この章はご都合主義ここに極まれりな展開になると思います。
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【6歳】もう一人の幼馴染みと親子
数ヶ月前、俺の世界は一変した。
産まれてからの5年間、俺はずっと一人だった…親も知らない、友達もいない、正真正銘の孤独だった。そして…それはいつしか…当たり前になっていた。
でも…そんな俺を救ってくれた人が二人いた。
それが、セラフォルー・レヴィアタン様とソーナ・シトリーの姉妹。
二人は、俺が知らなかった事を色々と教えてくれた。
誰かといる事の楽しさ。
誰かと遊ぶ事の楽しさ。
誰かと食べるご飯の美味しさ。
そして何よりも…二人と居る時だけは、俺も笑顔になれた。
気付けば…二人は俺の中で、何よりも大切な存在になっていた。
だから…俺は決めたんだ。
例え何があろうと、二人の為なら…俺はどんな手を使ってでも、必ず守ると。
その結果、俺が死ぬことになったとしても…構わないと。
俺はあの日、そう決めて…誓ったのだから。
―――――――――――――――――――
あれから一年が立った。
あの日の翌日から、俺の一日は凄い勢いで変わっていった。
学も力も何も無い、唯一あるのは神器のみ。
はっきり言って"無価値"それが周りからの俺に対する評価だった。
中には、そんなのがセラフォルー様の…魔王様の女王と言う立場に居る事を不快に思ったのだろう、正面から罵詈雑言を浴びせて来る奴も居た。
でも…それはもう遅い。
その時にはもう既に…俺は自分の道を決めていたのだから。
例えそれが、どれだけ困難で厳しくても…成し遂げて見せると。
そして必ず、セラフォルー様の役に立ってみせると、その為に必要な事なら何でもやると。
だから、俺が折れる事は決して無い。
そして、翌日より始まったのが…勉強と修業の日々。
ギルからは身体を鍛えろと言われたのを思い出し、ランニングや筋トレ等々思い付く物は全てやった。
勉強の方はソーナと共に、シトリー家の教育係りから教えられた。
そして、夜になり眠りにつけば、ギルに呼ばれ目覚めるまで武器や神器の扱いと共に戦術を徹底的に叩き込まれる。
それが、俺の一日。
当然、最初はどれもまともに出来る訳がなかった。
それでも、俺は決して諦める事も弱音も吐く事はなかった。
当然だ。そんな事をすれば俺だけでなく、セラフォルー様はもちろんソーナやそんな俺を何も言わずに受け入れてくれたシトリー夫妻が矢面に立たされるからだ。
セラフォルー様を魔王と言う立場から引き摺り下ろしたい奴やシトリー家に不満がある奴からしたら、俺は必ず汚点として映る筈だから。
ただ、シトリー夫妻についてはびっくりした…なにせ挨拶をと部屋に呼ばれたので向かうと、何故かいきなり俺に頭を下げ「ソーナを助けてくれて本当にありがとう」と、お礼を言われたからだ。
それに対して俺がどうすれば良いのか分からずにいると、二人が俺を抱きしめてくれた。
そしてその時に私達二人を親だと思ってくれて良いと、ここを自分の家だと思ってくれて良いと、そう言ってくれたから。
だから俺は俺に出来る事は何だってするし、周りの声なんか関係無い。
それから日を追う毎にセラフォルー様、ソーナ、シトリー夫妻の四人が俺の中で大切で、大きな存在になっていくと同時に、俺はこの人達の役に立てる様になるのだと、そんな思いがどんどん強くなった。
夫妻からは「レイ君の立場は色々と面倒で大変だろうけど決して君は一人じゃない、いつでも私達やセラフォルーに甘えなさい」と言ってくれた。
その言葉に俺が思わず泣いてしまうと、二人はまた抱きしめてくれた。
だから、どんなに馬鹿にされようと見下されようと俺は諦めたりしない。
