【完結】ABOUT THE BLANK   作:ようぐそうとほうとふ

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残酷な表現があります。


罪と罰③1999年3月~

『はい』

「チョコラータ?」

『どちら様です?』

「ブランクです。えー…受験者の」

『ああ…話に聞いているよ。こちらはすでにネアポリス入りしてる』

「そうですか。仕事にはかかれますか?」

『問題ないよ。問題ないとも。場所を教えてくれ』

「地図を送ります」

『…受け取った。では現地で会おうか』

 

 

 チョコラータとの待ち合わせ場所に行ってすぐにブランクは納得した。自分が面接を受けたのと同じ時期にボス直々に親衛隊入りを打診されたという男。

 只者じゃないというのが肌でわかる。できれば関わり合いたくないが、こいつらに同行しなきゃ親衛隊入りは無理だ。ブランクは自分が“嫌悪感”をちゃんと感じていることに感動した。

 元医者らしいが医者っぽい雰囲気が全然ない。笑顔を浮かべて佇んでいるがオーラが澱んでいる。足元にかなり大きな箱を置いていた。

 横に立ってる男は猫背で、なんだか挙動が不審だった。時々チョコラータの方を見て何かをねだってるようだったが、すくなくとも成人男性がやっていい仕草ではない。

 

「ブランクです。こんにちは」

「ああ。君がそうなのか。…ふうん。頑張っているかい」

「はい」

 今日のブランクは誰でもなかった。ムーロロがなるべく誰でもなく自分でいろと指示したからだ。

 普段の“自分”は外界に対してほとんどリアクションをとってなかったが、今日は多少コミュニケーションを取れるように頑張っていた。

 ムーロロの指示とはいえ、誰かになりきってもないのに人と話さなきゃならないのはとても苦痛だ。

「裏切り者は…この時間二人揃って隠れ家にいます。一緒に昼寝しています」

「仲がいいんだねえ〜。そう聞いていたから、張り切ってたんだよ」

 何を?と聞くのは面倒だった。ブランクはチョコラータと荷物をせかせか運ぶ男をソルベとジェラートのアパートの前まで案内した。

「じゃあ、呼ぶから。ちょっと待ってておくれ」

「はい」

 命令されてブランクはホッとした。ソルベとジェラートが殺されるまでここで立ってればいい。楽な仕事だ。

 自分が親衛隊に入るには二人を売るしかない。二人とは二ヶ月間それなりに話したが、ブランクには情というものがまだよくわからなかった。そもそもそれらを持つよう言われていない。

 ブランクの思考は実にシンプルだった。命令を、あるいは指示をこなす。それだけ。そう育てられたからなのか、そう生まれついたのかはわからないが、感じることも思い出すことも言われなければやらないようにして生きている。

 

 ムーロロに従い、親衛隊に入る。その命令以外に指示されたことは

 

リゾット…社交性のある人格であること

リゾット…スタンド能力のことを迂闊に話さないこと

ホルマジオ…嘘をつかないこと

イルーゾォ…彼のベッドのシーツに絶対に、死んでも触らないこと

メローネ…スーツをクリーニングに出すこと

ギアッチョ…彼の私物に触ったら死ぬこと

ソルベとジェラート…二人に近づかないこと

チョコラータ…ここで待つこと

 

 だけだ。つまり、それ以外はやってはいけない。それに反してはいけない。

 

 

とぅるるるるるるん…

 

「はい。ブランクです」

『チョコラータだ。ちょっと来てくれるか?』

「はい」

 

 

 ブランクがソルベとジェラートの部屋に行くと、二人はまだ生きていた。てっきり殺してから連絡が来るものと思っていたのでブランクは当惑した。

 縛られたジェラートがブランクを見てなにかウーウー叫んでいるが猿轡のせいで何を言ってるのかわからない。

 ソルベはダイニングテーブルの上に寝かせられている。ラップのようなビニールでギチギチに拘束され、目を恐怖でひん剥いている。ただし彼は轡をされていない。ブランクを見るなり罵声が飛んできた。

