(旧版) 【急募】TSっ娘の俺が、自分に擬態し続けなければいけないんだが…俺はもうダメかもしれない。 作:白あんがァァア"↑ すきなの…
(結構前に完全版とは別に、用語辞典で、友人に見せるつもりのやつを調整してたら、気付かず数分だけ公開したことがありましたが……まあ、見れた人はラッキー程度に思っておいてください)
あと、今回は今日中に更新することを決めていたので、短いけど投稿。
… 家に帰ってきたら、もう少し書き足すかもしれません(サブタイはその時に追加しときます)。追記:書き出しました。
あ、亀投稿過ぎなので実質初投稿です。
第9話
「ここは…」
「おや、お目覚めかい」
窓から差し込む、眩しい朝日が目に当たり、座席に横たわっていた体を起こすと声を掛けられた。
「あ……店長さん」
黒髪に、赤い瞳の眼鏡をかけた男性……そこに立っていたのは、ポルナレフビストロの店長さんだった。
…ということは。
寝ていた場所を見渡してみると、テーブルの上に置かれた将棋のワンセットが目に入った。
僕が寝ていたのは、ポルナレフビストロの奥にある、将棋スペースの座席だった。
……確かにここなら、早めにお客さんが来ても困ることはないだろう。この場所を利用するお客さんは大体お昼からしか来ないし。
身体にかかっていたタオルケットがズレ落ちそうになっていることに気付き、お礼を一つ言ってから店長さんに渡す。
「あの、店長さん。どうして僕はここに……」
「昨日、買い物ついでにね。帰りに車を走らせていたら、河川敷に倒れていた君を見つけたんだ」
僕が、河川敷に…?
「あっ」
思い出したっ!昨日、身体が女の子になってて、リトから電話があって、公園で猫を助けて、そのあと…
…その後に河川敷で、知らない宇宙人に襲われた。
「……」
あいつに、頭を踏まれたのは覚えてる。そこで気絶してしまったんだろう。
なら、僕をここまで運んでくれたのは────
「もしかして店長さんが運んでくれたんですか?」
「そんなに重くなかったからね」
ああ、やっぱりか。
「その、ありがとうございます」
「どういたしまして」
店長さんには、頭が上がらない。僕は覚えてないけど、小学生2年生の頃から来ていたらしいし、中学に進級して海外に行くまでは何度も来ている。というか日本に帰ってきて落ち着いてからはほぼ毎週、週末に通うようになっていた。
まあ、そんな感じで。付き合いが長くなれば、色々とお世話になることにもなる。
特にあの事件のあと、料理を学ぶために通っていたのもこの店だったりする。
つまりは、ここの店長は僕の料理の師匠でもあるのだ。
それにしても、あの宇宙人はあの後どうなったのだろうか。
……そういえば。
「暗かったのに、よく気付きましたね」
何気なく、思ったことを言う。
「────……ああ。ひとつ前の車が止まっていなかったら、僕も気づかなかった……のかもしれないね」
……?
店長さん?
「──そういえば鶫くん。どうしてあんなとこで寝てたんだい?」
「……あ。
えと……その……」
「……まぁ、夜遊びも程々にね」
どうこたえようか悩んでいると、あんな場所で寝てると風邪ひくよ?と柔らかく注意された。
「すみません。眠るつもりはなかったんですが……」
「もういいよ。それより、なんか食べてく?」
「…じゃあ、えびめしをください」
「えびめし一つね」
テーブル席に座ってしばらく待っていると、カラメルソースのいい匂いがしてきた。
「はい、お待たせ」
運ばれてきた皿に盛りつけてあったのは、エビが顔を覗かせる黒いライス。
「いただきます」
まずは一口。スプーンで掬った黒光りの美しいライスを口元に運ぶ。
「…うまい」
そばめしのように黒光りとした様からは想像できないあっさりとした、しかしコクのある味付け……。初見で勘違いされやすいが、味は濃くはない。
むしろ、飴色の……オニオンの効いたあっさり目のこのライスが、ものすごく日本人の口に合うのだ。
「……」
黙々とライスを口に運ぶ。
『えびめし』の名の通りにライスに紛れ込む、エビピラフを思い出させる懐かしいぷりっぷりのエビが、これ以上なくこのライスとよく合う。
黙々とライスを口に運び、喰らい続ける。
えび、ライス。えび、ライス。えび、ライス……────
「────ごちそうさまでした」
席を立ち、お会計を済まして店を出る。
「あ、鶫くん」
……前に、店長に呼び止められた。
何ですか。と聞くと何かを手渡された。
「はいこれ、落とし物。大事なものなんでしょ?」
────渡されたのは、首に掛けていたはずのネックレスだった。
