転生クー・フーリンは本家クー・フーリンになりたかっただけなのに。 作:texiatto
>待ってました!
作者「騙して悪いが………」
>こんなんメイヴちゃうふざけんな訴訟。
◆
試練に従い、クリードとコインヘンを見つけることはできたが、そこにはメイヴもいた。
────Why?(クッソネイティヴ)
え、もしかして神話のクー・フーリンって、ここでメイヴと出会うの?
と、その時、2体の海獣の激突によって生成された大波がメイヴに迫る。人どころか高層ビルすら飲み込みかねない大津波は、正しく荒れ狂う暴力だ。
って、いやいや! 冷静に語っている場合じゃねぇだろ! ここでメイヴが死んじまったら神話が狂っちまう! それだけは回避せねば…………!
俺は即座に地を蹴りメイヴの眼前に飛び出すと、迫ってくる大津波に向かって全力で槍を振るう。するとどうだ。大津波は縦に割れ、俺とメイヴを避けるように流れていく。俺モーセに、俺モーセだった…………(ドン!)。
よしっ! それじゃあ後は、メイヴを避難させれば心置き無く戦えるな。メイヴさんや、ちょいと失礼しますよー。
「────きゃっ」
メイヴをお姫様抱っこすると、彼女は小さな悲鳴を漏らす。いい声で鳴くじゃねえか…………というのは冗談で、現代倫理を持つ俺からすれば、初対面で断りなしにお姫様抱っことかセクハラってレベルじゃねーぞ! 後でスタイリッシュ土下座で許しを乞うしかないか。
一先ずレーグ君のところまで跳躍し、メイヴを戦車に乗せて離れるよう指示する。あ、武具は置いていってくれや。まあ、使えるかどうかは分からないんですけどね。
てか、レーグ君もメイヴも俺の事をキラキラした目で熱視線送ってきて何さ? え、ご武運を? まだ死ぬつもりはないけど、トンクス!
…………さて、やりますか。
一進一退の殺し合いを繰り広げるクリードとコインヘン。そこへ割って入るという時点で軽く死ねる。が、狩って帰らねば師匠と師範直々にボコられるのは確定事項だろう。前門の虎後門の狼とはこのことか(白目)。
────俺は海獣を選ぶぜ!
クリードがコインヘンをぶん殴ったのを見計らって跳躍し、伸ばした剛腕でできた死角へと槍を突き立てる。
「GYAAOOOOOO──────!?」
俺の槍は見事に横っ腹にぶっ刺さり、クリードは驚愕と痛覚から呻き声を上げる。そりゃそうだ、誰でもイキナリ刺されりゃ驚きもするさ。
しかしクリードは俺の事を視認するや、腕で払い除けようとしてくる。俺はそれを避けるべく、クリードを蹴って海上に身を投げ出し、ルーン魔術で海面を凍らせて着地する。
文字通りの横槍に激怒したのか、クリードは俺へと剛腕を振り上げるが、そこをコインヘンが触手で縛り上げて動きを止め、四方八方から出現させた触手で殴打、殴打、殴打────って、俺も巻き込むんかよ!? 氷の足場が壊れる! ヤメッ、ヤメロー!
氷の足場ごと俺を薙ぎ払おうとするコインヘン、対し俺は触手の上に飛び乗り、それを伝ってコインヘンへと接近する。だが好き勝手にやらせてくれるはずもなく、コインヘンは無数の触手を出現させると、俺へと向けて、ブライトさんも驚くレベルの弾幕もとい攻撃の密度で攻め立ててくる。
回避するにも触手の数が多過ぎるため、むしろ当たらなければどうということはないの精神で斬る、穿つ、進む!
ごめんねぇ! 強くてさぁ! と、ドヤ顔をかましていると、死角から伸びてきた触手に足を絡め取られ、勢いよく水面にぶん投げられた。
────あぐッ!? オごっ!? ぶへッ!?
俺は水面を無様に跳ねる。まさか人間水切りを体験することになるとは思いもせなんだ。水切りしようぜ! お前石な! あー、もうあったま来た!
激痛に悶えつつも何とか水中から顔を出すと、コインヘンの口に淡い光が収束しつつあった。あ、あれは間違いなくビームか何かの類だ! ゲロビの起き攻めとか聞いてないっすよ! ラー〇ャンかよテメェ!?
