「あの、まーちゃん、この方たちは?」
きょとんとした顔で明日香が質問してくる。
気にするなと言いたいところだが、それよりも早くみさきが降りてきて明日香の目の前に降り立った。
「はじめましてー、うちの晶也がお世話になってまーす!」
「おい、だから降りるなら停留所に……」
だめだ、聞く耳を持っちゃいない。
なぜかみさきが明日香に興味津々そうに、戸惑う彼女の周りをぐるりと回って身だしなみチェックをしている。
その隣では、有坂と市ノ瀬さんが両手を絡ませてぴょんぴょんと飛び跳ねて旧交を温めていた。
「えっ、うそ。まさかこんなとこで会うなんて思わなかった」
「こっちこそだよ。ひさしぶりだね真白」
「うん、ひさしぶり、莉佳!」
だいぶ微笑ましい雰囲気で、後輩組は安心して見られる。
だと言うのに一方で、明日香とみさきの対面には謎の緊張感が強いられた。
「ふむふむ、なるほど、こういうタイプもあるのか」
「あ、あの……まーちゃん……っ」
まじまじと観察する目についに耐えられなくなった明日香が情けない声で助けを求めてきたので首の後ろの襟を掴んでみさきを引き剥がす。
「およ?」
「やめろ。明日香が怖がってるだろ」
「にゃーん」
「…………はぁ」
猫の真似をして誤魔化そうとするみさきに思わずため息が出る。こいつの調子に合わせたら、話が一つも進まないだろう。
「こいつの名前は鳶沢みさき。一応クラスメイトだ」
「わっ、人の自己紹介かってに取らないでよぉ。昨日からどう挨拶しようか考えてきてたのにー。てか一応って、いる?」
「はいはーい! わたしは有坂真白ですっ、みさき先輩の配下というか、しもべというか、そんな感じでよろしくです!」
みさきが不満そうにしている横に有坂が飛びつく。
明日香はようやく名前を知れた二人に対して、居住まいを正すと、ぺこりと頭を下げて挨拶を返した。
「鳶沢、さん? ……あっ、名乗るのが遅れました。倉科明日香です。まーちゃんとは幼馴染で、本土から引っ越ししてきたばかりです。これから久奈浜学院に通うことになってます。よろしくお願いします!」
「おいそこツインテール、どこに笑う要素があるのか言ってみろ」
「ま、まーちゃん……ぷふっ」
クソガキめ……。いや、有坂は構ったら喜ぶやつだ。大人になってこれ以上の追及はよそう。
俺と有坂のやりとりで少しの時間が空けられてから、何か裏のありそうな笑顔のみさきが、うんっ、と頷いてから手を伸ばした。
「改めまして、晶也と同じクラスの鳶沢みさきです! 常にお腹を空かせたキュートな女子高生で、うどんとお菓子をくれたらどこでもついて行きまーす。気軽にみさきって呼んでね?」
「……はい、みさきちゃん。わたしのことも明日香って呼んでもらえたら嬉しいです!」
「うん、よろしくねー、明日香」
おそらくみさきが考えていたという自己紹介の痛々しさに、思わず空を仰いだ。それでいいのかと思いつつも、明日香がみさきに伸ばされた手に応えて握手を交わしたのを見て、当人同士がそれでいいなら口を挟むべきでは無いのだろうと結論付ける。
「あ、わたしは真白でもましろんでもお好きなように呼んでください、明日香センパイ!」
「はい、真白ちゃんって呼ばせてもらいますね」
真白と明日香の呼び方が決まったあと、見守っていた市ノ瀬さんが前に出て声をかけてくる。
「日向さん、もうそろそろ学校へ向かわないとなんで、お先に失礼しますね」
「ああ、悪かったな、なんか巻き込んだみたいで」
「いえいえ、日向さんがプレイボーイなのは今日お話しした瞬間からビビビっと来てましたから」
まだ警戒されてるのか?
……いや、少し笑った感じ……揶揄っているのか。
朝から同じ学校の女生徒三人にかこまれていたら言い訳のしようがない。別にそんな関係では無いのだが、市ノ瀬さんから見れば変わらないんだろうけど。
誤解であることは承知だろうし、これぐらいの距離感なら気まずさもなくて済むからありがたい。
「じゃあね、真白。また時間ができたら遊びに行くから」
「うん、美味しいうどん食べさせてあげるから絶対来てね!」
少し離れた先にある停留所へ向かった市ノ瀬さんは姿勢の良い体勢でグラシュを起動させて空へ舞った。行き先は俺たちと反対の福留島方面だ。
「はぁ……すごく綺麗です」
「ああ、驚いた。基本に忠実でブレがひとつも感じられない」
上昇角も、そこから水平方向へ切り替える滑らかさも、どれひとつ見ても完璧に完成されている。
「すごい綺麗なフォームですよね? 莉佳って全国大会でも優勝候補の一角だったんですよ」
「なるほど。有坂が知り合ったのは全国大会ってことか。ならFCをやってる選手だったんだな」
「はい!」
元気よく、有坂は頷いた。
「……勝てる自信はあるのか?」
昨年、中学生の部、夏の全国大会。
その栄冠を手にした久奈浜の“暴れ姫”は、遠くなっていく市ノ瀬さんの背中を見送りながら口元を笑わせた。
「負ける気がしないです!」
£≡
「えふ、しー……」
――思い出してください。
「ん……?」
「あの、みさきちゃん」
「どうしたの?」
ふと頭を過ぎたのは、日が落ちかけたオレンジ色の空の光景。
夕方の柔らかな光の中で、二人とも夢中になって、一心に飛び続けた……記憶にない記憶。
この久奈浜へ来てからまだ見ていない、
「FCってなんですか?」
感想ありがとう!ちゃんと全部目を通してます。続きを書けたのも、感想を見て気分が上がったのでそのおかげもあると思います。まじて感謝!
