クリスマスとは、本来キリストの誕生日である。海外では家族と共に過ごす日でもあり、間違っても恋人と過ごす日ではない。つまり、日本だけなのだ。恋人とロマンチックな日々を過ごす、みたいなのは。
そんな事、全く知る由もない海斗は何も考えずに、先日、購入した服を着て待ち合わせ場所に来た。
駅前のクリスマスツリーの前で、ボンヤリと待機していた。周りにはチラホラとカップルの姿が見えるが、一切気にせずにぼんやりと空を眺めた。昼間なのに曇り空のため、陽射しとかそういうものとは無縁だから、空を眺めるのに適している。
最近、たまに思うのは、改めてよく第一次侵攻の時に自分だけ生き残ったなーみたいな事だ。生前にやりたい放題やって因果応報の如く亡くなった両親だが、考えてみれば「正当防衛の陰山」とか言われてある種、喧嘩を売るよりタチの悪い事をしていた自分も、割とやりたい放題やっていたものだ。
別に悪い奴だけが死んだわけではないが、自分だけたまたま、被害を逃れたのには何か理由がある気がする……なんて柄にもないことを考えていた。実際、両親が死ななかったらボーダーに入ろうなんて思わなかっただろうし、ボーダーに入ってからは楽しいことが増えた。
もしかしたら、自分が生き延びたのには何か理由があるのかも……。
「……今日は、トリオンが騒がしいな……」
なんて「哲学系厨二病ごっこ」を暇つぶしがてらしていた。心の中で妄想するのは割と楽しいものだ。高校に入学するまで友達が出来なかったために出来たクセみたいなもので、他にも自転車を漕いでる時は「頭上のヘリコプターから銃撃を避けるごっこ」や、複数のヤンキーに絡まれた時は「軽口を叩くクモ男ごっこ」などで暇を潰している。
そんな下らない妄想に合わせて身体を動かしていたからか、身体能力も変態的に向上したわけだが。
しかし、哲学系厨二病ごっこは、例え内心であっても死にたくなってきたので、そろそろ別の何かにしようとした時だ。
「あんた、バカな事考えてるでしょ」
「ああ?」
背後から声を掛けられ、振り返ると思わず息を飲んだ。目の前にいたのは、普段のガサツな残念貧乳美少女とは思えない程の綺麗な女の子が立っていた。貧乳、と言えば聞こえは悪いが、言い換えればスレンダーという事だ。胸以外も細い腰や足の流線形を隠すどころか強調した冬用のワンピースと黒タイツに目を奪われた。
「……」
「……ちょっと、何ぼけっとしてんのよ」
「っ、し、してねえよ」
「あ、さてはあんた……」
小南の底意地の悪そうなニヤケ面を見て、海斗はひやっと汗をかいた。まさか、少し見惚れていたことがバレたのだろうか? だとしたら、厄介この上ない。特に普段は海斗がいじる側のため、それが逆転したら面倒な事この上ない。
何を言われるのかドギマギしていたが、そんなことは気にもせずに小南はドヤ顔で言い放った。
「朝ご飯食べて来なかったんでしょ? アタシに奢ってもらうつもりで!」
「……」
イラっとした。思わず。男なら鼻の穴に指を突っ込んで背負い投げする鼻フックデストロイヤーファイナルドリームの刑だった。まぁ、男に見惚れる事はないので一生やる機会はないと思うが。
なんであれ、イラついたことには変わりない。海斗は耳をほじると、小南の頭をゴシゴシと撫でた。
「何すんのよ‼︎」
当然、ノーモーションで繰り出される拳。しかし、生身で海斗に勝てるはずもなく、あっさりと受け止められると、何をしたのかを答えた。
「仕返し」
「何のよ⁉︎」
「何のでも良いだろ」
「良くないわよ!」
わしゃわしゃと髪を掻きむしって、耳くそを払う小南。実際はマジで付けたわけではないのに、これではせっかくの服装も台無しである。
