衝撃で息もままならないまま仄暗い水の底へ泡の軌跡を残しながら沈んで行く
これが戦場、予想通りになんて動く訳がなかった
強奪機・・・銀の福音の搭乗者は明らかに戦場に、人を殺す事に慣れていた、そんな奴が襲撃をするにあたって事前準備を怠る筈は無く、結果 俺は海中へ叩き落とされて今にも意識が途切れそうだ
今、気を失えば多分死ぬかも知れない、一夏達は福音を相手にするので手一杯だから俺を回収する余裕も暇もない
こんな事なら全て推進力へ回さず、少しは防御にもエネルギーを回しておくべきだったと後悔しながら泡に赤色の軌跡が混ざっているのを見つける、どうやら 装甲を抜かれてしまっていた様だ。道理で水がしみると思った、このままではマズイと思い行動をしようとして目の前が真っ暗になり、気づくと 何処かの教室に立っていた
「は? なんだ・・・ここは」
見覚えの無い教室を見渡す
有り触れたよくある教室で、黒板の上には時計が有り、時刻は正常にしめしている
「チカラが欲しい? 」
音もなくいつのまにか 目の前に立っていた茶髪をツインテールにし、茶色いブレザーを着た どこか眠たげな少女が俺へ訪ねてくる
「欲しい、今 俺にはチカラが必要だ」
俺は迷わずに少女を見据えて言うと
「なぜ、チカラ望むの? 」
真っ直ぐに俺を見据え少女は問う、チカラを望む理由なんて決まっている
「仲間を守る為だ、この世界は平等なんて存在しない。話せば分かり合えるなんて綺麗事だ、毎日どこかで誰かが傷つき泣いている。そんな世界だ、だから此の手が届く範囲では そんな理不尽から仲間を、守ると決めた束を守る為に戦うチカラが欲しい」
俺も真っ直ぐに少女を見据えて言う、死ぬのは嫌だが怖くはない。束を守る為なら惜しくもない
少女は そんな思考を知ってか知らずか静かに頷き
「ならチカラをあげる、でも注意して? 機体装甲とかさ治せても身体は治せない、だから長時間の戦闘をした場合、命の保証は出来ない」
「充分だ、死ぬ前に倒してしまえばいい、簡単な話だ」
真面目に、説得する様に言った少女に 俺が そう言うと彼女は呆れた様な表情をし溜息を吐いて
「今言った所で無駄だから言わない・・・さ、
少女が そう言った瞬間、目に映る景色が再び海中に戻る
しかし、先程とは違う。意識はハッキリしているし今なら勝てる気がする
俺は猛鷲戯画を発動させて次元潜行し、海中から脱出し次元潜行したまま加速を続ける
そして限界まで加速しきった所で浮上し福音にタックルして、そのまま再び次元潜行して福音を次元の裏側に引き摺り込み直ぐに距離を取って浮上し
「悪い、待たせた」
とりあえず何もなかった風を装って言う
やべ、左脇凄く痛い、マジで痛い
これは束と千冬さんに怒られるな、と思い憂鬱になった
お待たせしました
これぞ、殺人タックル! ←