大学生、仁科正美はこの日までは生物学上の雄である。うたた寝から起きた時、彼の置かれた状況はまるで変っていた。縮んだ背丈、少し高くなった声、伸びた髪、そして丸っこい身体。この瞬間から彼は何となく気が付いていたのだ。世界が変わっている。今の世界における男とは、即ち雌であるのだろうと、気が付いていた。
X(Twitter)  ▲ページの一番上に飛ぶ