ワンピ完結させてからやれとは酷なことを言わないで...!
モチベは大事、生きるためのモチベ下がったらやってられないもの。
筆者は兄弟にするの好きです、はい。
誤字報告ありがとうございます!
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“俺”がハッキリとこの世界で意識を持ったのは目の前の小さな命と手を繋いで、名前を聞いた時だった。
「この子はシスイ———“うちはシスイ”よ」
ガツン!と頭を殴られたような衝撃と聞き間違いだと思ったその後すぐにこれは夢だと逃避した。
おかげで色々と声をかけてきた女性、うちはシスイの母親に返事をすることが出来た。
「ちいさい」
「そうよ、でもすぐ大きくなるわ、守ってあげてねお兄ちゃん」
舌足らずな言葉遣いと“お兄ちゃん”と呼ばれた事で再び衝撃を受け、顔が忙しなく色を変えているだろう。
少しだけ俯けばシスイに集中してる風に見えるだろうか、身長差で顔は見えないからバレてないと思いたい。
まさか原作が始まる前に死んでしまう、うちはシスイに兄がいるなんて当然聞いたこともない。
夢に見るにしてもNARUTOの世界なんてしんどいと内心で悪態をつき続けた。
それでもその小さな手とは繋がれたままで、赤ん坊はなかなか力が強かった。
シスイと母親は検査をして何も無ければなんと明日には退院するという。
現実で身内の出産に付き合ったことはあるが、どれも翌日には退院はしてなかったと頭痛がした。
まあこの世界の住人はそもそも造りが違うのだろうけど。
そのため入院で使っていた大まかなものは一緒に来た男性(恐らく父親)がまとめて持ち帰る事になった。
両手が塞がった父親がいつも通りなのか、さっとオレを抱き肩車をしてくれた。
身体の方もこの座り心地がしっくりきて、違和感はなかったから間違いではないんだろうな。
里の大通りを抜け一定のリズムを感じながら俺は緊張していた。
背後には大きな、登ればこの里を一望できる岩山、火影岩と言われるものがある。
なぜそれを気にしているかと言えば、もしうちはが復興してずっと先の未来の話だったら?と思ったからだ。
“うちはシスイ”という名前も、昔の偉人からあやかって付けることは珍しくない。
今が何時なのか把握するなら、火影岩を見るのが一番だと考えた。
四つある状態で“うちは”となればクーデターの前で
三つならば、多くの国を巻き込んだ第三次忍界大戦が勃発した時期。
曖昧だけど三代目は大戦の責任をとって一線を退き、火影は四代目になったはずだ。
先ほどまで握っていた小さなぬくもりを思い出し、夢だと思いたい自分を現状を把握するだけだからと言い聞かせ、首だけ振り返った。
果たして映ったのは——————三つの顔、三代目火影猿飛ヒルゼンの顔だった。
いやだぁ!!!しにたくない!!!