全てはセラフォルー様、ソーナ、夫妻、四人の為に。
俺はそれだけを原動力にして、毎日毎日そんな日々を繰り返していた。
次第に自分でも分かる成果が出てくる、ランニングは時間内で距離が伸び、勉強で解らない所を質問する回数は減り、ギルからも「良い感じだ、だが此方でも彼方でも、手など決して抜くなよ?」等と、注意混じりに褒められたりと。
少しずつだが、確かに成長していった。
―――――――――――――――――――
そして今、俺はセラフォルー様に呼ばれ執務室に来ていた。
レイ「失礼します、セラフォルー様」
セラ「来たね☆レイ君」
ソーナ「レイ君!」
中に入るとセラフォルー様は笑顔で手を振り、ソーナが抱き付いて来た。
レイ「おっと…ソーナも呼ばれたのか?」
ソーナ「うん、リーアちゃんの所に行くんだって」
ソーナを抱き留めそう聞くと、嬉しそうに笑いながら頷きそう言った。
レイ「リーアちゃん?」
セラ「リーアちゃんって言うのはリアスちゃんの愛称でね、サーゼクスちゃんの妹なのよ」
レイ「サーゼクスさんの」
俺がそう聞くと、セラフォルー様が答えてくれた。サーゼクスさんにも妹が居たんだ。
レイ「でも何で俺まで?」
セラ「ソーナちゃんにはリアスちゃんに会いに行くって言ってあるんだけど、実際は人間界でのお仕事なの」
レイ「そうですか」
友達の家に遊びに行くのになぜ俺も?と思ったが、どうやら仕事らしい。
セラ「それでね?レイ君には私達が仕事してる間、二人の護衛兼遊び相手を頼みたいの、良いかな?」
レイ「もちろんです、任せて下さいセラフォルー様」
セラフォルー様の頼みに、俺は迷わずそう言った。
セラ「うん☆それじゃあ行こうか」
レイ&ソーナ「はい」
セラフォルー様の言葉に、二人揃って返事した。
―――――――――――――――――――
人間界に転移してから、少し歩くと目的地に着いた。
サーゼクス「やあセラフォルー、それにレイ君も久し振りだね、良く来てくれた」
中に入ると、俺達に気付いたサーゼクスさんに話し掛けられた。
レイ「お久し振りです、サーゼクスさん」
サーゼクス「ああ、それにしても君は相変わらずだね、僕を"さん"と呼んでくれる」
俺がそう返すと、サーゼクスさんは笑顔でそう言った。
レイ「はい、俺が"様"と言う敬称で呼ぶのはセラフォルー様だけと決めてますから。たとえ相手が誰だろうと」
俺はセラフォルー様以外を"様"と言う敬称で呼んだ事は一度もない、それがサーゼクスさんや他の魔王だろうと。
サーゼクス「そうか、出来ればこれからもそう呼んでくれると嬉しいよ、当たり前では有るんだけどね…周りは誰もが僕を魔王様として接して来るから、レイ君の様な存在はありがたいよ」
レイ「そうですか、なら良かったです」
俺の言葉に、サーゼクスさんは本当に嬉しそうにそう言った。
セラ「私だってプライベートではお姉ちゃんって呼ばれてるもん」
レイ「いきなりどうしたんですか?」
何故か頬を膨らませ、対抗するかの様にセラフォルー様は、いきなりそう言った。
それに、俺がそう聞くと、サーゼクスさんが俺の耳元に来て―――
サーゼクス「そうなのかい?」
レイ「ええ…まあ…一応、そう呼ばないと返事してくれないので…」
サーゼクス「レイ君も大変だね…」
小声でそう聞いてきたので、俺も小声で言うと、サーゼクスさんは苦笑いしながら返事してくれた。
セラ「もう!何を二人だけで話してるのさ!レイ君は私のなんだからね!!」
サーゼクス「分かってるよセラフォルー」
すると、更に頬を膨らませたセラフォルー様は俺の腕に抱き付いてきた。
三人でそんなやり取りをしていると。
ソーナ「サーゼクスさん、リーアちゃんは?」
