これ以上に一話が短くなった場合には、一話に二年分の話しを纏める事もあるかもです…。
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この日俺は、セラフォルー様から「レイ君は少し働き過ぎだから、今日はお休みね☆後、修行もしちゃ駄目だからね☆」と言われ、町に来ていた。
レイ「って言われても…休日って何すれば良いんだ?」
休みに一人で、それも何もしないと言うのは初めての事だった、いつもなら休みの時はソーナやリアスと共にいるか、修行をするかだからだ。
レイ「とりあえず、適当に見て回るか…」
俺はそう呟きながら、歩き出した。
レイ「暇だなぁ…別に欲しい物や行きたい所がある訳じゃないしな…」
「このクソガキ!いい加減にしやがれ!」
宛もなく歩いていると、突然怒声が聞こえた。
レイ「なんだ?」
俺は気になり、声の聞こえた方に向かった。
「がはっ…ぐっ…」
「いつもいつも店の商品を盗みやがって!」
路地に入ると、一人の少年が男に殴る蹴るの暴行を受けていた。
レイ「何をしている?」
「ああッ!?誰だッ…!!あ…貴方は…、セラフォルー様の…」
俺が声をかけると、男は苛立ちながらこちらを向くが、俺を見ると驚いた。
レイ「何故そんな子供を痛め付けている?」
「は…はい、こいつはいつも家の店の商品を盗んでいくんです」
「そうなのか?」
「………」
男の言葉を聞いて、俺は少年にそう聞くが、少年は何も答えない。
「お前、この方はセラフォルー・レヴィアタン様の女王レイ様だぞ、ちゃんと答えろ!」
レイ「そう言うな、とりあえず…」
そんな少年に怒鳴る男、それを窘めて少年に対し、俺は治癒魔法をかける。
「………」
レイ「…店主、この少年は俺が預かる、ここは任せてくれないか?」
「わ…分かりました、貴方にお任せします」
俺がそう言うと、男はそう言って店に戻って行った。
レイ「さて…大丈夫か?」
「……ありがとう…」
俺がそう聞くと、少年は小さな声でそう言った。
レイ「それで?さっきのは本当なのか?」
「………」
俺の言葉に少年は小さく頷いた。
レイ(捨て子か…)
俺は少年に自分を重ねた。
「俺を…殺すの…?」
レイ「そんな事しないよ」
俺が昔を思いだし黙っていると、少年はそう言った、それに俺は首を横に振りながらそう言う。
「じゃあ…どうするの?」
レイ「とりあえず…お前は誰なんだ?教えてくれないか?」
「俺は…」
俺が少年にそう聞くと、少年は少しずつ話しだした。
レイ「なんだよ…それは!」
俺は少年の話しを聞いて、激しい怒りが込み上げてきた。
その内容は。
自分は悪魔と人間のハーフだと言う事。
父親と祖父に虐待を受けていたと言う事。
唯一、母親が守ってくれていたが、先日死んだ事。
そして、母親が死んで数日後に更なる虐待の末に捨てられた事。
そんな、余りにも酷い内容だったからだ。
「お金なんて無いから…だから…」
レイ「盗んだ…か」
「………」
少年の呟きに俺が続けると、少年はまた、小さく頷いた。
レイ(さて…どうしたら良いんだ…セラフォルー様の女王として、このままにしておく訳にはいかないけど…だからって、罰するなんて余りにも酷だ、なにより俺は…こいつを放っておけない)
ギル『レイ』
俺が、どうするかと考えていると、突然ギルが話し掛けてきた。
レイ『ギル?どうしたの?』
ギル『この子供だが、神器を宿している様だ』
レイ『本当に?』
ギル『ああ、それもかなり強力な物だ』
ギルにそう言われ、集中すると、確かに少年からは神器の気配がした。
レイ『本当だ…あっ、だったら』
気配を確かめた俺は、ある事を閃いた。
ギル『何か思い付いたのか?』
レイ『俺の将来の眷属にするって事にすれば大丈夫かも』
そう聞いてきたギルに、俺はそう言った。
ギル『…確かに、それなら問題は無いだろうが…』
レイ『だろ?』
ギルは少し考えた後にそう言った。
ギル『しかし…あの女…セラフォルーは許してくれるのか?』
レイ『分からない…でも、セラフォルー様なら許してくれる筈だ』
ギルのもっともな言葉に、俺はそう言った。
