(旧版) 【急募】TSっ娘の俺が、自分に擬態し続けなければいけないんだが…俺はもうダメかもしれない。   作:白あんがァァア"↑ すきなの…

11 / 11
 無印162.5話+ダークネス0話の冒頭部分に当たる、つまりは無印最終回の後日談をまとめたもの……元々旧設定版用に仕上げていたものを、新しく新設定版に書き直したものです。


……Next Stage:prologue

『Prologue~というか前日譚~』

 

 

 

 ──8月7日

 

 

 

 

「はぁ…」

 

 学校から帰って家の風呂に浸かると、ようやく1週間が終わったのだと実感が出てくる。

 …そうか、もう1週間が終わったのか。

 

「こないだのプールは散々だったぜ… 今度こそ春菜ちゃんに告白できたと思ったのに・・・」

 

 湯船に身を沈めながら、1週間前のあの日の出来事を思い出す。

 プールでの告白。自分の気持ちを整理して、ララとの日々を思い返して…中学のあの事件の後、初めて想いが決まった時のことを思い出した。

 だから、だから。ララに自分の、気持ちを伝えたんだが…

 

『西連寺には改めて告白するから! オレの気持ちバラすなよ』

『わかった! じゃあリトが告白できるように私、応援するね!』

 

 あの告白の失敗の後、「リトがみんなと結婚したらずーっとにぎやかに暮らせるね♡」などと無邪気に喜ぶララに、一度渾身の告白が失敗した事実を無理やり飲み込んで、釘を刺しておいたのだが…

 

(本気で一夫多妻OKなのか、あいつ……)

 

 はぁ、と昇る湯煙に紛れるように出たため息。

 

「これからどーなるんだろう。ホント、ララが来てから無茶苦茶なことばっかりだよなァ…」

 

 独り言のように。事実独り言を吐きながらふと気づいた。

 

(そういや、この風呂が最初だっけ)

 

 フラッシュバックするように、パラパラと思い出されるララが来てからの日常…うん。

 

「む…無茶苦茶なことありすぎ…」

 

 風呂場の扉から美柑の声が聞こえた気がするが…まったく頭に入ってこないほど、今までの日々が改めてハチャメチャだったのだと思わずにはいられなかった。

 

 

 そんなことを思い返していた翌日。

 休日ということで、家の庭の花に水をやりながら、青空の下で改めて昨日考えていたことを考える。

 

「はぁ…、オレはどうしたらいいんだろ。ララにオレの本当の気持ちを伝えられたのは良かったけど…結局春菜ちゃんへの告白は失敗するし…」

 

 そうだ。春菜ちゃんへの1週間前の告白は失敗してしまった。

 

「告白失敗するの何回目だろオレ…」

 

 …失敗した回数は中学から高1までの時点で、軽く数十回は確実に超えている。

 その悉くに惨敗し、ララの居る騒がしい日常を乗り越えて…高校生活2年目の夏。ここが決めるときだと確信して…また、失敗した。

 

「……」

 

(皆にはあの発言は「プールが好き」って意味だってムリヤリ弁解したけど… 内心どう思われている事やら……)

 

 

 ここ2週間ほど、自身の気持ちを沈ませていたのは単純に春菜ちゃんに告白できなかった……というのは確実に……大きすぎたのだが、それに加えて絶対に決まった……と思った告白の失敗の後で、連鎖的に起きた惨劇のことだった。

 

(御門先生は大丈夫だと思うけど……)

 

 古手川やナナ……そしてルンにどう思われてるのか。

 ここ最近、あれこれ予想立ててみたものの正直、判らないというのが心情だった。

 馬鹿正直に聞くわけにもいかないし、そもそもルンはアイドルの仕事であの日以降、学校には殆ど来ておらず、古手川やナナに至っては……妙に距離を取られている気がするし……

 

 ……だが、それに加えて、やはり結城リトという少年がこの2週間ひたすらに気を沈めてしまっていた理由は中学時代のあの出来事で小さく胸に灯った想い人への、文字通りの想いを、あの日のプールサイドで失敗させてしまったことなのだ。

 

 その癖、一緒に来ていた友人の片方はそれを見て「まあやっぱりそうなったか」と長年の候か何かは知らないが妙に悟っていたのがなんか腹立ったし、もう一人に至っては何故か友人の悲劇を喜んですらいやがった。

 

 そんな経緯を思い出しながら、休日の日課をこなしていたのだが、なんだかんだ言いながら基本的に昔の経験も相まって、女性に対しては誠実な行動が出来るように意識している結城リトは……しかしながら2週間も引きづっている告白の失敗の影響で、その後、家に居候している宇宙の姫君、その三女に話しかけられても、その反応はあまりよろしくないものだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 その頃、どこかの暗い、宇宙の闇に紛れるようにその太った男は、自身の宇宙船の中で部下の報告を聞いていた。

 

 

 

「なに……!? 輸送していた船が墜落しただと!?」

『はい。トルネオ様。捜索なさいますか?』

「ッチぃ……! この儂を今更あの監獄から出して泳がせていたのはこのためか……!」

 

 

 遺産の一つである特殊な生体保管装置に入れられていたが故、その中身は無事だろうが……

 

 

 ……発信機は確かに取り着けさせていた。アレの居る惑星に足を運べば、自然と居場所は判るはずだ。

 

 

「あれは特別な個体だ! 単なる模造品ではないのだ……万が一にでも過去の亡霊共に渡してなるものか……!」

 

 

 ……そう、あれは特別な個体だ。自身が出資していた組織が大戦中に造った、最後の個体……!

 

 

 

「──T4……!」

 

 

 

 

 

 ──そうしてその1週間後、物語は動き始める。

 

 

 ……少しの、しかし……大きなイレギュラーを内包して。

 

 




 ……Next Stage:ToLOVE-RuTwins →https://syosetu.org/novel/279921/
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。

評価する
※参考:評価数の上限
評価する前に 評価する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。