蛸の見た夢   作:藤猫

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ホルマジオと感情を抱えたままのカラマーロと、遠すぎる人

ポルポは出て来ません。カラマーロとホルマジオの過去話になります。


憐れみへの愛

 

 

ホルマジオは、彼の行きつけのオステリアにいた。

オステリアとは、イタリアでいう大衆向けの食堂や居酒屋のことを指す。といっても、ホルマジオの行きつけのそこは、お世辞にもガラが良い人間が集まる様な場所ではなかった。周りにいるのは、ホルマジオに似た、少々裏に何かがありそうな男たちで溢れていた。

そこで、入り口付近がざわついた。

ホルマジオは、自分の目当ての人間がやってきたことを察して声の方に目を向けた。

そこには、その場にいた存在たちの目を掻っ攫う様な震えるほどの女がいた。

露出された肌から分かる、白く吸いつくような肌だとか。すらりとした長身だとか。豊かな胸だとか。引き締まったウエストだとか。

彼女の魅力を語るならば、尽きることなどないような女だった。

何よりも、女は、ひどく美しい容姿をしていた。

すっと通った鼻に、淡い色の唇。そうして、ややつり上がったアーモンド型の、アイスブルーの瞳が女の賢しさと強さを体現していた。

何よりも、目を引くのは、まるで金糸を束ねたかのような、髪だった。

豊かなそれを一つでまとめていた。それは、装飾品というよりは、獣の豊かな尾のようだった。けれど、その雄々しさと言えるような、不可思議な力強さが女の魅力を一層に引き立てていた。

女は己に向けられる視線など気にすることも無くまっすぐとホルマジオの元にやって来た。彼女はホルマジオに視線を向け、にかりと大味な笑みを浮かべた。

 

「お待たせ、ホルマジオ!」

 

 

「っはー!ホルマジオも飲んでね!今日は私のおごりだから。」

「へーへー分かってるよ。気遣われなくてもただ飯にゃあありがたくありつくさ。つーか、お前なんで飲みに来ると最初にビール頼むんだ?ドイツ系だっけか?」

 

向かい合うような形で席に着いたカラマーロにホルマジオが問う。彼女は、ホルマジオに得意げに、子どものような顔をする。

今日、二人がこうやって飲みに来ているのは、長くかかったとある案件が片付いたためだ。カラマーロが奢るということで、ホルマジオの行きつけの店に来ている。ガラの悪いものが多いが、良い酒を入れているのだ。

 

「ポルポがね、最初はビールが基本なんだって言ってたの。なんだっけ、トリアエズナマ、らしいわ。」

 

意気揚々と語る様は、それこそ己の父母について語る幼子のように鼻高々だ。おそらく、何故なのかはあまり気にしておらず、ただ、慕っている女とおそろいであることが嬉しいのだろう。

ホルマジオは、長い付き合いからの予想を立てた。おそらく、正解だろう。

そう思っていると、カラマーロはよほど上機嫌だったのか、ホルマジオの肩を己へと引き寄せた。驚いたホルマジオが、カラマーロへ視線を向ければ、笑みを浮かべた女が一人。

 

「にしても、今回は本当にありがとね!あんたの仕事は最高よ!」

「おうおう、いいってことよ。にしても、今日はえらくご機嫌だなあ。」

 

何がそんなに嬉しいのかと、ホルマジオはまるで幼い子どもへする様にその頭を乱雑に撫でた。四方八方から、なんとも妬まし気な視線がくるが気にしない。

カラマーロと共に居るならば、これぐらいは受け流せるような男でいなくてはいけないのだから。

ホルマジオの言葉に、カラマーロはにいいといたずらっ子のような笑みを浮かべて弾んだ声を出した。

 

「そりゃあ、そうよ!この案件、ようやく蹴りがついたんだもの。嬉しいに決まってるわ。」

 

そう言って、カラマーロはいつものクールな微笑ではなく、口を釣り上げ、歯が見える様な子供じみた笑みを浮かべる。

それを、ホルマジオは思わず、プロシュートとそっくりだと思ってしまった。

彼の男も、普段はクールというのかあまり表情を変える性質ではないのだが、嬉しいことがあるとカラマーロとよく似た笑みを浮かべる。

その笑い方を見ていると、いつもならば髪の色ぐらいしか似ている部分を感じないのだが、血の繋がりを感じることさえあるのだから不思議だ。

 

「ふふふふ、それにようやくあんたと仕事終わりに酒が飲めるような女になれたんだもの。嬉しいに決まってるわ。」

 

そういって、ぐびりとビールを味わう女に、ホルマジオは何故か、切ないような顔をした。

昔の、あの日、ホルマジオとカラマーロがあった日も、こんなふうに人のごった返す酒場にいたことを覚えている。

 

 

 

「ねえ、あんたがホルマジオ?」

 

