性全説   作:GUNUNU

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恋愛小説を書きたかった。


性全説

4月1日、人類は滅びた。

理由はなんであっただろうか。空がまぶしく輝いたことだけは忘れられない。

 

4月2日、人類は再編された。

 

何が起こったのかはわからない。考えてしまったら死んでしまうかもしれない。それほど混乱している。

景色は普段と何一つ変わらない。地上には駅があり、線路がひかれている。当然周辺には家が建ち並び人の存在感をひしひしと感じさせてくれる。

 

世界が滅びたことをなぜ私が認識しているかには心当たりがある。

3月中旬、大学の春休みを利用し、前々から疑問に思っていた計画を実行した。

海中を潜り景色を楽しむスキューバダイビング。人間が潜るという行為が水中でのみされていることに私は前々から身を切るほどの耐えがたさを持っていた。

普段歩いているこの大地でマリンスポーツのように気軽に楽しめたらと思うことは当然のことだろう。

 

そう思い自宅の庭にスコップを担ぎ鼻歌を歌いながら白チョークも持ち、地面にチョークで丸い目印を付けた。そうしてただひたすら無心で穴を掘り続け、人ひとりは入れる巨大な穴を作ることができた。これが3月31日の話である。

その後穴の中、呼吸孔のための握りこぶしほどの空気穴で息をつなぎ一日を穴内で過ごした。

 

世界を破壊した存在といえども自邸の穴の中に人がいるとは考えられなかったのだろう…

 

 

 

 

世界が再編されたことをなぜ私が認識しているかには心当たりがある。

早朝とともに穴から這い出た後にリビングに戻った私は朝食を食べつつテレビをつけた。

笑顔を浮かべた美人なアナウンサーが画面に映っていた。

テレビ内では日本のある島についての報道であった。

 

「ここが最近話題のおまんこちんちんランドです。」

 

思わず牛乳を吹いた。

 

………こいつは何を言っているのだろうか。

アダルトビデオでも入れてしまったのかと転びそうになりながらもテレビを確認した。

ディスクは無く、これが公共の放送であることが分かってしまった。

頭がおかしくなりそうになりつつも事実は事実として受け止めていた。

人間は極限までパニックになると逆に冷静になるらしい。

 

スマホで「おまんこちんちんランド」と検索をかけると江戸時代からある日本の島であることが分かった。

第二次世界大戦中、アメリカ軍に上陸された時でさえもSEXを行い、性を体現したその姿は周囲の兵士達すらも巻き込み前人未到の5000Pを成し遂げたことがあるとか、

おまんこちんちんランドから帰ってきた5代目将軍、徳川綱吉があまりにも感動し首都である江戸をおまんこまんこまんこと改名し、江戸城をおまんこまんこまんこキャッスルと称した事件まで出てきた。

前者は日本で唯一血が流れなかった事例として日本の教科書で紹介されており、後者は第六代目将軍家宣に

これはちょっとまずくね?先代はっちゃけすぎじゃね?と思われ江戸に名称を戻された逸話が残されていた。

 

 

調べ終わった俺は膝をつき嘆いた。

そして生まれて初めて神に助けを求めていた。

しかし懇願しながらも股間はそそり立っていた。

おまんこちんちんランド検索の際、その名に恥じないほどのエロ画像の嵐に晒されたのだ。

 

そう、俺は何も知らない状態でありながらも興奮していたのだ。

こうして俺のおまんこちんちんランドは開園したのだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

新学期が始まり授業に出て帰る日常が始まった。

人生一番の衝撃にあったとは思えない拍子抜けした毎日にどこか肩透かしを食らっていた。

恐ろしいのはご飯を食べても、寝てもおまんこちんちんランドのことしか考えられない自分であった。

そこで授業期間にも関わらずおまんこちんちんランドに行く決意を固めた。

おまんこちんちんランドに行かなければ何も手につかないと、一度おまんこちんちんランドに行きすっきりしなければいけないと自分を納得させた。

 

 

おまんこちんちんランドは東京から飛行機で約30分ほどの距離でアクセス面で非常に優秀であった。おまんこちんちんランドではその近さゆえに島から本土まで自らの喘ぎ声がどこまでとどくかというおまんこちんちん喘ぎチャレンジが行われているらしい。

