ドレミフラ祭の小説です。



あとドレミーのキャラ崩壊注意ですっ!()

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喧嘩はする。だって姉妹だもの──


夢にまで見た仲直り

 これはよくある事。毎日のように会う人だからこそ拗れる仲。

 

「フランなんてもう知らないっ!」

「ふーん、だ。私だってお姉様のことなんか、もう知らないもん! 勝手に怒ってればいいよ! 後で後悔しても遅いんだからね!」

「お、お嬢様、妹様。お、落ち着いてください⋯⋯」

 

 ただいつも通り暮らし、過ごしているだけなのに、お姉様とはよく喧嘩する。エスカレートすれば殴り合いにまで発展するけど、いつでもきっかけは些細な事。物の取り合いだったり、優先順位の奪い合いだったり。

 

 今日もプリンの取り合いと、何処の兄弟姉妹でも起きそうな喧嘩の原因。そんな小さな事でお姉様と言い争いになり、さっきまで掴み合ってたが、今は咲夜によって止められている。それでも熱は収まらず、今も尚、咲夜を挟んで言い争いを続けていた。

 

「後悔なんてしないわよ! もう二度と貴女の顔を見たくないわ! 早く地下に戻りなさいよ!」

「っ⋯⋯! お、お姉様のバカっ! 私だってお姉様の顔なんか⋯⋯!」

「なっ⋯⋯! そんな事言うフランなんて嫌い! 早く戻って!」

「うぅっ⋯⋯! ふんっ!」

 

 お姉様の言葉で頭にきた私は、扉をぶち破って地下へ戻る。後ろで大きな怒った声を上げる、お姉様を無視して。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「お姉様のバカっ! いつもいつも、自分の事ばっかり⋯⋯!」

 

 部屋に戻るとすぐ、床に落ちていたぬいぐるみを掴み上げ、『目』を握って破壊する。むしゃくしゃした時はこうしたら落ち着ける。遊び道具が1つ減っちゃうのが難点だけど、またお姉様に買わせれば済む話だ。

 

「⋯⋯あれ。それおかしくない? お姉様、なんで買ってくれ⋯⋯あっ、私の事考えて⋯⋯うぅ、お姉様ぁ⋯⋯」

 

 さっき喧嘩したばかりなのに、なんだか悲しくなってきた。その感情を抑えようと枕に顔を埋めて、落ち着こうと深く呼吸する。

 

 改めて考えれば、いつも私はお姉様に頼ってばっかり。それなのにお姉様は、いつも私のわがままを聞いてくれて、私と遊んでくれて⋯⋯。

 

「うー、許してくれるかな⋯⋯? ううん、絶対無理だよね⋯⋯」

 

 思えば今まで、喧嘩しては仲直り、喧嘩しては仲直りを繰り返していた。けど、どれも仲直りするまでの期間は3日以上と、すぐに喧嘩が終わった試しはない。しばらくは気安く話しかけられないだろうし、もし話しかけたとしても絶対に嫌味を言われて私も怒っちゃう。⋯⋯どうしたらいいんだろう。

 

「あー⋯⋯ほんと、どうしよ⋯⋯」

 

 仰向けになり何も考えずに天井を眺める。どうせ会っても仲直りできずに喧嘩するなら、考えるのも無駄な気がしてきた。どうせ時が経てば元の関係に戻るんだから。

 

「⋯⋯元の、でいいのかな」

 

 私が求めてるのって何だろう。私がお姉様と築きたい関係って何だろう。分からない。私がどうしたいのか、どうすればいいのか分からない。

 

「ふぁぁ⋯⋯ぁ。⋯⋯眠っ」

 

 もう眠る時間だから、考えるのも疲れてきた。⋯⋯喧嘩した疲れもあるからかな。とても眠たい。

 

「ふぁぁぁぁ⋯⋯もう、無理⋯⋯」

 

 凄まじい眠気に襲われ、私はそれに身を委ねるまま、目を瞑る。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 目が覚めるとそこは真っ白い世界だった。ただの1つも物はなく、ただの1つの生き物はいない。何もなく、気が狂いそうなほど真っ白な世界。だけど、私はそれに違和感を感じない。それがよく見る光景であり、それどころか当たり前とさえ思ってしまうような風景。ここが何処かとは考えず、何も考えられずに、気付けば私は歩いてた。

 

「あ、お姉様⋯⋯」

 

 そして、ふと目の前に見知った顔を見つける。何がおかしいのかその顔は笑っていて、手を招いてまるで「こっちに来い」と言わんばかりに誘ってる。

 

「どうしたの⋯⋯? あ⋯⋯ねー、待ってー」

 