砂糖院さんについては触れないであげてください。
うちでは佐藤印の砂糖を売りにするお嬢様に改変されているんです(震え声)
俺たちの佐藤くんとはまた別の存在なので許してください。
以下ネタ
日向晶也LV1のもつイメージ
明日香←世界一かわいいかもしれない、胸がデカくなってる……、親友、幼馴染、無防備、
みさき←トラウマ、美人、中学からの悪友、うどん星人、胸がデカい、頭良い、存在が理不尽
真白 ←FCの天才、ツインテール、生意気、クソガキ、構ってちゃん、貧乳、レズ、陰気、ゲーマー
莉佳 ←育ち良さそう、隣人、家庭的、胸はそこそこ、ザ・後輩、なんだか怖い
おまけ(挿入する場所に迷ったので逆に挿入しなかった会話)
↓
「で、なんで晶也センパイは莉佳と一緒にいたんですか?」
「……ジト目で睨むな。今日はばったり会っただけで家がお隣さんなんだよ」
「え? ギャルゲの主人公にでもなるつもりなんですか?」
メメタァ
余談
extra2 面白かった!
みんなその後二次創作を漁ったんでしょうね。久々に感想がきてたのでみんな考えることは同じなんだなって思いました。もちろん僕も漁りましたとも。漁るほど作品がなくて満たされなかったんですけどね……orz
あおかな虹増えろ(切実)
結局は自分で供給するのが手っ取り早いので、久々にアプリを開いて文体や表現を取り込む作業をしてヒロインたちを喋らせることに成功しました。やったぜ!
ここからはネタバレになるんでextra2履修未の方は読まないことを推奨。
履修した感想としては、みさきルートの続きのストーリーと言うわけで+αを予想していたわけですが、すっかり騙されていましたね。
本編完結後のストーリーっていうか、あの最終章の大団円はまだ完結じゃなく、このextra2によってみさきルートがようやく完結されたって感じました。なので当初予想していた+αはextra2のその後なんだよなって。それを期待していただけにできればそこまで本家で作って欲しいけどextra3、4すら出てない以上流石に厳しいだろうし、みなもIFルートや謎に満ちた邪神ちゃんの新シリーズなど新作も控えていて晶也くんの俺tueeを見る機会はおそらくツヴァイがラストチャンスなんじゃないかなと。そこで見られなければ、三年生編や代替わりしてそこで前作主人公枠で暴れてもらうなりしないと厳しそう。本家ではほぼほぼ見られないかもしれないのが普通にショックです。
それはそうと内容は充実のひとことでした。みなもと真白の掛け合いが最後チラッと見れましたし、なんやかんやみさきは二人の後輩とすっごい親密な距離にいるんだなって遅まきに思いました。年下キラーっていうか、年下相手にしている時のみさきの余裕がほんとたまらなく好き。態度がほんと露骨。これが同年代や年上相手なら途端に余裕が消えて一杯一杯になるところとか、そうは見えないけど全力で生きてるんだなって個人的に感想を持ったりして楽しかった。
で、総評としては晶也くんの「自分が誰よりも怪物だって知らしめたい」みたいなこと言ってた復帰への強い思いを知れたり、みさきが今を足掻いている心情の動きやみさきルートに関わったキャラクター一人一人が丁寧に作り込まれていて、生きているように動いているのが鳥肌ものでした。良い買い物だった。
というか本編履修した人はextra2履修しないのはもったいない。みさきルートが一番スポコン要素が丁寧です。確かに挫折ギリギリに立つような闇が隣り合わせにある感覚が息苦しくもあったけど、それが良いっていうか、ただのゲームでここまで心揺さぶってくるのは素直に見事。
結論、買って損なし。おーいみんな、エロゲしようぜ!(ナカジマ)
ps えちシーンであの笑いポイント耐えられた人いますか? あれはspriteからの挑戦状なのでしょうか? 教えてエロい人!
気になっただけの調査:例のえちシーンで笑ったか否か
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笑った
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笑ってない
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例のシーンがわからなかった
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プレイしていない