転生クー・フーリンは本家クー・フーリンになりたかっただけなのに。   作:texiatto

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この辺にぃ、今さら今年初投稿してる小説があるらしいっすよ?じゃけん焼きましょうねぇ^〜(焚書)。

マジですまんかった。


ラーマは戦場へ行った〜ヤングガン:三人称視点

 ◆

 

 

 

 戦車が引く荷台に転がり込み、白亜の城塞を後にした藤丸達。既にカルナの姿も見えず、警戒を解いた一行は倒れ込むように安堵した。

 

「た、助かりました……」

 

「ジェロニモさん、彼は……?」

 

 藤丸は荷台に揺られながら息を整え、駆けつけてくれた青年の素性を問う。

 

「城塞の地下で話した、私と共に戦うサーヴァントの一人だ。名を────レーグという」

 

「レーグって、"あの"!?」

 

「ケルト神話のアルスター・サイクルに登場する、"御者の王レーグ"でしょうか……!」

 

「えっ、僕ってそんなに有名になんですか……?」

 

 藤丸とマシュの興奮する声に耳を傾けていたレーグは、思わず突っ込んでしまった。

 

「はい! 彼の英雄クー・フーリンと共に女神モリガンに抗った一人として、ケルト神話を読んだ人なら誰もが知っています!」

 

 早口気味なマシュの説明とそれに首肯する藤丸に、レーグは気恥しさを覚え、「そ、それは光栄なことですね」と苦笑混じりに頬をかく。

 

「……ですが、レーグさんもケルト出身でしたよね? このアメリカの地では合衆国軍とケルトが争っているはず。ケルト出身のレーグさんがジェロニモさんの仲間というのは、どういう……」

 

「ああ、確かにレーグはケルトの英霊ではあるが、彼は自らの意思で私達に協力してくれている」

 

 マシュの疑問に返答したジェロニモ。その彼の言葉を引き継ぐように、レーグが口を開いた。

 

「ケルト側のサーヴァントは、あちらにある聖杯によって召喚されています。ですが、僕はそうじゃない。ジェロニモさんと同様に、カウンターとして呼び出されたサーヴァントなんです」

 

「なるほど、そうだったのですね。失礼しました」

 

「はは、大丈夫ですよ。これからよろしくお願いしますね」

 

 北米の地を跳梁跋扈しているケルトのサーヴァントは、魔術王が何者かに与えた聖杯によって呼び寄せられている。

 つまり、聖杯を持つ人物が願った結果として、ケルトの豪傑達がこの地に現界しているのだ。

 

 そんな彼らを召喚することが可能な人物となれば、聖杯を与えられた人物もまたケルト縁の誰かだろう────と、藤丸は推測した。

 

 ふと、藤丸はレーグの背に目を向ける。彼の表情は分からないが、今のレーグには翳りが感じられた。

 

(────このアメリカに、クー・フーリンも召喚されているんだろうか)

 

 蒼空へと視線を移し、光帯を視界に収めた藤丸は、幼き頃の心象に刻まれた英雄に思いを馳せた。

 

 

 

 ◆

 

 

 

 藤丸達は、西部の小さな街に辿り着いた。ここの住人達は既にケルトの猛攻から避難しており、今いるのはレジスタンスの同胞達だけだった。

 三時間ほどの休憩を取ってから、ジェロニモは藤丸達へと話を持ちかけた。

 

「ここでは四騎目のサーヴァントを匿っている」

 

「サーヴァントがいるんですか?」

 

「君達を助けたのは、協力してほしいのも無論だが、何より彼を治療したいためだ」

 

「つまり、私の出番ということでよろしいですね? いえ、出番であろうがなかろうが、治療を求める患者がいるのならば、私は出向きます」

 

「ああ、頼む。君の治療があれば、何とかなるかもしれない────よし、彼を運んできてくれ!」

 

 とんとん拍子に進み、ナイチンゲールのもとに赤髪の青年が運ばれてくる。

 彼の胸部には血が滲んだ布が何重にも当てられており、その傷のせいか、青年は苦悶の表情を浮かべていた。

 

『心臓が半ば抉られているじゃないか……!? よく生きてられるな、彼!』

 

