転生クー・フーリンは本家クー・フーリンになりたかっただけなのに。 作:texiatto
また、小説投稿童貞なので諸々の設定とかもよくわかっていません。なので不備などあると思いますが、それも暖かいm(ry
あと、スマホで投稿してるんですけど、段落ごとの一文字空けが反映されないんですよね。パソコン投稿にしようかな。
ちなみに、ストックはないです()
プロローグ:クー・フーリン (上)
◆
目が覚めたらクー・フーリンだった。
…………え、何を言っているのかって? 私にもわからん(人工無能並感)。一つ言えるとしたら、俺は確かに死んだはずだということだ。
朝早くの起床、昨晩の残り物を胃に詰め込んで即出勤。満員電車に揺られながら人生について考え事をするというルーティン。遅くまでのサービス残業は当然として、上司の怒りと取引先の無茶な注文に頭を抱える日々。休日出勤もありまくりで有給消化率も悪い、所謂ブラック企業に務める奴隷だった。
そんな社畜生活をすること数年、過労死だったのだろう、不意に意識が暗転した。かと思いきや、目が覚めれば古代エジプト建築レベルにまで下がった民家にいて、見知らぬ女性に抱きかかえられていた。
最初は混乱の極みだったが、次第に、俺は赤子になっていて、しかもセタンタという名で呼ばれる男の子で、鏡に映る自分の姿が青髪赤目で、即ち幼き頃のクー・フーリンであると同時に型月世界であると理解してしまった。
何故クー・フーリンに転生したのかは知らぬが、少なくともあんな社畜生活とはおさらばできるのだから、未練もへったくれもあったものではない。
そうしてスッパリと前世を断ち切った俺は、とある目標を定めた。
Fateシリーズに登場するクー・フーリンのようになることだ。
Fateに登場するクー・フーリン、それは第五次聖杯戦争でランサーのクラスを依り代に現界した英雄であり、主人公の衛宮士郎が聖杯戦争に参加する直接的な要因をつくった男だ。
聖杯戦争のシステム上、士郎とは敵同士であるのだが、好戦的な面や兄貴肌を発揮する面など、男女共に惹かれるキャラクターとして描かれている。
主にFateルートや凛ルートで活躍を見せており、Fateを知る者でクー・フーリンを知らぬ者はまずいない。また、他シリーズにも登場しており、EXTRAや(プロトニキだが)蒼銀、Fate/GOでも馴染み深い。
…………桜ルートでは、まあ、ね?
閑話休題。
そんな目標とは裏腹に、前提からして壁にぶち当たってしまった。俺はケルト神話やアルスター神話には疎い。つまり、クー・フーリンという英雄は知っているし、どんな人物なのかというイメージ(型月知識に準拠)もわかるのだが、具体的にどんな人生を辿ったのかを知らないのだ。
ど、どうしよう(困惑)。
一先ず、積極的に鍛錬とかをしていれば大丈夫だろうか?
ゴールが見えないというより、明確な目標があっても辿り着くための方法を暗中模索しなければならない事実が、酷く重くのしかかる。
単なる一般人が英雄になるのは、果てしない旅路のようだと感じた。
◆
5歳になりました、もう折れそうです。
何で皆が皆、力こそパワーみたいな脳筋と戦闘狂なのさ…………これがケルトか────ッ!!
中身が日本人だっただけに、何でもかんでも拳で解決するという風習(?)には抵抗がある。こちらが話し合いで済ませようと試みても「ほほう、さては腕に自信がないから言葉でケムに巻こうって算段だな?」って煽ってくるのが普通なのよ? おかしくない? いや、おかしい。拳のマニュフェストが許されるのはシュワちゃんだけだ! 異論は認めんッ!