ソーナがサーゼクスさんに友達の居場所を聞いた。
サーゼクス「リアスなら、もう部屋に居る筈だよ?二人で行って来ると良い」
ソーナ「分かった!レイ君、一緒に行こ?」
サーゼクスさんから妹さんの居る場所を聞いたソーナは俺の腕を取り、可愛らしく首を傾げ言った。
レイ「うん、では失礼します」
俺は、それに頷くと二人にそう言って歩き出した。
サーゼクス「ああ、二人の事を頼んだよ」
セラ「よろしくね☆レイ君☆」
レイ「はい」
二人に言われて俺はソーナに手を引かれて歩きながら二人に顔だけを向けて頷き、返事をした。
ソーナ「ここかな?リーアちゃん居る~?」
ここかな?と言いながらもソーナは躊躇なく扉を開け、そう言った。
リアス「ソーちゃん!!」
ソーナ「リーアちゃん!!」
部屋はどうやら合ってた様で、二人は出会うなり抱き合った。
リアス「後ろの子はだぁれ?」
ソーナ「この子はレイ君だよ、お姉様の女王なの」
暫く抱き合った後、彼女は俺に気付いてソーナに聞くと、ソーナは俺の元に来て、少し自慢気に言った。
リアス「女王!?凄いのね」
ソーナ「そうなの、レイ君は凄いの」
二人からそう言われ、俺は少し恥ずかしかった。
何せ皮肉や嫌味が一切籠ってない純粋な褒め言葉に、俺は慣れてないからだ。
レイ「えっ…と…初めましてリアスちゃん、俺はレイ、セラフォルー様の女王です。よろしくね」
リアス「初めましてレイ、私はリアスよ、よろしくね。それと私の事はリアスで良いわ、それに敬語も要らない」
レイ「良いの?」
リアス「ソーちゃんの友達なら良いの」
レイ「分かった、じゃあ…リアス、よろしくね」
リアス「うん」
リアスの言葉に少し驚いたが、俺はそう言ってくれたリアスと互いに挨拶をした。
グレイフィア「レイ様」
レイ「グレイフィアさん」
グレイフィア「はい、グレイフィアです」
レイ「?知ってますよ?」
後ろから話し掛けられ、俺はその人の名前を呼ぶと、何故かグレイフィアさんは繰り返し言った。
グレイフィア「サーゼクス様達のお仕事が終わるまで私もここに居ますので、何かあれば仰ってください」
レイ「はい、ありがとうございます」
レイ「それで?何して遊ぶの?」
ソーナ「何しよっか?リーアちゃん」
リアス「そうね…じゃあ…トランプでもしましょ?」
何をするのか聞くと、ソーナはリアスに聞き、聞かれたリアスは少し考えてからそう提案した。
レイ&ソーナ「良いね(よ)」
リアス「じゃあ、始めましょう」
そう言って俺達はトランプで遊んだ。
―――――――――――――――――――
あれからトランプやおままごと等三人で遊び続け、気付けば夕方になっていた。
セラ「ソーた~ん、レイく~ん」
そう言いながらセラフォルー様が部屋に入って来た。
ソーナ「お姉様!」
レイ「セラフォルー様、お仕事は終わったんですか?」
セラ「うん☆やっと終わったよ~」
ソーナはセラフォルー様に抱き付き、俺が仕事が終わったのか聞くと、セラフォルー様は凄い疲れた顔で言った。
レイ「お疲れ様でした」
ソーナ「お疲れ様です」
セラ「ありがとう、レイ君☆ソーナちゃん☆あぁ~癒されるよぉ~」
セラフォルー様はそう言いながら、俺達二人を抱きしめてくれた。
サーゼクス「相変わらずだね、セラフォルーは」
リアス「お兄様!」
苦笑しながらサーゼクスさんが入って来ると、リアスも透かさずサーゼクスさんに抱き付いた。
サーゼクス「リーアたん!」
レイ「た…たん……?えっ…」
リーシア「ご苦労様です、レイ様」
サーゼクスさんの変わり様に驚いていると、サーゼクスさんと共に入って来たリーシアさんが何でも無いように言って来た。
レイ「お、お疲れ様です。ところで…あれは一体…もしかして…サーゼクスさん"も"ですか?」
