転生クー・フーリンは本家クー・フーリンになりたかっただけなのに。 作:texiatto
※訂正:コノア王→コンホヴォル王
ガバ知識本当に申し訳ない(人工無能並感)。
※追記
毎回の誤字・脱字の修正、皆さま本当にありがとうございます。しかし指摘されてわかるのは、間違う箇所が大体同じという事実。この学習能力のなさと言いますか、ミスタッチと言いますか、もう本当に申し訳ないです………。
◆
「────我と交わる栄誉を与えよう」
いきなりナニ言ってんの!? 頭おかしいの? いや頭おかしい…………(確信)。確かにこのモリガン? とかいう美女と「(コンプライアンス)!」はとても魅力的だが、致したらもれなく師匠と師範の手によって滅茶苦茶に滅茶苦茶されるという結末を迎えるだろう。
てかね、現代倫理を持つ俺から言わせれば、何で皆がそんなに性行為に対して臆面なく旺盛なのか理解に苦しむよ…………。
という訳でお断りだぜっ! と当然の反応を送り付けてやったところ、
「…………有り得ん! 我に下賜された栄誉を断るなぞ、有り得んぞ貴様ッ!」
と何故か激昴された。は?(半ギレ)
なんだァ? てめェ…………と独〇並の感想を漏らすと、モリガンもといスタイリッシュ痴女は「愚かな選択を悔やむがいいッ!」と声を荒げて飛んで行った。いや、愚かなのは頭ケルティックな方々だと思うんですけど(名推理)。
「あ、あわわわっ!!! クー・フーリンさん、マズイですよ!」
ターミナルさん!? …………言葉狩りはしてはいけない(戒め)。どしたんレーグ君? そんなに慌てて。
「あの戦女神モリガンの誘いを断るなんて、何て恐れ多いことを!? 彼女からの誘いを断った戦士は勝利の援助が受けられないんですよ!」
…………は? え、あのスタイリッシュ痴女って女神だったの? しかも戦女神。脳筋ケルトからしたらやべーありがたみの神なんじゃねえのそれ? …………え"、もしかしなくても、やらかした?
◆
戦女神モリガンの襲来の翌日。俺達は影の国へと辿り着いた。が、断りもなくレーグ君や馬2頭に足を踏み入れさせては危ないということで、先に師匠から許可を貰わねば。
その際、レーグ君に「なるはやで! なるはやでっ!」と青白い顔で急かされた。いやレーグ君、この辺にはせいぜい槍がぶっ刺さりまくってる猪か、図体デカいだけの竜種しかおらんから、へーきへーき。
「「待ち侘びたぞ、クー・フーリン!」」
影の国に入った途端、さながら猫のような跳躍で俺に飛びかかってくる影がふたつ。師匠と師範だった。アンタらいい歳して何してんの?
「お主がおらん影の国なぞ退屈で敵わんッ! さあ儂らに構え!」
え、いや、構えって、師匠そんなキャラでしたっけ? 影の国を出る時もそうだったけど、やはり尻尾を暴れ狂わせている大型犬を幻視してしまう。
「無事に帰ってくることは確信していたが、やはり29日と4時間17分も顔を見ぬとなれば、いやはや、己の我慢弱さに辟易してしまうな」
師範も師範で、抱き着きながら何言ってんすか? つか発言内容が怖いわ…………待って、師範が抱き着いているせいで、何故か師匠の顔が険しくなっていくんですけど。ちょっ、般若みたいな顔から能面みたく────あっ、俺死んだわ(悟)。
師匠にボコされた後、要件を速やかに伝える。最終試練はクリアしたこと、その骸を運んできたこと、御者のレーグ君とお馬さん二頭が外で入国の許可を待っていること。そこまで話し終えたところで、何故か師匠が訝しんだ顔を向けてくる。
「…………レーグとな? それはお主の何だ?」
え、何ってそりゃ友達よ。当たり前でしょ何疑ってんの?
