【書籍化&コミカライズ決定】この日、『偽りの勇者』である俺は『真の勇者』である彼をパーティから追放した   作:髭男爵

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過去3

 

 

「うー! うぁー!」

「頑張れリィアン! もう少しだ! 頭が見えてきた!!」

 

 痛みに強いはずのリィアンが思わず叫ぶほどの痛み。

 そう、彼女は妊娠していた。それでいてもう出産間際であった。

 

「うー! あぁー!」

「産まれた! 産まれたぞ!」

「あぁ、わかってるよ……」

 

 喜ぶグリゼルダに対して、憔悴しながらもリィアンも嬉しそうな顔をする。

 毛布にくるまった額に角のある赤ん坊を、グリゼルダはリィアンに見せた。

 

「イフィゲニア、あたし達の子だ」

 

 リィアンは予め相談しあって決めた名を呼ぶ。

 愛おしそうに、己の胸にいる赤子を撫でる。

 

「ふふっ、なんだいなんだい。こんなにも弱っちぃっていうのに自分の子だと思った途端に可愛くて仕方ないね……お?」

 

 イフィゲニアがリィアンの指を掴む。

 赤ん坊とは思えない程に強い力だ。

 

「ははっ、握る力が強いな。これは将来この子はきっと、強い益荒男になるよ」

 

 優しい目でリィアンはイフィゲニアを撫でた。

 

「……いや、この娘は女の子なんだが……」

「はっ!? はやく先に言えこの大馬鹿ッ!」

「痛ぇっ!?」

 

 グリゼルダは思い切り打たれた。

 

 

 

 

 

 

 

「……呼んだか?」

「えぇ。前に私の手掛けた魔王軍の施設が破壊されてしまいました。私はこの事に対して非常に不愉快に感じています。それを起こした者の所在が明らかになりました」

「それで?」

「人類は強い。それに対抗するに向けて、新たな幹部の補充にも我々は力を向けています。先日も、新しく山一帯を凍りつかせていた者を幹部として引き入れました。貴方も新しき魔王軍幹部として期待していますよ。まず初めに、魔王軍に楯突いた愚かな魔族でも抹殺してもらいたいのです」

 

 マーキュリーはそう新たな幹部となった()に指示を出した。

 

 

 

 

 

 

 早いものでイフィゲニアが生まれて半年が過ぎた。

 イフィゲニアはよちよちと家の中を動き回るようになった。

 

「あー、うー」

「あー、こらこらイフィゲニア。そっちにいったら危ないぞ?」

「うー……あい!」

「うおっ!?」

 

 イフィゲニアが無邪気に壁を叩く。

 すると叩かれた箇所は罅が入り、一部が崩れた。

 

「あ、危ねぇ。やっぱリィアンの力を受け継いでいるだけあるな……。力が桁違いだ」

「あう! あーう!」

 

 早く手加減を覚えさせねばとグリゼルダが戦慄しつつ考えているのとは裏腹に、イフィゲニアが抱えられた事に喜ぶ。

 

「普通逆だよな? 妻が子を育てて、夫は外で働く。なんで俺ぁが、家事をやってるんだ?」

「あー?」

 

 神妙な顔で呟くグリゼルダを見て、赤子のイフィゲニアが真似をする。

 とはいえ、リィアンに任せたら何するかわからないかと一人で納得する。

 

「お、リィアン。帰ったかーーって、どうしたその姿は!?」

 

 音が聞こえ、帰って来た妻の姿を見て声をかけたグリゼルダだが、リィアンが血塗れだと気付き直ぐに駆け寄って来た。

 

「心配するんじゃないよ。これは返り血だ。アタシの血じゃないよ」

「あ、あぁ。そうか、ならよかった……だが、何があったんだ?」

「魔族と出会って交戦した。あぁ、問題ないよ。そいつはぶっ殺しておいたから何の心配はないよ」

 

