試合が開始されて20分が経過し、言い知れない感覚を味あわせ続けられて身体より先に精神的に疲労し始めている
未だ決定打を与える事も構わず、ジリジリと追い詰められてきている
流石は代表候補生、素人が思い付く様な行動なんて予測済みと言わんばかりに余裕の表情を崩さずにいる
「く・・・やっぱり強いな」
シラツユの銃口をオルコットに向けながら呟くと、オルコットはニコリと笑み
「お褒めにあずかり光栄です、これでも努力は人一倍してきたつもりですわ」
優雅さを損なう事なく自身に満ち溢れた表情、まさに努力に裏打ちされている証拠だ
確かにオルコットはISを扱う才能があったのだろう、だが才能は磨かねば腐れる
才能があるからこそ慢心せずに努力を重ね技を研鑽し続けるからこその強さ
「あぁ本当に強いなオルコット、今のオレでは到底届きはしない程に・・・でも、だからこそ、負けるのは必然だとしても全力を尽くさずに負けるのは・・・面白くない」
シラツユを格納し、ムラサメを一対展開し握る
やはり此方の方がしっくりくるし、安心する
オルコットはオレの言葉に少し目を丸くした後、可笑しそうに目を細め
「ならば私も全力で対するのが礼儀、この先は手を緩めませんわ」
オルコットは そう言い自身の得物に銃剣を装着してオレに銃口を向ける
「篠ノ之 命、推して参る」
「セシリア・オルコット、参ります」
ウィングスラスターの出力を最大にして接近し、オルコットの放つレーザーを右のムラサメで切り裂き、間合いに入った瞬間 左のムラサメで攻撃を仕掛ける
だが動きを読まれていたらしく、シールドで防がれてしまった
直ぐにウィングスラスターの出力を落とし身体を捻ってオルコットから距離を取ると、スレスレで銃剣がオレの目前で通り過ぎて行ったので再びウィングスラスターの出力を上げてオルコットから距離を取り左のムラサメを格納し、シラツユを展開してオルコットへトリガーを引くが、ヒラリヒラリと躱されてしまう
オレが思い付く限りの攻撃をし続けてもオルコットには届いていない、流石に折れそうだ
まぁそもそもオレがオルコットに勝つ必要は無い訳だが・・・最後まで諦めずに戦うのが専用機を用意してくれた束への礼儀だろう
それに、オルコットの余裕の表情だって崩さないと面白くないしな
となると、奇策を使うしかない訳だが束に使用は控える様に言われてるんだよな、失敗したら即死もあり得るらしいから
でも、リスクに見合う奇策だ
お待たせしました