「どういうことだテメーー!ブランクッ!コイツらは何なんだ?!」

「……」

 ブランクは質問に答えるべきか考えた。もう死ぬから言ってもいいのか。死ぬから教えないでおくべきか。困ってチョコラータを見ると、彼が代わりにソルベの疑問に答えた。

 

「ボスは暗殺チームに裏切り者がいる事は知ってたんだけどね…確実に誰か突き止められなかったそうなんだ。だから彼を送り込んだよ。自分で蒔いた種だから、彼を責めるのはお門違いってもんじゃないか?」

「テメー、オレたちを裏切ってたのか?!はじめっから」

「先に裏切ったのは君たちだろう?ボスの正体を探るものがどうなったかって知ってるはずなのに」

 くすくす、と猫背の男が笑った。なぜかカメラを構えてソルベとジェラートを交互に撮っている。これから何が始まるのだろうか。

 

「裏切り者には罰を」

 

 チョコラータが取り出したのは大きな肉きり包丁だった。屠殺場で使うような巨大な刃物をみてジェラートが暴れまくる。

 ブランクは自分の心臓がものすごいスピードで脈打ってるのを感じた。項の毛まで逆だってる。なんだかとても…とても…その先をどう言い表せばいいのかわからない。

「あんまり騒ぐと他の住人が…」

「問題ない。もう誰もいないからな」

「…どういうことですか?」

「さあね。どうでも良くないか?始めよう。君にはアシスタントをお願いしたくて。ほら、セッコは録画してるから手が空かないだろう?」

「はい。指示をお願いします」

「簡単なことだよ。これから彼を刻んでいく。その部品をなるべく丁寧にこの箱に詰めてくれるか?丁寧にだぞ。あんまりぐちゃぐちゃだと、あとできれいにみえないから」

 

 そういってチョコラータはずっと持ってた大きな箱を指した。中にはさらに小さい箱が大小様々詰まっていた。マトリョーシカみたいだ。

 

「…刻むとは?」

「え?刻むと言ったら刻むんだよ。35…いや、36かな。ほら〜ペディキュア、これ、きれいに塗ってあって感心したんだ。足をピーンてさせて、指だけ標本になってたら素敵だと思わないか?」

 ブランクはチョコラータが何を言ってるのか、頭の中でゆっくり噛み砕いた。やりたいことはわかった。だが理由がわからなすぎる。裏切り者の報復だとしたら悪趣味すぎる。

「…なぜそのようなことをするんでしょうか?」

「そりゃあ、見てみたいからだよ。見てみたくないか?恋人の前で足から刻まれてく男の顔と、それを見る恋人の顔。想像しただけでたまらない。興味がある」

 

 それを聞いてソルベの罵声はいよいよピークを迎えた。チョコラータは大好きな音楽でもきくようにニコニコしてる。

「なるほど」

 はっきり言ってチョコラータの語った理由はブランクにはよくわからない。よくわからないし、とてもやりたくないと思った。だがチョコラータは手伝えと指示したのだ。

 自分は指示を突っぱねた事はない。

 

「さ、はじめようか」

 

 なんの躊躇いもなくチョコラータは包丁を振りかぶった。そしてピンと伸ばされた足の指、ジェラートとおそろいのペディキュアが塗られた足の先を切断した。

 悍ましい悲鳴が聞こえた。ブランクは絶叫するソルベの口の中に虫歯の治療痕があるのを発見した。彼の頭の向こうでジェラートが失禁するのが見えた。

 

 見たくない。

 頭の中にそれだけが浮かんだ。

 

「ほらぁ。ぼうっとしないで!箱にしまってくれ」

「はい」

 ブランクはハッとして切り落とされた指を拾った。切断面はとても美しい。親指の骨をうまく避けて切っているおかげで刃がもたつかなかったのだろう。指を箱に入れるとき、ブランクはその切断面にもやもやとしたなにかがへばりつき、蠢いているのを発見した。カビのようだった。

 