 リィアンは、真剣な顔になる。

 

「おい、グリゼルダ。今すぐ人間界に帰りな」

「はぁ?」

 

 イフィゲニアが産まれてから一度もそんな事を言ったことのない妻の言葉にグリゼルダは怪訝な顔になる。

 

「この先にある岩山を越えるんだ。魔獣が住んでいるがアンタなら相手にすらならないはずだ。アンタの足ならすぐに向こうの人間界に辿り着けるだろう」

「おい、待てよ! ちゃんと言ってくれなきゃ何もわからねぇぞ!」

 

 その言葉にリィアンは焦りを滲ませた言葉で告げる。

 

四天王(・・・)が来る」

 

 グリゼルダは息を呑んだ。

 四天王。歴史に語られし、魔王軍の中枢を担う四人の幹部。

 

 未だに誰一人として討伐されていない。

 ようやく現れた勇者(フォイル)もまだ子供で対抗出来ない事から幹部達は好き勝手に攻めている。特に小国を集中的に狙って潰している。

 勇者は太陽国ソレイユの庇護の下、鍛錬を積んでいるが未だに前線にはたてる状況ではなかった。

 

「な、なんでそんな奴等が俺ぁ達の所に」

「戦った魔族の奴が言っていた。どうやら前の施設を破壊した事が相当頭にきているらしいな。そもそも前からアタシは良い目には見られていなかったが、ついぞ直々に始末しにくるらしい。最高幹部をうごかしてまで。ったく、有名人は辛いな」

「笑ってる場合か!? お前は此処にいろ。俺ぁが出る。必ず、守ってやる」

 

 その言葉にリィアンは嬉しそうな、それでいて悲しそうな笑みを浮かべた。

 

「ばっきゃろー。人間のアンタが、あんな化け物に勝てるかっつーの」

「だが!」

「黙って聞けばかたれ!! 良いか、このままじゃ二人揃って共倒れだ。アタシはそれでも良い。だが、イフィゲニアはどうなる!!?」

 

 その言葉にグリゼルダはハッとした。

 イフィゲニアはまだ生まれて一年と経ってない。まだ何もわからぬ赤子を自らの破滅に付き合わせるほど落ちぶれてはいなかった。

 

「ならお前が逃げろ! 俺ぁが残る! どうせお前に会えなきゃ潰えていた命だ、家族守って死ねるなら本望だ!」

「良いか!? 魔界にいる限り、奴等は追ってくる。それから逃げるには人間界に行くしかない。だが、アタシは無理だ。アタシは魔族だ。どうあったって、この容姿が目を引く。イフィゲニアだってアタシの血を引いているからか魔族の特徴が身体に出ている。人間界に行ったところで殺されるだけだろうがよ」

「ぐっ」

 

 人間と魔族は敵対している。

 むざむざ魔族の親子が人間界に行った所でどうなるか、嫌でも理解できた。

 

「逃げ回る生活だなんてアタシはごめんだ。なら、最期まで抗って死んでやる。戦いこそ、アタシの本業さ。安心しな、お前らの元には四天王なんぞいかしやしないよ」

「どうにも、ならないのか」

「あぁ、どうにもならない」

 

 その言葉にグリゼルダは沈黙する。

 リィアンは笑って、彼にキスをした。

 

「辛気臭い顔すんなよ。アタシはアンタと出会えて良かっ……いや、幸せだったよ。だから安心してるんだ。頼んだぜ、旦那」

「……あぁ」

「流石だ」

 

 弱々しくも頷いたグリゼルダに優しい笑みを浮かべ、リィアンはグリゼルダに抱えられたイフィゲニアに屈んで視線を合わせる。

 

「あー、あー」

「イフィゲニア、強くなれよ。この世は理不尽な事ばっかりだ。だからこそ、何モノにも屈さぬように心を強くしな。そうすりゃ、いつかきっとあんたも心から信頼できる人が出来るはずだ」