「まあ……頑丈なのが……取り柄だからな……。ぐっ……!」

 

「────こんな傷は初めてです。ですが、見捨てることはしません。必ず、治してみせます」

 

「くく……それは、安心できそう……て、痛ッ!? き、貴様もうちょっと手加減できんのか!?」

 

 相変わらずのナイチンゲールの容赦の無さに、青年は思わず声を荒らげた。

 彼女のそれに覚えがあった藤丸とマシュは、同様に苦笑する。

 

「……それで、こちらの方は? この国出身のサーヴァントではなさそうですが……」

 

「よ、余のことか!? 余はラーマ! コサラの偉大な王である! 詳しくは……あいだだだだッ! 『ラーマーヤナ』を読め、以上だッ!」

 

 ラーマ────インドにおける二代叙事詩の一つ『ラーマーヤナ』の主人公にして、人間でなければ倒すことができない魔王ラーヴァナに対抗すべく、シヴァと並ぶ最高神ヴィシュヌが人間へと転生した姿である。

 

『ラーマ! これまたビッグネームが飛び出てきたね!』

 

「ですが、貴方ほどの英雄が誰と戦えばこんな深手を……?」

 

「仕方あるまい……何しろ相手は……クー・フーリン。アイルランド最強の英雄だ」

 

「クー・フーリン……!?」

 

 これに過敏な反応を返したのは、藤丸だった。彼からすれば、つい先刻の思考の中心にあった人物である。

 そんな英雄が、このアメリカに現界しており、しかも敵方にて力を振るっている。

 

『クー・フーリン。光の御子と呼ばれ、あの時代ではあまりに異質な"不殺"を体現した、アイルランド屈指の大英雄。彼の持つ槍ゲイ・ボルクは、狙えば必ず心臓を穿つという。……それなら回避も難しいか』

 

 いくらラーマが強かろうと、必殺必中の一条に対処するのは困難。故に、今の彼は心臓の八割が抉られている。

 

「確か……クー・フーリンって、人を殺めないゲッシュを立てているはずじゃ……」

 

 昔の記憶を掬い上げた藤丸の疑問に、レーグが口を開く。

 

「はい、その通りです。クー・フーリンさんは人を殺めない誓いを立てています。ですが、今のラーマさんはサーヴァント。つまり、人ではなくエーテル体の霊的な存在です」

 

「なるほど、対サーヴァントであれば何の誓約にも抵触しない、ということですね」

 

 沈痛な面持ちでレーグは首肯する。

 

「……ですが、誰を護るためでもないのに、クー・フーリンさんが力を振るうのは……。ラーマさんから聞いたところによると、クー・フーリンさんはレジスタンスの方々が死に行くのを、ただ傍観していたそうです。そんなこと、有り得ない……あっちゃいけないんです……誰かが死んでいくことに、動じもしないだなんて……」

 

「……それに関しては、同感だ」

 

 ナイチンゲールに身体検査をされながら、ラーマはレーグに同調する。脂汗を滲ませながら、彼は言葉を紡ぐ。

 

「クー・フーリンと戦い……彼を知った。彼は虐殺をするために槍を、術を振るうような蛮族ではない。レーグから聞いた彼の人柄を合わせて考慮すれば、その直感は……間違いないのであろう」

 

 熟達の戦士ともなれば、剣を交えるのみで互いの思考や癖などが見えてくる。

 そこから相手の人間性を見出し、素性を掴み取る。

 

 僅かな間ではあったが、ラーマはクー・フーリンと戦い、確かに彼の誇りを感じ取った。

 

 巧みな槍術は武の極みにあり、息も上がらぬ様は並々ならぬ持久力を物語る。

 常に乱れぬ思考は心の強さを示し、自身を襲う刃への的確な対処は経験値の高さの証明。

 戦場での傲岸不遜な言動は、彼が正しく強者であるからこそ。しかし、そこに慢心は介在せず。

 

 それらの根底にあるのは────矜恃。

 

 自身で設けた掟を守り抜くからこその、強さ。誰かを護るため、何かを成すため、何であれ自らの縛りを遵守している。

 背負うものがあるからこそ、人は強く在ることができる。それを貫くからこそ、胸を張ることができる。

 

