会場に戻った瞬間は、自分の目を疑った。
アイドルのライブになんか行った事のない俺は、自分の知識と記憶からこんなものであろうという大まかな想像はしていたが、間違いであると分かった。キャパの大きすぎる会場。入場と同時に配られた見慣れない端末。ステージの他にある謎の審査員席。そして、均等に周りを囲む四枚の巨大モニター。
初めて、俺の知る常識を流用できない何か。
ファンは盛り上がってる。アイドルは二階席からだと目視じゃ難しいが、その動きや歌い方、そして表情分かるように素人目でも綺麗なアングルがモニターで観えるし歌声も聞こえる。
だけれども、これは俺の知るライブとは決定的に違う。そして、席に座る事も忘れて壮大さとステージ上で踊るアイドルに釘付けになった。考え事、というよりも絶句の方が正しいのだろう。目の前の光景に硬直していると、恭平に軽く肩を叩かれた。
「思ったより早かったっすね。まだ後半戦の三組目だ。」
後半戦?複数ユニットからなるグループだから、ライブに複数いるのは分かる。だけど明らかに、折り返しの意味での後半戦という言葉じゃないと理解できる。
先ほど、はっきりとステージに居るグループがMCで「序列維持は関係ありません!僕たちの歌を聴きに来てくれたみんなの為に頑張ります!」と言っていた。アイドルはやっぱり男子ばっかりだし、見た目が丸っこく柔らかいとはいえ肌の露出とかを考えると違和感は拭えない。加えて、序列と言われても、少し知識として受け入れるには多すぎる情報だった。
「二人が戻って来たから貴重品とか気にせず離席できるの嬉しいな。僕はちょっと離れるけど、場所わからないならマサもくるっすか?」
「ああ、ついてく。葉山、わるいけど荷物を見ててくれるか?」
「いいよ。カイロ持ってく?」
「いらん。」
そんなこんなで全世界オール個室になって男女平等すごく混むトイレから離れて、人の一切いない喫煙室にお喋りに付き合えと、引きずり込まれた。トイレだが、想像以上に人が多かったのは男子トイレの個室で非常ボタンが押されていたらしくスタッフも過剰に回されていた。
要するに、主目的が話をする事だったので座席から離れた俺たちは少し落ち着ける場所が欲しかったのだ。
俺は付き合いでも吸わないが、こうしてよく喫煙所に籠る恭平と長くいるから雑談する為にマスクは常備している。
「困惑してるってわかってる。トラウマの一件でテレビ含めて色んな情報遮断されてて、ライブとかの様変わりに困惑してるんだろ。僕も興味なかったからここまでとは思わなくてびっくりしてるから。まあ、何事もなく戻ってきて。この会場に対して驚く余裕があるのは良かった。」
「恭平……。」
「でもまあ、それなりに詳しいから現代のライブに関して十分な説明はできるから。頼ってもらって構わんすよ。」
「いやお前さ、前置きが長いんだよ。ついでにヤニ吸いたかっただけだろ。」
「いいか?ストレス解消以外にも、幸福の最大化って役割があるんだよ。マサが無事に戻ってきて嬉しいって思うわけ。」
顔を背けて、な訳じゃなく、普段通り煙を気遣って人にかからないように吹いているんだろう。普段のごった煮の喫煙所では意味ないんだからそんな事しなくてもいいんだが、まあ恭平の癖だ。
「僕らが中二の終わりとかそこらへんの時に、芸能界の一大スキャンダルが……。と言ってもマサはもうテレビとかを見せてもらえてない時期だったっけ?」
「それは高校入学してからだけど、元々興味なかったからな。心の余裕もなかったし知らないかもだ。家族も、覚えてる記憶だけでも過保護になり過ぎてちょっと居心地が悪くて、中学生の頃は塾に逃げてた時期だからな。」
「まあ、知らないなら説明する。『十年蔓延した枕営業を徹底排除。関わりある事務所の無期限活動停止。』、芸能界の中でも特に俳優業とからしいけど殆どの事務所を潰すような動きだったんすよ。放送してたドラマは全部打ち切り、そもそも放送局も大変らしくて一年はまともに動けてなかったらしいんだ。」