「うー?」

 

 何もわからず無邪気に手を伸ばすイフィゲニアの手を握りながら、額の角をくっつき合わせる。イフィゲニアは嬉しそうに笑った。

 

「グリゼルダ、お前には……言う事はほとんど無いな」

「んだよ、それ。愛する夫に何の言葉もなしかよ」

「うっさい。今更互いに好きな箇所でも語り合う仲か? アタシらは」

「……ちげぇねぇな」

 

 互いに笑いあう。

 

「じゃあね、イフィゲニア」

「あー! う、うあぁぁ!」

「泣くなイフィゲニア。笑って見送ってやれ」

 

 力強く握るイフィゲニアの手を離すと途端に大泣きを始めた。

 それを見たリィアンは、もう一度手を握ってやりたくなるが頭を振って住処の外に出る。

 

「あばよっ、死ぬほど愛してるぜ、お前ら」

「俺だって、愛してるぞ!」

 

 その言葉にリィアンは最後、嬉しそうに笑い、そして出て行った。

 

 

 

 

 

 

 リィアンは待った。

 彼女らの住処に来るにはこの赤い土の荒野を通る必要がある。ならば時間稼ぎをする上でも此処で戦うのが得策だった。

 

「ははっ、いやー……マジか。これが運命ってやつかねぇ?」

 

 リィアンは笑おうとするも、その笑みはぎこちなく冷や汗もでている。

 

 途中途中襲いくる魔獣を一撃で粉砕し、着実にこちらに向かってくる桁外れに強い生命力を感じる。

 

 その姿を見た時、リィアンはまさか、と呟いた。

 何故なら目の前に立つ男は紛れも無い、リィアンの故郷を滅ぼした元凶。

 

「……ベシュトレーベン」

 

 稀代の豪傑がそこに居た。

 

 数年ぶりに会う仇は、遠目に見た時よりも更に強くなっていた。

 威風堂々たる風態は見るものに恐怖を与え、振るわれる拳は襲い来る魔獣を蹂躙する。そんな彼が真っ直ぐとリィアン達の家に向かっている。

 

 やがて歩みを止める。

 

「……気配を感じる。そこにいるのはわかっている。出てくると良いッ!」

(この距離でもうか!?)

 

 まだリィアンとの距離は500メートルある。

 にも関わらずベシュトレーベンはリィアンの存在を看破した。リィアンとは比べ物にならない探知範囲だ。

 

 リィアンは姿を現した。

 途端に向けられる悍ましい程に暴力的な視線。

 

 身体が震え出す。

 恐怖か? 拒否か?

 否、違う。武者震いだ。

 

「アタシの名はエ・リィアン! お前に故郷を滅ぼされた"赫鬼族"のものだ!!」

 

 その言葉にベシュトレーベンは微かに目を見開く。

 

「懐かしき者を見た。よもや、あの一族が未だに残っていたとは。力に振りかざされ、真の強さを理解しておらなかった、あんな愚か者の生き残りがいるとはな。存在する事すら唾棄に値するから、念入りに潰したはずだが」

「はっ! 悪いがアタシら鬼はしぶといんでね。だが、アタシよりもよっぽど鬼みてぇな姿形に変わりやがったな」

「此処で過ごす内に適応したまでのこと。魔界は少々"魔障"が濃ゆ過ぎる。呼吸するのにも一苦労した。だが、それすらも己の身体を鍛える為の修行だ。こうして適応した結果、我はまた一つ己の身を鍛える事に成功した」

「そりゃ、おめでとうでも言ってやろうか」

「心にも無いことを言うな」

 

 見透かすように怜悧な瞳でベシュトレーベンはリィアンを見る。

 

「魔王の要請に従わず、築き上げた魔物と魔獣の養育場を破壊する者がいるからと『水陣』から指令があって来る時はつまらぬ事を押し付けられたと思っていたが……。中々どうして、面白そうではないか。では、死闘()ろうではないか」