ギル『まあ、お前が良いなら構わないさ』
レイ『うん』
ギルは少し笑いながら、そう言って納得してくれた。
レイ「さて…お前、俺の元に来ないか?」
「えっ…」
俺が少年にそう言うと、少年は驚いた様に顔を上げた。
レイ「まあ、簡単に言えば、俺の将来の眷属にならないか?」
「けん…ぞく…?」
俺がそう言うと、少年は首を傾げそう言った。
レイ「ああ、お前には神器が宿ってる、それもかなり強力な物がな、本来なら悪魔には宿らないらしいんだが、お前は人間とのハーフ、だから宿ってる」
「神器…」
俺の言葉に少年は呟きながら、自分の身体を触り、確認しはじめた。
レイ「どうする?」
俺がそう聞くと―――。
「お兄ちゃんは…俺を虐めない?」
少年は怯えた目で、こっちを見ながらそう言った。
レイ「当たり前だ、自分の眷属に意味もなく暴力なんて振るわないさ」
「本当に…?」
レイ「本当だ、俺の主…セラフォルー様に誓って」
俺がそう言うと、少年は涙目でそう言った、俺は俺の中で絶対な主の名を出しそう言った。
「行く…行きたい…、連れて行って!俺を…助けて!!」
少年は泣きながらそう叫んだ。
レイ「よし、決まりだ!そうと決まったら早速行くぞ!まずは…セラフォルー様に報告しないとな」
「うん!」
俺がそう言うと、少年は笑顔で頷いた。
レイ「そう言えば…お前の名前は何て言うんだ?」
俺はまだ名前を聞いてない事を思いだし、少年に聞くと。
「俺の名前はヴァーリ、ヴァーリ・ルシファー」
少年はそう答えた。
レイ「ルシ…ファー…、ルシファーって旧魔王の?」
俺はその名を聞いて驚いた、旧魔王についてはこの間勉強で教わったからだ。
ヴァーリ「うん、俺は魔王とか興味無いから良く知らないけど」
レイ「そうか…お前、今まで誰か…家族以外に会った事はあるか?」
ヴァーリの言葉に、未だ驚きながらもそう聞くと。
ヴァーリ「ううん、ずっと家の地下室に閉じ込められてたから…」
ヴァーリは俯きそう言った。
レイ(マジかよ…いくらセラフォルー様でも、流石に旧魔王の…しかもルシファーの血族なんて言ったら…許してくれないだろうな…はぁ)
「お兄ちゃん…?どうしたの?」
俺が一人考えてると、ヴァーリが心配そうに聞いて来た。
レイ(迷ってても仕方無いか…)「ヴァーリ」
ヴァーリ「なに…?」
俺はそう思いヴァーリに声を掛けると、ヴァーリは怯えた目で俺を見てそう言った。
レイ「正直に言おう、いまのお前はかなり危険な立場に居る。
お前が旧魔王ルシファーの血筋ってだけで、お前を殺そうとする奴が出てくる筈だ」
俺はこの間教わった事を話した。
ヴァーリ「そんな…俺は何もしてないのに…」
俺の話を聞いて、ヴァーリはそう言った。
レイ「そうだ、お前は何もしてない、悪いのは先代だ、だから…一つ提案なんだが、お前…ルシファーを捨てる気は無いか?」
俺は今の状況で、もっとも最善だと思う提案をした。
ヴァーリ「ルシファーを…捨てる?」
レイ「ああ、お前は今日から、ただのヴァーリになるんだ、ルシファーも旧魔王も関係無い…ただのヴァーリに」
首を傾げるヴァーリに対し、俺はそう言った。
ヴァーリ「そうすれば…大丈夫なの…?」
俺の説明に、ヴァーリがそう聞いて来た。
レイ「ああ、俺もお前がルシファーだと言うことは、誰にも…セラフォルー様にも話さない」
俺は覚悟を決めてそう言った。
ヴァーリ「良いの…?」
レイ「言ったろ?お前を眷属にするって、俺には血筋なんてどうでも良いさ、だからお前が良いなら、俺はそれで良い」
心配そうに聞くヴァーリに、俺はそう言った。
ヴァーリ「うん…分かった…俺は今日からただのヴァーリになるよ」
ヴァーリは泣きながらも笑って、そう言った。
レイ「よし、決まりだ!それじゃあ改めて、俺はレイって言うんだ、好きに呼んでくれ」
俺がそう言うと。
ヴァーリ「じゃあ…兄さんって呼んで良い?」
ヴァーリはそう言った。
レイ「ああ…良いよ、じゃあ、お前は今日から俺の弟だな」
ヴァーリの言葉に俺は少し嬉しくなり、そう言うと。
ヴァーリ「弟…うん、よろしくね!兄さん」
