なんとなく書いた予告編っぽい何かです
 多分R-15でいい筈……

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運命は呪われし時を愛すか?

 

 

 偶然の連鎖が、負の方向に現れた時。

 人はそれを、不運と呼ぶ。

 

 偶然の連鎖が、正の方向に振れた時。

 人はそれを、幸運と呼ぶ。

 

 あるいは、偶然の連鎖そのもの。

 人はそれをこそ、『運命』と呼ぶこともあるだろう。

 

 

 ◇

 

 

 ――気がつくと、絶頂した瞬間から丸一日時間が戻っていた。

 ある日突然、射精をトリガーに時間遡行するようになってしまった少年。

 最初の最初は混乱し、次に利用法を模索し始め――しかし、呪いの真骨頂はそこからだった。

 射精すれば、時間が戻る。連動して、少年の肉体もまた、射精前の状態へと戻るのだ。

 これが意味するのは、一つの事実。

 少年の射精は、全て時の狭間へ消える――少年の性欲を、解消せずに。

 次第に蓄積され、鬱屈する性欲。

 追い詰められた少年は、遂に強姦に手を出してしまう。

 意味のない射精。意味のない自慰。意味のない強姦。徐々に罅割れていく心。

 壊れかけた少年の前に現れたのは、一人の異世界の少女だった。

 

 

 ◇

 

 

 ――気がつくと、異世界の通りに立っていた。

 少女はまたか、とため息をついて、失った絆が引っ掻く心に気づかないまま歩き出す。

 十二歳の頃から、月経に伴って月一のペースで経験してきた異世界移動。

 しかし――今回の異世界は、これまでとは何かが違っていた。

 世界の時間が、戻っている。少女一人を置き去りに。

 混乱するか細い人間関係。一日分の些細ながら明確な差が、少女を異世界から孤絶した。

 前代未聞の壁を前に、少女は解決を決意する。異世界の知識を元に、割り出した時間遡行の起点へと向かう。

 そこで少女が見つけたのは、一人の壊れかけた少年だった。

 

 

 ◇

 

 

 ――『……犯らせろ。どうせ、無かったことになる』

 ――『――お断りです』

 

 出会いは酷いものだった。

 

 ――『全部、お前のせいだったってのか!?』

 ――『……そうとしか、考えられません』

 

 真実は酷いものだった。

 

 ――『……いいや、違うだろ。これは明らかに、お前だけのせいじゃない……俺だって、俺だって……っ!』

 

 恨みの表裏に愛は在れるか?

 愛と恨みは並立し得るか?

 恨む相手を愛せるか?

 愛する相手を恨めるか?

 そもそも。本当に愛はあるか?

 そもそも。本当に恨みはあるか?

 

 

 ――『告白する』

 ――『告白します』

 

 

 これは、とある物語の前日譚。

 一人の時間移動使い(タイムトラベラー)、その両親の出会いの話。

 

 ――『俺は、お前を恨んで(あいして)る』

 ――『私は、あなたを愛して(うらんで)る』

 

 さあ、呪い(ちから)の手綱を見つけてみせろ。

 

 

 


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