一日の終わり、まだ、生きた日数がなんとか二十年を超えたばかりの若造だったころのこと。行きつけにしていた安い居酒屋の端で飲んでいたホルマジオに話しかける存在がいた。

声のする方に顔を上げれば、そこには、あまりにもこの場には不釣り合いなものがいた。

 

(・・・・・すげえ、天然のブロンドに、目はブルーか。)

 

大人と子どもの境に立つ、曖昧な年齢だからこその危うい魅力にあふれた美しい少女だった。

ホルマジオが感嘆するには十分と言える容姿の少女は、その可憐な容姿には不釣り合いなギラギラとした、獣のような目でホルマジオを見た。

 

「仕事を、頼みたいの。受け付けてくれる?」

 

それに、ホルマジオは勘と言える何かで、目の前の存在が面倒な存在であることを察した。

 

 

「・・・・・あのな、嬢ちゃん。仕事を負うつっても、色々と手順っつうもんがあるの。分かるか?」

 

ホルマジオがたしなめる様に言うと、少女はむすりとした表情のまま話を進めた。

 

「私は、カラマーロ。受けるの、受けてくれないの、どっち?」

 

不躾と言えるその態度に、ホルマジオもさすがに眉間に皺が寄る。すでに、ホルマジオの元にいったことで少女への興味が失われ、喧噪を取り戻した店内で彼は机から身を乗り出した。

 

「クソガキ、あんまし舐めてんじゃねえぞ?」

 

けして、大きな声ではない。けれど、威圧感に満ちた、どすの聞いた声に少女の目の中で怯えが起こる。

それに、ホルマジオは相手する必要もなかったかと、そう思った瞬間にカラマーロと名乗ったそれは怒りの表情を浮かべて、足を一歩前に進めた。

 

「・・・・・そっちこそ、舐めるな。」

 

カラマーロは、机に手をつき、そのアイスブルーの瞳をぎらぎらとさせながらホルマジオに詰め寄った。

 

「負うリスクも何もかも分かったうえでここに来てる。それで怯えて帰るなんてふざけたこと、考えてんじゃないわよ?」

 

そこには、覚悟があった。

目的を遂げるという、何を以っても引かないという、戦うという、確固たる意志があった。それに、ホルマジオは目の前の存在がどうやらただの子どもでないと理解した。

そう言って、一歩も引く様子のない少女にホルマジオは本格的にため息を吐いた。

どうも、逃げられないことを察して。

 

 

「・・・・それで、どんな用だってんだ。俺への仕事っつうのは?」

 

流石にその場での話ははばかられ、二人は場を変えることにした。二人がいるのは、適当な路地であった。

ホルマジオの言葉に、そっととある紙と写真を取り出した。

写真に写った、美しい優男の事ならばホルマジオも知っている。この頃、羽振りがいいと評判のバルトロという男だ。どこかしらに所属しているという話も聞かないというのに、その羽振りの良さについては噂になっている。

が、誰もその男に触れようとはしなかった。

何故かというと簡単で、バルトロの活動しているという地区というのが、ホルマジオの所属しているパッショーネにおいては特殊なものに入るためだ。

地区を仕切っているのは、聞いた話ではホルマジオよりも年下の女だという。女は、組織にとって一番に重要であるはずの入団の試験についてを請け負っていた。何故、女がそこまでの地位にいられるのかはホルマジオも知っていた。

女の元に行って、特殊な力を使える様になってくるという話は有名だった。そうして、帰ってこなかったという話も。

ホルマジオも、その女の恩恵を受けたわけではないが、特殊な力を持っている。

地位の理由は、それにあるのだろう。

ただ、女の力を知っているとはいえパッショーネの人間は、つい前まで一般人であった、おまけに若い女が地位を持つなど面白いわけがない。

それは、幹部になればなるほどに考えるのだろう。

そのために、パッショーネの人間は、女の担当している地区で何が起こっても無視している。おかげで、女の地区は荒れていたそうだが、この頃は優秀な番犬を飼っているらしくだいぶ落ち着いていると聞いている。

そうして、紙の方を見ると、近くのレストランの名前が書いてあった。

 

「・・・・それ、その男が出入りしてるって噂の場所よ。仕事の内容は、そのレストランにいる男の近くに私を運んでほしいの。」

「・・・・お前、俺の能力がどんなのか、分かってんのか?」

「あんたの仕事、運び屋とか残ったものの始末とかしてるんでしょう?それを考えれば、ものをある程度運ぶ必要がある。あんたの力って、物の、重さとか大きさの操作ってとこじゃないの?」

 

ホルマジオは内心で舌を巻きそうになる。もちろん、ホルマジオが請け負った仕事などを調べれば、ある程度の予想はつくだろう。

だが、ここまで若い、幼いと言える少女がそれを調べ上げ、ホルマジオとのコンタクトを取ろうとすることが驚きだった。

 

