戸山家長男?   作:0やK

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そういえば、前話で前作の総文字数を超えました。やったぜ!

※設定を参考にしていますが、どうしても分からない部分は改変してます。


進学とSPACE

 先月、俺は中学校を卒業し、高校に進学した。

 

 入学時って不安にならないか?中学校はまだ小学生の友達がいたからいい。公立だし、中学受験して私立に行くなんて事がなければ同級生の半数以上は同じ公立中学校へ行くから。

 中学校では小学校と変わらず友達関係が続き、違う小学校からの新しく友達が加わる。

 

 しかし、それが高校となると話は別である。

 

 高校は1からスタートすると言っても過言ではないだろう。中学校で友達関係や環境が途中から始まっていたものが高校ではリセットされるのだ。

 

 同じ高校へ進学する人もいるだろうが、1学年30〜40人ぐらいの少人数の学校でない限り、同じ中学校だとしても全員が全員が知り合い・友達というのはありえない。

 

 つまり言いたいのは……

 

 

 第一印象が大事であるいうことだ。

 

 

 第一印象を悪くすると終わる……というのは冗談で、第一印象が良ければ良いほど馴染みやすいし、人受けが良くなる。まあ、不安だったけど友達できた。自分から話しかけることが大事だ。とても大事。

 

 出席番号順で自分は戸山の「と」だから少し後ろの方で、前の塚山と後ろの西岡とすぐに打ち解けた。くんは同級生だし、会話している内につけない方が親しみやすいということでつけていない。

 

 そんな感じで入学と友達作りは無事に終了した。

 

 

☆ ★ ☆ ★ ☆ ★ ☆

 

 高校入学から3週間、4月があと数日で終わろうとしていた。俺は順風満帆と言える高校生活を送っている。

 

「なあ、光夜。ライブ行こうぜ」

 

 俺の名前を呼ぶ、前の席の塚山勇次。彼とは互いに名前で呼び合う仲になった。勇次だけでなく、他の友達とも名前で呼び合っている。

 

 高校入学して一月でここまで行けば上出来だと思う。

 

「ライブ?その前にチケット当選しないと無理だろ?」

「あ、わりぃ。言い方が悪かった」

「言い方?」

「ああ。アイドルとかのライブじゃなくて、ガールズバンドのライブだ」

 

 そっちか!

 

 この世界(ガルパ)、本当にガールズバンドが多い。テレビや雑誌で取り上げられてるのをよく目にする。

 しかし、ガールズバンドだけではなく、当然男性グループのバンドも存在する。ちょっとガールズバンドが多いってだけだ。ボーイズバンドについては、数年前に父さんのPCを使ってとある曲名を調べたことがある。

 

 

 その曲名は……

 

 LOUDER(ラウダー)

 

 

 曲のメロディーや歌詞はもうほとんど覚えていないが、RoseliaのLOUDERだけは今でも覚えている。そのLOUDERに関係するのがRoseliaのボーカルでリーダーの湊友希那。なぜ関係するのかというと俺が聴いたLOUDERこそ、湊友希那の父が作った曲だからだ。俺はLOUDERを初めて聴いた時、身体に衝撃が走った。

 

 

 

 

「…や!?……光夜!?ちゃんと話、聞いてる?」

 

 

 

 おっと、いけないいけない。RoseliaとLOUDERについてはひとまず、置いておくとしよう。

 

「ああ、ガールズバンドがどうしたって?」

「ガールズバンドのライブに行こうぜ」

「それは別に構わないけど……なぜ?」

「俺が行きたいからだ!」

「………」

「ちょっ!?だんまりはやめてくれよ!」

 

 ドヤ顔で言われたら誰でもそうなるわ。もうすぐ勇次との付き合いも一月になる。そのため、勇次の性格はだいたい分かってきた。

 

 ちょっとからかってやろう。

 

「一人で行けって言ったら……どうする?」

「お願いしますお願いします!どうか俺と一緒に来て下さい!俺、一人じゃ女の人だらけの場所なんて無理なんです!」

 

 彼はなんというか……ヘタレだ。女子に対する興味は人一倍あるのくせして、いざ女子と話すとなるとヘタレと化す。

 

 先週、クラスメイトの女子と話した時なんて酷かった。折角、女子からのお誘いがあったのに……。

 

 

「私たちこれからカラオケ行くんだけどさ。塚山君と戸山君も一緒にどう?」

「えっと……その、お、俺は……」

「お、おい。勇次」

 

 顔をトマトみたいに真っ赤にして俺の背中に隠れた。まだ顔を赤くするのは分かる。

 

 でも、なぜ俺の背中に隠れる?