すると、野太い咆哮と共にソニックブラストがコインヘンを襲う。クリードだ。荒れ狂う暴風によってコインヘンは体躯に傷を量産し、溜め動作を解除する。そのおかげで俺は丸焼きにならずに済んだ訳だが、同時に発生した竜巻に吸い込まれ、俺は全身に切り傷を作る。
巻き上げられた俺は竜巻を槍で斬り裂いて脱出し、空高くから転移のルーンを行使、一旦海獣らから距離を取る。
いやー、師匠と師範の喧嘩(大戦争)と比べれば見劣りはするものの、やっぱ人外の領域なんだと理解させられるよね、全く。まあ人じゃないんですけどね。これを狩れってんだもん。死ゾ(絶望)。
一先ずの情報として、海獣らに槍は通じるようだが、クリードの外殻やコインヘンの肉体には効くかどうかはまだ分からない。そして海獣らのステータスというか、大凡の特徴は分かった。
クリードは一撃一撃が重く、遠距離攻撃も兼ねる。しかし攻撃速度という面ではコインヘンに劣る、典型的なパワータイプ。
反面、コインヘンは手数が多く、攻撃速度も移動速度もかなりのもの。だがクリードと比較して一撃が軽く、威力のある攻撃は予備動作が大きいスピードタイプ。
ぬーん、見事に反対な性能をしているなコレ。しかし、それこそが付け入る隙かもしれない。
現状、クリードの脅威的な攻撃は竜巻とソニックブラストだ。近接攻撃は当たればやべーのは確実だが、俺にかかれば回避は余裕。よって、クリードは近接戦闘で相手するのが有効的だろう。
一方、コインヘンの警戒すべき攻撃は、無数に出現させてくる触手だ。個々は斬り裂いたり穿ったりできるのだが、その数と任意の空間から出現させられる点は無視できない。コインヘンに対しては中距離及び遠距離での戦闘がいいだろう。
つまり、近接戦闘をクリードと繰り広げている間はコインヘンの遠距離攻撃を警戒し、海獣インファイトの間はクリードをコインヘンと挟撃する要領で立ち回る。
中〜遠距離戦闘をコインヘンと繰り広げている間はクリードの遠距離攻撃を警戒し、クリードの攻撃をコインヘンへと当てられるように意識を逸らす。
…………完璧だぁ(感嘆)。ワザップだわコレ。
もはや何時間戦っているのか分からない。コイツら泥沼クソ耐久型かよぉ! クリードもコインヘンも俺も、もうカラダハボドボドダ!
クリードの左眼にはコノア王に持たされた剣の一振りが突き刺さり、尻尾は部位破壊済み、波のような形状の外殻は所々に亀裂が走る。
コインヘンは全身に抉られた傷を量産し、更にはルーン魔術による火傷も各所に負う。そのおかげで移動・攻撃の速度も減少していた。
俺はというと至る所から流血し、海という不慣れな場所での戦闘による疲労も現れ始めていた。ついでに言えばコノア王に持たされた武具のストックを切らしてしまった。
…………正直に言えば、これ以上の長期戦はこちらが不利だ。俺はクリードとコインヘンを倒さねばならないが、海獣らは死ぬとなれば逃走という選択肢を取るかもしれない。そうして海底にでも逃げられれば為す術もない。その時点で俺の詰みだ。
だが現状では海獣らは逃走の予兆は見せていない。ということは、まだ敵を殺せるだけの余力を残しているという証左だ。うーんこのハードモード。
唯一の救いは、海獣らが共闘という選択肢を取ることなく、自分以外を容赦なく殺そうとしている点か。オン〇モ戦みたいにならんくてよかった(トラウマ)。
────この辺りが潮時か。
俺がクリードと近接戦を繰り広げていると周囲に触手が出現し、殴打や薙ぎの応酬に加えて、遠距離から安全にゲロビのモーションに入るコインヘン。
即座に射線上から抜け出すのが困難だと悟った俺は、クリードと相対しつつコインヘンへ向けてアンサズを放つ────が、しかし、炎に焼かれても尚モーションを解除しないコインヘン。はえー、心頭滅却しゅごい(幼児後退)。って、そうじゃない! あーっ! 困ります! お客様! あーっ!
直後、赤い閃光と共に放たれる光線。俺は避ける暇もなく飲み込まれ────る訳もなく、転移のルーンで空高くに移動して離脱する。クリードはゲロビをモロに喰らって悲鳴を上げていたが。
────ここだッ! ここで決めろッ!
クリードはゲロビを喰らって動けなくなっており、コインヘンは反動で身体を硬直させている。しかも俺の姿はゲロビに飲み込まれて消えたように見えただろう。
この瞬間こそ、この戦場の全ての者の認識から俺の存在が消えたこの刹那こそ! 如何なる一撃も確実に通る!
俺は空中で身を捻り、身体に強化のルーンを施して槍を投擲する。四肢が悲鳴を上げ、肉体が崩壊していくのを感じる。だが後で再生のルーンをかければよく、故に今は激痛を我慢すればいい!
狙うは────コインヘンだッ!