「紙の下に、報酬も書いてあるわ。」

 

その言葉に、紙の下を見て、ホルマジオは目を見開いた。

 

「お前、こんなに出せるのか?」

 

その額は、ホルマジオに払うにはいささか高額すぎるものだった。

それに、カラマーロは堂々と言った。

 

「あったりまえでしょ、今まで、ずっと貯めて来たものよ。まだ、余裕があるわ。それに、私を拾ってくれた人に、投資は惜しむなって言われてるの。信じられないなら、その半分の額、現金で持ってくるわ。」

 

ホルマジオは、それを聞きながら、頭を悩ます。ここまでの話を聞けば、なんとなく察することも出来る。

カラマーロはおそらく、地区を担当している女の部下か何かなのだろう。別に、何かまずいということはない。

何と云っても、パッショーネの地区で好き勝手しているチンピラを一掃することへの手伝いだ。何よりも、金払いだっていい。

 

(・・・けどなあ、ポルポだっけか?あの辺と関わるのがばれたら、俺の立場がなあ。)

 

「・・・・・勘違いしてるようだけど。あんたは、あくまで私を男の所まで運べばいいの。運んだあとは、私が自分で何とかするから。今日のことがばれても、断ったって言えばいい。あんたにリスクはないわ。」

「・・・・お前、バルトロの奴、五、六人はいっつも連れてるぞ。一人で行くのか?」

「私もあんたみたいに力が使えるの。心配は不要よ。」

 

淡々と言ったカラマーロに、ホルマジオは生来の世話好きと言える性のせいか、思わず叱る様に言った。

 

「お前な。どんな力なのかは知らねえが、そんな考えじゃあ命が幾つあったって足らねえぞ。あっちにスタンド使いがいるかもしれねえし。」

「命なんて、差し出したってかまわない。」

 

それに、ホルマジオは目を見開いた。

カラマーロは、ホルマジオに背を向けていたけれど、それでも少しだけ横顔を見ることが出来た。

食いしばった歯、握り込んだ拳、焼けつくような空気、逆立つように風に揺れた黄金の髪、そうして、まるで燃え盛るような、高温の青い炎のような瞳。

ホルマジオは、一瞬だけ、そこに少女の身の丈もある様な金色の獣がいるように錯覚した。

 

「あの人の役に立つなら、命ぐらいかけたってかまわない。」

 

静かな声だった。静かで、微かな、と息のような声だった。

ホルマジオは、それが遠吠えに聞こえた。

まるで、狼がたった一匹で夜空に叫ぶような、そんな寂しい遠吠えのように聞こえた。

 

 

 

その少女は、いつだって何かに追い立てられているように見えた。

ホルマジオは、その後仕事を受けることを決めた。理由なんて単純で、ホルマジオは、その何かにせかされている様な、けれど美しい獣のような少女に興味が湧いたからだ。

何よりも報酬も悪いわけではない。もしも、協力したことがばれても入った金でなにかしらのことをチームのメンバーにすれば誤魔化せるだろうという算段の為だった。

そうして、彼女は言ったのだ。ホルマジオを信じると。

 

「私は、あんたを選んだわ。だから、あんたを私は信頼する。あんたは対価にはちゃんと誠実である人物だと判断したから。」

 

その、あまりにもまっすぐな瞳に、たじろいてしまいそうだった。

知らないその、信頼と言えるそれに、ホルマジオはたじろいて、戸惑った。

信用されることはあった。

けれど、その、信頼と言える感情は、あんまりにも重たくて。けれど、その重さを心地いいと思ってしまった。

むずむずとするそれに、居心地が悪くなった。

けれど、未だに、鈍くなった心を抱えていても、甘さの残る彼には、その感情は重く、不可思議だった。

差し出された手を、ホルマジオは思わず取ってしまったのだ。

 

それから、ホルマジオとカラマーロは幾度か会うことになった。

バルトロが店にいるところを狙うと言っても、さすがに他の客がいる時は避けねばならない。

カラマーロはすでに、バルトロたちしかいない日を特定していた。

店の見取り図、もしもの時の脱出経路、バルトロの仲間について。

ホルマジオは、それを聞きながら、カラマーロにそこまでさせる存在について考えた。

カラマーロと会った後、彼女について調べることにした。

そうして、カラマーロについて知るにつれて、なぜそんなにも必死になるかを察した。

 

(・・・・命を助けられたってえのは、そんなにも重いのかねえ。)

 