 

 そして、袖を引っ張るのはヤメロオォォォォォ!!!

 

 それをしていいのは香澄か明日香だけだ!男がやっても誰得だよ。腐女子しか湧かねぇぞ、おい。

 

 何より俺と同じくらいの身長でそれはないぞ。

 

「悪い、勇次と約束があるからまた今度、誘ってくれ」

「う、うん。」

 

 気づけば、その女子は顔を真っ赤にしていた。

 

 おい、まさかキミ、あちら側の住人腐女子じゃないよな?さっきからオイしか出ないぞ、おい。

 

 周りの女子たち俺と勇次を見てキャーキャー言うの止めてくれませんかねぇ。俺も勇次も性格はどうあれ、容姿はいいからそれがさらに女子たちの妄想を助長させているらしい。

 

 てか、勇次はさっさと俺から離れろ!

 

 お前、そんなんで小・中学校どうやって過ごしてたんだよ。小中学校って女子と席が隣同士になるから関わり不可避だよな?今度、聞いてみよ。

 

 その日、帰りのHRが終わるまで視線が痛かったのは言うまでない。

 

「な?頼むよ」

「まず、勇次は女子と目を見て話せるようにした方がいいぞ」

 

 思わずジト目で勇次を見る。

 

「ウッ、難易度が高い……」

 

 高くねぇよ。

 

「とりあえず、話は分かった。ガールズバンドのライブに行こうじゃないか」

「シャァァァーーー!光夜、愛してるぜ!」

 

「「「「「キャーーー!」」」」」

 

 うん、そういうのは女子に言ってやれ。いや、マジで。それとそこの女子共、湧くんじゃないよ!

 

 ダメだけどもういいや(諦め)

 

 いろいろと諦めの境地に達した俺は気にしないことにした。

 

「んで、いつどこへ行くよ?」

「今日、SPACEにだ!」

 

 今日は土曜日、土曜授業で学校に来ている。土曜授業は午前中で終わりだからこの後行こうってことか。

 

 

 まさかのSPACEか。SPACEと言えば……

 

「ガールズバンドの聖地にか?」

「お、知ってんのか」

「まあな、行ったことはないが」

 

 

 行こうと何度もおもったことがあるが、なんだかんだで行っていない。

 

「なら、話は早い!午後に行こうって事だ」

「いいぞ、昼持ってきてないから、どっかで食べてから行くか」

「会場まで時間あるからカラオケかゲーセンで時間潰すか」

 

 おk把握

 

 L○NEで母さんにダチと遊んでくるって送った。

 

 一日中家にいないけど我が妹たちは大丈夫だろうか?香澄ももう小学校高学年の5年生だし、明日香は小4だ。まあ、香澄はまだ反抗期みたいで俺にちょっとそっけないし、明日香は……うん、大丈夫だろ。

 

 

 さすがにそこまで……

 

 

 

 ブーブー ブーブー

 

 

 

 ……………ん?

 

 

 

 携帯のバイブレーションが鳴っていたから確認すると。

 

 げっ、これって家電やん!絶対に明日香だな?母さん、携帯貸さなかったな。まあ、貸したら俺が帰ってくるまで延々と電話とメッセージが来そうだな。

 

 とりあえず、気になるし一度出てみるか……

 

 

 ポチっとな。

 

 

 

「もしm『お兄ちゃんッ!?今どこッ!?いつ帰ってk』」ブチッ

 

 

 

「…………ふぅ」

 

 

 

 またすぐに電話がかかってきたが、着信拒否ボタンを押して、俺はそっと携帯の電源を落としたのだった。

 

「お、おい。光夜、今のは………」

「何も聞くな」

「あ、うん」

 

 香澄が反抗期になのに対し、明日香は今まで以上に甘えるようになった。ここまで言えばもう分かるだろう、反抗期に入るどころかブラコン度が増した。どうしてこうなった!?と先週あたり、自分に小1時間ぐらい考えた結果、今までたまっていた甘えたい欲求が爆破したんだろうという結論が出た。

 

 

 帰ったらちょっと怖い。

 

 

 

☆ ★ ☆ ★ ☆ ★ ☆

 

 

 

 俺と勇次はファミレスで昼を取った後、カラオケに行こうとしたのだが土曜日の午後だし、歌うなら6時間以上がいいよなということでカラオケは諦めた。

 

 俺も勇次もカラオケはフリータイム派だ。というのも既に勇次と2回カラオケに行っている。

 

 勿論、フリータイム!

