某ssの設定と被りましたが、強行しました。
ここは、あの女誑しサイコパス人外旅人の提督とは別の世界線……。
横須賀鎮守府。
とあるイケメン提督と、その秘書艦木曾。
これは、人類存亡をかけて戦う、熱き勇者達の物語である!
「提督!最低だ!!!」
「ぬおあー!!!」
ぶん殴られた色男が飛んでいく。
彼は提督。
横須賀鎮守府の提督である。
「おっ、お前!木曾!俺、仮にも上官だろ!殴るかよフツー?!!」
「なーにが、普段は俺と『精神直結』してるんだから身体の方も直結しようぜ、だ!」
「しょーがねーだろ!お前みたいな良い女、放っておけるか!」
「い、良い女?そ、そうか?えへへ……」
「おう、可愛いぜ木曾……、三万でどうだ?」
「だからそういうところが駄目なんだー!!」
「ぐああーっ!!」
「……まーたやってるねえ」
「いつものことですね!仲良しでいいと思います!」
さて、考える戦艦である艦娘の艦隊において、提督の役割とはなんだろうか?
まさか、人間が生身で砲火響く戦場に出て行く訳にもいかないだろう。
と、すると、提督の役目とは何か?
脆弱な人間の肉体で前線に出る?足手まといだ。
無線で指示をする?深海棲艦の領域では無線は繋がらない。
では、提督とはなんなのか?
この世界の提督とは、艦娘と『精神直結』できるものであるとされている。
精神直結とは、艦娘と心を一つにし覚醒させることにある。
精神直結をしていない艦娘は、実際の船のような、巡航して砲や機銃を撃つことしかできないが、精神直結した艦娘は、そこに人間らしい動きが加わるのだ。
別の鎮守府の例では、元格闘技チャンピオンの提督が戦艦長門と精神直結し、姫クラス深海棲艦を殴り殺した、という事例も報告されている。
提督とは、艦娘と心を通わせられる者を指すのだ。
まあ、そんな設定とは関係なく……。
「古鷹ぁー!木曾がいじめるー!」
「よしよし、良い子ですね、提督」
「ああ〜、おっぱいふかふか〜」
「あん、ちょ、ちょっと提督、揉んじゃ駄目ですよ……!」
「こらこら、古鷹から離れろってんだ」
「んだよ加古、俺は古鷹のおっぱいに慰めてもらってたんだよ、文句あるか。それともお前が代わってくれるのか?」
「ほら、おっぱいなら武蔵がいるだろ、行ってこい」
「おお、提督、どうした?この武蔵と相撲でもするか?」
「ちょっ、待っ、あれ大胸筋んんんんあああ!!!おっ、折れるぅー!!!」
横須賀鎮守府は平和である。
「む、警報だ。深海棲艦が来たぞ」
「了解っと。今回は木曾と直結するわ」
「……俺が艦隊を率いて出撃する。直結の必要はない」
「おっ、そうだな」
そう言って、ベッドの上で意識を失う提督。
『木曾、入ったぞ』
「この……!直結はやめろとあれほど!」
『良いから行くぞ』
「……これで最後だからな」
提督が入った艦娘は正に一騎当千。
人の滑らかさと艦の強靭さを持つ超兵器へと覚醒するのだ。
『タ級16体だ、行けるか?』
「余裕だ!」
海の上を駆ける。
のっぺりとした巡航ではなく、確かに駆けている。
数多の砲弾が空を覆い隠すように迫る。
しかし、その砲弾の雨に対して真っ直ぐ進む木曾。
『「甘いんだよ!!」』
抜刀し、砲弾を斬り落とす。
そして、タ級に肉薄し、刀で思い切り斬り上げた。
『「チェストーーー!!!」』
股下から頭の先まで真っ二つになるタ級。
『良いね、最高だ!カッコいいぜ、俺の木曾!!!』
「無駄口を叩くな!次ぃ!!!」
横合いからの砲弾を屈んで躱しつつも更に前進。
『「艤装展開!」』
艤装の魚雷を展開して、それを苦無のように投げつける。
『「隙あり!!!」』
魚雷の爆発の爆風の中を突っ切り、剣が煌めく。