それは、ホルマジオが誰にも命を救われたことがないせいなのかもしれないが。それでも、カラマーロの様子は、少々常軌を逸している気がした。

カラマーロの様子を見れば、見るほどに彼女の世界がポルポという存在を中心に回っていることが分かった。

ほんのカケラほどしかないが、雑談をするとき、カラマーロが語るのはポルポの事だけだ。

嬉しかったこと、悲しかったこと、カラマーロの語るのは、それだけで。

ポルポからの電話ならば、何があっても出る。

ホルマジオには、その感覚を、理解できない。

彼は、母一人子一人で育ち、そうして早々にギャングになった。

彼は、別段、情を知らないだとか、誰のことも好きになれないというわけではないけれど。それでも、いつだって人が優先するのは己の事だけだと思っている。

だからこそ、ホルマジオは、自分以上に誰かを大事にするという感覚を理解できなかった。

カラマーロは、時折、神様に祈るような顔をするときがあった。

祈る様な顔をするときがあった、捨てられることを恐れる子どものような顔をするときがあった、美しい星を見上げる様な顔をするときがあった。

ホルマジオには、見知らぬ感情がそこにはあった。

心底理解できないと思う時があるし、何をそこまで人を想うのだと感じる時だってあった。

 

(・・・・この世界で、そんなに感情に振り回されてたら、さっさと死ぬぞ。)

 

そんな忠告さえ浮かんでくる。

優しさも、穏やかさも、怒りに燃える心さえ、深く沈めねば足を取られて死んでしまう。ホルマジオは、知らないわけではないけれど、それを感じる心はすっかりと鈍くなってしまった自覚はあった。

だからこそ、そんな心が揺さぶられるカラマーロの瞳に、興味が湧いたのだ。

その、怒りと、悲しみに塗れた瞳に時折浮かび上がる脆く、柔らかな感情にホルマジオは目を細めたくなる。

それは、例えば、砂場で遊ぶ子供が、砂の中から青いビー玉を見つけた時のような、キラキラしたものに目を輝かせる感情に似ていた。

きっと、ホルマジオは、その瞳に魅入られてしまったのだ。

美しいと思う、その感情に。己のことなど、振り返りもしないだろう走る獣に。

けれど、それだけではなかった。それだけで、少女から目が離せなくなったわけではなかった。

ホルマジオは、ただ、最初に聞いた、あの、寂しい遠吠えのような言葉がどうしたって耳から離れなかったのだ。

 

 

「お前さあ。」

「なに?」

 

明日、計画を実行しようという時、最終的な確認をホルマジオとカラマーロは行っていた。適当に借りた車の中で、二人は隣り合わせに座っていた。それが終わり帰るころになった時、ホルマジオはふと、気になっていたことを呟いた。

 

「お前さあ、そんなにも自分のボスが大事か?」

「・・・・・ポルポのこと?」

「ああ。」

「そんなこと聞いてどうするわけ?」

「いーや、別に。ただ、お前さんがそこまで熱を上げる理由が知りたかっただけさ。」

 

お道化る様にそう言えば、カラマーロはじっとりとした目でホルマジオを睨んだ。なにか、目的がないのかと疑う様な視線に慌ててホルマジオは手を振った。

理由など、あるようで、なかった。

ただ、何となしに、彼女と己がここで終わってしまうことが分かっていたからだ。仕事が終われば、それまで。

わかっていたことだった。

それでも、その、綺麗な獣の、燃える様な青い瞳をもう少しだけ見つめていたかった。

そうして、聞いてみたかった。

少女の言葉で、その、寂しいまでに遠吠えをした誰かのことを。

カラマーロは、それに胡乱な目を向けていたが少しだけ考え込む様な顔をした。

そうして、囁くように言った。

 

「・・・・あんたさ、真っ暗な闇の中って、歩いたことある?」

「は?いや、まあ、あるけどよ。」

 

唐突なそれに、ホルマジオは困惑混じりに答えた。それに、カラマーロは珍しく淡くではあるが、微笑みを浮かべた。

ホルマジオは、それに驚いて、目を見開いた。

 

「あの人はね、太陽じゃないの。せいぜい、灯りなの。それも、足元を照らしてくれるぐらいの。」

 

でもね、真っ暗な中で、迷って、心細くて、寂しくて、悲しくて。どこにも行けないと分かっていた時に、差し出されたその灯りは、太陽よりも眩しかった。

 

「それだけ。」

 

少女は、そう言って、一瞬だけ微笑んだ。

それは、花が開く瞬間のような、風に花びらが散る様な、眠りについた獣が目覚める様な、そんな、笑みだった。

ホルマジオは、それを、美しいと思った。狂おしいほどに、美しいと思った。

それは、これから人を殺す人間が浮かべるには、あまりにも清らかで、穏やかで、美しすぎる笑みだった。

ああ、なぜ、そんな笑みを浮かべられる。

ああ、なぜ、そんなにも、燃える様な激情を持ちながら、柔らかな感情を抱えているのだ。

燃える様な、青い瞳が、柔らかな青空に変わる。

分からない、分からない、けれど、それが美しいものだと、ホルマジオには分かった。

カラマーロは、そう言ったきり、車から降りた。そうして、ホルマジオを振り返った。

カラマーロは、いつも通りのぎらぎらとした怒りを湛えた瞳をしていた。

 