ムキーっとしてる小南を眺めていると、ふと犬飼に言われたことを思い出した。
『デートの時の最初は、女の子の服装や細かいとこに気付いてあげる事。これ基本だからね』
との事だった。そんなわけで、小南の服装を褒めてやらなければならないわけだが……まぁ、とりあえずやってみる事にした。
まず、目に付いたのは服装だ。微笑みながら小南の頬に手を当てた。
「そうだ、小南。お前のそのワンピース、とても綺麗だぞ」
海斗にとっては。ある意味予定通りのセリフだった。
しかし、小南にとっては、汚い事されたと思ったら急に心臓にギムレットをぶち込まれたような衝撃が全身を走ったわけだ。それも完全に不意打ちで。
「き、急に何を言ってんのよあんたはああああ!」
今度は、ビンタが直撃した。真っ赤になった小南から飛んできたビンタは海斗の頬にクリーンヒットする。まぁ、鍛えられた肉体を持つ海斗の顔を殴れば、痛むのは小南の掌の方だったわけだが。
「〜〜〜っ……!」
「……何してんの? てか何すんだよ」
「こ、こっちのセリフよ! いきなり何を言い出すのよ!」
何って言われても……と、海斗は頬をぽりぽりと掻く。
「女の子の服装は褒めてやれって言われたから、とりあえず今日の小南の服装を褒めただけだが」
「あ、あんたねぇ……! ていうか、無理に褒めなくても良いのよ別に!」
「や、本当に綺麗だと思ってるけど」
「んがっ……! ……う〜」
嬉しいやら恥ずかしいやら怒りたいやらで複雑になりながらもしっかりと顔は赤くしている小南を眺めながら、海斗は真顔で、しかし頭の中ではニヤニヤしていた。
はっきり言って、感情が読めるので小南の反応を見て楽しんでいる節はあった。勿論、本当に綺麗だと思っているし、さっきは本気で見惚れたわけだが。
まるて好きな子にちょっかい出す小学生のように小南を翻弄すると、そろそろ話を進めたくなったのか「で?」と声を掛けた。
「今日はどこ行くんだよ」
「テキトーに街を歩くの。あ、でも晩御飯は決まってるからね」
「そんなんで良いのか?」
「あんたなんか考えてたわけ?」
「全然」
海斗としても、別に不満があるわけではない。こういう時は、彼女の行きたいとこに行かせてやるべきだと思ったからだ。
「で、どこ行くよ」
「そうね……本当はあんたのヤンキーみたいな私服を正してあげようと思ってたんだけどー……」
思いの外、普通におしゃれな服を着てきた。実は、二宮隊に選んでもらったエピソードがあったわけだが、そんな事は知るよしもない小南は、少し海斗のことを見直しつつあった。
「ま、ここのショッピングモールは何でもあるし、好きなとこ行けば良いと思うわよ」
「マジ? じゃあボクシング体験道場とかも?」
「ないわよ……。てか、アタシと一緒にいてケンカできるなんて思わないことね」
だから合法的な喧嘩道場を選んだのだが……まぁ、ここ最近は生身での喧嘩が減ったからって、別に欲求不満になったりしていない。
とりあえず、ショッピングモール内……というかほとんどアウトレットでもある店の中を見回ろうと、海斗が歩き出した時だ。後ろから小南が肘をつかんだ。
「待ちなさいよ」
「何、まだなんかあんの?」
「……ん」
恥ずかしそうにしながらも差し出されたのは手だった。
「……握手?」
「繋ぐのよ! 何でこの場面で握手になると思ったわけ⁉︎」
「ええ……繋ぐって……。別に良いけどよ」
「何、嫌なの?」
「や、嫌じゃないけど」
ただ、そういう恋人っぽいことは少し照れ臭いだけだ。特に、ヤンキーの中では二つ名まである海斗にとっては尚更だ。
しばらく悩んだ後、海斗は無言で手を取った。
「……おら」
「ふふっ……♪」
「っ……」