 

 ベシュトレーベンが会話を切り上げ、戦闘態勢に入ろうとする。

 リィアンは手を前に出し、制止させる。

 

「待ちな。何でアンタが魔王軍なんかに。それも四天王になっている?」

「……なぬ?」

 

 昔のリィアンなら今のですぐに戦っただろう。

 だが彼女の背後には守るべきものがある。だからこそ、少しでも時間を稼ごうと、グリゼルダの真似をした。

 

「あんたが他人に従うように野郎にはこれっぽっちにも見えなかったけどね! どうやらプライドを捨てたらしい。それとも、それほどまでに魔王様とやらは魅力溢れる色男なのかい?」

「抜かせ、魔王などに心を捧げた訳がない」

「ならば何故その配下の指示に従う? 矛盾しているだろう?」

「……負けた(・・・)。それだけだ」

 

 その言葉はリィアンにこれ以上ない衝撃を与えた。

 自分ですら敵わない目の前の男に、魔王は勝った。一度たりとも会った事はないが、リィアンは魔王に対して畏怖を抱いた。

 

 ベシュトレーベンは苦虫を噛み潰したような表情を浮かべる。

 

「……あんな戦い(・・・・・)には不服であったが、それでも負けは負け。我が拳が奴に届かなかったということ。例えそれがどのような力であろうと、勝てなかった時点で我の生殺与奪は奴のもの。故に奴の要求は呑んだ」

「だから魔王軍に入ったと? 奴の手先となったのか」

「否、いずれまた再挑戦する。今はまだその時ではない。我が拳が魔王には届かない。……話が逸れたな。行くぞ、貴様との闘いによって我がより高みへ登る事を望む」

 

 ベシュトレーベンが拳を構える。

 

 リィアンはこれ以上の時間稼ぎは無理だと悟った。

 使い慣れた棍棒を手に握りしめる。

 

 相手の練られた闘気は凄まじいまでに暴力的かつ圧倒的。存在感も、昔と比べて比較にならない。見ただけで相手が己の上をゆく存在であると理解できた。

 

 それでも尚リィアンはひかない。ひけない。

 

「あぁ、見せてやるよ!! 行くぞ!!!」

 

 全ては家族を守る為に。

 リィアンは駆け出した。

 

 

 

 

 

 戦いの余波で地形は変化し、

 

「あぁ……くそッ、本当に化け者だな……!」

 

 知っていた。

 分かっていた。

 どれだけ足掻こうと目の前の男とリィアンには隔絶した力の差があると。

 

 酷い有様だった。

 脚は折れ、片手は千切れた。

 身体も肋骨がバキバキに折れて、筋肉も断裂している。息をする事すら気絶しそうな程に痛い。

 

 鬼である証である角ですら折れてしまった。

 

 幾ら魔族がタフでもこれだけの大怪我、どうしようもなかった。リィアンは死ぬ。それももうすぐに。

 

 だけど目からは闘志は消えていない。リィアンはベシュトレーベンを睨みつける。

 その時、戦いに入ってからは一言も喋らなかったベシュトレーベンが口を開いた。

 

「……何故だ?」

「何がだい?」

「何故貴様は戦う? 理想もなければ、思想もない。復讐心もなければ、怒りもない。かといって死ぬ為に戦っている訳でもない。だが、我に勝てるとも思っていない。貴様は今、何の為に生きている? 何の為に抗っている?」

「あん? なんだ哲学か? そんなの決まっている。アタシが生きたいからだ。生きることに理由なんているのか? それとも、生まれ落ちた命が抗うのに何か理由があるとでも?」

「…成る程、愚問だったな。謝罪しよう」

 

 己を恥じるように

 この男にもそんな一面があったのかと、思わず仇にも構わず少し驚いた。

 だからこそ、気になったことがあった。

 