聞いても全然、記憶にない。中学を思い返してもそれどころじゃない記憶ばっかりだ。勿論、元の世界でも聞いた事のない話になる。
「僕も、その頃はちょっと忙しかったんで聞いた話でしかないけど。業界の汚点を洗い出したのが冷泉グループで、高校生になる栂園太陽は圧倒的な実力と技術と美貌で、発足された第三者委員会から評価された可視化した得点を引っ提げてデビュー。そして……。」
「トップアイドルになった訳か。汚職なく実力が評価されるように、ライブにも審査員を読んでってことか?」
「しかも客観評価される仕組みが整ってる分野が当時に急造した一つしかなくて、今の芸能界はどこもアイドルだらけ。全てが完成した楽な土台に滑り込んできた当時の弊害。潔癖な風潮を業界が推し進めて、枕はおろか彼氏彼女すらも大衆は受け入れづらくなったって訳だ。構造を壊して、有利なように作り上げて、マッチポンプすら疑われたけど、冷泉グループは過去一切の枕営業の疑いはなかった。そして、第三者委員会は実際に冷泉グループとは無関係だからな。」
「それで今のスポーツ観戦みたいな雰囲気があるライブになったのか。」
「審査員の付ける得点。ファンが配られた端末で入れた得点。そして、冷泉は自社のアイドルグループに序列をつけてユニットごとで競わせる。」
当時のアイドルファンはこの仕組みを受け入れるしかなくて、芸能関係者もこれに乗っからざるを得なかったって事か。
何気なしに観たあの時のテレビ。旗印を任されて、それだけの大役で、どうして栂園はあんな、あいつも俺も得をしない言葉を喋ったんだ?俺が嫌いと言っても、本当に俺が見てるとも分からない所で、何よりあいつは俺が記憶をなくした事さえも知らなかった以上はあの時に俺を苦しめる目的があったと思えない。
深く考えないと、そう感じた時に俺と恭平がビビりあがる程の怒声が聞こえた。
「なんで、私がこんなことしないといけないんですか。貴方は社会人ですよね、仕事中ですよね!?」
「本当に申し訳ありません!」
葉山ほどじゃないにせよ背の高いスーツ女性と謝っているスーツの男性。一見して女性の方が上司なのだと分かり、男性はなぜか左手にぬいぐるみを抱えていた。
「扉が錆び付いてて、自分の力じゃ開かないから来てくださいって。上司を呼びつけるなんてありえません。それに、貴方はこんな場所に用事は無い筈ですよね。ライブ前のアイドルへのフォローはどうしたんですか?」
「それは……。」
「言えないなら、今日限りで顔を合わせる事はないでしょう。支社への転勤を楽しみにしていてください。」
「た、担当アイドルの一人がリハの時に会場で遊んで、この部屋にぬいぐるみを忘れて、このままじゃライブが出来ないと泣きつかれて言われたので。全て黙っていて申し訳ありませんでした!」
部屋から出て直ぐ彼女らが俺らの死角に入ったから、ガラガラの喫煙所に居る事に気づいていないんだろうが説教を廊下でするのはやめてほしい。恭平の見た事ないほどの心底面倒くさそうな顔をみると、そこまでじゃないだろと小声でささやけるが、まあ気分がいいものではない。
「小学生くらいの子供も我々の、冷泉のアイドルです。ですが、あの子たちは太陽くんを除いて蛹にも満たない子たちです。ぬいぐるみがないからしょうがなく探す、ではありません。正しく道理を説いて導く義務が貴方にはある筈です。なあなあで思い通りに事が進むと思わせる。それは教育ではないでしょう?」
「おっしゃるとおりです。ごめんなさい。」
「正しく導き育てなければ。だめな社会、だめな大人のせいで羽をもがれてアスファルトに横たわる蝶は、もはや見るに堪えない。行きますよ。次に不祥事を起こしたら本当に支社に飛ばしますからね。」
「ありがとうございます。必ず期待に応えて見せます。冷泉部長。」
冷泉部長。確か、栂園たちの会話に出てきた人だ。功刀からの信頼はなかったようだが、言動を聞く限りではそこまで悪い奴ではなさそうだ。
