ポケットモンスター B&W another 〜隻腕の幻影 ゾロアーク〜   作:Mr.bot-8M6N

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2ー2 貴方の名前は何ですか?②ーINFERMALー

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 その日は、雨季の時期としては珍しい晴れ模様だった。

 

 その日を待ってましたと言わんばかりに駆ける少女がいる。トウコだ。

 行き先は決まっている。「キツネさん」の居る大木の空き地である。1週間か2週間か……それだけの間溜めに溜めた思いが一気に外へと飛び出し、一直線にキツネさんの下に走る。

 

 ウッキウキである。雨季だけに。

 

 ………。

 

 ………………。

 

 ………………………失敬。

 

 

 まぁ、そんな訳で水たまりを飛び越え、柵を飛び越え、上機嫌にカノコタウンを駆け抜けていく。

 

 そして、いざ1番道路にっ、というタイミングで彼女の手を捕まえて止める女性がいた。

 

「ちょっと、貴方。何処行くの?そこから先は野生のポケモンがいる危険な所よ?」

 

「お姉さん、誰?」

 

 初めて見る女性だ。少なくともカノコタウンの人間では無い。

 

「お姉さん?お姉さんはアララギって言うの?今日、ここに越してきたの。よろしくね」

 

 アララギと名乗る女性は「ハーイ!」と手を上げてニッコリと笑っていた。

 

 

ーー((( ○ )))ーー

 

 

「あそこに見える大きな家が村長さんの家。よく分からないけど、後であいさつしに行った方が良いと思う………思います」

 

「そうだね。先に引っ越し先に送った荷物の中に菓子折りを入れてたから、後で挨拶に行きましょうか!」

 

 数十分後のカノコタウンに2人の人影が歩いていた。トウコとアララギだ。

 

「いやぁ、助かったよ。イッシュ地方の端の方の村だって聞いていたから、小さい限界集落みたいなのを想像してたんだけど……思ったより広くて、私一人だと絶対に迷っちゃってたわ」

 

 アララギと名乗る女性は快活な笑みを浮かべトウコの隣を歩いている。

 話を聞くと、どうやらこの村に引っ越して来たのは良いものの、引っ越し先が分からなくて困っていたようだ。

 何処に向かえば良いのか分からず、入り口で困り果てていた所に偶然通りかかったトウコを見つけて呼び止めたのだ。

 

「ありがとね、トウコちゃん。引っ越し先どころか、この村全体の案内まで引き受けて貰っちゃて。いやー、お姉さんは嬉しいわぁ」

 

「……………」

 

 何処かわざとらしさが残るアララギの言葉に、トウコはカチンと小さなイラつきを覚える。

 

 そのイラつきには理由がある。トウコを呼び止めたアララギは早速道案内を頼んだんできたのだ。

 それ自体に問題は無い。だが、「キツネさん」に会うつもりだったトウコはその頼みを渋ったのだ。ここしばらく会えていないという事実もあり、本当に迷ったのだ。まぁ、悩みに悩んだ末に、困っているらしい女性を見捨てる事をトウコは良しとしなかっただろうが。あろう事に、アララギは渋るトウコの耳元で「村の外に出ようとした事は黙っておいてあげるから」と囁いてきたのだ。

 そこでトウコが動揺してしまったのも悪手だった。それによって「村を子供だけで出る事がいけない事」で「それを大人に黙ってやっている事」を悟らせてしまった。

 

 「悪い事」をしていたのは事実だ。しかし、なんだかんだアララギの頼みを引き受けるつもりだったトウコにとって、このような脅しを受けて良い感情を持つ筈も無い。

 

「………アララギさんは何をしている人なんですか?」

 

 本人は隠しているつもりなのだろうが、言葉の端々から感じれる不機嫌な雰囲気に苦笑を隠さないアララギ。同時に何だかんだ丁寧に道案内してくれているトウコに好意を持ち始めている。

 

「うーん。そーだねぇ……。まぁ、簡単に言えばわたしはポケモンの研究をしているの」

 

「ポケモンの……」

 

「そう。言ってしまえば『ポケモン博士』だね」

 

 それを聞いたトウコは押し黙り、何かを考え込むような仕草を取る。それに気付いたアララギは「どうしたの?」と聞く。

 

「ポケモン博士って事はポケモンの事は何でも知っているって事ですか?」

 

「え?うーん……。そうね、何でもは知らないかな?ポケモン博士って言うのはポケモンについて分からない事を調べて『分かる』ようにする人の事だからね」

 