そんな価値観を持っていたせいか、俺は周囲から少々浮いたポジションにいるらしい。戦闘狂の中にいる平和主義者は異端のようだ。郷に入っては郷に従えという言葉を体験することになるとは。私は悲しい(ポロロン)。
◆
コンホヴォル王に「鍛冶屋クランの館に行くが、セタンタも来るか?」と誘われたので、鍛錬を終えたら行くことにした。
館に赴くと狼のような番犬が襲いかかってきたため、必死に宥めた。するとどうだ、牙を剥き出しにして威嚇してきた番犬が、尻尾をムチのように暴れさせて擦り寄ってくるではないか。やはり拳だけが相互理解の方法ではない、ということを犬相手に理解してもらえたのは、何となく複雑な心境だった。
番犬と戯れていたらコンホヴォル王が焦った様子で姿を現した。どうやら、俺が赴くことをクランに伝え忘れていたことで番犬が放たれてしまっていたため、俺の身を案じてくれたようだ。が、俺が番犬と仲良く遊んでいるのを目にすると、駆けつけたクランと共に「セタンタもクランの猛犬のようだな」と笑われてしまった。
以降、クラン家の番犬と戯れるついでにクラン家の警備をするようになった。これがきっかけで「クー・フーリン(クランの猛犬)」という名がついた。
意図せずして史実通りになったようで、俺は一安心した。というか、クー・フーリンって名前の意味はクランの猛犬だったのか…………知らんかった。
◆
そんなこんなで青年期に突入した。
日々の鍛錬に明け暮れていたおかげで、俺の身体は理想としてきたクー・フーリンのそれと遜色ないほどに鍛え上げられていた。以前は浮いていた俺だが、今では周囲の脳筋達よりも実力が上で、しかし力をひけらかすでもなく、むしろ戦う前に勝つ強者というポジションらしく、「怒らせるとやべーやつ」認定されていた。
あれ、あんまり変わってなくない?
相変わらず戦闘狂の対応には困る俺だが、それでもクー・フーリンを目指している身だからこそ、俺へ挑んでくる奴には快く相手している。そのおかげか、俺の実力も相まって知名度が高まっているようだった。
◆
某日、ここらでは有名なドルイドのカスバトが「今日騎士になる者は長く伝えられる英雄となるが、生涯は短いものとなるであろう」という予言をしたそうだ。俺はそれを聞いて「ふーん」程度の認識だったのだが、その日の内にコンホヴォル王が俺の元へとやってきて、
「クー・フーリンよ、お前の噂は私の耳にも届いておるぞ! それでだなクー・フーリン、騎士になる気はないか?」
と、スカウトしてきたのだ。
当然、予言のことがあったから、返事はまた後日と断りを入れたかった。だが、相手はここの王様で、そんな相手にスカウトされるという名誉を受けているという時点で、断るという選択肢はなかった。
…………だって、断ったら肉体言語による相互理解(殴り合い宇宙)が始まりそうだったから。知的な俺は、戦いを回避できるなら身を切る男なのだ(血涙)。
◆
騎士になってからは鍛錬に磨きがかかった。それなりの武具と施設、豊富な相手のおかげで、本来極めようとしていた槍術以外に、剣術や弓術にも造詣が深くなった。ちなみに、剣術に関してはお馴染みのフェルグスがいたため、メキメキと成長が感じられた。また、俺の鍛錬はフェルグスとしかしていなかったせいか、早くも騎士の中で上から数えた方が早い段階に上り詰めてしまった。
そりゃね、いくら騎士といっても連中は脳筋なわけだから、向こうは猪突猛進か力任せ、戦術・戦略の類を敷く奴もいることにはいるが、やはり最後には「考えるよりも殴った方が早ぇや!」と言って突貫しにくるのだ。
こちとら何年それに対応させられたと思ってんだ、と口酸っぱく言ってやりたい気待ちを抑えつつ、攻め時と引き際をしっかり見極める観察眼と瞬発力をもって対抗してやれば、すぐに崩せた。
一方、フェルグスにはまだ勝ったことはなく、トレードマークたる螺旋剣を鋭く、素早く振るうそれに攻めあぐねいており、いつも敗北してしまっていた。やはり一朝一夕では努力人には敵わないか。
そんなこんなで研鑽を積んでいった。
…………それはさて置き、最近やたらと舐めるような視線を感じる時がある。なんと言うか、身震いしてしまう邪視? のような、SAN値チェックが入りそうな類のそれである。
こわ。
「クー・フーリンになりてえなぁ」
という謎呟きから出たこの作品。たまげたなぁ。
ストックとかないですし、でもネタは頭にあるんで極力エタらないように頑張ります。