 クー・フーリンは、その類の頂点にも位置する戦士であると、ラーマは鋭く感じ取ったのだ。

 

「……だからこそ、解せん。何故、あそこで見捨てた。何故、見ているだけだった。何故、鏖殺を許可した……!」

 

 だが、クー・フーリンとの戦闘時、ラーマの目には彼こそが殺戮者の長として映った。

 筋骨隆々な猛者を束ね、何百というレジスタンスを殺し、荒野に屍山血河を築き上げていたのだから、当然のことだった。

 

「確かに、クー・フーリン自身は人を殺めてはいない。だがッ、生者を見捨て、殺戮を支持していたならば、あの場で殺しを行ったは彼ではないか……!」

 

 問い質すように声を荒らげたラーマの顔は、痛みや苦しみではなく、純粋な憤怒に満ちていた。

 

「大声をあげない! ……っ、悔しい、悔しい! 追いかける死の速度を鈍くはできても、止めることはできない……!」

 

 一方で、ナイチンゲールもまた顔を歪める。ラーマの状態を調べるほどに、自身の知識と技術では治せないことが判明していく。

 生きたがっているからこそ、絶対に生かさねばならない。そのためならば、殺してでも救ってみせる。

 そう心に刻まれた信念を、ラーマの傷は容易く阻んでみせたのだ。故に、ナイチンゲールは心の底から歯痒かった。

 

「……貴方達に伺いたいことが一つ、あります」

 

 ナイチンゲールは、ラーマの傷を射殺さんばかりに睨み付けながら、藤丸とマシュ、ロマンに問う。

 

「先程修復したはずの心臓が、既に十パーセント以上損壊しています。絶えず治療し続けなければ、すぐに死に至るでしょう」

 

『クリミアの天使』の通り名を冠する彼女であっても、ラーマの心臓を治癒するには至らず。その事実が、彼女に波のように押し寄せる。

 

「私は彼を見捨てたくはないし、見捨てる気もありません。この少年は、こんなにも生きたがっている。生きようという意志ある限り、私は絶対に見捨てない!」

 

 だとしても、ナイチンゲールが諦めることは有り得ない。

 

「────方法を教えてください。彼を治療する方法を!」

 

 救いを求める患者がいる。それこそが彼女の原動力。これがある限り、ナイチンゲールが止まることなどないのだから。

 

『……ラーマの傷が治らないのは、きっと呪いのせいだろう』

 

 ナイチンゲールの叫びに応えたロマニは、冷静に分析結果を述べる。

 

『クー・フーリンの有する魔槍ゲイ・ボルクに穿たれて尚、死んでいないというのは、世界からしたらおかしい事象なんだ。それを、ラーマは奇跡を以て生きながらえている』

 

 ラーマの心臓の修復を阻んでいるのは、魔槍の呪い。

 心臓を穿ったという事象を確定させてから放つ一撃であるがために、これを受けたラーマは、死んでいなければおかしいのである。

 

 ラーマが今も生きていられるのは、偏に彼が真なる英雄であるからで、本来死んでいる筈の状態を無理やり逆転させる奇跡を体現している。

 そのため、如何にナイチンゲールに『人体理解』や『鋼の看護』のスキルがあったとしても、心臓を治癒するのは不可能だったのだ。

 

「死んでいなければおかしいとは、聞き捨てなりません」

 

『うわっ!?』

 

「ナ、ナイチンゲールさん、落ち着いてください……!」

 

 ロマニの説明がナイチンゲールの地雷を踏み抜き、彼女はノータイムでロマニのホログラムに鉛玉を放つ。

 

 それを宥めつつ、一同は続きを促す。

 

『……表現が悪かったよ、ゴメン。まあ、何を言いたいのかというと、心臓の修復を阻害しているのは呪いだから、まずは解呪が先ってこと』

 

「解呪……」

 

「となると、呪いの原因を取り除くのが先決か」

 

『そうだね。ラーマを解呪するには、因果を捻じ曲げた槍を消失させるしかない。でも、それが困難であることは、モニターしていてもよく分かる。クー・フーリンの他に最低でも二騎、サーヴァントがいることは確定しているのだし』