リーシア「はい、その通りです」
まさかと思い聞くと、やはりそうだった…
レイ「そうですか…リーシアさんも大変な様で…お疲れ様です」
リーシア「ありがとうございます、レイ様もいつもご苦労様です」
俺とリーシアさんは互いに互いを労う
レイ「何かあれば、話しくらいなら俺でも聞けますから…いつでも」
リーシア「そうですね…その時はお願いします」
レイ「はい、それと今更ですけど俺にそんな敬称は必要ありませんよ?」
リーシア「いえ、私はメイドですので」
レイ「あれの話をするのにメイドも何も無いでしょう?」
リーシア「そうですね…では、その時はよろしくお願いしますね、レイ君」
レイ「はい」
二人が同じ環境と言う事が分かって、俺達は少し仲良くなった。
その後もお互いに兄と姉が妹を可愛がってる姿を見ながら、俺達は二人揃って溜め息をついた。
セラ「さて、それじゃあ帰ろうか?二人共」
ソーナ「はい」
暫くして満足したセラフォルー様がそう言って、ソーナも笑顔で頷く。
レイ「あっ!」
セラ「どうしたの?」
いきなり声を上げた俺に、セラフォルー様がそう聞いてきた。
レイ「すみませんセラフォルー様、母上から買い物を頼まれてたのを忘れてました」
ここに来る前に、俺は母上からの頼まれ事を思い出した。
セラ「そうなの?じゃあ私達も一緒に…」
レイ「大丈夫です、すぐに買って帰りますので先に帰ってて下さい、行ってきます」
セラ「あっ、レイ君…」
セラフォルー様はそう言ってくれたが、これは俺の仕事だと思い二人にそう言って返事を聞かずに走り出す。
サーゼクス「おや?どうしたのかな?」
リーシア「レイ様?」
グレイフィア「どこかに行かれるのですか?」
部屋を出たところで、セラフォルー様より早く正気に戻ったサーゼクスさん、リーシアさん、グレイフィアさんに声を掛けられた。
レイ「少し用事を思い出しまして。すみませんが失礼しますね、サーゼクスさん、リーシアさん、グレイフィアさん、リアスもまたね」
サーゼクス「そうか、気を付けてね」
リーシア「お気をつけて」
リアス「またね、レイ」
グレイフィア「お供致しましょうか?」
レイ「ありがとうございますグレイフィアさん、でも大丈夫です、いつもの買い物なので」
グレイフィア「そうですか⋯」
レイ「はい、では」
俺は急いでる事を伝えると、グレイフィアさんがそう言ってくれたがいつもの事なので問題は無いと伝え、四人に挨拶を交わしてまた走り出した。
―――――――――――――――――――
レイ「ふぅ、買えて良かった…」
あれから俺は母上から頼まれた物を買う為に走り回った。
母上は人間界にお気に入りの物がある様で、俺は定期的にお使いを頼まれて人間界まで買いに来ている。
レイ「結構時間掛かったからすっかり暗くなったな…早く帰らないと、んっ…何だ…この気配は…?」
俺は買い物を終え帰ろうとすると、妙な気配を感じた。
レイ「行ってみるか…」
急いで帰らないといけないのだが、気になって行ってみることにした。
気配を辿って、たどり着いたのは―――
レイ「ここか?でも、ここって…」
神社だった。
レイ「確か悪魔は入れないんだったけ?なんか結界も貼ってあるし…でもなぁ…」
ギル「レイ」
レイ「ギル?どうしたの?」
俺が一人で唸っていると、ギルが話し掛けて来た。
ギル「確かに悪魔は入れないが、《
レイ「そうなの?じゃあ…」
ギルに言われ、宝物庫から《
レイ「本当に簡単に壊れたな…」
ギル「所詮は人間が作った物だ、今のお前なら何とも無いさ」
俺の呟きにギルがそう言った。
レイ「まあ良いや、とりあえず…おお、本当に大丈夫だ」
ギル「当然だ、前にも言ったがそれは聖剣の原点でもある剣なのだからな、それより良いのか?」