 追いかけてたら、突然お姉様が立ち止まった。そして、意味ありげにこちらに振り返ると、再び笑みを浮かべた。

 

「⋯⋯え? あっ、え?」

「ふふっ、本当におかしな妖怪ね、()()()()

「⋯⋯だぁれ?」

 

 お姉様を追ってたはずが、いつの間にかそのお姉様が知らない人になっていた。白いドレスは白黒のワンピースに、翼は消えて代わりに牛のような尻尾が生えていた。そして、その髪は若干薄くなり、瞳は紅から髪と同じ色へと変わってしまった。その右手にはスライム状の何かを、左手には少し大きめのサイズの本を持っている。

 

 私からしてみれば、突如現れた侵入者。知らない人だからと身構え、右手を前に突き出す。そして、目を掴もうと彼女を探るも、上手く目を掴む事ができない。まるで雲でも掴んでるように、感触がない。

 

「ここは夢の中よ。何をしようとしてるかは分からないけど、私に干渉できるなんて思わない事ね」

「⋯⋯お姉様の事知ってるみたいだけど、誰? それに夢って⋯⋯どういう事?」

 

 言われてみれば、私は寝ていたかもしれない。だけど、どうしてこんな奇妙な夢を見ているんだろう。

 

「そのままの意味よ。貴女は夢を見ているの。私はその夢の中にちょっとお邪魔しただけよ」

 

 話せば話すほど理解に苦しむ。何がしたいんだろう。何を思って私の夢に入り込んでるんだろう。というか、どうして入れるんだろう。

 

「⋯⋯貴女の目的は?」

「起きる前、喧嘩してたでしょう? 貴女の姉妹と。なのに、夢では仲直りしたいからと姉妹を追い求めている。矛盾してるようで矛盾しない貴女の行動に⋯⋯いえ、貴方達の行動に興味が湧いてね」

「⋯⋯()()()?」

「ええ。今でもそう。喧嘩してたはずなのに息はピッタリ。お陰で手間が省けたわ。そろそろ会わせてあげる。繋げてあげる。生きとし生けるものが見る夢は、根底部分で繋がっているのよ」

 

 その言葉を合図に周りの景色が徐々に歪んでいく。気付けばいつもの私の部屋(地下室)で、目の前には驚いた顔をしたお姉様が居た。そして多分、私もお姉様と同じような顔をしてる。

 

「⋯⋯フラン?」

「あー、お姉様⋯⋯」

 

 夢だと分かっていても、面と向かって話せばなんか気まずい。喧嘩した後なのだから、無理もないだろうけど。喧嘩した後にお姉様に会う夢を見る私も私なんだけどさ。夢って潜在的な願いとも聞くし、やっぱり私はお姉様と遊びたいという事になるだろうし。

 

「⋯⋯1つ言っておくけど、夢の中でも目の前に居る姉妹は夢じゃないですよ。夢を見ている現実の人、そう捉えてくださいね」

「えっ、それって⋯⋯」

「っていう事は⋯⋯本物のフランなの!?」

 

 お姉様も今初めて気付いたらしい。目を丸くして驚いている。

 

「⋯⋯帰して。何者かは分からないけど、部屋に帰して」

 

 真実を知った私は気まずい空気に耐えきれず、思わず言ってしまった。ハッとして慌てて訂正しようとするも、それを聞いたお姉様は不服そうに頬を膨らませていた。

 

「私も部屋に帰してちょうだい」

 

 そして、その顔のまま不機嫌そうに声を漏らす。一緒に居づらいからって、お姉様を無下にする言葉を言わなければよかった。今なら絶対、勘違いするに決まってるのに。

 

「ここは貴方達の部屋ですよ? 見てる景色は違うでしょうけど、間違いなく貴方達の部屋。⋯⋯そんな顔しても、まだ貴方達が寝てから3時間ほどしか経ってないんですよ? まだまだ、目覚めるには早いと思いません?」

 

 それを言われると確かに早いと思う。だけど、それが本当かどうかはあの人にしか分からないわけで⋯⋯。

 

「そんな事より、2人仲良く遊びません?」

「えっ? 何言って──」

 

 突如として空間に裂け目が入る。そして、そこから世界にヒビが入り、ガラスの割れる音とともに再び風景が一変する。

 

「──え?」

 

 次に状況を理解した時、周りには雲が浮いていた。そして、理解する。ここが空だということを。

 

「ひゃっ!? と、飛べ⋯⋯ないっ!?」

 

 理解した瞬間に飛ぼうと妖力を体に巡らすも、夢の中だからか上手く力が入らない。諦めて必死に翼を羽ばたかせるも、私の膜がないそれでは、風が通り抜けるだけで徐々に浮力を失いつつあった。

