誤字報告いつもありがとうございます...!
「あー」
「どしたシスイ」
「あう〜!」
「なんだ呼んだだけか?」
コロコロと転がってそばにいた俺に手を伸ばすシスイ、それをあやす俺。
うちに来てから早いもので一年が過ぎた。
まず“うちはアケル”の記憶が引き継がれていたのが幸いだった。
日常生活では支障はなく過ごせているし、俺という意識が割り込んで大人しくなったのも、シスイという弟が生まれたからだと両親は考えているらしく怪しまれてもいない。
まあ実際は中身の年齢が成人済みだからなんだが。
一年で裏庭や区画でひたすら筋トレとか走り込みをし、この世界にある“チャクラ”を意識して過ごした。
身体を動かすのはここに来る前の俺の感覚をこの身体に慣らす必要があった。
そしてチャクラという俺からすれば謎の力がどんなものか、実際に体験した方が早いと思ったからだ。
おかげで身体は時々うっかりミスもあるが馴染んで、チャクラも感じ取れるようになったし、練るということもできるようになった。
ここにやって来た1年前は自殺したいと思ったが、それでは俺がここに呼ばれた意味を考え諦めた。
と言うのも俺は少年漫画もライトノベルも見ていたし、実際俺が体験しているこの現象のことも理解している。
二次創作にも手を出していた俺はふと自殺した話があったと思い出したからだ。
結論を言えば自殺したあとずっとループし続けるものだった。
つまりその世界に呼んだ奴は
奴らの娯楽に使われていると思うと怒りがふつふつとわき上がる、反面で俺もその一人であったんだと心が冷えていく。
結局紙一枚の向こうにいる彼らの悲しみも痛みも喜びも、“理解した気になっていた”だけだったのだと。
3歳のうちはアケルを殺してその上、彼らの気持ちを分かってたフリをするなんてつくづく救いようがない。
何故俺だったのだろう、別に俺じゃなくても―――、
「あうぅ」
「…!」
ふわふわの黒髪と澄んだ瞳がこちらを捉えていた。
ぺたぺたと俺に触れる小さな手が俺がちゃんと“この世界”に生きているのだと教えてくれる。
一生懸命に伸ばされた腕で俺が必要なんだと訴えてくる。
俺の弟、
そして来るべき日にイタチに意思を託して死に行く人物。
「ありがとう、シスイ」
他でもないお前が
イタチという
俺をここに呼んだ奴がいるなら望み通りこの世界で生きてやる、“うちは”を舐めるなよ。
そして死後の世界で俺を誉め称えるといい、名男優ってな。
この時俺はこの世界に来て初めて心から泣いて、笑った。
「あら」
洗濯物を干している間上の息子であるアケルにシスイの面倒を頼んだのだが、静かすぎると様子を見にきてみれば二人は寝転んでお昼寝をしていた。
すよすよと寝息を立てながら、アケルに至っては微笑みを浮かべている。
下の子のシスイが生まれる前はやんちゃ坊主で手を焼いていた子だったけど、シスイと初めて会った時ひどく困惑してたのを覚えている。
あの人から聞けばその日帰ってから、俺お兄ちゃんだから!とお風呂も一緒に寝る事も嫌がったというのだから、シスイ様々って所かしら。
お願いすれば家の手伝いもするようになったし、合間を縫ってはシスイの様子を見ているからよほど弟がうれしいのだろう。
それ以外では走り込みをしているらしく、きっとそのうちあの人に修行つけて!と言い寄るに違いない。
「ずっと気を張ってたものね」
そうなぜか自室にいるときでさえアケルは何かに怯えるように気を張っており、ここ最近では顔にも疲労感が現れていた。
けれどこの寝顔を見て安心した、どうやらこの子は何かが振り切れたみたい。
(もしかしたらシスイが切っ掛けを作ったのかも?)
まさかとは思いつつ、私たちの子供であるから有り得なくもないと親バカを発揮させる。
幸せそうな寝顔をみていると、なんだかこちはも眠気が襲ってきて、まあいいかと起こさないように抱きしめるとすぐに眠りに落ちた。
目を覚ますと夫も帰ってきており4人で眠っていたようだ。
その様子に幸せを噛み締めたあとこっそり起きると夕飯の支度にとりかかるのであった。
うちはアケル(4)
黒髪くせっ毛、やっと精神安定してきた
うちはシスイ兄
弟の死亡フラグは立たせない←New!