「・・・明日、時間通りにね。」

 

そう言って、カラマーロはさっさと帰っていった。

未練などもないように、何も思っていないかのように。

それに、ホルマジオは、たまらなくなる。

ホルマジオの頭の中には、炎のような青い瞳と、空のような蒼い瞳がまるで星のように瞬いていた。

 

(・・・・ずっりいよお。)

 

きっと、彼女はすぐにホルマジオのことを忘れてしまうだろう。だって、彼女には彼女だけの星がある。それのために生きていく神様がいる。

どれほど、ホルマジオがあの瞳を覚えていても、きっと彼女に取って自分は取るに足らないだろう。

けれど、きっと、ホルマジオは、あの美しい瞳を一生忘れられないだろう。

きっと、彼女が忘れても。きっと、彼女が死んでしまっても。

 

 

そうして、作戦実行の日。

ホルマジオは店の人間として潜り込んでいた。なんでも、その日はリーダーであるバルトロの誕生日であったらしく彼らだけの貸し切りになっていた。

ホルマジオはにこやかに笑いながら、小さくしたカラマーロを彼らの近くに置いた。そうして、ついでに少しだけ細工をして、時間を待った。

 

(・・・・時間だ。)

 

時計を確認したホルマジオは、それに合わせて能力を解除した。

 

 

最初に聞こえたのは、動揺の声だ。

当たり前だろう。

楽しく酒に酔っている最中に、いきなり、見知らぬ人間が気配も感じさせずに現れたのだから。

 

「カ、カラマーロ・・・・・!」

 

その声に、女の正体はいちおう知っていたようだと分かった。ホルマジオは、それを静観する。戦うことは契約に含まれていない。

本来なら、ホルマジオはこのまま外でカラマーロの仕事が終わるまで待っている算段になっているのだが。

どうしてもそれが出来ずに、ホルマジオはホールを伺っていた。

カラマーロは、己の名を呼んだ、バルトロにゆっくりと微笑んだ。

まるで、親しい友に向ける様な、笑みだった。こつり、靴音と共に、カラマーロは近くにあった机を触った。

その瞬間、机もろとも上に会ったグラスたちもが、ざらりと砂に変わる。

 

「やあ、バルトロ。落とし前、着ける覚悟はあるわよね?」

 

その言葉と共に、辺りはパニックに包まれる。数人が銃を取り出すが、それよりも先にカラマーロは地面に手を付く。

それと同時にカラマーロを中心に円をかく様に床が砂に変わってゆく。

銃を構えていた男たちは、それにつんのめる様にバランスを崩した。カラマーロはその崩れたと同時に男たちに触る。

ざら、ざら、ざら。

人であったそれは、砂の山に変わる。

残ったのは、腰を抜かしたバルトロだけだった。

あっという間の出来事に、彼はがたがたと震えながらカラマーロを見上げた。

 

「わ、悪かった!」

 

カラマーロは無言のまま、砂の上に立ち、バルトロを見下ろした。

 

「確かに、あんたのとこでやってた商売の上納金を払ってなかった!今度からは、六、いや、八はわた・・・・」

「違う。」

「え?」

「あんたが死ぬのは、私があんたを殺すのは、金を払わなかったからじゃない。麻薬を売って、他人の人生をまぜっかえしたからじゃない。あんたの好き勝手で貶められた面子でもない。」

 

お前は、あの人を侮辱した。

 

それに、ホルマジオは見たのだ。

ああ、あの、あの、美しい、高温の炎が如く燃え盛る、怒りに輝く、青い瞳を。

ホルマジオは知っている。

カラマーロの、清らさを、穏やかさを、静かさを。

けれど、そこにいるのは、確かに血に飢えた獣だった。

 

(・・・・すぐに死にそうな、戦い方をするよな。本当に。)

 

感情のままに叫び、感情のままに吠えて。

己の持つ激情に振り回されるカラマーロを見ていると、ホルマジオはいつか死んでしまうのだろうなあと、妙に冷静に思うのだ。

けれど、だからこそ、その激情に吠える様から目が離せない。

 

カラマーロは、バルトロの首を掴み、叫ぶように言った。

 

「あんたに分かるか!?住民に麻薬のことを相談されて、悲しそうに、苦しそうにしているあの人の気持ちが!無力に嘆くあの人の心が!それをどうにもできない私の気持ちが!ああ、逃げ回りやがってよお!こんなとこまで逃げやがって。どれだけ苦労したと思う?他の奴らは、嫌がらせにあんたを捨て置く奴だっている。だからさあ!必死にさあ、諦めたふりして、囲い込んで、ここを安全だと思わせて、ようやくよ!」

 

ようやく、長い狩りが終わった。

 