「いや、お主のことだ。そっちの気の戦士を惹き付けてもおかしくはない。レーグとやらはそれではないな?」
は?(マジギレ)クッソ不名誉な魅力を語られた俺は、どうリアクションすればいいんだオイ! それにレーグ君は数少ない安全地帯だぞ! 彼はホ〇ではない!(心の中で無言の腹パン)
「姉上、流石に男相手に嫉妬するのは行き過ぎだと思うぞ。それに、クー・フーリンは私達に言い寄られて満更でもなさそうなところを見ると、歴とした女好きよ。それもまた愛おしい」
「むぅ、そうか。それならよいが」
よくないが? いや、変な疑いが晴れたはいいんだけどさ、知らない内に女好き認定されてることには物申したい! 今世では俺まだ女性経験皆無だぞオラァ!(血涙)
急に展開された羞恥プレイという名の公開処刑。流れを変えろ! よし、この話終わり! とりあえずレーグ君らは影の国入国許可ってことでいいのよね!? じゃあ連れてく────
「それよりもなクー・フーリン、何故お前の身体から他の女の匂いがするのだ?」
────へあっ!? な、何かの間違いでは? 俺はそういうことには十分に気を使…………あっ、メイヴ…………。
「…………ふむぅ、やはり他の女子共も放っては置かぬか。これはいかん、いかんなぁ。洗いざらい吐いてもらおうか。のぉ?」
分かるよ。秘密は甘いものだ。だからこそ、恐ろしい死が必要なのさ(俺が死ぬ模様)。
まあそんな感じで死んだり殺されたりした後、無事(?)にレーグ君らを影の国へと迎え入れる許可がおり、「遅いですよぉ!」と涙目で掴みかかられた。いやー、仰る通りで。
試練に従って狩ってきたクリードとコインヘン、その骸を師匠に見せると、何故か師匠が誇らしげな顔をする。お主なら成し遂げると分かっていた、とか、骸から激闘の痕が見えるな、とか褒めてくれるのは感謝感激狂喜乱舞なんだけどさ、アレ、他の人にやらせちゃヤベーイ試練だったよ! アンタ最終試練クリアさせる気ないでしょ!
と、心で憤慨していると、師匠が一転して真面目な顔になる。
「我が愛弟子よ、よくぞ最終試練を踏破してみせた。賞賛に値する。…………今をもってお主は修行の全過程を終えた」
…………え? マ? いやまあ、最終試練って言ってたからもしかしてとは思ってたけどさ。まさかこれで修行終了とは。NKT…………。本家兄貴もこれを経験してたんやなって(白目)。
「そして、お主の力量ならば、これを担うに相応しいと判断した。そら、受け取るが良い」
そう口にした師匠の手には、Fate/で見覚えのありまくる緋色の槍────ゲイ・ボルクが握られていた。
担うに相応しい、ってことは遂にゲイ・ボルク解禁か!? っしゃオラァ! 神アプデ来た! これで勝つる!
兄貴のメインウェポンにして、クー・フーリンの代名詞たる魔槍。作中ではこれによってランサーのクラスを依代に召喚され、セイバーやエミヤ、ルートによってはハサン先生といった強敵達に対し、この一条の槍のみで互角以上の戦闘を繰り広げていた。その他作品でも同様に、だ。
故に神聖さすら感じる緋色の槍、その本物が目の前にあり、それを俺が手にする。この瞬間を待ち望んでいたとはいえ、とても恐れ多いと感じてしまう。だが、これを与えられたということは、即ち俺が本家兄貴に近付きつつあるという証左!
────魔槍を受け取り、握り締める。
貸与されていた槍よりも軽く、しかし損耗することはないという確信を与えられる、そんな槍。良い槍だ、気に入った!
と、突然に魔槍から紅い光が揺らめき、俺の手を伝い、腕、胴体へと伸びて全身を包み込むように広がる。すわ、何事かと思ったが、その光は俺の身体に定着するようにじんわりと消えていった。
そうして、俺とゲイ・ボルクがひとつになったような感覚が迸る。はえー、こうやって武器を自分のものにするんすねぇ。今なら映画のように、掛け声のみでゲイ・ボルクを呼び寄せることができそうだ。
「む? それは…………ほぅ、なるほどな」
興奮に舞い上がっていると、俺を、というより先程の光を見た師匠が不意に呟く。え、なるほどとは? さっきのアレはゲイ・ボルクのオプションではないのか!?(勝鬨)
◆
修行を終え、ゲイ・ボルクも継承した俺は、未だ影の国に滞在していた。何故かというと、俺が影の国を去ろうと話を切り出した途端、師匠と師範のふたりが俺にしがみつき、
「「儂(私)がそれを許すとでも?」」
とまあ、うん。はい、失敗しました(諦観)。
という訳で、俺は影の国に滞在しながらレーグ君に軽く稽古を付けている。それと何故か、師匠と共に亡霊等を狩りまくっている。
俺としては、これからクー・フーリンは何をしたのかが全く分からないため、一先ずは武勇のひとつやふたつでもぶち立ててやろうかと思っていたんだが、師匠曰く、「まだ魔槍の扱いに慣れてないだろう、故にここで慣れてからでも遅くはないさ」とか何とか。
そういえば、ゲイ・ボルクってクリードの骨から造られたんだったよな。なら、試練で狩ってきたクリードを素材に、別の何かに加工することは可能じゃね?