飛行機が近づくにつれて飛行機内が男女問わずにうずうずしだした。

飛行機内は若い男女で溢れており日本はどすけべだなとつぶやいた。

隣に座っている女性になぜうずうずしているのか聞いてみた。女性は不思議な顔を浮かべながらも話してくれた。

 

「教科書にものっていることだけど人間は世界から性的な力を生まれた時に譲り受けているの。その力が性欲となって三大欲求にも数えられているのよ。今から向かっているおまんこちんちんランドはね、島自体が性欲を発していて、みんなそこに来るとエロ不可避になってしまうの。だからおまんこちんちんランドでは犯罪率はゼロだし、真の平和そのものなのよ。エロは世界を救うの。」

 

…理解不能だった。

女性の生のおまんこちんちんランド発言は妙に生々しさがあり、そのことに関してはすばらしいものがあった。

 

 

 

「お客様、そろそろ我がおまんこちんちんランド行の飛行機はおまんこちんちんランドに着床致します。

揺れに備えてください。そう、出したての精子のようになっ!!」

 

着陸のアナウンスがとことん気狂いしている。

この飛行機もう嫌だ…

 

私はこの旅をただただ恐怖を感じながらも事実、わくわくしていた。

 

 

 

 

 

空港内は思ってたよりかは普通であった。ただ手すりはぬめぬめしており、床は妙にてかてかしていた。

島の全貌をつかむため無料のパンフレットを受け取り中身を見てみた。

どうやらこの島は三つのエリアに分けられているらしい。

 

第一の場、おまんこちんちんぱんぱんビーチ。

親しみをこめられおちぱんビーチと略されて言われているらしい。

ビーチ内には衣服全面禁止のヌーディストビーチと水着着用を推奨する普通のビーチに分けられていた。

昔はすべてがヌーディストビーチであったが水着からポロリする瞬間を目撃したいというポロリズムをかかげる着水隊が発足し全裸の女性に水着を着てからある程度時間をおいてからポロリしてくれないかと迫ることが多発したのでなら二つに分けようということになったらしい。

きゃいきゃい笑いあっている全裸の男女のイラストがページ内に散在していた。

分かりやすくもエロいけしからんパンフレットである。

 

第二の場、おまんこちんちんわくわくパーク

先の場を海の楽園とするならばここは地上の楽園に位置付けられているらしい。

キャンプ場や休憩所、アスレチックもあり、道具をつかった味わえないような多種多様なSEXができると評判らしい。

まれに出る生死をさまようような危険なプレイを行う輩を取り締まるべく警官が無数配置されているが警官もそのプレイに加わってしまう、警官がそもそもプレイ中、SEX後は動きたくないなど様々な問題があるらしいが、まぁいいかと認識されている。

 

第三の場、おまんこちんちんずぼずぼストリート

おまんこちんちんランドの中心部であり、中央部のメインストリートは幅6メートル、全長100メートルにも及ぶ。あらゆる場所で性行為が行われているのでそのスケール感もあってみたことのない光景が見れることだろう。

右も左もSEX。聞こえる音は喘ぎ声。

雨の日、冬でさえ絶えずSEXが行われていることからおまんこちんちんランドを象徴する場とされている。

 

正直な話、感想パンフレットだけでおなかいっぱいである。これ以上の情報は勘弁してほしい。

一通り読み終え後、空港からメインストリートへと向かった。

理由はおすすめと妙にリアルな男性器のキャラクターが言っていたからだ。

この島を知るにはちょうどいいだろう。

 

 

 

 

 

 

 

実際に見た景色は壮観の一言であった。

物心がついて生まれて初めて見た女性の裸は目算100以上であった。

今は歩行者天国の時間であり、自動車がないことも相まっておもいおもいのSEXをみんな楽しんでいた。

しかも若い男女しかいなく非常に目の保養になった。

 

童貞の身にこの光景は劇物である。下半身に目をやると普段の2割増しに勃起しているおちんぽが感じれた。

最も近くで行為中の男女達の会話に耳を傾けた。

 

「あぁっ、もっと、もっと、私のおまんまんにあなたのN700系が車庫を求めて右往左往してりゅぅぅぅ」

「もう無理だ!ちんちん列車発射、発射するぅ!子宮内ステーション貫通いっくぞぉぉぉ!」

 

「わたしのおまんこ総辞職しちゃぅぅぅ!子宮が辞表で溢れて乱反射してるぅぅ」

「農林水産省っ!財務省っ!文部科学省っ!お前は日本を孕めっっ!」

 