 

「フラン! 手⋯⋯っ!」

「お、姉様っ!」

 

 そんな私にお姉様は手を伸ばし、飛べない私を助けれてくれた。その背に生える大きな翼を、必死に動かしながら。

 

「き、急に何するのよ!?」

「ふふ。やっぱり仲良いじゃないですか」

 

 怒りを露わにするお姉様に対し、その人は楽しそうに、嬉しそうに笑みを浮かべる。まるで人をからかう子供のようにも見える。見た目は私達とあまり変わらないようにも見える子供なんだけど。

 

「そして⋯⋯ふっ、仲直りの握手ですね」

「ばっ⋯⋯! こ、これはその⋯⋯違うから! 全然そういうのじゃないから!」

「そ、そうよ! フランを助けたのは反射的に⋯⋯!」

「でも、名前呼んでいましたよね? 仲の良い姉妹、羨ましいですね」

 

 ウザったいほど清々しい笑顔。こいつの動機は分からないけど、内容的に仲直りさせるのが目的だったのかな。意味がよく分からない。友達とか顔見知りならともかく、こいつは全く知らない赤の他人。それなのに、興味が湧いたというだけで、仲直りさせようとしたのだろうか。⋯⋯これが俗に言うありがた迷惑かな。

 

「はあ、貴女、何言って⋯⋯」

「さあ、仲直りしたわけですし、早く2人で遊びましょうか!」

「だから、何言って⋯⋯あ、ちょっ、腕引っ張ら⋯⋯っ!」

 

 何処へ連れて行こうとしてるのか、青髪の女性は私達の腕を引っ張り、空を舞う。と同時に辺りの景色が変わり、次は目下に楽しそうな遊び場が並ぶ賑やかな場所へと変わった。そこでは見た事もない機械的な何かがたくさんあって、まるで幻想郷じゃないみたいな場所だ。

 

「遊園地です。他の方の夢を参考に創りました。どうです? 楽しそうじゃありません?」

 

 初めて聞いた名前。だけど、なんだか魅力的な言葉。聞いた事もない言葉に魅力を感じるなんて普通は有り得ないのに、おかしな感覚だ。

 

「⋯⋯それは分かんないけど、あの走ってるやつは乗ってみたいかな。自分で飛ばなくてよさそうで楽そうだしね」

「ジェットコースターですね。楽しいですよ、あれは。ああ、もう飛べるようにはしましたので、自由にしてもらっても大丈夫ですよ」

 

 楽しい、か。無人で走行し続けてるけど、見たところ複数人は乗れる構造になってる。しかも2人は隣に座れる構造だ。さっき助けてもらえたという事は、そこまで不機嫌ではない証拠。今が⋯⋯チャンスだ。

 

「ふーん⋯⋯。それじゃ、お姉様⋯⋯行こっ!」

「え? え、ええ⋯⋯!」

「⋯⋯ふふっ、良い兆候。ここは夢の中。気が済むまで、楽しんできてくださいね」

 

 どさくさに紛れてお姉様の手を握り、目当ての場所へと羽ばたき進む。

 

 そして、私とお姉様は、その遊園地で至福のひとときを、嬉しくも楽しい時間を過ごした。それこそ、まるで夢のような時間を────

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ふぁぁぁぁ⋯⋯、あ⋯⋯」

 

 目が覚めた時、最初に見えたのはいつも通りの天井だった。光が全く入り込まない薄暗い部屋の中、淡くライトが光り唯一明るく見える真っ白な天井。

 

「⋯⋯おはよう」

「んー⋯⋯? お、お姉様⋯⋯」

 

 そして、最初に聞こえてきたのは大好きなお姉様の声。昨日の怒りの篭った声とは打って変わって、とても優しくて温かな声。

 

「⋯⋯昨日はごめんね」

「うん? あー、別に⋯⋯。うん⋯⋯」

 

 まさか先にお姉様にそれを言われるとは思わなかった。だから、逆に気まずく、申し訳ない気持ちで溢れてくる。しばらくの沈黙の後、罪悪感に耐え切れずに口を開く。

 

「わ、私の方こそ⋯⋯ごめんなさい。⋯⋯()()、遊んでくれる⋯⋯?」

「ええ、今度は現実で⋯⋯ね?」

「⋯⋯うんっ!」

 

 その日から私は、いつも以上にお姉様と仲良くなった。あの夢がきっかけとなって。




──そして、仲直りもする。姉妹だから。



⋯⋯ドレミーがただの百合好きと化してる件()
そして字数ががががが()

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