俺は迷いながらも踏み入り、なにも起きない事に少し燥いでいると、ギルがそう言った。
レイ「そうだった、えっと…あっちだな」
ギル「一応は敵地だ、関わるなら顔を隠せよ?」
レイ「あっ、そうだね…そうだ!さっき商店街で貰ったのがあった筈…これでよしっと」
俺はギルに言われ先程貰った変な仮面をつける。
そして、中に入り気配を辿って行くと。
レイ「この辺りから…」
「この子は私の大切な娘、そしてあの人の大切な娘です」
レイ「今のは?」
女性の叫び声が聞こえ、俺はそこに向かって駆け出した。
「朱璃よ、そなたも忌々しき邪悪な黒き天使に心を汚されてしまった様だ…仕方あるまい」
すると、一人の男が子供を庇う女性に向かって刀を構えていた。
「母様!」
レイ「チッ、《
男が刀を降り下ろし少女が叫ぶと同時に、俺は男に向かって《
「ぐっ、何だこれは」
レイ「良し!大丈夫ですか?」
男を拘束したのを確認して、俺は二人に声を掛けた。
「貴方は…?」
レイ「話しは後で、とりあえずこいつをどうにかしないと」
俺は女性にそう言い、男の方に向かう。
「なっ…何だ貴様は!」
レイ「少なくとも、お前の味方じゃあ無いよ」
驚きながらも叫ぶ男に、俺はそう答えた。
「この気配…貴様ッ、あく「黙れ」…くっ」
俺の正体に気付き、口にしようとしたのを強制的に黙らせた。
レイ「じゃあな」
俺は男に向かってそう言い、結界を壊した時と同じ位の力を足に込め、男の頭に向けて足を振り抜いた。
レイ「…あれ…?…えっ!?」
気絶させようとしただけだったのだが、蹴りが当たった瞬間―――男の頭が弾けとんだ。
蹴りの威力に自分でも驚いていると。
ギル『ハハハハハハッ』
頭の中にギルの笑い声が響いた。
レイ『ギル!?なんで!?さっきと同じ様に軽い力でやったのに…』
ギル『当然だ、いくら脆いとは言え…あれは人間が作れる中では上位の結界だ、それを壊せる力で蹴ればそうなるさ。結界と人間じゃあ固さが違うし、何よりお前の一撃はお前の想像よりも遥かに重いからな、ハハハッ』
レイ『マジかよ…』
俺の言葉に当たり前の様に答えるギル、俺は絶句した…
ギル『何だ?人を殺しちゃった…なんて、ふざけた事を言うつもりか?』
レイ『まさか、人間でもそれ以外でも必要なら殺すよ、ただ…今回は意図してなかったからちょっと驚いただけだよ』
ギル『ならば良いさ』
ギルは急に低い声で聞いてきたので俺はそう言った、するとギルはいつも通りに戻り、満足そうにそう言った。
「あの…」
レイ「えっ…ああ」
頭の中でギルと会話していたら、女性に話し掛けられた。
「助けて頂き、ありがとうございました」
「ありがとう…ございました」
女性と少女にお礼と共に頭を下げられた。
レイ「ああ…いや…無事で何よりです」
それに対し、俺がそう言うと。
「本当にありがとうございます、御蔭様で助かりました」
レイ「それなら良かったです」
女性の言葉に、俺は安心してそう言った
「お名前を伺ってもよろしいですか?」
レイ「えっ…えーと…名乗る程の者じゃありません」(言える訳無い⋯だってこの人達、正確には母親の方は人間だけど⋯それでも普通の人間じゃ無い、かなり力が強いし。
なにより⋯子供の方は人間の気配とは別にもう一つ気配があるし⋯)
名前を聞かれるも俺は二人が一般人じゃ無い事を悟った、だから当然素直に言える訳がなくそう答えた。
「そんな事ありません、私達の命の恩人です」
女性は強くそう言った。
レイ「えっと…すみません、これで失礼します」
俺がそう言い、駆け出そうとすると。
ギル『待てレイ』
レイ『ギル?早くしないとボロが出かねないよ!』
ギルに止められ、俺はそう言った。