俺の手から離れた槍は宙から飛来する流星の如き速度でコインヘンに迫り、ヤツは知覚するも時既に遅く、脳天を穿たれる。
だが流石に神話生物。頭に槍をぶっ刺されただけでは即死に至らず、しかし致命傷に足る一撃であったのは確実。
この程度、想定の範囲内だよぉ!(財団)
空中に固定したルーンを蹴って加速した俺はコインヘンへと落下し、拳に強化のルーンを施す。ヤツが俺を捕捉するが、既に眼前。
俺はコインヘンの頭部にぶっ刺さった槍を思い切り殴りつける! 気分は「壊劫の天輪」、是なるは破滅の黎明! すると槍は頭部を貫通し、コインヘンは断末魔すらなく生に幕を引いた。
────次ッ! クリード!
コインヘンを始末した俺がクリードに目を向ければ、ヤツの外殻はコインヘンのゲロビによって融解しており、何とか体勢を立て直したところだった。
好機ッ! 絶対に逃すんじゃねぇぞ…………!
槍を回収した後にルーンで海面を凍らせて足場を生成し、そこを滑って加速。クリードに直行する。
対しクリードは海面を叩き付けて形成された大波で氷を粉砕してくるが、その程度では俺は止められない!
俺は逆に大波に突っ込むと、槍で大波に風穴をぶち開けて直進する────それを読んでいたのか、咆哮を上げたクリードがソニックブラストを放つ。
────だが、それは俺も読んでいたッ!
俺は俺の所有するルーンの全てを用いて結界を張り、ソニックブラストの衝撃の全てを無効化してみせる。
そうしてクリードの懐に潜り込んだ俺は、突進の勢いを殺すことなく鋭利な一突きを見舞う。
「GURAAAA──────!!?」
生物の心臓が位置する左胸部を穿つと、クリードは激痛から絶叫を上げ、反射的に腕で俺を殴り付ける。だが俺は槍から手を離して回避し、コイツの死角────左眼側へと回り込む。
跳躍してクリードの左眼に突き刺して放置していた剣に手を掛け、勢いのままクリードの頭部を斬り裂く。項の辺りまで剣を走らせて振り抜き、トドメに頭頂部に剣を突き刺して捻じる!
「GAAAaaa────…………」
脱力して伏したクリードの眼からは光が消え去り、ようやく死に至った。
やったか!?(ザオリク)というお決まりの文句を垂れるが、クリードもコインヘンも微動だにしない。つまり討伐完了って訳だ。疲れたよんもぉおん!
…………つか、ちょい待ち? 師匠さ、確かコイツらの骸を持ってこいとか言ってたよな?
→ 一戸建てほどの巨体×2
→ 見るからに重い
→ 馬二頭と戦車のみ
…………どうしろと?
まあいいや(思考放棄)。今はとりあえず休もう。流石にふらつくわ。
俺は転移のルーンで陸地へと移動し、疲労に身を任せて倒れ込む────と、何かにぶつかる感覚が伝わってくる。見れば、何故かメイヴを押し倒す体勢になっていた。は?
俺の腕の中には、自身の胸元で手を合わせて縮こまるメイヴの姿が。その顔は朱色に染まり、モジモジと身を震わせている。
は? 可愛い(謎ギレ)。じゃなくて、スンマセン! センセンシャル! こんなん完全に事案ですやん! 警察だけは勘弁してつかぁさい!
いまどくから! と言って離れようとすれば、何故か首に腕を回され、
「ね、ねぇ? 貴方、私のモノになるつもりはない?」
と耳元でメイヴに囁かれる。ア、アカン! 前世で女性に対する免疫皆無の俺には刺激が強過ぎる! やめなされ…………やめなされ…………。
そこへ追撃するように、メイヴは俺に抱きついて「好きなだけ抱いてもいいのよ? もちろん、アッチの意味で、ね?」とか「貴方の勇姿にすっかり惚れちゃったわ」とか言ってくる。
やめてクレメンス! 嬉しいお誘いですけど、そんなことしたら師匠と師範にコロコロされちゃうんです!(血涙)
結局、メイヴの誘惑は丁重にお断りさせてもらい、ヒステリックを起こされそうだったので、権力も魅力も大して重要視していないと苦し紛れの言い訳をした。すると何故か顔に朱が差しているメイヴから「ぜ、絶対にオトしてやるんだから!」と、嬉し恥ずかしな表情で言われた。は?