そんな発想を師範に言ってみたところ、「ふむ、そうさな。お前が望むのなら私自らやってやろう」という、何とも嬉しい返答をもらった。また、武器と防具のどちらがいいかと聞かれたため、なら両方を兼ねる欲張りセットにしよう!(提案)
「む、攻防一体とな。それは些か扱いにくくはないか?」
そうですかね、ギャ〇シールドとかトゲシリーズとか見てると、クセはあるかもだけど、むしろ使い勝手はよろしいと思われ。
「ほほう、それは何とも奇抜な発想よな。どれ、もっと詳しく申してみよ」
対人戦闘を意識したカンジで、クリード要素を全面的に押し出したいんすよね。そんでもって────
「この部分だが、こうした方が良くはないか?」
あぁ! なるほどなぁ! その方がカッコイイっすね! あっ、なら俺はこの部分を────
「存外、楽しくなってきたな。この勢いで盛り込めるものは全てやってしまおうか」
おk! 全部載せはロマン。重量過多バッチコイ。ゲテモノほど美味と言うし、まま、へーきやろ!
どうしてこうなった。
ここにクリードの骨格があるじゃろ? これをこうしてこうじゃ!(謎)という感じで師範パワーを詰め込んだ結果、攻撃的骨格アーマーこと噛み砕く死牙の獣が出来上がってしまった。アキ〇イターの解答ばりに、間違いなくあのアーマーだ。ほほう、これが人類を滅ぼした黒い鳥ちゃんですか(違)。
しかもこれ、俺と師範の悪ノリによって魔改造されており、待機状態時は肩・腕・脚にライトアーマーとして装備されているが、魔力を流すことで展開し、全身を包み込んであの姿となるのだ。カッコイイじゃねえか!
…………ここまでは(よくないけど)よかった。ここまでは。
途中からの変なテンションの中で「コインヘンも素材に使ったら強いのでは?」という悪魔的発想から、噛み砕く死牙の獣の刺々しいフォルムに、艶やかで冒涜的な素材が足されることになった。しかし不思議なことに、シルエットに違和感はなく、むしろ既視感まである。尚、その正体は黒栗だった模様()。
コインヘンを用いたおかげで、俺も任意で異空間を開くことが可能となり、しかし何故か触手ではなくゲイ・ボルクが飛び出るというびっくり仕様になっていた。これには俺も師範も驚愕。
原形ないやん(白目)。
冷静になってから考えれば、普通の槍ニキが噛み砕く死牙の獣を装備しているのもおかしいし、なのにそれを作成しちゃったのはA級戦犯モノやし、そしてそれを悪ノリで魔改造しちまったのもヤベーイし。こりゃ、欲張り野郎にはお仕置きが必要だなぁ?(後悔)
…………俺、確か本家クー・フーリンになるために頑張ってたんじゃなかったっけ? これ、自分でそれ台無しにしてね? …………いやっ! まだ間に合う! まだ修正は利くはずだ! そう思いたいっ!
◆
やっぱケルトに普通の女性はおらんのやなって…………。
ゲイ・ボルクを駆使して亡霊共と戦えば、師匠が恍惚のヤンデレポーズで俺を眺めてくるし、それを注意すると顔を真っ赤に染めて槍をぶん投げてくるのだ。正直、そっちで死ぬかもしれんのでやめて欲しい(切実)。あと師匠も戦って下さい! 俺だけにやらせるとか職務怠慢ですよ!
師範はというと、俺が噛み砕く死牙の獣(魔改造)を展開した途端、顔を姉同様に真っ赤に染め、息を荒くしながら「あぁっ!!」とか「うぬぅ!!」とか漏らして悶えている。
…………何なのこの姉妹? やば(今更)。
◆
師匠と共に亡霊共を狩りまくった結果、どうやら俺は微弱にだが「死」を体得していたようだ。通常攻撃時に極低確率で即死を付与するパッシブスキルだ。じいじよりもクッソ低い確率だと思う。
と言っても槍で穿たれれば大概の生き物は普通に死ぬるから、即死なんてあってないようなものなんだけども。
それはそれとして、亡霊共を狩っただけでこんなスキルを得られるものなのん? という純粋な疑問を師匠にぶつけてみたところ、そもそもここらの亡霊やら死霊やらは常人では絶対に倒すことのできない領域のエネミーらしく、最低でも武力に特化した英雄十人分前後の戦闘能力と耐久性を持っているのだとか。
また、通常攻撃にありとあらゆる呪いが込められているため、それをモロに喰らえば耐性がなければ即死レベルだったらしい。道理で被弾の度に意識が飛んでた訳だ。
というかオワタ式だったのかよ! つかコイツら何処かで見覚えがあると思ったら、ヒュージゴーストやんけ! 見渡す限りのヒュージゴーストとかSAN値チェックものでは??