そこには、怒れる獣がいた。

ぐるぐると唸り声をあげる、一匹の獣がいた。哀れな、ちっぽけな獲物は醜い命乞いを上げる。

それに、女が叫んだ。

 

「ああああああああああ!!なんでなの!?なんで、あの人を苦しめてるのが、あんたみたいな、ちっぽけな奴なの!?あんた、麻薬売ってたんでしょ?他人の人生、めちゃくちゃにした自覚あったでしょ?なのに、なんで死ぬのを怖がってんの?なんで、痛いのを拒否すんの?なんであんたみたいな地獄に行くことを怖がってる奴が、あの人の敵なんだ!?」

 

ぎりぎりと、カラマーロの指がバルトロの首を食い込む。

 

「なんで、覚悟も無い奴が、あの人を馬鹿にしてる?どうして、自分のやってることの本質も理解してない奴が、あの人を侮辱できる?この世でもっともしてはいけないのは、侮辱することだ!それを贖うためになら、命を差し出すことだって、赦されるわ。」

 

それに、男は自分の行く末を、砂の山に見出したのだろう。

とっさの行動だったのだろう、バルトロは隠し持っていたらしいナイフを振り上げた。カラマーロは怒りのあまり警戒が緩んでいたせいか、それから体を庇い、仰け反る様に避けた。

バルトロは、それに懐から隠していた銃を取り出した。

ホルマジオは、それに予感していたことが起こったために、スタンド能力を解除した。

バルトロは、腹を抑えて苦しみだした後、腹から自転車を突き出して死んだ。

残ったのは血にまみれ、きょとりと珍しい間抜けな顔をしたカラマーロだけ。

それに、ホルマジオは初めて見た顔に、笑い声をあげた。

 

 

ホルマジオは、ちらりと助手席に目を向ければ、そこには膝を抱えた少女が一人。

あの後、店内に残った武器も、死体も、血でさえも砂に変わり果てた。騒ぎに怯えていた店員も、残った砂に困惑していた。

 

(・・・後始末は、任せろっつってたから放って来たが。)

 

店内には、殺しの証拠など一つとして残ってはいないだろう。

警察だってお手上げだ。

ホルマジオは、店から無理矢理連れ出したカラマーロに視線を向けた。

 

「なあ・・・・・」

「・・・・どうして助けた?」

「は?」

「どうして、私を助けた!?」

 

カラマーロは俯かせていた頭を起こし、ホルマジオを睨んだ。ホルマジオは、それに困惑した。当たり前だ。

何を、そんなに怒るのか分からなかったためだ。

 

「あんたに頼んだのは、運ぶことだけだった!なのに、どうして助けたの!?あれぐらい、なんとかなった。私だけでもやれた!助けなんていらなかった!なのに・・・・」

「いい加減にしろ!何そんなにキレてんだ!」

 

流石にホルマジオもあきれ果てて叱る様に鋭い声を出せば、カラマーロは今までの怒りを湛えたそれを引っ込め、まるで子どものような顔をした。

まるで、ひどい失敗をした、子どものような顔だ。

 

「だって・・・・・!」

 

まるで、堰が切れたかのように少女は、泣きじゃくるような声を出した。

 

「それじゃあ、あんたと対等であれないじゃない!」

 

ホルマジオは、それの意味が分からなくて、困惑したように顔をしかめた。

 

「だって、あんた、私のこと心配してくれたじゃない。ただ、仕事相手の私のこと、心配してくれたじゃない。」

 

嬉しかったの。

 

そう言って、カラマーロはホルマジオを見上げた。

高温の炎のような瞳は、その時だけ、まるで深い水底のようにゆらゆらと揺れていた。

 

「だから、対等でありたかった。等しい、もので、せめてありたかったの。弱くちゃ、駄目だから。だから、せめて、仕事の上では対等でありたいのに。」

 

ああ、どうしてだろうか。どうして、いつだって、自分には一人で満足になにかを成すことも出来ないのだろうか。

強くならないといけないのに。弱いままでは、成長できないままでは、何も成すことは出来ないのに。

どうして、自分は、こんなにも弱いままなのだろうか。

 

カラマーロは、今日、この作戦を決行するために張りつめていた意識が緩んでいくことを理解した。

弱みを見せてはいけないと、分かっていたのに。

それでも、言葉を止めることが出来なかった。

だって、本当にどうすればいいのか分からなかった。

 