 それに私はポケモン博士に成り立てのペーペーだからね、と笑う。

 

「まぁ、それでも普通の人よりは知っているって自信を持って言えるわね。………トウコちゃんはポケモンについて知りたい事があるの?」

 

 ある。とてもある。たった一種類……いや、たった一匹のポケモンの事だが、全ての事を知りたいと思うポケモンが居る。

 

「居ます。………一匹だけ」

 

「もしかして、それって村の外に出ようとしてたのと関係ある?」

 

「………………」

 

「やっぱり!……と言う事は野生のポケモンね」

 

 パンッと手を合わせてズバリと正解を当てていくアララギ。

 

 ………………………何も言っていないのに直ぐにバレてしまった。

 

「うーん、この辺りに群生する野生ポケモンについての資料ってあったかしら?………取り敢えず、帰ってから調べましょうか」

 

「調べてくれるの?」

 

「えぇ、勿論よ。………この村を案内してくれた後にね」

 

「言われなくても案内はしますよ」

 

 一番初めのやりとりもあって、アララギの一挙手一投足にイラつきを感じているトウコ。

 しかし、アララギはそれ以降の案内の声に若干の弾みが戻っていたのを目ざとく気付いていた。

 

 

ーー((( ○ )))ーー

 

 

 トウコとアララギの二人は、アララギ博士の研究所となる引っ越し先に行く前に、最後の案内先としてカナコタウン最南端に足を運んでいた。

 そこはイッシュ地方東南端の海を一望できる見晴台だ。

 

「地図見た時から随分と端の方にある村だと思ってたけど、まさか海に隣接してるとは思わなかったわ……」

 

 その先には何もなく、見渡す限りの全てが青。空の青と海の青が同化して水平線が何処かさえ分からない。

 

「ねぇ、トウコちゃん!下に降りてみない?ちょっと海の上を歩いてみたいわ!」

 

 喜色満面の表情のアララギ。

 

「いや、ダメですよ。昨日まで雨降ってたんですから」

 

 遠くを眺めているとそれ程でも無さそうだが、砂浜近くの波は荒い。

 

「あらら、それは残念。……じゃあ、夏に一緒に海水浴に行きましょうか!」

 

「え?私もですか?」

 

「当然じゃない。ね?いいでしょ」

 

 一体何処らへんが同然なのか……。トウコは深く考えるのをやめた。

 

「……それよりも、この村の案内は、最後にアララギ博士の引っ越し先で終わりです。約束守って下さいね」

 

「分かっているわよ。それじゃあ、早速その野生ポケモンについて調べる為にわたしの研究室に行きましょうか」

 

 そう言って二人が見晴台から引き返そうとした時、見知った声がトウコの耳に届いた。

 

 

ーー((( ○ )))ーー

 

 

「あ、トウコ!こんな所に居たんだぁ!」

 

「……ベル」

 

 ベルの隣にはトウヤとチェレンの姿もある。

 

「最近、雨続きで会えなかったからねぇ。久しぶりに4人で集まろうかなって皆の家を回ってたんだ」

 

「……まぁ、お前に関しては雨降る前からよく居なくなってたがな」

 

「そうだったの?ごめんね。今、見ての通りこの人の道案内をしてたからね。………ん、どうしたの?チェレン」

 

「……別に」

 

 何となくだが、トウコにはチェレンが不機嫌なようなかんじがした。実際、よそよそしいというか素っ気ないような気がしないでもない。

 

「あー……。多分、チェレンはトウコに元気が無くて不貞腐れてるんだよ」

 

「トウヤッ」

 

「うーん……。張り合いがなくて調子を狂わせている、みたいな感じ……かなぁ?」

 

「そうそう、そんな感じだよ。ベル」

 

「ベル、お前もか……」

 

 そんな三人のやり取りに、トウコは疑問を覚える。

 

「……私ってそんなに元気無かった?」

 

「え……うん。もしかして気付いてなかったの?自分の事なのに」

 

「最近気付いたらずっと『ぼー』っとしてるか、ため息ばかりついてたからねぇ。………ま、初めに気付いたのチェレンなんだけどね」

 

「トウヤッ!お前はこれ以上余計な事を言うな!」

 

 トウヤの頭を軽く殴り付けているチェレンをトウコは見る。

 

「……そうなの?」

 

「………確かに、馬鹿な女が妙にしおらしいと気持ち悪いのは事実だな」

 

