺は二人に頭を下げた、正しい作法なんて知らないからただ頭を下げただけだ。

 

セラ「レイ君…ありがとう、こちらこそよろしくね、私の女王」

 

ソーナ「そうです…私の方こそよろしくお願いします、でも…次からは守られるばかりじゃ無いからね…?レイ君」

 

二人はそう言って、もう一度俺は抱きしめて、ベッドに戻してくれた。

そして二人が出ていくと同時に、俺の意識は無くなった。

 

―――――――――――――――――――

 

レイ「んっ…ここは?」

 

「ここはお前の精神世界だ」

 

俺は眠ったはずなのに気付いたら真っ白な空間に居て、後ろから聞き覚えのある声がしたので振り向くと。

 

レイ「ギル」

 

ギル「生きてて何よりだ、我の宿主よ」

 

そこに居たのはやはりギルだった。

 

レイ「ギル…改めてお礼を言わせて…ありがとう、ギルのお陰でソーナも俺も生きてるよ」

 

ギル「お前は一度死んだがな」

 

レイ「そうだけど…」

 

俺はギルにそう言うと、ギルは笑いながらそう返してきた。

 

レイ「ところで、何で俺はここに?」

 

ギル「我が呼んだからだが?」

 

レイ「何でわざわざ?確か話しだけならあっちでも出来るんじゃ無いの?」

 

確かその筈だギルが死ぬ前にそう言ってた記憶があるし。

 

ギル「ああ、そうなんだがな…理由は二つだ、一つ目はお前を鍛える為で、二つ目は俺はお前以外と話すつもりは無い」

 

俺の質問にギルは淡々と答える

 

レイ「鍛えてくれるの?」

 

ギル「ああ、但し此処で出来るのはあくまで知識を鍛える事だ、戦術に武器や神器を使っての戦い方、それだけだ、それを実戦で使いこなせるかは現実でのお前次第だ、だからお前はそれらの勉強は此処でして現実では身体を鍛えろ」

 

レイ「身体を鍛えるだけで良いの?」

 

ギルの言葉にそれだけ?と思いそう聞くと。

 

ギル「そうだ、簡単に言えば感覚や知識はこっちで覚えた物を持ち帰れるが、肉体の方はいくら此処で鍛えたとて向こうには反映されないからな、それに…守るのだろう?あの二人を」

 

レイ「うん…守るよ、絶対に!」

 

どうやらギルは俺の目的に力を貸してくれるらしい。

 

ギル「ならばやれ」

 

レイ「分かった、ところでもう一つの理由は何で?」

 

ギル「奴等は立場を弁えぬ不届きな輩だからだ」

 

俺がそう聞くと、ギルは忌々しそうに答えた。

 

レイ「輩?」

 

ギル「お前には前に三つの武器をやった時に言っただろ?他にもあったと」

 

レイ「そう言えば…今では他の人の手に有るとか言ってたね」

 

俺はあの時の会話を思い出した。

 

ギル「この世のありとあらゆる物は全て元は我の物だった、聖剣も魔剣もこの世界では神滅具(ロンギヌス)と呼ばれる物まで全てだ、それを我の死後人間も悪魔も天使も堕天使も、そしてそれ以外の全ての種族も我の宝物庫を勝手に開き漁り、強奪して行った、その様な輩と会話などする気は無い」

 

レイ「そうなんだ…確かにそれは怒って当然だね」

 

ギルは相当に不愉快なのだろう、凄い剣幕で怒鳴っていた。

 

ギル「そうだろう?だがお前は別だ、我を宿らせたんだ…ちゃんと面倒を見てやるさ」

 

レイ「ありがとう…ギル」

 

ギル「ふんっ」

 

ギルの有難い言葉に俺はお礼を言った。

 

レイ「ところで…もしかして俺を鍛えて、財宝を取り戻させようとしてる?」

 

ギル「いや、心底忌々しいが…今の(おれ)では使えんからな…お前の好きにすれば良いさ、それに全て無くなった訳では無い、特に()()()は決して見付からない様にしてあったしな」

 

レイ「()()()って?」

 

ギルは俺に取り戻せとは言わなかった、だが最後の言葉が気になり聞いてみると。

 

ギル「さあな、お前がもっと力を付ければその内解るさ」

 

レイ「…そっか」

 

ギルは"あれら"と言った物については答える気が無い様なので、俺もそれ以上の追及は止めた。

 

ギル「とにかく、お前はお前の目的を果たす事だけを考えていれば良い、分かったな」

 

レイ「うん、じゃあ改めて…これからよろしくね、ギル」

 

ギル「ああ、とりあえず今日は休め、ただし明日からは覚悟しておけよ?」

 

レイ「うん」

 

そうして視界が暗くなり始め、俺は完全に眠りについた。

 

 

ギル「強くなれ、そしていずれ…」

 

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