すさまじい性の応酬が繰り広げられていた。見たことのないような技、レスリングのように秒で入れ替わる攻守、そこでは格闘技が行われていた。

 

ふと右手に重みを感じた誰かに引っ張られているようだ。

眼を見やると金髪のかわいい少女がこちらを見ながら腕を引っ張っていた。

かわいらしい顔立ちではあるが服は下着しか着ていなくとても煽情的な恰好をしていた。

 

「ねぇ。あなた童貞?」

 

…20年間隠し続けていた己の秘密を一瞬にして暴かれてしまった。

そういえばパンフレットの注意事項に書いてあったことを思い出した。

これはそう、童貞狩りである。

島内の女性は肉食系を超越したバーサーカーなので童貞は一瞬のうちに襲われると。

 

正直めちゃくちゃ、とてもSEXしたい。どれほど自分を説得しようとも自分はこの島にSEXしたくて来たのだ。

しかし素直な下半身とは逆にこの場で、性のコロシアムというべき場で性行為を行うのがとてつもなく恥ずかしかった。ホテルに行きませんかと言いたい。言いたいが女性とほとんど話したことなくまだここの空気に慣れていなく、口からは呼吸音しか出なかった。

 

沈黙を了承と受け取ったのだろうか彼女は私の股間をやさしくなで始めた。

どうしようもなくなった俺は、泣きながらその場から逃げ出してしまった。

自分はなんて情けないんだと自己嫌悪に陥りながら走りに走った。

後ろから絡みつくような視線を感じながら。

 

 

 

気づいたらビーチについていた。

そこでも至る所でSEXが行われていた。

そんな男にとってご褒美である光景を前に岩陰で泣きながら一人しごく事しかできなかった。

 

5分ほど経ち、賢者となり落ち着きを取り戻した。

この島のSEXは自分にはレベルが高かった。それは認めなければいけない事実である。

SEXは次回の挑戦にしようと決意をした。

しかしそれでは何をしにこの島に来たのだろうか。まだ自分は何もしていない。

 

この島には様々なイベントが行われている。季節をテーマにした秋に似合う紅葉を表現した体位を競うコンテストや愛液伸ばしナンバー1グランプリといった記録系まである。

今回は射精飛ばし大会に参加しようと思う。

この島の射精自慢が島内一位を決める大会である。

 

 

 

 

 

 

エントリーを済ませ大会の控室に着くと屈強な男どもの姿が見えた。

どれも屈強な体をしており相当な肉体自慢であることが分かった。

岩場で射精してしまったとはいえ全景がおかずになるこの島、童貞の性への渇望を甘く見てもらっては困る。

肉体ではなくあくまで射精であるということを知らしめたいと思う。

 

 

会場は予選会といえど多数の男女が入り乱れて観戦していた。

指をくわえてこちらを見守る女からすでに乱交している者まで様々だ。

コスチュームは事前に配布された無地のパンツである。主催者の趣味かはわからないがこの年で白パンツというのはなかなかこたえるものがある。

男達は会場に着くや否やパンツを一斉に脱ぎ自らのちんこを誇示するがのごとく仁王立ちをしていた。

恥ずかしがっていたら変に注目を浴びてしまうだけだと様々な葛藤を心のうちに無理やり抑え、震える手を目線から外しパンツを脱いだ。

 

脱ぐ瞬間につっかえたような反発を感じたので勃起していることは分かってはいたが、脱ぎ終わったそそり立った自分を見た時言いようもない歓喜を覚えた。

まさか自分がこんな衆人環視下で起つかと自分の意外な性癖に驚いた。

現に右隣の男性は起たずに一生懸命しごいて奮闘している。

周囲からはその男性にNO PENIS!NO PENIS!なるブーイングが浴びせられていた。

その男性は気圧されたのかちんこが徐々に萎えていき、思わず絶えられないといったように泣きながら逃げてしまった。

 

…いや、他人を気にかけている暇はない。

これから射精を行わなければいけないだ。

 

今日あった様々な思い出を思い返した。

どすけべ淫乱痴女、新幹線、内閣総辞職、金髪美少女。

頭にイメージが駆け巡る度、比例して興奮してきた。

 