一人で、やらなくてはいけないと思っていた。誰にも、借りを作りたくなかったのだ。これ以上、誰かに何かを与えられたくなかった。

カラマーロは、もう、神様がいる。

だから、カラマーロの全ては神様のものだ。ポルポのものだ。

ホルマジオに、返すことの出来るものなんてあるのだろうか。

それほどまでに、カラマーロにとって、命を救われることは重かった。

命だけが、彼女の原初と言える記憶の中で、唯一彼女が持っていたものだから。人形のように生きていた幼いころの中で、唯一、生きていることが全てであったから。

何よりも、どうしても、どうしようもなく、嬉しかったから。

ただ、何の見返りもない心配がどうしようもなく嬉しかったから。

カラマーロが死んだってホルマジオに報酬が支払われるようになっている。それは、ホルマジオだって知っている。

二人目だった。

ただの、良心ともいえる何かを、カラマーロにくれたのはホルマジオが二人目だった。

これは甘えだ。

ホルマジオという男の持つ、己への甘さへの、甘えだ。

ホルマジオは良い人だった。

自分のような、虚勢を張る子どもを気遣ってくれた。

バルトロの持っていた影で男を操っていた者への連絡先も手に入れた。

帰ればいい。

あの人の所に、帰ればいい。

そうしたら、ようやく、価値を示すことだって出来るのに。

カラマーロは、ポルポにとって何者でもない。

書類上では部下と上司でも、そこに確かなつながりがあるわけではない。

カラマーロは、ポルポが好きだ。

それは、恩だとか、報いだとか、嬉しさだとか、喜びだとか、複雑に言おうと思えば幾らでも言える。

けれど、カラマーロは、ポルポにとって何者でもない。

ポルポは、カラマーロの親でも、姉でも、師でも、友でさえない。

カラマーロはちゃんとポルポと自分の在り方を知っていた。その繋がりが、どれほどまでにあっさりと終わってしまうか分かっていた。

だから、せめて、部下でありたかった。

優秀な、部下でありたかった。

あの人にとって、その関係性だけが、カラマーロが己からなれるものだったから。

どうして、自分は、こんな所でへたりこんでいるのだろうか。

分かっているのに。

また、背負ってしまった借りをどうすればいいのか分からない。

最初に、どうしたって返したいと願う借りでさえ返せていないのに。

 

 

ホルマジオは己の目の前で泣く少女が、哀れで、可哀そうだった。

何をそこまで背負い込む。何を、そこまで駆り立てられる。

ホルマジオから見て、少女は、大人になればそれこそ誰をも魅了する様な女性になることが察せられるほどの才と容姿をしていた。

せっかく生まれてきたのだから、生き残ったのだから、もっと生きることを楽しめばいいのにと、そう思わずにはいられなかった。

もっと、楽に生きればいい、もっと、楽に生きられる道を探せばいい。

けれど、少女はそれを望まない。

それが、なんだかホルマジオはやるせなくなってしまう。

笑えばいいと思うのだ。

なんたって、少女は、とびっきりの美人なのだから。

だから、笑えばいいと思うのだ。

それは、どれほどに、美しいだろうか。

ホルマジオは、その時、少女の瞳が、どんな色になるかを夢想する。

それでも、ホルマジオは彼女を笑わせる術など持っていないから。

捨て去ってしまえばいいのだ。

そんなにも振り回されるぐらいならば、いっそのこと、全部放ってしまえばいい。

何にも震えない心を持つことは、ひどく空虚ではあるけれど、そこには安寧がある。

けれど、そうはできないのだろう。

たった一度の恩に生きているからこそ、少女はひどく美しいのだ。

急きたてられるような、どこかに駆けていく様な、そんな走り去る様な在り方を。こちらのことなど見もせずに、ただ、星を追いかけていく様なつれなさよ。

その少女の持つ感情は、ただ、甘さを捨てきれないだけと斬り捨てるには余りにも苛烈で、鮮烈でありすぎた。

ホルマジオは、息をつめて。そうして、その肩を撫でてやった。

 

「なら、お前が一人じゃ無理な時は、俺を頼ればいい。仕事の依頼なら、いっくらでも引き受けてやるさ。」

「そんな義理、あんたにはないだろう。」

「お前さあ、酒飲める?」

「え?」

「酒。」

「あんまり・・・・」

「じゃあよお、お前が酒を旨く飲めるようになったらよ。一杯、行こうぜ?あ、お前のおごりでな。」

 

それにカラマーロの目が、何故、と心の底から不思議そうな顔をした。それに、ホルマジオは、お道化た様に笑って見せた。

 

「将来有望そうな美人へ予約するんだぜ?いや、命を救った価値もあるさ!あと、これからもごひいきにな?」

 

それに、カラマーロは、狐につままれたような顔をした後に、くしゃりと泣き笑いのように微笑んだ。

 

ホルマジオ、あんたは良い人だ。

 