やや時間を潰しすぎたか。廊下の小さいモニターを見ると笑顔がまぶしいアイドルたちがステージから手を振っている場面が見える。映像背後のステージモニターを見るに序列が三つ進んでいて、一位であろう栂園たちを考えるといよいよだと思えてきた。
そろそろ一服も終わったかと恭平を見ると、灰皿に半分以上残った煙草を押し付けて固まっていた。吸ってないのに、癖が出てるのか顔を背けている。
「どうした、カッコいいアイドルでもいたか?」
「…………。いんや、何でもねっすよ。なんつーか、急に煙草が不味くなったからな。どうしたもんかなって。」
「味覚が正常に戻ったんじゃないか。いや、本当に具合悪いなら無理すんな。あいつのライブより恭平のが大事だからな。」
「戻る、ねえ。そっか初めて吸った時もこんな感じだったか。不っ味い思い出。」
「本当に大丈夫そうなら戻るぞ。あったかい飲み物でも買うか?」
「奢り?」
「一緒に、自販機に寄りますか恭平くん?貸した金はいつ返してくれますか?」
「今は僕は財布ないから今度な。次会った時に返すから許して。かっ~~喉乾いたな。財布持ってないからな~。どーうすっかなぁ?」
「はぁ、買ってやるからマジで次に会った時は返せよ。」
「ありがとありがと、すまんね。お礼に何かあったら一つくらい頼み聞くから。」
「ほんと頼むぞ。」
冗談言って、変に固かった表情が崩れたようで良かった。
もう一本咥えようとしてたからケツ引っ叩いて喫煙所から追い出すように、会場に戻る事にした。
それからライブを、ユニットにして七組ほど、時間にして二時間ほど観たが正直に言って楽しめた。何よりも、歌に対しての拒否反応は殆どなく素直な気持ちで熱中できる事が嬉しかった。
嬉しいという感情。頭では安堵、それと同時に湧き上がる歌への期待感やワクワクする気持ちはきっとこの世界の俺が持つ気持ちだろう。これだけの気持ちに晒され続けて、歌への感動がない訳がない。良い意味でも悪い意味でも、栂園の歌にメッセージ性があるんだったら感じ取れるだろう。
しかし、評価の基準がいまいち分からないが、三人の審査員が出した最高得点は7.0、7.2、7.3。これがすごい事なのかすらよく分からないが、最大手の冷泉グループが十点満点続出になってない以上は相当な辛口評価だろう。
いやしかし。
「アイドルとはそういうものだとわかっていたが殆どの衣装がスカートじゃないか。」
「まあ、男は普段着で履くことはないからな。踊る上ではいいだろうし、見てる分には可愛いすから。」
「女子だって相当なラフスタイルの人しか持ってないよ。私はもってないし、親世代の価値観だと着ることを止められてる家もあったらしいんだって。」
「じゃあ、結構受け入れられづらい服装なのになんで着てるんだ?それこそイメージ戦略的にも――。」
脇腹を軽く小突かれる。恭平にしては珍しく弱く叩いてきたな。耳元に近づいてボソボソと小声で話してきた。
「マサさぁ、仮に、仮にっすよ?ソレで、ズボン履いたら踊れないだろ。ばるんばるんっすよ。」
「踊ろうと思ったことはないけどそんなにか?」
「流石に分かるって。マサの50M走のタイムとか酷いじゃないすか。」
「それは単に足が遅いだけだ。」
恐らくありとあらゆるどんな世界のどんな俺も足だけは遅いだろう。それだけはどうにも、どうすれば皆のような走り方が出来るのかは理解できない。どんな頑張って走っても前に進まんだろ。
運動ができる人、というくくりには憧れはない。だがステージで踊る彼らへのすごいなという思いは、アイドルへの憧れというよりはあんなダンスを踊れてすごいなという憧れの方が大きいかもしれない。
全然、運動できないわけじゃないけども。
見かけの憧れって意味では、正直な話、高校の時から恭平の容姿が飛びぬけていたから、芸能人が素敵だと思う事は少なかった。恭平が諸々のコンプレックスを持ってると知ってから寧ろ、直接に褒めたりするのは控えているのだが。
――キャァァァアアア!!!