「あの、これは…」

「それはわたしのスタンドだよ。いいから、気にせずほら、しまってしまって!」

「はい」

 

 ブランクは箱の蓋をした。パチンという音を聞いてチョコラータはまた肉包丁を振りかぶり、足の甲を切断した。今回も中足骨があるにも関わらず美しい断面だ。遅れて血が流れるが、その血は流れたそばからカビに覆われていく。ブランクはそれを拾い、またケースにしまう。

 

「ブランク!テメーーッ呪ってやる!絶対に許さねえからな、オレが死んでも絶対にあいつらがテメーを…」

 

 チョコラータはソルベの怒声を無視して足首を切断した。ゴッドンと言う音がして関節からきれいに落ちる。

「ギャアアアーーーッ!」

「さてどこまで一刀両断でいけるかな。経験的に言うと意外と、足の付け根くらいまでならいけるんだよな」

 

 それから悲鳴と肉を断つ音が景気よく何度も繰り返された。大腿骨を断ち切る頃には、悲鳴は命乞いめいたうわ言に変わった。

「頼む、ジェラートだけは許してやってくれ。頼む。頼むから…」

 足の根本を断ち切るとき、包丁が骨にあたってゴツンという音を立てた。ソルベが感じる鈍い痛みを嫌でも想像してしまう。自分の想像力じゃ追いつかない痛みを感じてるんだろう。ソルベの顔はもうぐちゃぐちゃだ。

 

 チョコラータが骨に半分埋まった包丁を引き抜き、もう一度叩きつける。

「ひげっ」

 としゃくり上げるような声が聞こえブランクは持ってる箱を取り落としそうになった。チョコラータは今度こそ完全に斬り落とした太腿の断面を見て、こちょこちょとくすぐるように筋肉繊維を撫でる。またソルベが悲鳴を上げた。

 そこでようやくブランクは彼が失血で死ねないことを悟った。切る端からカビが血管を塞いでいるのだ。今も動脈から血が吹き出したのは一瞬で、もうカビが断面を覆い尽くしている。テーブルもほとんど汚れていない。

 

 こんな拷問は…いや、処刑か。さすがに初めてみた。どんな苦しみにも終わりはあるがその終わりが遠すぎる。そしてその途方もないソルベの絶望と痛みはブランクが招いたものだった。

 ジェラートももうただ体中の穴から液体を流してるだけだ。ブランクも口からゲロが出そうだった。

 

「骨盤を真っ二つはちょっと骨が折れるね…ふふ、骨が折れる…だってさ。のこぎりを使うかね」

 そういってチョコラータは小型の骨用鋸を取り出した。先程の肉包丁より大ぶりの鉈で腹部を斬り、赤い肉と薄ピンクの腹膜を遠慮なしにかき分け鋸を突っ込んでく。

 ガリガリガリガリ、と暴力的な音が耳孔から脳へ駆け抜けていく。みちみちみち、と肉を巻き込む音も聞こえて、ひときわ大きな悲鳴を上げてソルベが気絶した。

 

 セッコがつんつん、とチョコラータの太ももを突っつき、ジェラートを指さした。彼は猿轡を飲み込み窒息して痙攣していた。

 びくんびくんと体全体が跳ねている。物凄くくぐもった咳みたいな音が聞こえて、それから全く動かなくなった。

 

「ホホホホホホッ!いや〜たまらんなぁ。セッコ、ちゃんと撮れてるか?!」

「うんッ!」

「良ォ〜〜〜〜〜しよしよしよしよしよしいい子だッ。終わったらご褒美だッ!たっぷりね」

 

 ブランクはジェラートの恐怖で引きつったぐちゃぐちゃの顔を見て、自分にこれまで感じたことのない大きな感情が芽生えてるのがわかった。だかその芽をどうすればいいのかわからない。ブランクには今切断されたソルベの下半身と手の指の付け根を同じケースにしまうことしかできない。

 

 腹腔は腰部分と比べとても斬りやすいようだった。何よりチョコラータは腕が良い。複雑に入り組んだ腸も崩れることなく切断し、あっという間にカビにくるんで保存する。多少持ち上げたくらいじゃ内臓が飛び出してくることもない。