しごいた手が徐々にねばついてきた。我慢汁だ。

しかしこれでは勝てない。最大限までため、射出しなければとてもじゃないがこの大会は生き残れないだろう。

思い出を回し、限界と我慢の境界を反復した。

更に手がねばついてきた。

もう、我慢できない。

逝くしかない。

変わってしまったこの世界。

混乱のなか悔しい思いもした。

でも何かを成し遂げたかった。

世界の変化に負けたくなかった。

これが…俺の答えなんだ。

飛べっ、俺の精子。

 

 

 

今まで味わったことのない快感が全身を駆け巡った。

みんなの前で射精するってこんなに気持ちいことなんだ。

これが味わえるならもう、死んだっていいかもしれない。

 

快感が冷めやらないまま記録を確認しようと自分のできたてほやほや精子の行き先を見た。

…?前に精子が飛んでいない。

 

他の参加者の精子は無事飛んでいる。

血の気が引き、まさかと思い自分のチンコを見た。

一仕事やり終えた戦士の顔をしていたがその先には溜まった濃い精子がべったりとついていた。

その下、地面をみるとたった今、だしたすべての精子が落ちていた。

 

 

 

…どうやら誤射してしまったようだ。

 

 

 

そのことを理解したと同時に顔には涙が伝い、気づいたら走り出していた。

太ももにびたんっびたんっと当たり、暴れる自分のちんこを感じながらこれが戒めだと自戒しながらも足を止めなかった。

 

最速で空港に入り、即飛行機便を探し気づいたら俺は東京の実家にいた。

 

 

 

 

 

それからは食料を買いため自分で掘った穴にこもるようになった。

穴にこもっている間、昼夜問わず幾百もの光が流れた。

どうやら世界は破壊と創造を繰り返させられているらしい。

リビングでニュースを見てみると毎回世界には様々な「島」が現れた。

ヨーロッパ、アメリカ、アフリカ、アジア。例外はなかった。

 

しかし最近のニュースは毛色が変わってきた。

昨日、山梨県が消えた。

気づいたのは天気予報を見ようとテレビをつけた時だ。

日本地図に空洞が開いていた。

明らかにいままであった山梨が消え、海になっているのだ。

 

これに怖くなった俺は穴の中で光が見えるたびにスマホで世界地図を検索した。

 

世界最大の都市、ニューヨークといえども消失にあらがえず消えてしまった。

周囲の人間に聞いてみてもこれが普通と語り、常識となっていた。

恐怖を感じつつも光の間隔は速まり、今では3時間に一回のペースで世界が改変されていった。

 

一人孤独に約2週間も絶えれたのは一重に恐怖であると思う。

自分が正しいのかは分からなくなっていった。もしかしたらこれが世界の常識であり、自分一人だけおかしくなってしまったのかと。

しかし自分を信じたくなった。

何者かに今の気持ちを塗りつぶされるのが怖かったのだ。

 

 

しかし昨日は一度も光を感じなかった。

スマホで調べると自分が住んでいる東京以外土地は島となって消え去っていた。

 

 

疑問に思い服を着替え、外に出てみた。

周りの人はみんな服を着ており、そのことになぜか言いようもない安心感を感じた。

この地はまだ壊されていないと。

 

それからは懐かしく、うれしくなってしまったのだろうか、東京の様々な場所をさまよい巡った。

渋谷ではスクランブル交差点を上から見て、多くの若者を感じ、

池袋では店の賑わいを味わい

上野では動物に癒された。

全てが楽しく、時間を忘れ帰るころには夕暮れであった。

 

夕暮れの景色を感じ、物思いにふけっていると目の前5メートルほど先に少女がいた。

何をしているわけでもなく道の真ん中にたたずみ、こちらをみている様子をみると多少不気味に思いつつも女性ということもあり気にせず歩みを進めた。

近づくにつれてしだいにその少女の姿を詳細に感じることができた。

長い金髪のかわいらしい少女であった。

背景の夕焼けも相まって神秘的な絵画のような雰囲気を感じる。

なんにせよ美しい少女だ。

でもどこかであったような気もする…

 

「ねぇ、私のこと知ってる?」

 

横を通り過ぎようとしたら唐突に声をかけられた。

驚きながらも必死に記憶をたどったが確信には至れなく。素直に知らないと申しわけなさそうに答えた。

 

「私の誘いを拒否するばかりか忘れる男がいるなんて、ほんとあなたってすごい男。」

 

…私の誘い?こいつは何を言っているんだ?