――ピャァァアアアアア!!!
――タイヨウサマぁあああああ!!!
――アダムクーン!!!!
一際、大きな歓声が上がって会場が揺れる。もう外はだいぶ暗い時間で、しかし俺が到着した時よりも会場は体感で2℃は上がっている程、最高潮のボルテージだ。
『みんなー!遅くまで待っててくれてありがと。出番としては、ボクたちで最後だけど楽しんでいってね!』
『今までで最長に並ぶくらいの長時間のライブで、出てきたユニットも20を超えて。それでも皆がリハーサルとか頑張ったから前回の夏フェスよりも結果的に短くなりました。まあ俺様は終電までやっても良いんだけど、今は小さい子とかがグループにいますからね。』
『そうなんだよ。ゾノさんすっごくボクのことを気にかけてくれてて、控室でもいっつも二人でいるんだから。』
『大学入ってからの俺様は社員待遇で色々と会議があるから控室は別です。嘘をつかないで欲しいし、段取りがあるんだから口をはさんでくるな。』
あいつ丁寧語と常用語が混じってて気持ち悪いな。
『俺様がデビューしてから随分と経って、グループだけじゃなくて会社も成長して、簡単な話が新しい芸能部署、そのオーディションを来年の二月にやります。モニターに概要のスライドが出てるか?』
『モニター……、出てるね!参加資格は特になくて、オーディション自体がでっかい企画なので多くの人に参加してほしいな。男女関係なく来てください。ファン感謝イベントの名目も兼ねているのでボクたちも参加するから、是非近くて交流したいな!』
『詳細は追ってホームページとか公式アカウントから報告しますが、二回目があるか分からない程に大規模な参加型イベントなので必ず参加してほしいですね。』
言葉の通りに受け取るのなら、それに参加しろって事なのか?たったそれだけを伝える為に俺をこのライブに呼びたかったのか?もしくは、それだけの意味を持たせるイベントって事か。
『何を基準にするオーディションか、それは明かせないけど是非ボクたちと同じ舞台に立ちたいと思ってきてね。』
『アイドルとしてでも、何でも。俺様たちに勝ってると思う事があれば大歓迎だぜ。俺様と競いたかったり、或いは目立って取り上げてもらう目的で企業のアピールの為だったり、純粋なファンとして、キャリアはないけどアイドルになりたい、千差万別どんな理由でも歓迎だ。』
『という訳で告知は終わり!ちょっとブレイク挟んじゃって静かだけど、もしかして今日は皆つかれちゃったかな?へとへとさんかなぁ~?大丈夫かなぁ~?』
――ダイジョウブダヨォォォォォォ!!!!
またも会場を揺るがす声援。ライブは相当な時間やっていた筈なのに、血管のはち切れそうな大声での応援。それだけ人気で親しまれているという事でもあるんだろう。
『それでは、聴いてください。ラブ・ヴァンダリズム。』
曲名を聞いた瞬間に、会場がピタッと静まり返る。
暗いイントロでもない。明るい曲調、可愛い曲調で、殆どが専用のコールの為に待機しているんだろう。だけど俺には分かる。この場を支配する緊張感の正体は、舞台の上の二人の天才。
『ねえ、どうしたっても聞かれても何でもないとしか言えないよ。』
『あなたが傍にいてもいなくても、頭は同じこと考えてる。』
『あなたに出会った日からずっとボクは変になってるんだ。』
『心臓は。』
――バクバク!!!
『頭も。』
――カッカ!!!
『ボクはまだ君のモノじゃないのにね。』
『きっとあなたに壊されちゃった。』
『朝、鏡を見る時間が増えた。』
『嘘、それより君を見る時間が増えた。』
『必死に振り向かせようとする君をみて嬉しい。』
『でも必死なボクに気づいてほしい。』
『君の為に変わっていくことに気づかないかな。』
『ボクは君が気に入っているボクを壊して変わってしまうから。』
『好きになって欲しくて変わってしまう。』
『一言だけで良い、安心させて。』
『今のボクが好きだって、』
『抱きしめて、』
『顔をなぞって、』
『でないとボクが君のモノって安心できない。』
『『ねえ、教えて?』』
――ダイスキ!!!!!!