嬉しそうに、はにかむ小南を見て、思わず海斗も頬を赤らめそうになった。しかし、何とか表には出さず、二人で出掛けた。
×××
まず到着したのは、やはりというか何というか、服屋だった。女の子が大好きなレディース専門店。置いてあるのは服だけでなく、鞄や小物も多く、どちらかというとレディース専門店のようなお店だ。
「ね、どう? これ可愛くない?」
「ん? ああ、そうね。特にクリーム色なあたりが」
「可愛さがわからないなら無理して乗らなくて良いわよ!」
小南が持ってきたモコモコの何かに対し、海斗は真顔で返した。正直、女子の「可愛い」とはよく分からないというのが本音だった。だって何でも可愛いって言うから。ジ○ニーズのアイドルですら可愛いって言うから。
「ったく……あんた本当に読めてるのか読めてないのか分からない奴ね」
「何を?」
「なんでもないわよ。さ、出ましょう」
「買わないの? 欲しいなら金出すけど」
「いいわよ。見て回ってるだけだし」
あそう、とそっけなく返事をして、お店を出た。あれから、犬飼に言われな通り「女の子の話には乗る」「途中で彼女が欲しそうにしているものは金を出してやる」などといったテクニックを実行しようとしているのだが、微妙に振るわなかった。
どうにも小南には通じていないというか……気を使っているのがバレているのだろうか? 普段の喧嘩の時の方が楽しそうな色を見せている。
「……海斗」
「何?」
「べつにいつも通りで良いわよ」
「は?」
「アタシはね、いつものあんたが良いの。誰に何を聞いたのか知らないけど、少し喧嘩腰くらいのがちょうど良いわ。だから、いつも通りに接してくれる?」
「……」
小南が好きになったのは普段の海斗だ。喧嘩っ早く、勝てない相手にも譲れないものがあれば勝負を挑み、かと思えば女性には割と紳士的な部分もあり、不器用に優しく、おそらく理解者が現れなければ一生モテない男、そんな海斗が好きだった。
だから、今日という日が特別だからって、態度まで特別にしてくれる必要はない。
そんな風に言われてしまえば、海斗も普段通りにならなければならない。それでは、出会ったときからずっと言いたかったことを言った。
「お前、寝癖ついてるよ」
「え、嘘⁉︎ てかなんで今言うわけ⁉︎」
「女の子に恥をかかせちゃいけないらしいからな」
「言わなきゃ恥をさらしたまま歩いてたことになるでしょうがああああ!」
もー! と頬を赤らめながらポコポコと肩を叩きながら、近くのトイレを見つけて駆け込んだ。
ちなみに、寝癖なんてついていない。そもそも、今日という日に寝癖がついたまま来るなんてあり得ない。それでも直ぐに騙される小南なら、絶対に引っかかると思ったら、案の定だった。
しばらく待機しながら、海斗はぼんやりと天井を眺める。どうしたものか、と考え込んだ。結局の所、自分は小南のことが好きなのだろうか。いや、好きなのだろう。よく心臓の鼓動が早くなるし、小南の細かい変化には自動で気付くし。
しかし、付き合って良いものなのかは別の問題である。二宮隊からの後押しがあった以上はボーダーでの恋愛は禁止されていないのだろうが、それでも自分は街のヤンキー全員に目の敵にされている。
「……はぁ、やりたい放題やってきたツケが……」
ゴヌッ、と後ろから何かが後頭部に直撃した。早速、本日のヤンキー一号がやって来たか? と後ろを振り向くと、小南が立っていた。
「寝癖なんてないじゃない!」
「……お前かよ」
「他に誰がいるのよ!」
……まぁ、もし万が一のことがあれば、その時は自分が守ればそれで良いか、と思うことにした。
ぷんすかと怒る小南を見て、なんか色々とバカバカしくなった海斗は、再び微笑みながら小南の頭に手を置いた。