いや…待てよ。

誘い、金髪、美少女…まさか…

今までの一生で最も記憶に刻まれた記憶。悔しくてあまり思い出さないようにしていた記憶に確かにこの少女はいた。

なんで忘れていたのだろう。

こうして思考を巡らせている中、彼女は腕を組み何も口を発さず待っていた。

 

「その顔なら思い出したようね。結構屈辱だったのよ、あの日のことは。

私の目の前で逃げるなんて初めてのことだったのよ。それこそ今まで生きてきてね。

ほんとは殺しちゃおうか考えてたんだけどそれこそなんか負けた気するじゃない。

だからわざわざ東京だけ残してあげて話しに来てあげたのよ。」

 

見かけは同年代か少し下ほどなのにかなり尊大な態度をとっている。なんて偉そうなんだとも思った。

しかし彼女の発言はよく分からないことも多かった。

殺しちゃおうと…

東京だけ残した…

中二病にしては「今」をとらえすぎている。

…こいつまさか、何かを知っている、のか。

もしかしてとんでもないやつを自分は相手にしているのではないのだろうか。

 

「察しがわるいわね。あなたたちの言うところの神よ、あたしは。」

 

こんなあり得ない状況にあってもなぜか信じてしまっているのは決してありがたくはないがこの2週間あり得ないことに耐性をつけられてしまったからだろう。

なんだこの女大丈夫かと疑う場面なのにすっと言葉が胸に溶け込んできた。

 

「意外ね。人間ってもっと疑り深い存在だと思ってた。」

 

やはり神なのだろうか。神がこれほどかわいいと知ったらみんな驚くだろうなと場違いなことを考えつつも様々な疑問が頭を覆った。

なぜ世界は再構築されているのか、消えなければならないのか。

このことを聞いてみた。

 

「ほかの神、木星のやつね。そいつと賭けゲームして遊んだんだけど見事に負けちゃってね。なんかほしいのあげるわよって言ったら地球の大地と人間が欲しいとかいうからしょうがなくね。なんか儂も遊びたいだのなんだの言ってたような…」

 

言葉がでなかった。

重要なことを全く悪びれず、気楽に語る彼女はまさしく人間ではないのだろう。

彼女は続けてしゃべった。

 

「でもなんかかわいそうだから人間を選別して島作ってあげたの。私もいい神よねぇ。」

 

一人で勝手にしゃべり、納得している彼女はかわいいがまたしても言葉が引っ掛かった。

選別してである。

勝手に言いようもない恐怖を感じながらおそるおそる尋ねてみた。

 

「ん?島みて気づかなかったの?明らかに小さいじゃない。あんなところに全員入るわけないじゃない。

っていうかあの島見たでしょ全部あんな感じよ。

 

あの島には若い人しかいないでしょ?15歳以下と30以上の男女は消えてもらうわ。ついでに童貞と処女も生産的じゃないから省いたの。

生産性を高めるためにもあの島の住人には性欲しか考えられないよう設定しておいたの。いいシステムでしょ。」

 

 

彼女は誇らしげに自分が考えたシステムを自慢げに話した。

人間にこの思考はできない。笑いながら人を選別するだの、あまりにも心がない。

確かにあの島は若い男女しかいなかった。その事実がこのことが真実だと訴えてくる。

人間を昆虫や犬と同格に扱っているが彼女にとってはなんら変わりなく見えるのだろう。

 

「最初に人間の常識を変革させたのに効かない人がいるなんて私も驚いたのよ。世界で一人よ、一人。それで調べてみたら自宅の庭で穴掘って偶然逃れたなんて初めておなかを抱えて笑っちゃったわ。

だから島に近づいてご褒美にSEXでもしてあげようかと思ったら断られたのよ、どこまで私を驚かせるつもりなのかしら。

その後の変革ももれなく穴の中で回避するし本当に興味深いわね、あなたは。」

 

褒められているのかよくわからない言葉でまくしたてられた。よほど言葉に熱が入ったのかしゃべり終わった彼女との距離は目と鼻の先であった。

理解できない神という存在でも美少女は美少女。興奮しないわけがない。彼女の碧い目から離せなくなっている自分を自覚した。

 

「私はあなたを気にいってるの。ねぇ、SEXしましょSEX。」

 