「チョッ!?何よそれぇ!」

 

「事実だ」

 

 そんなトウコとチェレンの会話を聞きながら、トウヤとベルが顔を近づけてコソコソと話している。

 

「ベル=サン、ベル=サン。アレがツンデレってヤツですよ」

 

「トウヤ=サン、トウヤ=サン。アレがツンデレというヤツなんですね」

 

 コソコソと話しているのに、隠す気が全く無い。実際、トウコとチェレンに聞こえている。

 

「トウヤ!ベル!」

 

 チェレンがキレた。「ワー」「キャー」と棒読みなのにどこか楽しそうな悲鳴が響く。

 

 そんな三人にトウコは何か言おうとして、黙る。

 何かを言いたい。何かを言わなければない。なのに、何を言ったら良いのか分からない。そんなもどかしい感覚が喉で詰まっている。

 

 それでも何か声をかけようとして口を開きかけた時、何かに抱きつかれた。

 

「ちょっと、トウコちゃん。わたしの存在を忘れないでぇ……」

 

 その時のアララギの表情を見て、今朝から地味に上がっていたトウコの溜飲が下がったのは本人以外分からなかった。

 

 

ーー((( ○ )))ーー

 

 

「おー、怪しい人発見!」

 

 トウコに抱きつくアララギを見たベルの第一声である。

 

「あ、あや……」

 

 人懐っこい笑顔の少女に言われたアララギは口元を引くつかせる。

 トウコとしても普段のベルからは聞けない言葉に小さな驚きを覚えている。

 

「ベル、いきなり失礼だよ。……否定はしないけど」

 

「トウヤ、お前もだ。………ぼくもそう思うが」

 

 ーーチェレン、お前もか。

 

 ベルの言葉にトウヤ、チェレンが同意する度にアララギの口元のヒクつきが大きくなる。いいぞ、もっとやれ。

 

 しかし、そんなに怪しいだろうか?と自身に抱きつくアララギを改めて見つめるトウコ。

 

 イッシュ地方の端という事もあり、どうしても閉鎖的になってしまうカノコタウンに現れた見知らぬ女性。しかも、その女性は何故かサイズが身の丈にあっていないダボダボの白衣を羽織っている。

 

 ふむ、これで「ポケモン博士」だという事を知らなければーー

 

「確かに怪しい」

 

「トウコちゃん!?」

 

 アララギ博士に味方は居なかった。

 

 

ーー((( ○ )))ーー

 

 

「えっとね、3人とも。確かに、この人は変な格好してるけど、怪しい人じゃないんだ」

 

 8歳児7歳児4人からの不審人物扱いは堪えたのか、アララギはトウコの後ろで小さくなって「の」の字を書いている。背後から「シクシク」と聞こえたのは気のせいだとトウコは自身に言って聞かせる。

 

「そうなの?じゃあ、このお姉さんは誰なの?」

 

「え、えーと……この人はね…………」

 

 そう言いながら、アララギの肩を揺さぶる。

 

「……え?あ、何?」

 

「……自己紹介。まさか、私にさせる気じゃ無いよ……ですよね」

 

 こういう時、互いを知っているトウコがしても良いが、ある程度溜飲が下がったとは言え好意を持ってない相手にそこまでするつもりは無い。

 自身の紹介を任されたアララギは其れもそうだと立ち上がり、改めて三人の前に立つ。

 

「うっうん!………えーと、わたしはアララギ。ポケモン博士をしているの。……実は今日ここに越して来たばかりで、偶然出会ったトウコちゃんに道案内を頼んでたのよ」

 

 アララギの自己紹介を聞いて、トウヤが代表するように一歩前に出る。実際、幼馴染4人の中で一番社交的なのはトウヤだから、適任だ。

 

「ポケモン博士ですか……。あ、僕の名前はトウヤです。後ろの二人は女の子がベル、男の方がチェレンです。トウコとは三人とも幼馴染です」

 

 トウヤの後に続いて、「ベルです」「チェレンです」と二人が簡単に自己紹介をする。

 

「トウヤ君にベルちゃんにチェレン君ね。さっきも言ったけど、わたしは今日からこのカノコタウンでお世話になるから、今後ともよろしくね」

 

 ベルがトウヤの背後で「怪しい人じゃなかったんだねぇ」と呟き、トウヤとチェレンも「そうだね」と小声で同意する。

 