「大体、素に戻れとは言ったけど、わざわざそんなウソつかなくても……!」
「分かったから。長ぇよ」
「長ぇよ、ですって⁉︎ 誰の所為だと思ってんの⁉︎」
「はいはい」
「なんであんたが宥める側になってるのよー!」
むきーっと怒って両手を振り回す小南と、心底愉快そうにほくそ笑む海斗。なんだかんだ、海斗としてもこの方が楽しかった。
×××
続いて到着したのはボウリングなのだが……ここから先の海斗は気遣いという枷を外し、完全に大暴れしていた。
流石の運動神経によって、パカパカ取るストライク。フォームはめちゃくちゃなのに、力任せに10人小隊の目標を正面から絶滅させていた。
「楽勝でやんす」
「あんた……相変わらず、化け物じみた運動神経してるわね。なんでそんな真っ直ぐ投げられるのよ」
「勘」
「むー……ま、アタシだって上手いけどね」
「そうだな。三回に一回はガーターだけどな」
「それはあんたが後ろから変な嘘つくからでしょ⁉︎」
やれ「小南、ボウリングは真っ直ぐ投げたら負けだぞ」だの「両手で脚の間から転がすとストライクが取れる」だのと、まぁわけのわからない嘘をグダグダと言われたものだ。
「てか、そう思うなら学習したらどうだ」
「うるさいわね!」
「そういや、ボウリングって踊りながら投げるとストライク確約らしいぞ」
「え⁉︎」
え⁉︎ じゃねぇよボケが、と思いつつも海斗は何も言わなかった。もちろん、そんなルールはない。
×××
続いて、ゲーセン。今度は小南が翻弄する番だった。なんだかんだ、女の子には甘い海斗は小南の上目遣いにいいように使われ、ゲーセンによくある巨大なお菓子の袋を取らされていた。もちろん、奢りで。
そんな中、ゲーセン内で小南が「あっ」と声を漏らした。絶対に今度こそ言うこと聞いてやらんと心に決めながら「何?」と顔を向けると、小南はプリクラを指していた。
「ね、海斗! プリクラ撮らない?」
「ええ……やだよ、恥ずかしい」
「なんでよー。別に恥ずかしがるような事じゃないでしょ」
「そうは言われても……あんまそういうの苦手なんだけど……」
あまり表立ってイチャイチャするのは苦手な海斗だが、小南はそうもいかない。今日、全てを決めるつもりだから、海斗対策女性陣(月見、三上、宇佐美、氷見)から教わった女の武器は全て使わねばならない。
組んでる海斗の腕にしがみついて、上目遣いで小首を傾げた。
「……ダメ?」
「……わーったよ」
色を見れば自分を従わせようとしているのは分かるのに、承諾してしまう海斗も中々に甘い。
「やたっ!」
嬉しそうに微笑んで海斗の腕を引く小南を見れば、海斗も「まぁ良いか」と思えてしまった。
そんなわけで、海斗と小南はプリクラの筐体の中へ。勿論、海斗のお金で。
二人でフレームを選ぶと、早速、筐体が『二人とも笑って〜』みたいなキャピキャピした声が聞こえる。
「笑えって言われてもな……俺の笑顔、怖いらしいし」
「そんな事ないわよ。私は怖くないもの」
「……」
それはつまり「私は怖くないんだからそれで良い」という事だろうか。何にしても、海斗の心臓を的確に貫いた気がした。
しかし、呆ける事は小南が許さない。普段、小さいだなんだとバカにしていた胸が腕に押し付けるようにくっつかれ、意外な柔らかさが腕を包んだ。
「ーっ」
「ピースっ」
変な顔をしていた気がしたが、シャッター音は無情にも鳴り響いた。
そのまましばらく小南のペースで写真を撮り続け、落書きコーナーへ。ほとんどの写真でキョドっている海斗を見て、小南は隣に座ってる海斗を肘でつついた。
「あんた、その顔で可愛いとこあるのね」
「ブッ殺すぞホント」
×××
その後も色んなお店を見て回り、ようやくアウトレットを出た。