 肋骨もうまく避けて、どうしても当たる部分は骨自体を潰さないように丁寧に鋸で切っていく。その度におぞましい音がして、どんどん胸が腐るようなどす黒いなにかが芽生えていく。

 チョコラータは肝臓を真っ二つに切断する。ソルベの肝臓は意外ときれいな色をしていた。ああ、そういえば二人は健康に気を使っていたなと場違いな回想がブランクの脳裏に浮かんだ。

 

 ソルベはもう何も言わないし叫ばなかった。切断するときに口からうめき声みたいな空気を吐くだけだった。チョコラータは面白くなさそうにソルベの露出した肺を揉んでみた。ぼしゅ、と喉から変な音が出ただけだった。

 

「あーもう、発狂したのか?おーい。ほら、ブランクくん。彼に呼びかけて!」

「え……」

 ブランクはチョコラータに小突かれ、ソルベの顔が見える位置に行かされた。ソルベの顔は恐怖により歪み、目は見開き口もかっぴらいている。生きているとしたら、それが最大の罰だ。地獄すらも生温い苦痛を想像させる顔だ。

 もう、ブランクの事が見えているのかわからない。

 

「や…やりたく、ない」

 

 ブランクは自分の口からそんな言葉が出たことに驚いた。

 

「え?君、嫌なのか?…セッコ、ちゃんと彼も撮ってるか?よォーしよしよしよし偉いぞ。やりたくないっていっても、君はやらなきゃいけないんだ」

 

 やらなきゃいけない。

 ブランクの今までの生き方に従えば。

 空っぽ。

 そう思っていた。何も響かない真空みたいなものだと。

 僕の中の空虚になにかがどんどん溜まってく。

 どす黒い何かが。

 

 ブランクはつばを飲み込んだ。口の中に血の味を感じる。

 

「ソ、ソルベさん…起きてください…あ、あなたの…心臓、に。今…うう。刃が通りました。感じますか?う……わかりますか?」

 心臓は動いていた。ついさっきまで。カビが一瞬で覆えない巨大な血の坩堝。今度の出血はテーブルにドバっと溢れ、床まで滴った。これでようやく殺人現場っぽくなった。

「おお、いいねー実況プレイッ!!これは励まされるなぁ〜〜その調子その調子!続けて?」

 ゴリゴリゴリゴリと硬い音がする。もう脳に酸素が行かなくて死んでいてくれていればいいのに。

「肩甲骨に…鋸を入れています。わ、わかりますか…ああ……ご、ごめんなさい……」

「なぜ君が謝るんだ?何も悪い事はしてないじゃないか。あ〜いい、いいッ!その表情。ポーカーフェイスからそういう表情が出るのってたまらない!素晴らしいね〜〜」

 

 チョコラータは首を一刀両断しながら微笑む。その喉の断面が一度だけ自発的に伸縮した。ブランクはもう、ソルベに何も言えなかった。そして自分の心を制御できないままチョコラータに話しかけていた。

 

「僕は…指示に対して本気で嫌だって思ったのは初めてです。人に、人に対して、こ、こんなに罪悪感を持ったのも」

「あァ〜たまらん…。わたしは君をとっっても気に入った……今、君は感じてるんだな」

 

 チョコラータはソルベの口を少し開け、そこから下顎骨を分離させるように切断した。これできっと脳幹も損傷したろう。やっとソルベは死んだと確信できた。

 

「…僕は怒るべきですか?」

「は?」

「僕は泣くべきですか…?それとも自責の念に駆られるべきですか?」

「君は面白いねぇ」

「気持ち悪い…」

「吐くならここで吐かないほうがいいよ。バレちゃったら親衛隊に入れても命があるかどうか…」

「僕は親衛隊に入れますか?」

「ん?うんうん。推薦しておこう。なんていうか君は見込みがある。わたしのもとで働いたら、きっと素敵な人間になれるよ。どうだ?」

 その言葉にセッコがどたばたと抗議の意を示しているようだった。コミカルな動きだがとても笑う気になれない。

「……いえ…結構です」

「ブランクくん、君は自分というものがものすごーーく希薄だと聞いているよ。わたしはこれでも研修のとき精神科にいたんだよ。だからわかるんだ。人は大きなストレスを抱えたとき、どんなに無感動だって思い込んでても、本当の自分の姿を垣間見ることができるんだ」