 

 藤丸達の有するケルト勢の情報は、フィニアン・サイクルの戦士フィン・マックールとディルムッド・オディナと、未知数の敵クー・フーリンの存在のみが判明している。

 

 アメリカに来て早々に遭遇したフィンとディルムッドの主従コンビに、藤丸とマシュはいいように足止めされてしまった。

 時間稼ぎが目的の彼らに、手加減を施されて尚、攻めきれなかったのだ。そのような傑物が最低でも二人いる。

 

 そこに加えて、彼の英雄ラーマを赤子を捻るように仕留めてみせたクー・フーリンがいる。

 サーヴァントの数は藤丸達が上だとしても、個人の戦闘能力が段違い。故に、正面切ってやり合えば敗北を喫することとなるのは明白だった。

 

 重苦しい事実に空気が停滞しかけるが、すかさずロマニが糸口を示す。

 

『────けれど、他のアプローチから彼を治癒できるかもしれない』

 

「と、いうと?」

 

『このアメリカは不安定だ。ケルトの戦士達が、存在もあやふやなのに召喚されては殺し、殺されていくのと同じく……ラーマ君もまた、違う何かで存在を強化すれば因果が解消されるか、それに近い状態に戻るはずだ』

 

「存在を強化……どうすれば?」

 

『一番いいのは、生前の彼を知っているサーヴァントとの接触を図ることだ。生前の彼という設計図を知っているなら、ミス・ナイチンゲールの治療も効果が上がると思う』

 

「……一人、いる。この世界のどこかに、召喚されたサーヴァントが」

 

「……それは、いったい?」

 

「────我が妻、シータだ」

 

 シータ────ラーマの妻にして、彼の召喚に応じて世界の何処かに現界するサーヴァント。

 

「余も、まだこの眼で見てはいない。だが必ず、この世界の何処かに囚われているはずだ」

 

『なるほど。ラーマの妻、シータか。君に引き摺られる形で召喚されたのかな? 彼女を見つけ出せば、治療も不可能ではない』

 

 ここまでしてラーマの治療に拘る理由、それは彼が救いを求めているからというのもあるが、それ以外に、ラーマが強力な戦力となるからである。

 このアメリカには様々なサーヴァントが召喚されている。その中でトップの能力を有するサーヴァントとなると、カルナが挙げられる。

 その彼に、ラーマは五分五分の勝負をするだけの力がある。喉から手が出る程に戦力を欲するレジスタンスからしても、是非ともラーマを治療しなければならないのだ。

 

 そうして、藤丸一行はラーマ治療のため、シータの捜索を行うことを決定する。

 

「────さて、ラーマの治療法については道筋がついたが、我々には早急に方向を定めねばならない問題がある」

 

「というと、どうやって北米の戦争を終わらせるか、という問題でしょうか?」

 

「その通り。今、この地を歪めている原因────聖杯は、ケルト側にある。これを回収せねば解決のしようもない」

 

 藤丸達も知っての通り、エジソンが聖杯を手にした場合に訪れる結末はロクなものではない。

 まだそうなっていないと言うことは、エジソンの手中に聖杯が存在していないことを意味する。

 

 となれば、必然的に聖杯の所在はケルトにあることになる。

 問題は、ケルト勢の誰が聖杯を所持しているのかについてだが────

 

「────聖杯を所持しているのは誰なのか、その見当はついている」

 

「!」

 

「そうだろう、レーグ」

 

 ジェロニモはレーグに目配せし、レーグは首肯して話を引き継ぐ。

 

「はい。この地で暴れている戦士達を見て、直ぐに気が付きました。あれらは"名も無き戦士たち"。女王を母胎とする、無限に製造される駒です」

 

『む、無限!? それだけの物量を簡単に揃えられるなら……確かに、戦争で優位にもなるか』

 

「ケルト……戦士の母……そして女王って、もしかして」

 

「きっと、その人物で合ってます。聖杯の持ち手は、コノートの女王メイヴだと推測されます」

 

 コノートの女王メイヴ。神話から見れば、非常に冷酷で我儘な人物像が描ける、為政者にして支配者である。

 実際は何処かの鈍感野郎のせいで限りなく乙女(ソイツの前限定)になっているのだが、それを藤丸達は知る由もない。

 