『「ぜりゃあ!!!」』
タ級の首は面白いように空を舞う。
木曾の速度域が違い過ぎるのだ。
人の形をした艦、深海棲艦と。
艦の力を持つ人、艦娘。
どちらが強いのかは明白であった。
「帰投する」
『亀頭コスる?』
「黙ってろ」
深海棲艦を全滅させ帰投した木曾は、提督の私室に戻る。
「ほら、戻れ」
そう言って提督の身体に触れると、仮死状態であった提督が立ち上がった。
「いやー、働いた働いた。今晩は鳳翔さんに癒してもらおう」
木曾は、そんな提督の背中に質問をぶつける。
「お前、怖くないのか?」
「何が?」
「精神直結している最中の艦娘は確かに無敵だ。だが、艦娘と感覚を共有しているんだぞ。被弾した痛みがダイレクトに伝わるんだ」
「そうだな、痛いからなるべく被弾するなよ?」
「それに、精神直結した艦娘が沈めば、提督の心だって死ぬんだぞ」
「そうかい、死にたくないから頑張ってくれよ」
「お前は、おかしい。精神直結をした提督の殆どは、強烈なPTSDになって引退するか……、被弾のショックの激痛でショック死だ。お前は、何度艦娘と繋がった?!」
「百から先は覚えていない!お前は自分の食べたパンの枚数を覚えているのか?って話だ」
「っ……!!」
木曾は提督の襟首をつかんだ。
「俺はっ!心配してるんだよ!なんだかんだ言っても、俺は……、いや、みんな、お前のことが好きなんだよ!お前にいなくなってほしくない!無茶するんじゃない!!!」
提督は……。
木曾に優しく抱きついた。ついでにこっそり尻を揉んだ。
「可愛いーなー!お前はよー!心配なのかー?大丈夫だからなー!」
そして、犬をあやすようにぐしゃぐしゃと木曾の頭を撫でた。
「だ、だから!大丈夫な訳あるか!他の提督は皆……!」
「俺は!お前達と戦う為なら何だってする。お前らみんなを愛している!だから大丈夫だ!」
「……お願いだ、直結はやめてくれ」
「じゃあ、木曾が俺と物理的に直結してくれるなら」
「……分かった。するから、直結はもう駄目だ」
「いや……、冗談だって。そう言うシリアスやめない?精神直結はする、身体も直結する、気持ちいい、ハッピー!それで良くない?」
「駄目だ!お前っ、俺がどれだけ……っ!!」
「心配すんな。俺は死なねえよ」
「何でだ!何でそう言い切れる!」
「俺、お前を抱くまでは死なないって決めてるからな」
木曾は、大きなため息をついて、言った。
「じゃあお預けだ!絶対に抱かれてやらないからな!」
「えー、さっき良いって言ったじゃーん」
「駄目だ!駄目ったら駄目だ!」
「先っちょだけ!先っちょだけ!お願い!……ところでお前、あんだけアクロバティックに動き回って膜は破れてないの?入渠で膜も治るの?」
「……その辺にしておけよ?お前が戦いで死ぬ前に俺が殺しそうだ」
「おー、怖い怖い!話はそれだけか?」
「……ああ」
「じゃあ、ヤらせてくれないんなら出て行って、どうぞ」
「な、何でだ?」
「そんなの、これからお前と精神直結していた時のこと考えながら一発抜」
「バカヤローーー!!!!」
「……行ったか」
提督はベッドに倒れこんだ。
「何だっけかな?なんたらストレス障害?」
枕の裏にある、医師からの診断書を読む。
「はっ、分かってるっつーの、んなもん」
診断書をくしゃくしゃに丸めて、ゴミ箱に投げる提督。
「あー、クソ、怖えな、深海棲艦。怖えな、戦うの。でも、自分の身体で戦うあいつらは、俺よりもっと怖い思いしてるんだろーな」
背伸びをする。
そして溜息。
「女の子なんだぜ?あんな若い、可愛い女の子だ。あの子達の為になるなら、俺の命ぐらいくれてやる……!!」
……これは、人類存亡をかけて戦う、熱き勇者達の物語である。