ギル『落ち着け、お前が殺した男の腰にある武器だが』
レイ『んっ?ああ、あれが?』
ギル『かなりの業物だぞ』
レイ『マジで?』
ギルに言われ、俺は男の腰にある武器を手に取った。
レイ「確かに…」
「それは《斬刀・
レイ「
俺が刀を手に持ち見ていると、女性が教えてくれた。
「はい、我が一族に伝わる、完成形変体刀十二本の内の一本で、この世に斬れぬ物は無いと、そして人を斬れば斬るほど、血を吸えば吸う程速くなると言われています」
レイ「そうなんですか…」
女性の説明を聞き、この人達の持ち物なら返さなきゃなぁ…と思っていると。
「お名前を教えて頂け無いのは残念ですが…助けて頂いたお礼に、よろしければお持ち下さい」
レイ「良いんですか!」
「はい、もちろんです」
俺は女性のその言葉に、食いぎみに言うと、女性は笑顔でそう言った。
レイ「それじゃあ…ありがたく頂きます、ありがとうございます!では…すみませんが、失礼しま…んっ?」
俺はそう言い、今度こそ帰ろうとすると、少女に袖を掴まれ。
「また…会えますか…?」
そう言われた。
レイ「そうだね、きっとまた会えるよ」
「本当に…?」
レイ「うん、その時を楽しみにしてるよ」
「うん…私も楽しみにしてる、助けてくれて…本当にありがとうございました」
俺がそう言うと、少女は最後に笑ってくれた。
レイ「じゃあね」
俺は二人に手を振り、今度こそ駆け出した。
レイ「母親か…」
ギル「………」
少し離れてから、俺はさっきの二人を思い出し、そう呟いた。
レイ「まっ、あの二人が無事で良かったよ」
ギル「…そうだな、でも良いのか?」
レイ「何が?」
俺がそう言いながら走ってると、ギルがそんな事を言って来たので聞くと。
ギル「時間だ、もう9時を過ぎたぞ?」
ギルは無情にもそう言った。
レイ「えっ…嘘だろ」
ギル「本当だ」
レイ「やばい、全然大丈夫じゃねぇよ、怒られる」
俺は全速力で人の居ない所に向かい、家に転移した。
―――――――――――――――――――
少女side
「母様…」
「どうしたの?朱乃」
朱乃「私、絶対にもう一度あの人に会います」
私は母様にそう言った。
「そうね…もし会えたら、ちゃんとお母さんにも紹介してね?」
朱乃「はい、もちろんです」
母様の言葉に、私は笑顔で頷いた。
「朱乃!朱漓!」
母様と話していると、父様が帰ってきた。
朱漓「あなた!」
朱乃「父様!」
私は泣きながら父様に抱き付いた。
「無事で良かった、本当に…良かった」
父様も泣きながら私達を抱きしめてくれた。
ありがとう…必ずまた会って…その時は…。
少女sideout
父「それにしてもこの気配は⋯悪魔か⋯ならばいずれ会う事があるかもしれんな⋯その時は⋯」
男はもし会う事があれば、例え敵として会ったとしても、必ず礼を言おうと決めた。
―――――――――――――――――――
レイ「はぁ…はぁ…」
ガチャ
セラ「レイ君?」
ソーナ「レイ…君」
俺は急いで家に帰り玄関を開けると、セラフォルー様が仁王立ちでソーナは涙目で待っていた。
レイ「あっ…えっと…ただいま…帰りました」
俺はとりあえず帰ってきた挨拶をするが…
セラ「ただいま帰りましたじゃないでしょ!こんな遅くまで何やってたの!!何かあったんじゃないかって心配したんだからね!!!」
ソーナ「レイく~ん、無事で良かった~」
セラフォルー様には怒られ、ソーナには泣きながら抱き付かれた。
レイ「すいませんでした」
その後、セラフォルー様にたっぷり一時間程かけて説教された、ようやく終わったと思いきや遅くなった理由は?と聞かれ、全てありのまま話した所、更に一時間程追加で説教された。
ちなみにソーナには、今夜一緒に寝ると言う事で許された。