「無限の歩兵と、戦闘に特化したケルト出身のサーヴァント複数……立ち向かうとなると、厳しい戦いは避けられないか」

 

『そうだね。真面にやり合っていては勝ちの目は皆無に等しい────だから、こちらから進言するべき策は一つしかない』

 

 皆の視線がホログラムに投影されたロマニに束ねられ、彼は冷静に断言する。

 

『暗殺────サーヴァント達で、一気に王と女王を討ち取ること。敵が無限に増殖するなら、首魁を狙う以外に方法はない』

 

「────その通りだ。よくぞ言ってくれた、ドクター。よし、少しでも暗殺の確率を上げるため、各地に散っているサーヴァント達を集結させよう」

 

 暗殺という、ともすれば狡猾なやり方だが、絶望的な戦力差であるが故に最も有効な策。

 的確に相手の急所を突くという性質上、少数で動くため動きを覚られにくいという利点が光る。

 

「確認しよう。我々はラーマの治療のため、彼の妻シータを捜索する。それと並行して、暗殺のために各地のサーヴァント達との合流を目指す」

 

 

 

 ◆

 

 

 

「オレはロビンフッド、クラスはアーチャー。それで隣のコイツが────」

 

「僕はウィリアム・ヘンリー・マッカーティ・ジュニア。人呼んで────ビリー・ザ・キッド!」

 

 ジェロニモの案内の元、藤丸達はレジスタンスに属するサーヴァントと合流した。

 そして、藤丸達はロビンフッドとビリーに情報共有を行う。

 

「……なるほどねえ。このラーマって子を治療する。戦力を拡充する」

 

「そして敵さんの親玉を暗殺する、と。いいんじゃない? 妥当な手段でしょ、それ」

 

「だが、クラスの偏りを考慮すると、こちらの仲間にセイバーかランサーが欲しいところだ」

 

 ジェロニモの言う通り、現状のレジスタンスのサーヴァントは非常にアンバランスにあった。

 

 魔術による強化や盾による防御等を行うジェロニモとマシュは中衛。

 アーチャーでありゲリラ戦に特化したロビンフッドとビリーは、圧倒的に後衛。

 レーグに関して言えば、戦車こそ強力だがスキルや宝具を加味すれば支援役。

 

 前衛を張れるだけのサーヴァントは、ラーマとナイチンゲールのみである。しかし、ラーマは負傷中、ナイチンゲールは連携不可。

 仮にラーマが完治したとしても前衛は二人だけ。対して、相手は脳筋前衛ばかりなケルト連中。あまりに負担が重い。

 

「……あー……まあ、いないこともないですかねえ」

 

 剣士か槍兵が欲しい。これを耳にした途端、ロビンフッドは臆面もなく渋い顔を浮かべる。

 

「サーヴァントとしてはそれなりで、戦力としても心強いですよ……ただ、それ以外のクセがかなり強いというか、ウルトラ問題児というか……」

 

 彼の脳内には、歌が壊滅的な皇帝と、これまた歌が破滅的(物理攻撃可)なドラゴン娘が好き放題やっている絵面が広がっていた。

 

「我々に選り好みするだけの余裕はない。是非とも助力を願いたい」

 

「……後悔しないでくださいよ」

 

 ジェロニモの力強い意志に押され、ロビンフッドは項垂れながらも了解した。最も、問題児たるセイバーとランサーのお守りは誰かに押し付けようと、ロビンフッドが決意した瞬間でもあった。

 

「セイバーとランサーが確保できたのなら、目的の達成に期待が持てる。だが、我儘を言えばもう少し戦力が欲しいところだな」

 

『それに関しては、こちらでどうにかできるかもしれない』

 

 会話を聞いていたロマニが口を開き、俯いて思案していたジェロニモが弾かれたように顔を上げた。

 ロマニの言わんとすることに察しが着いた藤丸は、これまでの特異点での経験を思い出した。

 

「……そっか、霊脈を確保すれば」

 

『その通り。霊脈の規模にもよるけれど、カルデアからサーヴァントを追加でそちらに送り込むことができるだろう』

 