「え───?」
「どうしたの?」
「あっ……。えと、ありがとうございます…?」
受け取ったネックレスを、とりあえず受け取って店を出る。そして、空色のネックレスを見つめた。
「そういえば……僕、元の身体に戻れてんじゃん」
ものすごく今更な話だった。
「あ、常連さん」
店を出て、なんで元の身体に戻れたのかについて考えながら適当に歩いていると、商店街の中にある服屋の前で、知り合いの中年男性を見つけた。そして僕が見つかった。というか凝視してる。めっちゃ見てる。めっちゃ来てる。あ、コケた。
「大丈夫ですか。思いっきりバナナ踏んで顔面ぶつけてましたけど」
「大丈夫だ鶫くん。ちょっと出血死しそうなだけだ」
「それ大丈夫じゃないですよね常連さん。鼻から赤い滝が出まくってますよ」
「大丈夫だ問題ない」
ドサッ
あ、倒れた。
この人はポルナレフビストロの常連さんの一人だ。最近、店員さんの一人に一目ぼれしたらしく、相手の気を引くために一生懸命になっているらしい。鼻に血で染まったティッシュを詰めている姿からは想像できない真実だ。
「で、どうしたんですか常連さん」
「いや、鶫くん。ここはあの店の中じゃないんだから常連さんって呼ぶのはおかしくないかい?」
「じゃあ何て呼べばいいんですか」
「ミスター☆ティーチャー」
「だから常連さんって呼んでるんですよ、常連さん」
このやり取り何回目ですか。とジト目を向ける。
「25回目だ。それよりも鶫くん。私のフィアンセに贈る花はどれがいいと思うかね?」
「…いや、僕、花とか詳しくないんで聞かれても困ります。あと、フィアンセはやめといたほうがいいですよ常連さん」
「大丈夫だ鶫くん既に引かれた後だ」
いや、手遅れじゃないですか。
「ふむ。まあそれは置いておいて、君は花に詳しくないのか」
「まあ、詳しくはないですね」
知ってるとしても一般的な花の名前だけで、僕は「誰かに何を贈ればいい」とかは知らない。植物好きなリトなら知ってるかもしれないけど。いや、一番詳しそうなのはモモ・べリア・デビルークかと一瞬思ったんだが、あっちは地球よりも宇宙植物の方が詳しそうだし。地球の植物について詳しいのはリトな気がする。
「なるほど……、なら君にこの本を進呈しよう!」
「『好きな人に贈る花言葉』……?なんですかこれ」
「タイトルの通りだ。私もこの本でフィアンセに送るべき花を学んだ。君も好きな女の子がいるのならこの本で勉強するといい!」
受け取った本をパラパラとめくると花言葉と解説、そしてその花の写真が載っていた。なるほど、分かり易いな。確かにこれなら、ささっと読めるかもしれない。
「成程です。ところで常連さん。この本裏に図書館のバーコードがついてるんですけど」
「貸出期限は明日までだ!返却コーナーに置いておくだけでいいからな!」
「おい」
"じゃあ私はフィアンセに贈る花を選びに行くからー!"と手を振りながら、僕に未返却の図書館の本を押し付けた鼻血おじさんは去っていった。
それを受け取った本片手に見送った後、僕は土曜日早朝の、歩く人たちの靴音が少々響く青空を見上げながら一つの完璧な結論に至った。
「よし、……適当に買い食いして帰るか」
人はそれを思考放棄と称した。
適当な食べ物を買うために、商店街を見ながら歩いてたら自分の首にかかっている空色のネックレスに目が固定された。
そういえば、このネックレスが赤色に光ったらあの姿になってたんだよな。
「……このネックレスに何かしたら、『変身』したり!……なーんて」
ははは……と笑っていると、ふと気付く。
え、めっちゃ光っとるやんけ。
空色のネックレスが、ぺかーと赤く発光したら、次の瞬間には視線が低くなっていた。
具体的には約10cmくらい。
「え。……ん?えーと、……うん?」
どどどど、どういうことだってばよ。
「あっ……ヤ、ヤミ……」
あ、リト。……ああ、どうした買い物中か。
……って、うん?
「ちょっと親父に頼まれた資料を買いにな…って。
……えっ?」
「……えっ?」
?????
「……????!!!!」
……!?!?!?
解説:店長が鶫を見つけたと言っている道は、原作でナナがISU〇Uの転生トラックに跳ね飛ばされそうになってた場所。
ちなみにですが矢吹先生曰く、この河川敷は岡山にある河川敷がモデルだそうですね。
おまけ
・武藤ツグミの状態。
身長:162cm
血液型:A型
特技: 料理・ゲーム
好きなもの: お姉さん、レギオン
苦手なもの: 甘いもの、宇宙人
学年: 彩南高2年