◆
メイヴの申し出で、コインヘンの骸はコノートの戦車で運んでくれるとのこと。そうして形成されたのは、クリードを括りつけた戦車とコインヘンを括りつけた戦車の並走という何とも言えない風景だった。
とりま、コノートを出るまでの間はメイヴが付き添いとして着いてきたのだが、その間飽きることなく俺にべったりだった。
メイヴって確か、気に入った勇士を周りに侍らせていたとかだったか。そこで俺にも目を付けて侍らせようって魂胆なんだろうが、時折流し目で見つめてきたりするのはホントにやめてほしい。俺の武力じゃなくて俺自身を欲している的な風に勘違いしそうになるから。
そんな感じで誘惑してくる割には、俺が悪ノリで仕返ししてやると、メイヴは赤面して俯き、「は、はひ…………(クッソ小声)」と返してくる。お前ホントにメイヴ? 誰おま。
あとレーグ君、目をキラキラさせてこっち見んな。なーにが「英雄色を好む、ですね!」だよ。コレ明らかに大蛇に虎視眈々と狙われているチワワか何かだよ。
◆
戦車と馬は今度返すという口約束をしてメイヴ(オナモミ)と別れ、アルスターに立ち寄ってコンホヴォル王にレーグ君とセングレンとマッハと戦車を借りていく了承を貰い、影の国への帰路につく。
いやー、一時はどうなるかと戦々恐々していたが、案外どうにかなって良かった良かった。すっげぇ怖かったゾ^〜(本音)。
そういや忘れてたけど、クー・フーリンって何時になったらゲイ・ボルグ手に入れるん? 師匠から貰うんだっけ? どうすれば貰えるんだ…………(困惑)。
不意に風が止む。
セングレンとマッハが立ち止まる。
肌に纏わりつく、じっとりとした視線。
天空から烏が飛来したかと思えば、
「────お前、名は?」
灰色の長髪に深紅の瞳を持ち、真っ赤なドレスの上に灰色のマントを羽織る絶世の美女。
師匠や師範のような女傑の雰囲気を纏っているが、しかし師匠らとは趣の異なる『人外』さをこれでもかと放つ存在。
────誰だコイツ?
「────モ、モリガン………………!?」
俺の背に隠れて恐れ慄くレーグ君が、彼女の名前と思しき羅列を漏らす。
モリガン…………? 知らんな(チャー研)。モルガンなら知ってるんすけどね。まあいいや。
ども、クー・フーリンやらせてもらってます。よろしくお願いしマース!(妖怪紅茶置いてけ)
「ふむ、クー・フーリンか。良い、好い。では
────(絶句)。
へ、変態だ────! スタイリッシュ痴女だ! 坂〇君も驚くスタイリッシュさだ!
いや、絶世の美女もとい痴女とかいいぞもっとやれ! ってのが本音だけどさ、そんなことしたら師匠らに怒られちゃうだろ!(尚死傷する模様)
メイヴ然り、コイツ然り、何故こうも自分を安売り(至言)するかなぁ! お兄さん怒っちゃうぞぉ!
◆
◆補足◆
Q.海獣バトルの描写が雑やない?
A.他者視点で補うつもりなのでご安心を。
Q.クリード悲鳴上げてばっかやん。
A.誰だって槍ぶっ刺されたりゲロビ撃たれたりすりゃ悲鳴上げるやろがい!(謎ギレ)ア"ア"ーイ"!!(被弾)
Q.これホンマにメイヴ?
A.そんな変わらんやろ(当社比)。
Q.モリガンって?
A.ああ!
↓ここから雑談↓
お久しぶりです、texiattoです。投稿が遅れてしまい申し訳ありませんでした。友人との飲みの後日に体調を崩すという体調管理クソザコナメクジ作者のせいです(←は?)。それとはまた別に、どうやってクー・フーリンにクリードとコインヘンを倒させればいいかを考えまくっていた結果、中々に手間取りました。
今回はメイヴがようやく喋りました。僅かな登場ではありますが、次回はメイヴ視点を書くつもりなので、そこでメイヴ民救済します(救うとは言ってない)。次回まで今しばらくお待ちいただければ幸いです。
そしてお気付きかもしれませんが、本作のメイヴも中々に設定変更がされてます。といってもエメル並の魔改造ではなく、神話上のエピソードや人物詳細を都合良く解釈しただけなので、変な改変はないと思います(←予防線)。
そしてそして、ラストにモリガンが出ました。「モリガン? 誰ゾ?」という方がいましたら、調べてくれてもいいですし、調べなくても何ら支障はありません。また、モリガンについてはエメル並に設定改変といいますか、お話の都合で設定付加だったり何だりかんだりなので、それについてはお許しください。何でもしまむら。
フロム新作んほぉぉぉ!! エルデンリングア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙!!!(幸福過多による発狂)
ゲーム内容じゃなくてフロムってだけで反射的に購入させられるレベルに調教されちゃったのぉぉぉおおお!