 藤丸達はこれまでの特異点攻略において、多くのサーヴァントと信頼を結び、その後に彼らはカルデアに召喚されている。

 余談だが、藤丸は運とコミュ力がカンストしているため、出会ったサーヴァントの全てを引き当てている。これが主人公補正か。

 

『藤丸君とマシュの頑張りのおかげで、これまでに縁を結んだ英霊は多い。ここから、クー・フーリンと戦えるだけのサーヴァントを選出すれば「今、クー・フーリンと言ったか?」……あ』

 

「え、ドクター?」

 

 

 

 ◆




◆今回のまとめ
本人(偽ニキ)のいないところで色々と上がったり下がったりした。

◆補足
Q.アイフェさん出番まだ?
A.霊脈確保して召喚サークルできたら呼ぶ。尚、彼女はアップを始めました(死刑宣告)。

Q.投稿遅くなーい?
A.理由は下記に書いた通りです。ホンマにすまんかった。


↓ここから雑談↓


お久しぶりです、texiattoです。去年の十一月からまさかの四ヶ月空けての投稿で、もうホントに申し訳ないです。投稿が遅れた理由は色々あります。実は自分、去年一年間は就活生でして、コロナ禍での就活という地獄を乗り切ったと思えば、卒論と自車校が時間をぶち壊しやがり、その後は内定者研修と引越し準備で暇が爆発。僅かな自由時間は原神(マップ探索度大体100%)とブラボ(トロコンしちゃった♡)と隻狼(怨嗟の鬼が楽しい)とダクソ3(NPC闇霊とクソデカ蟹と侵入で屍山血河)とモンハンライズ(体験版マガド強かったけど製品版は雑魚で草なんだ)とウマ娘(こいつらうまぴょいしたんだ!)に持ってかれてました。これからは社会人として、働く合間に書いていきたいと思ってます。
さて、今回は簡単に内容をまとめました。三人称視点だからネタを入れにくいので、矢継ぎ早にストーリーを推し進め、さっさと次を書こうという魂胆です。原作との変更点は、レジスタンス側にレーグ君が加入し、アイフェ増援フラグが立ったことくらいですかね。正直、書くのが久しぶり過ぎて今後の展開だとか伏線仕込みだとかが吹き飛んだので、手の動くまま書きました。これ絶対ガバある(確信)。
次回は……というか、連続投稿するんで予告はしなくてもいいですよね。とりあえず(偽)ニキ視点で脳死トークしたいだけなので、ここまでにしときナス(たれぞう)。