「アンタは……」

「何だ」

「なんで、こっち側(・・・・)に染まろうとした?」

「知れたこと。ただ強くある為だけに」

 

 その言葉が全てだった。

 目の前の男はただ純粋に力のみを求めていたのだと。

 

「そうか……アタシもそうだったよ。アンタに故郷を滅ぼされてから、ガムシャラに力を求めた。己の身を顧みず、辺り周辺の生物に当り散らした。そして強くなった。それでも尚アンタには届かなかった。悔しくて堪らない」

「ーーならば何故笑っている?」

 

 リィアンは笑っていた。

 柔らかな笑みだった。それを指摘されたリィアンはべっと舌を出す。

 

「へっ、教えてやるかよ。アタシはアンタが嫌いだからね」

「……そうか」

 

 トドメをさそうと近付いてくる。

 死が迫っているのに、リィアンは穏やかな気持ちで受け入れていた。

 

(強さも本当はいらなかった。戦いを求めたのは、それだけが心の隙間を埋める手段だったからだ。戦ってたら、何も考えないで済む。戦っていたら、己の弱さ(・・)を受け入れずにすむ)

 

 だけどもう、闘争心はいらない。強さもいらない。

 

 だってもう満たされたから。

 

 リィアンが手に入れたずっとずっと暖かいもの。

 

(グリゼルダ……イフィゲニア……ありがとよ。アタシを人間(ばか)に戻してくれて)

 

 

 家族。

 己の生きた証は、繋がりは確かにあったのだ。

 

 

 リィアンは笑う。

 怯えて死ぬなんてゴメンだ。ならば笑って死んでやる。

 真っ直ぐな瞳でそう訴えていた。

 

 その瞳に何を感じたのか、ベシュトレーベンは眉間のシワが緩み、敬意を表した。

 

「見事だ。強き者よ」

 

 拳が迫る。

 死をもたらす拳が。

 

 それを見たリィアンが思ったのは恐怖ではなく、二人の安否だった。

 

(二人とも、どうかーー)

 

 トドメを刺す拳が、地面を割った。

 

 

 拳を引く。

 潰した相手の感覚を覚えるかのようにベシュトレーベンは己の拳を何度も見た。

 

 やがて考え深く、何かを瞑目し、その場から背を向ける。

 

「……覚えておこう、強き者リィアン。貴様は我が今までで一番強かった。その闘い様実に天晴れであった。その生き様に敬意を表し、逃げたらしい貴様の関係者は放っておこう」

 

 

 

 

「はぁ、はぁ、はぁ。ぐっ、はぁ、はぁっ」

 

 グリゼルダは走る。

 イフィゲニアを抱えて、人間界に向かって。

 

 途中、魔獣が襲って来るも全て返り討ちにした。

 

 やがて視界の奥に黒い空と隔たるように、青い空が見え始めたその時。

 

 遠く離れた地でもその振動は聞こえた。

 次いで全く何も聞こえなくなった事でグリゼルダはリィアンが死んだ事を悟った。

 

「くそ、くそくそくそ。何が強いだ。何が敵う相手はいないだ。俺ぁは……俺ぁはっ……!」

 

 何度も拳を打ち付ける。

 皮膚が破け、骨が折れてもなお、グリゼルダは叩き続けた。目からは滂沱(ぼうだ)の如く涙が溢れる。

 

 やがて血だらけで更に打ち付けようとするグリゼルダの手に重ねられた小さな手があった。

 

「お、とうちゃ」

 

 イフィゲニアが血だらけの彼の拳を止めた。

 グリゼルダはハッとし、己の名を呼んだ娘を見た。

 

「あー! あー!」

 

 グリゼルダの目を見たのか、イフィゲニアは無邪気に喜んだ。

 

「あぁ、守ってみせるさ。約束だからな」

 

 この時決めたのだ。

 何を犠牲にしても娘を守ると。

 

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