そんなことはないのだ。

ホルマジオは、ただ、その美しい何かに魅入られて、もっと見たいと思ってしまっているだけで。

本当に、カラマーロを気遣っているわけでない。

打算だってある。

金払いのいい彼女とはできれば近しくありたいと、そう思っている部分もある。

それでも、自分のことを、いい人だという少女を前にすると、ホルマジオは嘘でもいいからいい人でありたいなんて願ってしまう。

きっと、カラマーロは放っておけば、あっさりと死ぬだろう。

その激情を抱えて生きていくというのはそういうことだ。

愚かだと思う、馬鹿だと思う。

そんな風にしか生きられないカラマーロに心の底から呆れそうになる。

けれど、その生き方のままに、カラマーロでいてほしいと思うのだ。

その生きづらさを抱えても、それでも生きて行こうとする、愚かなまでに正しくて、真っ直ぐな生き方は、ホルマジオにとってあまりに遠くて。それでも、どうか、そのままでと祈りたくなった。

ホルマジオは、目を細める。

この少女は、どんな大人になるのだろう。どれほどまでに、美しい女になるのだろう。

ホルマジオは、しょうがないと思うのだ。

あの時、初めて、ホルマジオを信じると言った少女のそれに報いたくなってしまった。

悪くない気分であったのだ。

誰かの未来に夢を見るなんて、甘すぎる感情は、悪くない気分であったのだ。

 

 

 

 

「あははははははは!ほーるまーじお!」

「あーあ。見事に酔ったな。」

 

酔えば笑い上戸になるカラマーロは、ホルマジオに殆どおぶさる様な形で運ばれていく。ホルマジオは、彼女を送っていくためにセーブしていたおかげで意識ははっきりしていた。もとより、そこまで酒に酔うということはあまりないが。

 

「ふっふっふ!私のおごりは美味しかったか!?」

「あーはいはい。美味しかったぞ。」

「そうだろう、そうだろう!」

 

ご機嫌な声に耳を傾けて、ホルマジオは苦笑する。

ホルマジオとカラマーロが会ってから、だいぶ時間が経った。

その間に、カラマーロは大分息の吸い方というのを覚えたように思う。

例えば、今のように羽目を外すということを覚えた。

あの時、激情に振り回されて、散々泣いた少女は、美しい女になった。それは、ホルマジオでさえも見惚れてしまいそうな女だ。

けれど、中身はてんで変わっていない。

変わらずに、女はその身に幼いころに抱え込んだ激情が燃えている。

酒の味が分かる様になっても、美しい女と言えるほどになっても。

彼女は相変わらず、たった一人の神様を見つめている。

ホルマジオは、ポルポに初めて会って、何故、カラマーロがそこまで入れ込むのかが分かった。

なんの対価も望まないということの残酷さを、ポルポは理解していなかった。

カラマーロの息苦しさの理由を、ホルマジオは嫌いにはなれなかった。

ポルポは、ホルマジオと一緒だった。

激情を抱え、未来に吠える彼女を美しいと思ったのは、互いに同じであったから。

裏の世界で、対価を望まないという在り方は異質で。ホルマジオは何を甘いことをと思ってしまう時もあるけれど。

ホルマジオは、ポルポだからこそ、カラマーロを生かし、そうしてそんなにも激情を孕ませることが出来たのだと知っている。

その優しさと、穏やかさが、カラマーロの神様たる理由なのだと知っている。

ホルマジオは、柔らかな体をそっと抱きしめた。

そんなにも大きくなっても、カラマーロはポルポにとって何者でない。

姉妹でも、親子でも、友人でもない。

ただ、部下と言えば、部下と言えるような曖昧な関係のままここまで来た。

それでも、ホルマジオは、彼女らが必死に二人で生きてきたのを知っている。その間に、金色の可愛くない野良犬を拾って、自分に唸り声をあげるようになったのも懐かしいものだ。

その、歪なまま、あまりにも温い関係が心地よくて、壊したくないと思ってしまった。

暗がりの中、初めて手にした灯を手放したくなかった。

 

「ホルマジオ!」

「あー、何だよ?」

「私さあ、美人になった?」

「おーおー、そりゃあ、震えるほど美人になったぞ。」

 

そう返せば、カラマーロは微かに吐息を溢した。

 

「よかったあ。」

 

そう言って、カラマーロは、心の底から安堵したように笑った。

 

「私、あんたには、返せてるんだ。」

 

よかった。

 

そう、安堵したように言ったカラマーロに、ホルマジオは変わらないなあと微笑んだ。

カラマーロは、ホルマジオを信頼している。

きっと、誰よりも、ホルマジオはカラマーロからの信頼を勝ち得ているだろう。

それでも、彼女の一番は、ポルポだ。

ホルマジオは、それでいいと思っている。

己につれない猫こそが、彼は一番好きなのだから。

 





なんか、二人の関係性に悩んで無駄に長くなってしまいました。ものすごい、難産で下。とっちらかったかな。

逆ハ―タグはつけません。理由は、活動報告にて上げます。ちなみに、理由はめちゃくちゃ個人的なめんどくさいこだわりが理由なので、そういうのが苦手な人は読まないことを勧めます。


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