 たとえ小声でも本人の前でする会話じゃないだろうに……。

 やはり、本人に聞こえていたらしく、アララギ博士の笑顔に一条の亀裂が入っている。

 

「ちょっと、トウヤ。流石に『怪しい』とか『怪しくない』とか言い過ぎじゃない?まるで、不審者でも探してるみたいじゃない」

 

 幼馴染として流石に失礼過ぎると思ったのだろう。珍しくトウコが諌めにかかる。………人の事言えないのだが。

 しかし、

 

「え、トウコ知らないの?最近、出ているらしいよ不審者が」

 

「え……?」

 

 トウヤから予想外の返答が返ってきた。

 

「ねぇ、トウコちゃん。どうして今わたしを見たの?」

 

 他意はありませんよ。トウコはトウヤたちに向き直る。

 

「え?本当にいるの?この人じゃなくて?」

 

「うん、そうらしいよ。何でも、変な服着た集団が隣のカラクサタウンで出たらしいよ」

 

「……ふーん、じゃあアララギさんじゃないのか」

 

 集団では無いし。

 

「ねぇ、さっきからわたしに厳しくない?トウコちゃん」

 

 これは本当に小声。アララギ博士の言葉はトウコにしか聞こえなかったらしく、トウヤが話し始めた時点で無視する。

 

「まぁ、注意しとこっかって話だよ。それよりも、まだアララギ博士さんの案内をするの?良ければ、手伝うけど」

 

 トウヤの提案は有難いが、正直もっと早くに言って欲しかった。厳密には私がアララギさんと出会ったタイミング辺りで。

 

「大丈夫だよ。あとはアララギさんを引っ越し先に案内するだけだから。もう、場所も分かっているしね」

 

 カノコタウン中の案内を頼まれる前に聞いていたのだが、トウコの自宅の近所だった。

 

「そっか。………あんまり、関係無い人が大人数で押しかけるのもどうかと思うしね。じゃあ、僕らは僕の家にいるよ。案内終わったら来てくれていいから」

 

「うん、分かった。時間があったら行くね」

 

「あはは、ごめんね。まだ荷物の整理も終わってないからねぇ……。一段落ついたら、皆を歓迎するわね」

 

 そのアララギの言葉を最後に5人は別れた。

 

「じゃあ、行きましょうか。わたしの研究所へ」

 

「分かりましたよ」

 

 トウコとアララギ博士は最後の案内先である『アララギポケモン研究所』へ向かった。

 

 

ーー((( ○ )))ーー

 

 

「着いたぁ!ここがこれからわたしの『ただいま』になる所なのねぇ……」

 

 アララギ博士の引っ越し先というのは、ずっと以前からあった空き家だった。何でも、十年以上前にここを別荘にしていた好事家が他界した後、ずっと放置されていたそうだ。それをアララギ博士が買い取り、所有権を手に入れたのだという。

 

「十年以上放置されていた割には綺麗に残ってる。外から見たところ、庭の手入れをするだけで良さそうね」

 

 それはともかく、と案内したトウコへと振り向きーー

 

「ようこそ、我が『アララギポケモン研究所』へ!……まぁ、大きい機材とかはこれから運び込まれる予定だから研究らしい研究は出来ないんだけどね」

 

 ーーアララギ博士は歓迎の言葉を紡いだ。

 

「これ、外は大丈夫そうだけど、中はどうなの……どうなんですか?」

 

「会った時から思ってたけど、慣れないなら敬語とか気にしなくて良いからね。………中は確認してみないと分からないかな?まぁ、研究資料とか日用品は既に運び込まれてあるし、流石に住めないレベルでは無いでしょう」

 

 アララギ博士が重々しい扉に手をかけつつ、「さぁさぁ、入って入って〜」とトウコに手招きする。

 

「…………………って、あら?あらら?鍵はどこにやったかしら?」

 

 ちょっと?