その曲の後は合いの手が激しい曲を彼らが二曲歌って、アンコールで今日の全部のユニットを三分割して歌った三曲で終わりだった。
印象に残った初めの曲の一番。その事を考えながらすっかり暗くなった外を眺めながら車に揺られている。如何に栂園が嫌いでも、あれを見たあとで、あのライブに関して悪口は出てこない。
「あの二人がすごかったな。点数も最高の8.1、8.2、8.0だから技術だけで見ても別格だった。」
「そうだね。栂園、昔よりも歌がうまくなってた。それに、栂園よりもダンスが上手な子がいるとは思わなかったな。」
歌も見た目もダンスも、すべてが完璧な栂園。対して、功刀はダンスにおいて栂園よりも天才的な中学生。
信じ難いが、あいつはアイドルなんだ。
「それで、何か分かったんすか?」
何か?恭平は何を言ってるんだ。
「いやポカンとしてる場合じゃないだろ。何らかの理由があって招待されて、ライブ前に直接話してもピンと来なかったんすよね?じゃあ、他に何かメッセージがないとおかしいじゃないすか。」
「私が気になったのは、例のオーディションを直接伝える為とかかな。他はちょっと思いつかないよ。」
「俺もそんなところだと思ってるんだけどな。」
あんな変な手紙の山を渡す相手がそんな単純な事の為にとは思いづらいが、そもそもそんな事の為にライブに呼ぶ事がそもそもおかしいんだが。
ひっかかる、思い当たる言葉。「歌に乗せた気持ちは、近くても遠くても絶対に伝わらない。」があいつの伝えたかった言葉か?今日のあいつの歌にそこまでの気持ちが籠っていたのか?
だとしても恋愛経験の皆無な俺に、ラブソング系の心情なんて図りようがない。シンプルに、現在あいつが恋をしているか、それとも失恋かの完全な二択。
――でも、あいつアイドルだし、恋はないだろ。
「まあ、思い当たることがない訳でもないし、ちょっと栂園にアプローチしてみるか。」
「マサって彼の連絡先を知ってるんだっけか?」
「奴の捨てアカとダイレクトメッセージでつながってる仲だ。」
「にっしー、その関係は仲って言葉を使うべきじゃないよ。」
振られたのか?と、送信しておくか?流石にナイーブな問題だろうから喧嘩腰にはしないでおこう。本当にそうなのだったら、幾ら栂園でも道場するから慰めてやろうか。
振られたからといって落ち込むな、と。送信しておくか。
「あっ。」
「何か返事あったの?私にも教えてよ。」
「いや、ブロックされた。」
勝手な奴。しかしそのうち来るだろうあいつからの連絡は、ブロック解除か、新しい捨てアカで問題は起きないから放置しておくか。基本的にあいつからの連絡だしな。
間違っていて失望されたらそれで構わないし、そうじゃなければ次に会った時は少し優しくしてやろうか。
「この辺ってマサは詳しかったりしないか?流石に飯食ってから帰りたいすわ。」
「来たこともないから適当に調べたところでいいか?」
「いいぞ。充電忘れてケータイ使いたくないから頼む。」
「調べるなら一旦コンビニあたりに車停める?」
「恭平は本当に煙草以外はまともに持ってないな。近いからラーメンでよくね?」
「いやちょっと僕、この時間にラーメンは……。」
「ラーメンで良くね?」
「さっきの約束つかうならいいっすよ?」
「ハンバーグ屋とか。」
「うーん。まあそれなら僕もやぶさかではない。」
因みにハンバーグ屋に対する俺たち三人のレビューは9.0、8.3、6.0。ちょっとしたお遊びとはいえ、恭平の喫煙席が無い事に対する減点が大きすぎるんだが。
財布を忘れてた事を思い出したヤニヒラくんの代金は俺が払いました。
夜に近所で高校生カップルがいちゃついてて生きる活力をもらいました。
どうにかいつか文章に落とし込んで、還元したいです。