そんな心からの叫びを声に出さなかっただけでも俺はオスカー賞受賞していいハズだ。
「ん?どうした、緊張したり驚いたり今日のお前は忙しいな」
朗らかに笑う暫定父親の言葉を聞き流しながら
夢であっても嫌だと、この時点で絶望した俺は目の前の髪に顔を突っ込んだのは仕方のないことだった。
身長の高い父親に揺られてあっという間にうちは区画と呼ばれる場所に着く。
区画にある自宅は大きくも小さくもない普通の家だった。(強いて言うなら庭がなかなかの広さで裏に菜園があったことか)
家に着くと荷物を整理して、作り置きしてあったおかずで二人だけの夕食をすませた。
お風呂はお兄ちゃんになるからという理由で一緒に入る事を回避した。
行き場の失った右手が寂しそうにしていたが、上の子の見栄っ張りか微笑ましいと受け取られて、若干俺は恥ずかしかった。
どうやら俺こと“うちはアケル”はこの歳でひとり部屋を与えられているらしく、もちろん俺はそこで寝る。
暫定父親は昨日まで一緒に寝てたのに…!!と肩を落とし大きな背中は寂しそうにしていたが、ここは逃げの一手。
「ア〜ケ〜ル〜」
「おやすみなさい!」
未練がましく伸びてきた腕を障子で阻んで逃げる、たぶん追っては来ないだろう。
許せ、親父(暫定)俺にも状況整理する時間が必要なんだ。
小さな子供用の机に持ち寄ったのは、鉛筆と巻物。
これから俺が書き記すのは
この際これが夢なのか現実なのか、転生だとか憑依だとかは一旦置いておく。
俺は座学は得意じゃなかったから、覚えている事を今のうちに形にしておかないと忘れてしまうだろう。
よしっと気合いを入れて、書き進めるのは名前などをぼかしてキャラクターを動物に置き換え、昔話風にしたもの。
読み込まないとこれが木の葉の里でいつか起こる出来事だとはわからないだろう。
10年以上の長期連載の作品、俺が子供の頃アニメがやっていて高校に上がった頃には修行から帰って新しい章になってた。
その頃にはNARUTOから離れていて、しかし連載が終わったと聞いてもう一度見直そうかなと思っていた矢先だった。
運が良かったのはその前にとりあえずとWikiを見て振り返っていたことだ。
つまり細かいところは抜きにして真相は知っているという事。
黒幕にバレてしまえば即排除で、タイミングを誤れば里から異端児扱いだってありえるこの知識を上手く利用していかなければならないのだ。
こちらに主導権があるならまだいい、こちらのカードを切らざるをえない状況が最悪だろうな。
もちろん
もしかしたらうちはとは言えどモブなら何をしても影響なんて与えられないかもしれないが、
俺がうちはシスイの兄である以上、まず間違いなく
ついでにシスイの写輪眼を欲しがるダンゾウとも関わることになるだろう。
例えば写輪眼欲しさに俺を人質に、とか。
当然のようにやりそうで背筋が冷えるのを振り切るために手を動かす作業に戻った。
「こんなものか...」
すっかり短くなってしまった鉛筆を置いてひと息つく。
むかしむかしから始まる物語をさっと目を通し、大まかな流れを間違ってないか確認した。
そして綺麗に巻きとると用意していたダミーを鍵のかかる引き出しにひとつ、タンスの奥にひとつ、布団の枕にひとつ仕込む。
本物は厚い辞書を頑張って切り抜いてそこにピタリと入れて固定すると本棚に紛れ込ませる。
他の本を動かし辞書だけを使った痕跡を残さないように細心の注意を払った。
うちは区画自体監視されていることを知っている以上、油断ならないが完全に手の届かない所に置いとくのも不安が残る。
その為手元に届く自室に置いておく事にした。
ふと外を見れば白み始めた空。
時間切れかと思い布団に潜ると眠気がありながらこれからの事を考え始めていた。
目下の問題はうちはのクーデターが起きる状況になれば間違いなくあの事件は起きるということ。
そうなれば
(まあそれ以前に俺が
不安はある、恐怖もある。
今の俺がいる世界が現実なのか、それとも夢なのか。
今までいた記憶のないうちはアケルはどうなったのか。
うちはアケルとしての記憶はしっかり覚えている。
やはりと言うか忍びとして素質があるらしいがやんちゃでうちはであることそれ以外は普通の子供だった。
それがいなくなったと言うことは俺が殺してしまったのか?
俺が、
だとしたら俺は最低で最悪なクソ野郎だ。
そうだ、原作が終わって、その時まで生きていられたら
――――――
不安で泣きそうになったのか、目頭が熱くなったが俺はやってくる眠気に身を任せて、眠りについた。
明日の午前中は家を掃除するらしい、思い出して早く寝なかったことをちょっとだけ後悔した。
うちはアケル(3)
黒髪くせっ毛、情緒不安定真っ最中←New!
うちはシスイのお兄ちゃんになりました←New!