少なくとも、神代の世界に存在するゴースト、しかも影の国というこの世ならざる場所に揺蕩う亡霊共が、普通な訳がないということさね。
…………でもさぁ、確か師匠ってこんな感じで人の道を外れて、それでも止まらなかった結果として神に近付き過ぎて、そんで外側に飛ばされたんよね?
これ、下手すりゃ俺も外側に排除されちゃわね? まだセーフかな、セーフよね(震)。
◆
「あっ、そういえばクー・フーリンさん宛に手紙を預かっているんでした!」
そう言ったレーグ君が俺に手紙を渡してきた。影の国に来てからかなり時間経ってるんですけど、忘れ過ぎじゃないですかね?
まあいいや、差出人は…………げ、コンホヴォル王やんけ。えー、何なに。
『アルスター近郊に魔獣とかがスポーンしまくってるから処理よろ! 先日はお願いとか聞いたし、戦車も馬も御者も用意してあげたんだから、まさか断らないよね? 時間ある時でいいけど、死人が出る前に来てくれると助かるなぁ』(超翻訳)
…………俺の記憶が正しければ、余り物を俺に押し付けただけだった気がするんだが? 何なら出発前に明らかにコンホヴォル王が原因のお願い事もされた気がするんだが? はえー、したたかやなぁ。
まあ、恩返しだと思えばいいか(ぐう聖)。それに、また外に出られるしな。師匠と師範には「恩を仇で返す訳にゃいかねえ」とでも言っておけば大丈夫でしょ。
案の定、師匠と師範に全力で阻止されたのだが、そんなリアクションがマジで犬っぽかったので無意識の内に撫でてしまっていた。あ、死んだ、と顔面蒼白にする俺だったが、何故かふたり共が急におとなしくなって俯いてしまったので、その隙にレーグ君を連れて影の国から出立したのだった。
帰ってきたら処されそうだなって(直感:A)。
◆
◆補足(今回はマジメ <ハハァ…)
Q.何で(偽)は「死」を体得できたのん?
A.クー・フーリンはバロールとの繋がりがあるので、「死」に対する適正や耐性が異常なレベルであるという解釈をしました。また、ここのゴースト共は正しく「死」を体現したバケモンと化しており、そんなの相手に殺したり殺されたり()しまくっていたことで『死に長時間触れ過ぎた』状態に晒されていた訳ですね。即ち、"山の翁"のように死にながら生きている状態に近くなっている、といったイメージです。ただ、じいじのそれよりかは微弱ですし、だからこそ「死」はかなり薄いものになっています。………え、無理がある? それはワイが一番感じてるわ(白目)。
Q.コノア王とコンホヴォル王、どっちが正しい表記?
A.どちらも正しいのですがTYPE-MOONwikiで確認したところ、コンホヴォル王という表記だったので今更ながらの訂正です←
Q.関係ないけど、投稿ペース落ちてへん?
A.仕方ないやろ! リアルの忙しさもあるけど、ここからのストーリー展開があんまし思い浮かばないんや!(逆ギレ)あ、でもゴールは見えてるんで無理があってでも辿り着いて見せます。これにクオリティ求めてる人なんて多分いないから平気でしょ?(目逸らし)
↓ここから雑談↓
お久しぶりです、texiattoです。今回はクー・フーリン(偽)のテコ入れ回ということで書いていたのですが、正直な話、中々に無理がありまくりでぐうの音も出ません(絶望)。見切り発車の段階では、(偽)に「死」の概念へと昇華してもらって冠位にでも仕立て上げてやろうと考えていたのですが、そこから方向転換し、「死」を操る槍の大英雄として動いてもらおうという考えに至りました。が、結局のところ、どうすれば「死」の概念を得られるのかと思案しまくりで、かなり悩まされました。私のガバ知識と都合のいい解釈と思い込みという、クソ程役に立たない知識を総動員してコレなので、ツッコミどころ満載なのは重々承知です。許して。
今回はストーリーの進展はほぼありませんでしたが、次回からこの転生クー・フーリン(以下略)のケルト、アルスター神話での結末に触れていく予定です。恋に目覚めたスカサハ、恋を自覚したアイフェ、愛に狂わされたエメル、ガチ恋勢と化したメイヴ、好敵手の親友フェルディア、健気で純粋なレーグ君、ケルト神話での勝利を司る戦女神モリガン、その他大勢の戦士・勇士達。そして彼らの中心にいるのは我らが「この世全ての悪」野郎。果たしてこれからどうなるのか。
まあ、初めから中指立てて「まあこんなもんか」という気持ちで読んでいただければ幸いです。震えて待て(私が)。
この駄文の存在が母にバレました(蒼白)。
やば………やば………分かんないね(どうやって発見したのかがマジで分からない恐怖)。
アイアンマン!(見られようとも変えることのない鋼の意思)
幽々子………(今更ながら東方新作に対する喜びとユーザーへの媚び売り)。