あの後、一通りの説明を聞き終えた箒と慣らしの為に軽く模擬戦をしたのだが、なんで刀からビームが出るんだ? いや、どうやったら刀からビーム出せる様になるんだ?
何度か打ち合ったが、銃口おろか白式の雪片みたいな切れ込みすら無かった、どこからビームを出してたのだろう
まぁその事を気にしても仕方ないか、素人に毛が生えた程度の俺には分からない事だしな
あと俺もある程度 手を抜いていたけど、箒は俺と紅椿で互角に打ち合って見せた、実習で搭乗経験があるとはいえ 流石は箒といったところだろう
そんな訳で慣らしを終えて着替えてからアリーナを出て1人で寮へ帰る、束は まだ仕事が残っているらしく管制室から直接職員室へ行った様だ
夕陽により赤く染まる帰路を特に急ぐ必要は無いので、のんびりと歩いていると噴水の縁に座り何処か遠くを見つめている水色の髪の眼鏡をかけた美少女と遭遇し、何処かで見た覚えが有ったので記憶を探りつつ彼女に歩み寄る
直接話した事は無いが知っている、そう確か・・・
「・・・更識 簪、だったか? 」
思わず呟くと更識はビクッと身体を震わせ俺の顔を見て
「・・・なにか、用? 」
何かに疲れ果てた眼をし何もかもが億劫な雰囲気を出して更識は言う
「別に用はないが・・・あまりに遠くを見ていた様だったから気になってな」
「・・・そう」
俺の言葉に更識は一言だけ呟いて俺から眼を逸らし遠くを見る
「何か疲れてるようだけど? 」
「・・・疲れた、か・・・確かに疲れたな・・・追う背中が遠い」
そう呟き更識は遠くを見るのをやめて自分の両手へ目を移す
「そうか、なら一度立ち止まっても良いんじゃないか? 立ち止まって少し休んで、また進めば良い」
俺の知る世界最強のIS搭乗者と天才は、悩んで立ち止まっても また自分が決めた道を進んで来た事を知っている
「・・・立ち止まって・・・いいの?」
「気を張り続けるのは疲れるだろ? 立ち止まって休む事も大切だと思うぞ? 」
少しキョトンとした表情をして更識は呟き、俺は それに対して返答すると、更識はポロポロと涙を流し始め
「・・・あり・・・がとう・・・ありがとう」
何故だかお礼を言われ少し困惑するが、流石にこの場から逃げる訳にもいかないのでポケットからハンカチを取り出して
「泣きたい時は泣けばいい、そしたら笑いたい時は泣いた時分笑える筈だ」
とハンカチを更識に差し出して言うと、更識はハンカチを受け取り涙を拭いてクスリと笑う
「そのセリフは、クサいと思う」
先程とは打って変わり何かスッキリした様な表情で更識は そう言い
「でも、ありがとう。少し肩の力が抜けた」
「そうか? なら良かった」
とりあえず一件落着した様な気がするから寮へ帰ろうと一歩踏み出すと
「待って・・・名前、まだ名前を聞いてない」
更識に呼び止められ、名前を尋ねられる
「・・・篠ノ之 命だ、この学園には俺含め3人 篠ノ之がいるから命でいい」
と名を名乗ると更識は何かブツブツ呟き始めて、ちょっと怖い
とりあえず数秒ほど様子を見ていると
「・・・よし、命・・・トーナメント戦で私とタッグを組んで欲しい」
確か更識は日本代表候補生で、専用機を持ってる筈・・・いや、持ってるけど完成してなくて乗れないとかなんとか束が言ってたような?
うん、更識なら羽黒に合わせられるかも知れない
「わかった、よろしく頼む」
おそらく更識にも思惑なあるのだろうが、俺には俺で目標があるので更識には悪いが利用させて貰おう
お待たせしました
のほほんさん と 簪で迷った結果、簪になりました