「あー……疲れた」
「でも、楽しかったでしょ?」
「……まぁな」
そこは肯定せざるを得ない。結局、普段と同じように喧嘩だなんだしてしまったが、それが楽しかった。つまり、普段から目の前の女といるのを、喧嘩含めて楽しんでいる、という事だろう。
双葉に技を教えるのとも、氷見と軽口叩き合うのとも、月見に弱味を握られるのとも、三上に風間と一緒に勉強の事で監禁されるのとも違う。
しかし、それでもやはり終わりの時間は来てしまう。晩飯の予定が終われば、今日という日は解散になってしまうのだ。
「ね、海斗」
「何?」
「晩御飯なんだけど」
「……ああ、どうする? フレンチとかイタリアンとか回らないお寿司とか勘弁してくれよ。奢るどころか自分の金も出せない」
「そんなこと言わないわよ。てか、これから行くのはスーパーだから」
「は?」
「あなたの家で一緒にご飯食べましょ。ついでにケーキも買って」
「えっ」
思わず、海斗の口から声が漏れる。前にも自分の家に来たことはあったが、あの時とは状況が違う。特にメンタルのあたりが。
「……ダメなの?」
「や、ダメじゃないが……」
「なら良いじゃない、行きましょ」
そう言うと、小南は海斗の手を引いて歩き始めた。ショッピングモール内にもスーパーはあるから、買い物はそこで済ます事にした。
スーパーの前は、エスカレーターがあって大広間が出来ていた。そこには、大きなクリスマスツリーが置いてあり、周りにはチラホラとカップルの姿も見える。
そこで、小南が足を止めたので、思わず海斗も止まってしまった。
「……どうした?」
「ん……いや、なんか……ちょっと」
珍しく歯切れの悪い小南は、周りのカップルを見た。手を繋いでいたり腕を組んでいたり……大胆な人はキスまでしている。
そんな光景が、何処か羨ましく思えた。何の根拠もないが、自分と海斗の方がある意味では一番、たくさん本音をぶつけ合っている仲であるはずなのに。あの中には、彼氏と彼女が肩を並べて戦った事なんてないはずなのに。
それでも自分達は、今はまだ友達……というか喧嘩仲間で、目の前の男女達は恋人同士の関係を築いている。
そんな光景が、何処か悔しくて、羨ましかった。
「……ね、海斗」
「あん?」
本当は。夕食後のケーキの時に言う予定だったが、もうそれはやめた。
振り返ると、深呼吸をしてから真っ直ぐ海斗を見据えた。
「すぅー、はぁー……よしっ」
「何が?」
「好きよ。海斗」
「は?」
「だから、好き。私はあなたが」
「え? や、おい。ちょっ……おまっ、こんなとこで何を……!」
何故、告白した側よりされた側が狼狽えているのか小南には分からないが、無視して海斗の手を強く握る。
「……付き合って、欲しいんだけど……」
「……あ、はい。分かりました」
テンパっていた海斗は思わず反射で返事をしてしまった。しかし、それを聞いて小南は思いっきり舞い上がってしまった。嬉しくなり、思わず正面から海斗に飛びついた。
「ん〜〜〜っ! 長かった! 長かったわ!」
「うおっ⁉︎ お、おう。や、待った。どうした急に周りの人たち見てる見てる」
「もうそんなの気にしなくて良いのよ! だって恋人同士だもの!」
「声大きいって! 頼むからもう少し声のボリュームを……!」
「だから良いのよ! 気にしなくて」
なんだかんだ、長いこと海斗を想ってきた小南のリミッターは爆発したようだ。
抱きついたまま海斗の腕を抱き締め、今度こそお店の中へ向かった。
「さ、早く食材を買いに行きましょう」
「あ、うん。お願いだからもう少し……てか何食うの今日」
「カレーよ」
小南と特別な関係になった。
小南さん誕生日おめでとうございます。