初夏の風が吹く7月7日の朝、俺は毎日の仕事である雑務の1つの境内の掃除をしている
あの日から早いもので10年の月日が流れ、10年の間で様々な変化があった
まず俺と一夏の3年間に及ぶ記録を解析し分析した結果、ISの欠点で有った搭乗者の性別を選ぶ点が改善された事
それに伴い俺と一夏は将来を縛られる事も無くなり、自分で未来を掴む事が出来た、一夏は千冬さんが成せなかったモンドグロッソ二連覇に挑戦中、俺は実家を継ぐ為に下積み中だ
次に現実的にISが犯罪に使われなくなった・・・否、使えなくなったが正しいか
俺達がIS学園を卒業し進学なり就職なりをした直後ぐらいに、ISコア達は人の姿になれる様になり自分の意思を持ち自分で行動が出来る様になったわけだ
そしてコア達は束を母親と言い、束の夢の実現に協力している
その内、ISコア達も恋を知り愛を知り伴侶を得る日がくるのかも知れない
「今日も良く晴れてるな・・・暑くなりそうだ」
参拝客が来る前の涼しい時間帯にサッサと掃除をしながら既に元気な太陽を浴びて呟くと
「お父さん、行ってきます」
束に似た顔立ちをした娘が声をかけてきたので
「おう行ってらしゃい、カガミ気をつけてな? 今日も暑くなりそうだから」
「はい、行ってきます」
俺と束の子供にしては妙に落ち着いている
結局、10年前のアノ日、驚きの命中精度で束は見事に身籠り10月10日後に
流石に束を説得してIS学園を卒業するまでは控えたけどな、色々
そんなこんなで陽が高くなり参拝客がチラホラ現れ始め俺達の仕事も本格的に始動する
10年前と変わった所の1つ、篠ノ之神社の繁盛ぶりが凄いこと
大きな理由の1つはISの発明者である束の生家であり居城である事だ
つまりIS関連の聖地化している訳だな、だから参拝客は世界各地から御利益にあやかろうと参拝に訪れる
まぁ殆ど日本人だけど
と言っても地元の参拝客も居るから全員IS関連とさ言えないが、IS関連の参拝客が多いのは確かだ
10年で世界は変化した
千冬さんは束が見つけて来た人とお見合いして結婚して今は産休中だし、一夏と箒は20歳になってから結婚して今じゃ二児の母親だし、弾はIS学園の文化祭に招待した時に出会った布仏の姉とつい最近結婚したし、クロエはIS学園で整備科の教師をしていて、鈴とセシリア、ラウラは国家代表を、シャルロットは父親の後を継ぎデュノア社を建て直して今じゃシェア1位になりつつある
10年という月日は長くもあり短くもある不思議な時間だ
10年で変わる事は沢山あるが、10年経っても変わらない事もある。例えば束の見た目とか、全く変化が無いからカガミと並んでいても姉妹に見えるぐらいだ、おかしいな3児の母親なんだが
世界は変化し、10年前より少し、ほんの少しだけ良くなった。そう思う
この先も世界は変化を続けるだろう、それが良い方向なのか、悪い方向なのかは俺には分からない
だが、願わくば 今より優しい世界になって欲しい
娘達が幸せに暮らし、孫の顔を見て老いて死ぬ。そんか幸せな世界に
この初夏の澄んだ限り無い空の様な美しい世界を願っている
-end-
お待たせしました
エピローグが少し短くて申し訳ないですが、これにて本作は最終回となります
これまでお付き合い頂いた読者の皆様、ありがとうございます
次回作については、書きたいネタが多い為、一旦 自分と向き合ってみようと思います
見切り発車すると、だいたい書き捨てになってしまうので
しばらく作品投稿は無くなりますが、決意が固まり次第 蘇りますのでしばらくお待ち下さい
それでは、ありがとうごさいました