ヴァーリは呟いてから、笑顔でそう言った。
ギル『大丈夫なのか?』
レイ『多分ね、それに…いざとなれば奥の手がある』
ギルの心配に俺はそう言った。
ギル『奥の手?』
レイ『今はまだ秘密』
ギルが聞いてくるが、出来れば余りやりたくない事なので、そう言った。
ギル『まあ、いいさ好きにしろ』
レイ『うん』
ギルの言葉に頷き、俺はヴァーリに意識を戻し。
レイ「それと…最後にもう一度だけ言っておくが、お前が旧魔王の血筋でルシファーだと言う事は、誰にも言うなよ?」
ヴァーリ「うん、分かった」
ヴァーリに念を押す様に言うと、ヴァーリは真っ直ぐに俺を見て、そう言った。
レイ「よし、それじゃあ行くか」
ヴァーリ「うん」
俺がヴァーリに手を差し出しそう言うと、ヴァーリは手を取り笑顔で頷いた。
これが、親に捨てられた二人の少年の出会い。
一人は産まれてすぐに捨てられ、親を知らずに育つも、その後に家族と愛を知った。
一人は親の下で育つも、その親から虐待を受けその末に捨てられ、唯一愛してくれた母もいなくなり、家族と愛を失った。
同じく捨て子というその境遇は、似ている様で似ていない。
それでも…二人は出会い、兄弟となり、これから先も今以上の確かな絆を結ぶ事になるのだが。
そのことを、今の二人は―――まだ知らない。
―――――――――――――――――――
レイ「ただいま帰りました」
俺は屋敷の扉を開け、そう言うと。
セラ「あっ、お帰りレイ君☆」
セラフォルー様が居た、先に帰って来てたらしい。
レイ「ただいま、セラフォルー様」
セラ「うん☆ところで…その子は?」
挨拶をすると、当然セラフォルー様は聞いて来た。
レイ「こいつは…俺の将来の眷属です」
それに俺は、セラフォルー様にそう答えた。
セラ「眷属!?レイ君の?」
レイ「はい、駄目ですか?」
驚くセラフォルー様に、俺がそう聞くと。
セラ「駄目では無いけど…でも…」
セラフォルー様は唸りながらそう言った。
でも…それは想定済み、だから俺は、いきなりだが奥の手を使う。
レイ「良いでしょ?セラお姉ちゃん」
そう言って、セラフォルー様に抱き付いた。
セラ「れ…レイ君…!?」
レイ「駄目…?」
いきなりの事に驚いてるセラフォルー様に俺は涙目でそう言い、追い打ちを掛ける、すると…。
セラ「ッ~~~、もちろん良いに決まってるじゃない!」
セラフォルー様は悶えながら、グッと親指を立てそう言った。
レイ(よし!流石セラフォルー様、ちょろい)「ありがとうセラフォルー様、ほら、挨拶してヴァーリ」
俺はそんな思いをおくびにも出さずにヴァーリにそう言うと。
ヴァーリ「うん…ヴァーリです、よろしく…お願いします」
ヴァーリは戸惑いながらも挨拶をした。
ギル『お前なぁ…』
ギルが何か言いたそうにしてるが、とりあえず無視だ。
セラ「ヴァーリ君かぁ~レイ君をよろしくね☆」
ヴァーリ「うん、強くなって必ず兄さんの役に立つ」
セラフォルー様の言葉に、ヴァーリそう返した。
レイ「ヴァーリ…」
そんな事を言われ俺は凄く嬉しくなった。
セラ「兄さん…?」
やはりセラフォルー様はそこに食い付いた。
ヴァーリ「うん、そう呼んで良いって兄さんが、それに…お前は弟だって」
セラ「なになに、レイ君お姉ちゃんに内緒で弟作ったの?」
レイ「うん」
ヴァーリの言葉を聞いて、ハイテンションで聞いてくるセラフォルー様に、俺は頷いた。
セラ「そっかぁ~、じゃあレイ君はこれから王としても、お兄ちゃんとしても、もっともっと頑張らないとだね☆」
レイ「はい!」
セラフォルー様の言葉に俺は元気に返事した。
その後、母上と父上にも眷属にすると言うと、二人は笑顔で良いよと言ってくれて、ヴァーリは俺の部屋に住む事になった。
ちなみに、ソーナは俺がヴァーリに取られると言って泣きそうになったが、明日は一日一緒に過ごすと約束したら、なんとか泣かれずにすんだ。
ヴァーリはアザゼルじゃなくレイに拾われたという事にしました。
これを書き始めてから、そういえばヴァーリも捨てられたんだったな…と思い、よし!眷属にしようと考えて、書いてたらこうなりました…。