↓おま〇け↓

◆マテリアル:レーグ
▶真名:レーグ
▶プロフィール
身長/体重:170cm/61kg
属性:秩序・中庸
性別:男性
好きなもの:馬の世話、鍛錬、英雄譚
嫌いなもの:卑屈な自分、モリガン
一人称:僕
二人称:「名前」さん、呼び捨て
三人称:「名前」さん、呼び捨て
▶クラス:ライダー
▶ステータス
筋力:D
耐久:D
敏捷:B
魔力:C
幸運:B
宝具:C
▶クラススキル
・騎乗:A+
乗り物を乗りこなす能力。騎乗の才能。「乗り物」という概念に対して発揮されるスキルであるため、生物・非生物を問わない。
A+ランクでは竜種を除くすべての獣、乗り物を乗りこなすことができる。
・対魔力:C
魔術に対する抵抗力。一定ランクまでの魔術は無効化し、それ以上のランクのものは効果を削減する。サーヴァント自身の意思で弱め、有益な魔術を受けることも可能。
Cランクでは、魔術詠唱が二節以下のものを無効化する。大魔術・儀礼呪法など、大掛かりな魔術は防げない。
▶スキル
・御者の王:A+
御者としての資質を表すスキル。騎乗スキルに該当する乗り物に乗った際、敏捷と幸運に補正がかかる。
御者の王とは今も昔もレーグしかおらず、そのため必然的に彼のためのスキルと言える。
・不可視の魔術:C
自身の姿を不可視にする魔術。気配遮断の劣化版とも言える性能だが、魔術でアサシンクラスのクラススキルと似た効果を引き出すことができるため、侮れない。
Cランクでは、姿は完全に消せても所作の音や身体・衣服の臭いまでは消すことができない。
・不屈の意志:C
あらゆる苦痛、絶望、状況にも絶対に屈しないという極めて強固な意思。肉体的、精神的なダメージに耐性を持つ。ただし、幻影のように他者を誘導させるような攻撃には耐性を保たない。一例を挙げると「落とし穴に嵌まる」ことへのダメージには耐性があるが、「幻影で落とし穴を地面に見せかける」ということには耐性がついていない。
▶宝具
・『彼の為の剛戦車(チャリオット・フォー・ マイ・ヒーロー)』
ランク:B
種別:対軍宝具
レンジ:2〜60
最大補足:50人
クー・フーリンを乗せて駆けた戦車を召喚する宝具。セングレンとマッハもセットで召喚され、地上を縦横無尽に駆ける。クー・フーリンを同時に搭乗させた場合に、自身の全てのステータスがワンランクアップする追加効果を持つ。
戦車を引くセングレンとマッハは、通常の馬とは圧倒的に異なる。まず、体格は二回りは大きく、魔獣と見紛うほど。その肉体に纏う筋肉量も多く、突進や蹴りのみで常人を肉塊へと変貌させるだけの力がある。英霊であっても、マトモに喰らえば大ダメージは免れない。従って、セングレンとマッハは馬の域を超え、最早モンスターである。
そんな二頭が引く戦車は、当時のチャリオットよりも巨大且つ堅牢で、重い。並大抵の攻撃を弾き返し、低ランクの宝具の攻撃をも軽減し得る。また、その堅牢さ故に突進の火力も高く、攻防一体の宝具となっている。
コンホヴォル王がクー・フーリンに与えた戦車、その御者として選ばれたレーグは、矜恃と羨望を持って任に当たった。彼と旅をする中でレーグは精神面で成長を果たしたことから、クー・フーリンと共に在ることで真価を発揮すると解釈された。
・『???』
ランク:
種別:
レンジ:
最大補足:
▶人物
クー・フーリンの相棒である青年。中性的な顔立ちに唐紅色の髪と翡翠のような瞳を持ち、スレンダーながらもケルトの男性にしては小柄な体格をしている。小心で頼りない印象を与える言動をしているが、根底には英雄の志と遜色ない意志と、それを貫徹する強さを秘める。道理の通ったことを好み、合理性より人情、信頼、矜恃を選択するのはレーグの持つ美点であり、他者のためにと自分の身を切れる主人公気質な面をも有する。言い換えれば早死する人間のそれだが、しかし幸運によって生き延びるタイプ。その意味では藤丸立香と似ている。
無垢な少年のような英雄願望を抱いていたが、非力な現実に打ちのめされたことで卑屈に陥る。そこから自身を救い出してくれたクー・フーリンには絶大な恩義を感じており、更に自身が進むべき方向性も示してくれたことから、戦友として、相棒として彼の隣にいることを望むようになった。そのせいで、一時期はクー・フーリンを巡り争った女性陣から「最大の難敵」と認定されていたが、幸いにも本人が知ることはなかった。
レーグ自身に特筆すべき戦闘能力はない。ステータスはサーヴァントとしての最低ラインであり、魔術は不可視しか扱えず、武術や槍術といった近接戦闘スキルは嗜む程度の力量しかないのが現実である。一方、それを補って余りある御者としての才覚は本物。戦車に乗れば人が変わったように頼もしくなり、正しく「御者の王」となる。上述したスキルによって敏捷と幸運に補正がかかる。しかし、戦車には勇敢な戦士を共に乗せてこそ真価を発揮するため、やはり誰か────最も信を置くクー・フーリンと組ませるのがベストだろう。
本来の神話では、戦場をクー・フーリンと共に駆ける戦士として描かれる。クー・フーリンの得物であるゲイ・ボルクを預けられる程の信頼を置かれ、それに応えるように彼のピンチを幾度となく救う、理想の関係を築き上げた。そんなレーグの最期は、無敵の活躍を見せたクー・フーリンを逆恨みする者達によってゲイ・ボルクを奪われ、投擲された魔槍に穿たれたことによる落命であった。
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