 

 

ーー((( ○ )))ーー

 

 

 重々しい扉が開く音がする。太陽の光が扉が開くに従って屋敷内に差し込んでいく。

 トウコから見て、屋敷内はちょっとした邸宅と呼ぶに相応しい趣きがあった。

 

「うわ、ホコリが一杯!ある程度は業者が掃除してくれているようだけど、改めて大掃除する必要があるわね」

 

 確かにホコリっぽい。しかし、ここまで広い屋敷をアララギ博士一人で掃除するのは随分と大変そうだ。

 

「…………その大掃除って、まさか私を手伝わせたりとか考えてませんよね?」

 

 トウコのジト目がアララギ博士の背中を射抜く。

 

 まさに、トウコちゃんは手伝ってくれないかなぁ〜、とか考えていたアララギ博士はギクッと一瞬身体の動きがぎこちなくなる。

 

「あ、あはは〜。まさかそんな事ないわよ〜」

 

「……………………」

 

 静寂が2人の間に生まれる。ややあってから、

 

「トウコちゃん!お願い手伝って!!」

 

 手を拝むように合わせて頭を下げるアララギ博士。それを見たトウコはため息を吐いた後に了承の意を伝える。

 

「………良いですよ」

 

「あれ、良いの?」

 

 アララギ博士にとって、すんなりと了承を取れた事が意外だったようで不思議そうな顔をする。

 

「………まぁ、ご近所付き合いは大切だと思いますし。…………どちらにせよ、私一人じゃどうしようもないからトウヤ達を……いや、お父さん達を呼ぶべきかな?」

 

 アララギ博士は尚も不思議そうだが、この話はそれだけで終わらなかった。後日になるが、その大掃除はトウコの家族だけでなく、庭の手入れも含めて、村人総出の一大イベントになった。これにはトウコも驚きの顔を隠せなかったという。

 しかし、これは何もおかしい事は無い。ここカノコタウンはイッシュ地方の端にあるという立地条件などから村民は他の村に比べて非常に少なく、村落と呼ぶよりは開拓地に近い。だからこそ、何をするにも自分たちで行う必要があり、村人同士での助け合いがより強く求められるからだ。

 

「ありがとうー!!」

 

 トウコはアララギ博士に抱きつかれた。抱きつき癖でもあるのだろうかこの人は。

 

「……は、離れて……下さいッ!!…………それよりも、約束守って下さいね」

 

 そんな明日以降の事よりも優先すべき事がトウコにはある。

 

「はいはい、分かってるわよー。多分、研究資料の方は西側の部屋に置いてある筈だから」

 

 そう言って、一つの部屋のドアノブに手をかけて回す。

 

 そこにはーー

 

「え?この中から探すんですか?」

 

 大量の段ボール箱が積み重ねられていた。

 

「そ!……まぁ、全部じゃ無いけどね!……さっそくだけどトウコちゃん。トウコちゃんの知りたいポケモンについて教えて!手がかりがないと探しようがないからね!」

 

 探す以前に、資料の整理から始めないと駄目ではなかろうか?そう考えるトウコであった。

 

 

ーto be continuedー




いや、本当にこの幼馴染4人組は書いてて楽しいな、おい。
以前に4人の漫才の構図について話したが、今回で「ベル&トウヤでチェレンを弄る」パターンが誕生しました。ぶっちゃけ、原作本編開始後の話って殆ど考えてないが、どうやったら別行動している幼馴染達を絡ませられるか考えとかないとなぁ。

しかし、思った以上に長くなってしまった。所々文章がダレてるよぉ……。途中でぶった切っても良かったかな?


今回の登場キャラクター
・トウコ……「いつもボーっとしてる」「気付けばため息」。漫画とかで典型的な恋煩いですなw ……もう、知ーしらない。軌道修正とか知った事か!どうせ、ストーリーの大筋に大差無ぇべ!

・アララギ……ぶっちゃけ、「ハーイ!」とアニメの「あらら」しか記憶が無くて辛い。辛くない?

・ベル……人が良くて、ちょっと気が弱い娘ってイメージだったんだが、トウヤと一緒にチェレンを弄るシーンで「そんな事なさそう」な気がしてきた。多分、原作とは違うキャラの幼馴染になっちゃうんだろなぁ、と思いつつ書いてて楽しいからコレで行く所存w

・トウヤ……ぶっちゃけ、トウコやゾロアークに次いで書きやすいキャラ。……だって主人公組に明確なキャラ付とかされてないもん。やりたい放題出来るもん。しかし、最初の三体をマジでどうするか……。もう、キバコ突っ込むかな?

・チェレン……しっかり者の立ち位置をトウヤ君に奪われて、トウコといっつも喧嘩してる幼馴染って所に落ち着き始めた。でも、何だかんだ幼馴染の中で一番トウコを理解している模様。
トウコとチェレンの間にフラグが立つ土台が既に出来ている……だとッ?!……あ、でもトウコちゃんはゾロアーク君にゾッコン中なんで(←適当ほざいてますw)
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