そんな訳で鈴を屋上に誘導する事に成功した、幸い屋上には人影が無い
とりあえず東屋みたいなスペースに向き合って食事を始める
今日は稲荷と手で摘めるオカズの組み合わせな弁当の蓋を開くと
「それ、アンタが作ったの?」
「これ?束が作ってくれたけど」
珍しいのか鈴に聞かれたので答えると、へー と言い鈴は酢豚を食べる
半分程弁当を食べた所で
「そろそろ話をするか、鈴 落ち着いて聞いてくれ。一夏と箒が付き合い始めた」
オレの言葉に見るからに動揺して鈴は割り箸を落とし
「な、何を言ってるのよ命、いくら何でも冗談じゃ済まないわよ?」
鈴は落とした割り箸を拾いながら言うが
「鈴、嘘じゃない。昨晩から一夏は箒と付き合い始めたんだ、だから一夏の事は諦めろ、としか言えない」
「アタシは、アンタは!! 一夏に告白したのよ?! 返事を聞いてない、まだ分からないわ!!」
感情的になるな、と言う方が無理な話な為 鈴はだいぶ声が大きくなりつつある、これは予想済み
寧ろ直情型の鈴が大人しく受け入れる訳が無いと思っていた
「・・・一夏に伝わっていなかったら意味が無いんだ鈴、お前はチャンスを逃したんだ」
最後の稲荷を食べて、オレの言葉を聞き俯き両手を握り締めている鈴を見る
「・・・して、どうしてよ命! アンタが邪魔をしなければ・・・」
割り箸を握力で折り鈴はオレを睨む
「オレが邪魔をしなかったら一夏は お前と付き合ってたか? 確かに可能性は有ったかもな? あとな、箒から告白した前提で話を進めてるけど、一夏から告白した可能性も有るんだぞ? 」
そう言うと鈴は折れた割り箸をテーブルに置き、一夏用に作ったで有ろう酢豚が入ったタッパーに触れ
「アタシは、アタシは一夏が好き。だから嫌なの・・・」
鈴は俯き普段の鈴から考えられ無いぐらい弱々しい声で言う
「・・・嫌でも現実は変わらない、この事でオレが お前に手を貸す事は絶対にないし、気持ちの整理もお前が自分でつけるしかない」
「アンタの そう言う所が嫌い」
「知ってる」
オレの容赦の無い言葉に鈴が言い、オレはいつもの様に答える
あとは鈴が自暴自棄起こして一夏を殺して自分も死ぬ、みたいな事をしない事を祈るしかない
あーなんでオレは頼まれてないのに こんな働いてるんだろう、しかも勝手にしてる事だから一夏にも言えないしなぁ
3分ほど俯いていた鈴が顔を上げ
「・・・大丈夫よ、失恋したぐらいで死んだりしないわ」
「・・・そうか?わかった」
若干、目のハイライトが消えてる気がしたが昼休みが終わるまでは鈴を見守る事にしよう
人生って何が起こるか分からないモノだ、だから出来るだけ最善を選んで生きて行きたい
お待たせしました