彼女は私の両肩を強くつかみ息を荒げてこんな言葉を言った。

急な誘い文句に口をあけ唖然となるしかなかった。

でもその姿はまさしく最初に出会った時の焼き直しのようでもあった。

 

「だから童貞だとこのままじゃ死んじゃうでしょ。こんなに私を楽しませたのよ。あっぱれって感じ。あんたどうせ明日も童貞でしょ。明日には滅ぼしちゃうのよ。感謝しなさい私で脱童貞することを。」

 

正直本当にありがたい話だった。これほどの美少女、しかも神が脱童貞相手なんて今までの人類史の英雄ですら成し遂げられなかった偉業であろう。正直さっきから勃起もしているし興奮しっぱなしだ。

いますぐでも押し倒したい。

 

しかし押し倒してしまうことはイコールおまんこちんちんランドの住人のようになってしまうということだ。知らない状態で変わってしまうのはいい。でも自分を知っている状態で快楽に負け自分を失うのは何よりも怖いし、自分が許せなくなる。それこそ、死にたくなる。

 

こんな状況で断る男なんて過去遡っても俺一人なんだろうなと思いつつも、ちっぽけなプライドのために命すら捨てようとする自分に笑いが止まらなかった。

ほんと馬鹿だけど、ほんと悪くない。

 

神の申し出を二回も断るのだ。おそらく命はないだろう。俺は彼女の眼を放さず、いままでしたことないほど懇切丁寧に土下座をして謝った。

 

「本当に申し訳ないですが私を思ってのありがたい申し出ですが断らせてもらいます。私はまだ、私でありたいです。死ぬときは私のまま死にたいんです。」

 

何分、何時間たっただろうか。いや、実際は10秒経っていないのかもしれない。体内時計がぐちゃぐちゃに狂いそうになりながらもへたくそな敬語で相手に伝わっているか確認するため顔を少し上げ相手の様子を伺った。

そこには笑みを堪え切れない様子の神様が見えた。

 

「うん。うんうん、そうだよね。君はほんとに愚かな人間だったよね。同じ男から2回もふられるとか本当に本当に面白すぎでしょ、私もこいつも。」

 

その後数分笑い、収まった頃に涙をぬぐいながら話しかけてきた。

 

「君がそう言うやつだってやっとわかったわ。馬鹿は神より強いね。」

 

浮かべている表情は初めてみたような笑顔だった。その美しい笑顔に股間は正直なものでビンビンに反応していた。

こんな美しい女性を断るとか何様だとおもいつつどうやって殺されるのか、想像していた。

 

「こんな面白そうなおもちゃ壊すわけないでしょ。今からあなたをずっと見てるわ。神に切ったその啖呵どれほどものか見せてよ。

ねぇ、これから私をその馬鹿さで楽しませてよ。」

 

…殺されなかった?楽しませてみろ?

神にここまで言われて逃げれるわけがないだろう。

見ていてほしい。変わってしまったこの世界、性に支配されたこの世界。

意地とちっぽけなプライドで己の童貞を守るところを。

神様を死ぬまで楽しませようと。

誓おう。

 

「それでこその馬鹿ね。

 期待してるわ。」

 

そう言って彼女は翼を出し、天へと帰った。

その美しい笑顔を俺の頭に残して。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

あれから幾ばくの時がたっただろう。いろんなことがあった。本当にいろんなことがあった。

あれからすぐ光に包まれた俺はあのおまんこちんちんランドに移動されていた。

その後スマホで東京と検索しても何もなかった。消えたのだろう。

幼いころから育った土地だ寂しさは感じた。でも未来には希望しかなかった。

 

おまんこちんちんランドはそれこそ刺激が強かった。

童貞の身ではやはりなおさらだ。これほどとは思わなかった。

童貞というだけで何十人もの女に襲われる毎日。

家で寝ていてもいつの間にか隣に知らない女性がいた日もあった。

さすがに一人で寂しく、拾った子供が自分のことを襲ってきた日だってあった。

 

…本当に濃い人生だった。

3大欲求の1つをおさえることがこんなに大変でつらい地獄のようなものとは思いもしなかった。

こんな状況でも耐えられたのは神様のおかげだ。それだけは言える。

神を振っておいて凡百な女性どもとやるなんて考えられもしなかった。

 

 