 チョコラータはわざわざかがんでブランクと視線を合わせた。

「絶望や死や苦しみは、人間の精神を最も浮き彫りにする。そう思うんだよわたしは。…どうかな、君のはじめての感情は」

「………これが……感情なんですね」

「そうだよ。どんな気持ち?わたしに聞かせてくれ」

 チョコラータの笑顔を見て、ブランクは息を呑んだ。チョコラータはブランクと同じくソルベだった肉塊の前に立っているというのに自分とは真反対の精神状態にいる。

 ずっと誰かの模倣で生きてたブランクは初めて“これにはなれない”という相手に出会ってしまった。足元が大きく崩れていくような気分になる。

 

「……わかりません」

「おや」

「ただここに長居したくないと思っています」

「ふーーーん」

 

 チョコラータはがっかりしたようだった。ふいっとブランクから視線を外し、36個に分解されたソルベを運び出し始めた。ブランクも手伝った。

 

「じゃ…また」

「さようなら」

 

 昼間合流したときとほとんど変わらない調子で二人は車に乗って市内に消えた。

 ブランクは自分の服にかすかに血がついてるのをみつけ、頭の中に黒いもやもやが溜まってくのを感じた。

 ブランクは帰ってから服を焼き捨てた。捨てとけと言われていた古いパーカーなのだから悲しむ必要なんてないが、何故か無性に悲しかった。

 

 飯をくおうと思った。だが頭の中にソルベの内臓の色がちらついて何も喉を通らない。喉。ぐにゃぐにゃした弾性のある肉の塊。

 吐きはしなかった。もっと料理に近い死体なら見たことある。ただひたすらに気分が落ち込んでいった。

 

 ブランクはふいに自分をずっと連れ歩いてくれた『恩人』のことを思い出した。彼はまだ若いのに戦場に行き場を見出していた。

 お前は復讐しなくてはならない、と繰り返し言われていた。

 復讐には心が邪魔だ。葛藤するな。お前はあの血統を滅ぼすこと以外何も思わなくてもいいと。

 ブランクにはピンとこなかった。言われるまでもなく、葛藤などしたこともないし何かが好きとか嫌いとか、そういうことがまずわからなかった。

 ただ『復讐のために心を捨てろ』というのはきっとブランクではなく自分自身に言ってるのだなと思っただけだった。心がわからないぶん、恩人の望む姿でいようと思った。だから全ての命令に従っていた。

 『恩人』と別れたのは最近だった。自分が戻るまで適当に生きておけと言われたのが最後だ。無性にあの人に会いたいと思ったのは初めてだった。 

 

とぅるるるるるるん……

 

 電話が鳴った。

「はい。ブランクです」

『あ、お久しぶりです。ドッピオです。お疲れ様でした。チョコラータも褒めてました。…無事、あなたは親衛隊に抜擢です。ただ…もう少し、いやもしかしたらずっと暗殺チームにいてもらうかもしれません。追って連絡しますけど…任務は継続ということで』

「わかりました」

 電話はすぐに切れた。ムーロロからの命令はこれでワンステップ進んだわけだ。無事、自分は命令をこなし続けている。それに安心する。

 

とぅるるるるるるん…

 また電話だ。

「はい。ブランクです」

『よぉブランク。どうせ家で暇してんだろ?今から来いよ、おもしれーもん見せてやっから』

「わかりました」

 ブランクは居場所を聞いてすぐに電話を切った。断るのはブランクらしくない。でも今ホルマジオと顔を合わせたくなかった。それでもブランクは指示された場所へ向かうしかないのだった。

 

 

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