箒 視点
朝、命の助言で私に残された優勢のタイムリミットが間近に迫っている事を認識し、勇気を出す決意を漸く出来た矢先、凰の襲撃を受けてしまった
やはりコヤツも一夏に惚れているのだと昼間の様子から予想はしていたが此処まで露骨に行動に出すとは、侮れない
そんなこんな問答をしていたら命が場を正し凰を退かせてくれたのだが、念押しで言われてしまった
次が無い、明朝に再度 訪れるかもしれない凰との衝突、その可能性を考えれば日和らずに結構する他にない
私は扉を閉め、一夏へ振り返って深呼吸する
「大丈夫か?箒」
先程の私と凰のやり取りを心配そうに伺っていた一夏が私に尋ねて来た
「あぁ大丈夫だ一夏、それより話がある。座れ」
「お、おぉ」
元々表情が固いのは自覚しているし、緊張して更に表情が固いのも予想が出来るが、私の気迫に押されて恐る恐る椅子に座る一夏を見ると少し複雑な気持ちになる、が此処は勢いで行くのみ
私は、もう一度深呼吸して 正座をして一夏を見据え
「一夏、私は不器用で口下手で想いを伝えるのが下手だ、鈍感で朴念仁の お前に気持ちを伝える方法なんて簡潔に言うぐらいしか出来ない、だから言う!! お前が好きだ一夏、結婚を前提に付き合って欲しい」
言えた、言えたぞ私、ありがとう命
顔が真っ赤になっているであろう私の言葉に一夏は瞬きを数回繰り返し、一夏も顔を赤くしワタワタとした後に深呼吸をし
「ほ、箒 ありがとう。今すぐ結婚とか先の事は考えられない、でも俺も・・・うん、俺も箒が好きだ。だから俺と付き合って下さい」
一夏は そう言い私の前に正座して頭を下げてくる、その様子に嬉しくて涙が出て来てしまった
「何を言っているんだ一夏、告白したのは私だぞ?なんで お前が告白して来ているんだ」
嬉し泣きしながら笑うと、一夏は顔を上げて『それもそうだな』と言って笑う
しばらくして涙も落ち着いたので
「一夏、私は不器用で口下手でお前に、きっと迷惑を沢山かけてしまう。それでもいいか?」
少し目を伏せて言うと
「お前が不器用で口下手なのは知ってるし慣れてる、それに好きな女にかけられる迷惑は男は背負ってなんぼって
ニッと笑み一夏は力強く言う
「柳司おじさんが、そうか。ならば これからよろしく頼む一夏」
「おう、よろしくな箒」
父さん、母さん、私は今 幸せです
貴方達と離れ離れになって寂しかった事も多かったですが、私は今 彼へ想いを伝える事が出来ました
手紙を記し、姉さんに頼んで届けて貰います。報告を楽しみにしていて下さい
お待たせいたしました
鈴が不遇ですが、お許しを
柳司は命の親父で、篠ノ之 父の実弟 という設定