もう80か…

もう自分が長くないことを知っている。体が全く動かないからだ。

昔を思い出すぐらいに弱っているのか、それしかできないのか。

周りにはあれから拾った子供たちが成長した姿を見せ涙を流している。

たまに死にそうな自分の姿を見て泣きながら興奮しているようなやつもいるけど…やっぱりぶれないなこの島はと変な安心感を感じていた。

 

本当に大変だった。…でもその倍以上楽しかった。

 

最高の…人生だった。

 

あぁ、何も聞こえない。

目の前が暗く…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ほんとに君はバカだったね。」

 

この美しい声は聞き間違えようがない、神様だ。

その姿は初めて会った時の60年前といっさい変わらなかった。

相も変わらず美しい。本当に、きれいだ。

 

「死ぬまでずっと見てたよ。女から必死に逃げ回ったり、子供に逆レイプされそうになったり、ほんとに面白いやつだよ。落ち込むと毎回穴を掘って一日を過ごすから晩年なんか100個ぐらい家の周りに穴掘ってたでしょ、遺体運ぶ時運ぶ人がつまずいて君は穴に入っちゃったんだよ。それで穴好きの意思を継いで君だけ土葬になるなんて死んでも面白いやつだよ。」

 

そういいつつ彼女は笑みを絶やさなかった。心からこの会話を楽しんでくれている。うぬぼれだったら恥ずかしいがそう思ってしまった。そう思いつつ自分の口元を触れてみると弧を描いていた。俺も同じじゃないか。本当に笑える。

 

彼女との会話は尽きることが無かった。つらかったことや、面白かったこと。感動したこと、興奮したこと。彼女は自分のことを見ていたのだ自分の話をすればそれが相手に伝わる。

そうして彼女と俺の2人で思いでを補完していった。

それは今まで会えなかった空白の時間を二人で埋めるかのように。

 

ふと疑問に思った。どうして自分はここに若い姿のままいるのだろうか、と。

話せるのならばどうでもいいがここは天国であるのか、はたまた地獄であるのか。

自分はどうなってしまったのか疑問に思い、尋ねた。

 

「ここは天国だよ。その最上部、天の間だよ。こんなところ神ぐらいしか入れないんだよ、すごいとこなんだからね。」

 

それは光栄なことだ。

また一つ彼女のことを知れたようでどうしようもなくうれしい気持ちになった。

そうしたら彼女は息を整え見たことない真剣なまなざしを向けて、意を決したように話をしてきた。

 

「いままでずっと君を見てきた。私が一人の人間をこんなに見たことなんてなかった。最初は興味本位だった。でも、次第に目が離せなかった。あなたが悲しんだら、私の心も痛くなった。あなたがうれしいときは私もうれしかった。ねぇ、私とS「結婚してくれ!」…え?」

 

「俺が今まで耐えれたのは神様がいたからだ。最初は分からなかった。でも、おまんこちんちんランドで神様と最初に出会った時、あれが初めての初恋だった。道であった時だってそう。ふつうは世界を破壊したんだ。少しぐらい人類として怒るべきだった。でも俺はどうでもよかった。ただしゃべれることがうれしくて、楽しかった。もうSEXじゃ我慢ならない。俺と、俺と結婚してください。」

 

自分でも強引だとは思っている。でも神様から告白されたくはなかった。これもちっぽけな自分の意思なのだろうか。そして、もうSEXじゃ満足できない。大それたことだが神様が欲しくなってしまったのだ。

肝心の神様は口を呆けてしばしフリーズしていた。

その姿も本当にかわいく思いながらも自分も緊張していた。

振られたらどうしようかと重すぎと言われ拒否されたらどうしようと。

心臓が早く動きすぎて溶けてしまいそうだ。

 

神様は呆けていた状態から復帰し口を数回開け、言葉を吟味しているのだろうか口をもごもごさせ振り向いた。その顔には涙が流れていた。

 

「うれしい。」

 

…神かよ。いや、神か。

神様ってこんなにかわいくていいのかよ。

 

「君に告白して三度目になるのかな。こういうの日本では三度目の正直っていうんだよね。」

 

そう彼女は冗談っぽくお茶目に言った。

…日本は君が壊したんだけどなと突っ込みたい。

 

「私からも、結婚してください。

 好きです。」

 

 

 

 

 

 

 

その後の顛末は語らなくてもいいだろう。

二人がどんな運命をたどるかは分からない。

ただ、凡夫な言葉で表すならば「ハッピーエンド」という言葉が似合うのかもしれない。

 

 

 



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