 

 2人以上なら絶対にフリータイム。これは譲れない。

 

 複数人で2〜3時間だと歌っているうちにテンションが上がり始めたところで時間が終了し、歌い足りなくなるのが目に見えている。全然歌えない+無駄に金がなくなるのダブルコンボである。

 

 みんなで楽しむのが大事とか言われても俺には理解し難い。

 

 だから、2人でフリータイムが一番だ。

 

 要はカラオケに来たのなら少しでも多く歌いたいのだ。普段は満足するまで歌えない。

 

 ところ構わずに声を大にして歌うのは常識を疑われてしまうからな。

 

 まあ、フリータイムじゃなくても朝から歌うヒトカラならぬ朝カラで3〜5時間を毎週日曜or祝日に歌っているんですけどね。朝カラだと料金が安くなって約1000円で済む。カラオケは午後が混むからね。午前中は10時過ぎまでホントすっからかんだから入って欲しくて安いんでしょう。 

 

 毎週午前中、カラオケに行こうとするとウチのシスターズが暴れだすので2週間に1回連れて行く。香澄はここ半年、数回に1回来ます。

 

 そうすると全く歌えないのだがウチのカワイイ妹たちのためなら、全然OKだ。

 

 

 香澄には来るべき未来(原作)のために歌唱力を上げて欲しい。

 

 ねぇ、お願いだから『きらきら星』を日本語で歌うのはやめよ?うん、キラキラドキドキしたいのは分かるよ?

 でもさ、世界的には『Twinkle,Twinkle,Little Star』が有名だしというか……それを日本語に翻訳したのが『きらきら星』だぞ?

 俺さ、歌ってみせたよね?明日香と一緒に目を爛々と輝かせてカッコいいって言ってくれたやん。『キラキラ星』もいいけど、

 

 なのに、なぜ『きらきら星』なんだっ!?『キラキラ星』もいいけど、俺は香澄の『Twinkle,Twinkle,Little Star』も聞きたいなぁ。

 

 

 え?「キラキラ」が入ってないからイヤダァ?

 

 

 やっぱり反抗期なのか!?そうなのか!?くっ、俺は諦めんぞォ!

 

 

 

 

 閑話休題。

 

 

 

 現在時刻は16時。そろそろSPACEに行こうと勇次は言う。勇次の説明によると17時に開始で19時に終了らしい。

 

 ライブハウス『SPACE』

「ガールズバンドの聖地」と呼ばれるガールズバンド専用ライブハウス。

 

 SPACEと言えばオーナーだ。

 特に「やりきったかい?」という台詞は有名だ。誰だったかやりきったかいおばさんとか言ってる人がいたな。

 

 オーナー、オーナーと言うが一体どれくらいの人が本名からを言えるだろうか?アニメを見てない人はほぼ答えられないだろう。アプリでさえ、名前はオーナーになっているのだから。

 

 都筑詩船(つづきしふね)

 

 それがオーナーの本名だ。

 

 まあ、本名を知ったところでオーナーはオーナーに変わりあるまい。むしろ、本名で呼ぶ機会あるの?

 

 ライブハウス『SPACE』オーナー、都筑詩船。

 

 彼女は元々、全国ライブツアーを行うバンドのメンバーだったが男だらけで「ライブハウスの怖くて危なそう」というイメージを払拭するためにガールズバンド専用のライブハウスを立ち上げたという。

 ライブハウスを立ち上げて、最初は誰でもライブができるようにしていたのだが、ある日、やり切ったと言えない演奏を見て、ライブのステージに立つにふさわしいかどうかを見極めるオーディションを始めた。

 基準は演奏の技術や完成度よりもバンドの熱意「やり切ったかどうか」にしている。

 

 それが後に「ガールズバンドの聖地」と呼ばれる所以となった。

 

 うん、そりゃあガールズバンド時代来ますわ。一昔前は男のバンドが主流だったのが今ではその逆だ。

 

 調べてみるとSPACEからメジャーデビューしたガールズバンドもあるそうだ。

 

 正にSPACEは調べない限りは知る人ぞ知る「ガールズバンドの聖地」ってわけだ。

 

 

 現在、俺と勇次はライブハウス『SPACE』前にいる。

 

「時間そろそろだから早く入ろうぜ」

「ひっ」

「中には女性だらけっと……」

「光夜いなかったら死んでたわ」

 

 と俺に笑いかけてくる。殴りたいその笑顔。

 

 

「話さなきゃ問題ないんだろ?なら、さっさと行くぞ」

「お、おう」

 

 

 大丈夫か、コイツ。

 

原作直前又は開始後に光夜と関わりのあるキャラの回想を入れる?

  • 入れて下さいお願いしますなんでもし(ry
  • 入れて
  • あったりめぇだ
  • 作者が決めて
  • いらない

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